プリティが多すぎる (文春文庫 お 58-2)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167902032

作品紹介・あらすじ

カワイイ至上主義の世界に放り込まれた男子の運命は!?

少女向けファッション誌の新米男子編集者・佳孝はくせ者揃いのスタッフや年下のモデル達、かわいい洋服や小物に囲まれ悪戦苦闘!

感想・レビュー・書評

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  • 不本意な異動の中、やるべきことはきちんとやっているほうじゃないかな?と思った私は仕事に対する意識が低いかもしれない…
    希望もしていない、今まで関わったことのない分野の仕事を好きになれ!と言うのはなかなか難しいと思う。新見の奮闘や葛藤する姿、スタッフ、モデル達との関わりはなんだかんだ前向きで読んでいて楽しかった。関連の作品もありそうなので読んでみようと思う。

  • ティーン誌の部署を軽んじ積極的になろうとしない主人公南吉くんに、最初はやきもきしイライラした。そんな南吉くんも、ティーン誌出版に真剣に取り組むスタッフや若いモデルたちと仕事をしていく中で、少しずつ変化していく。このモデルたちがまたひたむきでかわいい。スタッフたちのプロ意識がかっこいい。ジュリちゃんのエピソードは、本当に厳しい世界なんだということがよくわかる。こんな話、現実にもごまんとあるんだろうな。この人の他の作品もぜひ読んでみたい。

  • 老舗出版社で文芸部門の仕事がしたかった新見だが、PrettyでPopでPureなローティーン向け女の子雑誌に異動になる。

    不平たらたらの新見

    しかし本気で仕事に取り組む先輩たちや、カメラマン、スタイリストたちに、叱られたり教えられたり助けられたりしながら本当の“仕事マン”として目覚めていく

    ローティーンの雑誌モデルたちのプロのお仕事、オーディションの悲喜こもごも、“スター”の光なども見どころ

    〇お仕事小説。登場人物たちにみんなを応援したくなる。
    〇スポンサーとのトラブル怖い
    〇仕事は本気でやると何かしら面白い

  • 「ピピン」を出し続けていくために、編集者ができることは限られている。今まで通り細部に至るまで作り込み、女の子たちの趣味嗜好を置いてきぼりにせず、ピュアでポップなローティーン誌をめざす。ミスを真摯に謝罪したのちは、きちんと顔を上げ、現場を引っ張る。噂話は尾ひれが付いておもしろおかしく回るものだが、離れてしまっては惜しい雑誌であることが最も有効な鎮静剤になりうる。平の編集者はそうなのだろう。けれど管理職の人間はもっと具体的な責任の取り方が求められる。

    次に会った時、彼女にもうもう少しきちんと話をしよう。今いるところで精一杯、頑張ってみようと。

  • 文芸雑誌志望の若手出版社社員が不本意ながら、ローティーンの女子向け雑誌の編集部に配属され、悪戦苦闘しながら成長するという物語。
    まったく畑違いで興味の湧かない部署に異動になることは勤め人なら誰しも起こりうることなので、自分ならどうするだろうと考えながら読んだ。「『適当にお願いします』は、禁句よ。南吉くん、いかにも言いそうだから釘を指しておく。カメラマンさんもスタイリストさんもヘアメイクさんも、みんな適当にはやってないの。適当にできる仕事に就いてるんじゃない。そこは気をつけて」というセリフが心に刺さった。
    ローティーン女子向けの雑誌の編集という、まったく自分にとって未知の世界が垣間見えたのも面白かった、

  • やりたいことではない新しい部署で翻弄されながらも頑張る主人公がかっこいい。
    10代の子が一生のうちたった一瞬の時間にある夢に、真剣に向き合っているところも好きです。

  • プロに年齢は関係ないですね。

  • 『プチセブン』『セブンティーン』私も中学生のころは、これらの雑誌を読んで、イマドキの女子になるべく情報を収集したもん。当時は神田うのやほしのあきがモデルさんだったな...。時の流れを感じます。物語は出版社勤務の新見が、不本意な異動でローティーン誌に配属になることから始まる。プリティいっぱいの現場に面食らう新見君のお仕事奮闘記。出版社やモデル業界のような華やかな世界が好きなので、キラキラプリティな世界観も楽しく読んだ。本当はもっとドロドロしてるだろうな〜と思いつつも、誰もが頑張る姿が爽やかに描かれている。

  • 時間をかけ過ぎてしまったせいか、あまり言葉がレビューが浮かばないのですが、あらすじや印象だけ辿るならば、私の中での主人公のイメージ像は、この表紙のプリティな感じではなく(ドラマ版のカバー表紙)、いつでも黒スーツを着て一生懸命走り回っているような、そんな真面目な男の子だった。だからドラマでは表紙のようなカラフルな彼が居るのなら、それはそれで観てみたい気もする。
    どちらにしても、主人公メインではなく、彼が勤めるティーン誌の少女モデル達、彼女らの方がスポットライトを浴びていた気がする。まあ、主人公は裏方なのだから、そういうものなのかもしれない。
    どんな世界にも、舞台で光を浴びる者が居れば、裏で影となり支える者が居る。貴方は?誰に支えられて両足で立っていられるの?
    知らない世界があることを知った。
    でも私を支える軸は、いつだってぶれやしない。

  • 週刊誌で働きながら文芸に異動を希望していたのに、よりによってローティーン向けのファッション雑誌に異動になった青年のお話
    大崎梢だけど日常系ミステリの要素はなく、お仕事ドタバタ小説

    まぁ、どこの業界でも真剣にやってる人はいるよね
    なのに業界事態を軽視した態度をとれば軋轢は生まれるさ

    いくらローティーンとは言え女の子
    さらに芸能界に足を突っ込んでいる雑誌モデルともなれば、やはりドロドロしたものがあるよね~
    と思って読んだけど、以外に明るい部分しかなかった
    ま、主人公のミスから広告代理店同士やメーカーのごたごたはあったけど、それほどでも
    綿矢りさの「夢を与える」みたいなのを想像してたんだけどね

    いい意味で期待はずれだったので、最後まで楽しく読めた

    解説のところもなかなか面白い
    NHKのプロフェッショナルの音楽が頭の中で流れてとても雰囲気がよくわかる(笑)

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著者プロフィール

大崎梢
東京都生まれ。書店勤務を経て、二〇〇六年『配達あかずきん』でデビュー。主な著書に『片耳うさぎ』『夏のくじら』『スノーフレーク』『プリティが多すぎる』『クローバー・レイン』『めぐりんと私。』『バスクル新宿』など。また編著書に『大崎梢リクエスト! 本屋さんのアンソロジー』がある。

「2022年 『ここだけのお金の使いかた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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