- Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167902148
作品紹介・あらすじ
海外ミステリ復刊第四弾、田舎町の殺人騒動平穏な田舎町で発生した殺人。ロンドン警察のジュリー警視や元貴族のメルローズ、ミステリ好きのアガサ叔母さんらが謎に挑む!
感想・レビュー・書評
-
書庫にあった古い作品。なぜ今まで読んでなかったか後悔する程面白かった。感想で色々指摘があるようにスピード感がないので前半は少しダルいが、後半からの展開はページを捲る手が止まらなかった。のどやかな村の様子や村人の抱えてる秘密などカササギ殺人事件を彷彿させる作品だった(こっちが古いけど)
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
アメリカの作家マーサ・グライムズの長篇ミステリ作品『「禍いの荷を負う男」亭の殺人(原題:The Man with a Load of Mischief)』を読みました。
ジョン・ディクスン・カーの作品に続き、アメリカの作家の作品です。
-----story-------------
海外ミステリ復刊第四弾、田舎町の殺人騒動
平穏な田舎町で発生した殺人。
ロンドン警察のジュリー警視や元貴族のメルローズ、ミステリ好きのアガサ叔母さんらが謎に挑む!
-----------------------
1981年(昭和56年)に刊行されたマーサ・グライムズのデビュー作… リチャード・ジュリー警視シリーズの第1作です。
イングランド中部ノーサンプトンシャーの小村ロング・ビドルトンで連続殺人が発生し、死体が猟奇的な状況下で発見される… 第一の死者ウィリアム・スモールの遺体は絞殺されたうえに旅館(イン)・<禍いの荷を負う男>亭の自家醸造用のビア樽に頭から押し込まれた状態であった、もう一人の犠牲者ルーファス・エインズリーは<ジャックとハンマー>亭の軒先を飾るからくり人形の代わりに梁に固定され、降りしきる雪に埋もれていた、、、
2人は村の人間ではなく、よそ者だった… ロンドン警視庁から派遣されたリチャード・ジュリー警部が地元の有閑貴族メルローズ・プラントやお節介やきの老婦人アガサ・アードリーとからみつつ解決する、興趣満点の佳品……。
英国ミステリの雰囲気がぷんぷんと漂う作風、連続殺人の被害者の関連性や意外な犯人・犯行動機が判明したときの心地良さ、魅力溢れる登場人物、心地よい余韻を与える結末等々… 好みの雰囲気を持った作品で、とても愉しめました、、、
解説に記載してあった、
「クリスティの創造したセント・メアリ・ミードという舞台」に「セイヤーズの魅力的な探偵が降臨する」という図式
という表現がピッタリでしたね… 面白かったです。
事件の謎を解くリチャード・ジュリー警部、それを手助けするメルローズ・プラントの主役も魅力的ですが、独自に捜査を行い頓珍漢な推理を披露して邪魔ばかりするアガサ・アードリーやジュリー警部の助手役のアルフレッド・ウィギンズ部長刑事、ジュリー警部を愛のとりこにしてしまうヴィヴィアン・リヴィントン、幼いダブル兄妹等々の脇を固める人物も魅力的に描かれているところも印象的でした。
リチャード・ジュリー警視シリーズは、本作品を含め13作品が翻訳されていたようなのですが… 既に販売されておらず、本作品だけが新装版として再発されたらしい、、、
他の作品も読んでみたいなー 粘り強く古書店で探すしかないですね。 -
【感想】
・なかなか読むスピードが上がらないミステリなので詳細なメモをつけるのはやめて読むことに集中した。が、やはりトロトロとしか読めなかった。
・おもしろくないわけではない。キャラクタなんかはいい。アガサなんかはいっそ犯人やったらいいのにという鬱陶しさだが、犯人タイプじゃないなあと思いながら読んだ。
・プラントとかプラットとかプラックとか似た名前が多くて閉口した。
【一行目】
パブ〈ジャックとハンマー〉亭の外で犬が吠えた。
【内容】
・田舎の町で死体が細工された奇妙な連続殺人発生。ジュリー警部が派遣される。
・キャラクタが立っている。中でも目立つキャラはジュリー、メルローズ、アガサ、ヴィヴィアン、サイモン。
▼簡単なメモ
【アガサ・アードリー】メルローズの叔母。メルローズが放り捨てた貴族の位を手に入れたが金はない。ヴィクトリア朝の調度が好み。なんでか知らないがアードリー・エンドの屋敷は本来自分のものだと思っている。自分がアガサ・クリスティになれると思っているが才能は欠片もない。彼女の話を聞かされるよりは毒薬を飲まされる方がマシだとメルローズは思う。
【アップルビー】ドクター。
【イザベル】ヴィヴィアンの義理の姉、財産の管理人でもある。
【ヴィヴィアン・リヴィントン】詩人? ジュリー警部は出会った瞬間、一目惚れした。皆がヴィヴィアンに惚れている。サイモン・マチェットと婚約したという噂がある。メルローズも憎からず思っているようだ。アガサはメルローズから引き離したがっているがそれは自分が屋敷を相続したいから。
【ウィギンズ】ジュリーの部下。若いが憂鬱症のため老け込んでしまった。ドロップとかのど薬とかのセットをいろいろ持ち歩いてる。
【ウィリアム・スモール】死者。〈禍いの荷を負う男〉亭の地下の酒倉で発見された。針金で首を絞められビヤ樽に首を突っ込まれていた。
【オリヴァー・ダリントン】ミステリ作家。第一作の後ロクなものは書いていない。
【ゴーント】牧師館の料理人。
【サイモン・マチェット】〈禍いの荷を負う男〉亭の主人。モテそうな感じ。ヴィヴィアンと婚約したという噂がある。
【シーラ・ホーグ】オリヴァー・ダリントンの自称秘書。実質的には愛人。
【私生活】「何を言われます、プラントさん。私生活を無視して犯人をつかまえられるとお思いですか」p.153
【ジャックとハンマー亭】パブ。からくり人形のジャックは村のマスコット的存在。
【ジュリー】警部。主人公。モテそうな感じだが女性との付き合いは下手なようだ。がさつでもタフガイでもなく知的で優しい。ワーカホリック気味? 自分の墓標に「捜査は進行中」という言葉が刻まれるところを想像した。
【真実】《ほとんどの人間が真実を言おうとはしないのだ。》p.110
【セリア】マチェットの元妻。殺された
【チャールズ・プラット】ノーサンプトン警察の警視。
【ダフネ・マーチ】ウィリアム・スモールの死体を発見した女の子。ルビーの友人でもある。性格はよさそうだ。
【ダブルきょうだい】ジュリーが出会った少年と少女。ジュリーにパチンコをくれた。たぶん後に役立つことになりそうだ。ジュリーは兄のことも妹のこともジェームズと呼ぶことにした。
【ツノガレイ】魚と思われるが描写を見てるとあまり美味しくなさそうだ。
【ディック・スクロッグス】パブ〈ジャックとハンマー〉亭の主人。
【デンジル・スミス】牧師。
【トルーブラッド】骨董品屋。同性愛者。
【ノーサンプトンシャー】舞台となる地域。イングランド北部にある。
【ハリエット】マチェットの元恋人。
【フィオーナ・クリングモア】警察の女性職員。エッチな感じ。ジュリーに気がある。
【プラック】巡査。ちょっぴりゴシップ屋だが善良。
【プラット】ノーサンプトンの警視。
【牧師館】家政婦の料理の腕はイマイチ。パン屋菓子の類いには防弾効果があるほど硬い。
【ベアトリス】ミス・ボールのとこで働いているウエイトレス。
【ヘッタ・ウィリープール】〈スワン〉亭の女主人。三つ目の死体の発見者。
【ミス・ボール】パン屋。喫茶店でもある? モーニング・サービスがある。
【ミセス・ウィザーズビー】〈ジャックとハンマー亭〉の常連。薬剤師ということになっているが村の魔女かな?
【メルローズ・プラント】元貴族。大学で詩かなにかを教えるのに邪魔なので肩書きをあっされ返上した。金持ち。モテそうな感じ、
【リヴァン】メルローズの執事。アガサは「ルスヴァン」としか呼べない。
【ルーファス・エインズリー】死者。〈ジャックとハンマー〉亭の人形の代わりにされて。
【ルビー・ジャッド】牧師館のメイド。とはいえ怠け者であまり仕事はしない。男遊びが激しいようだ。物語開始以来ずっと消息不明。おそらく殺されているのではないかと思われるので連続殺人の最初の犠牲者だったということになりそうだ。
【レイヤー】主任警視。ちょっとお洒落。ジュリーにライバル心を抱いているがいまいち能力が低い。
【ロレイン】ビスタ=ストローンの妻。メルローズに反感を覚えているようだがどうやら誘惑してはねつけられたからのようだ。
【ロング・ピドルトン】舞台となる村。 -
「メールオーダーはできません」の中に出てきたので。
元祖コージー・ミステリーということだったが、
なんだかちょっと薄っぺらいというか、
最初の方は面白なくてどうしたのかと思っていたら、
作者はアメリカ人だったのか…。
後半面白くなってきたので良かったが、
舞台だけイギリスの田舎にしても、
コージーミステリーにはならないということが分かった。
医者が一人しかいないアメリカの田舎の町で、
次々と殺人事件が起きても疑問を感じないことがある一方、
イギリスの旅館でビヤ樽に頭をつっこんだり、
さらし者された死体には嘘くささがつきまという。
途中で、準主人公に昇格してしまった元貴族が、
爵位を返上した本当の理由が気になる。 -
偶然12月19日から読み始めて、なんてタイムリー!
流石に本の中の最後の日付よりは前に読み終わってしまいましたけど、ほんのりクリスマス気分が盛り上がりました。
読んでると死体がどんどこ増えてくるけれど(笑。
このシリーズは「五つの鐘と貝殻骨」亭の奇縁を最初に読んでいて、あとはちょこちょこ。
最近ようやく邦訳全部揃えたので、最初から読んでおります。
ジュリーさんはまだ警部なのですね~。
そしてプラントさんと出逢いの巻だったり、この頃から上司と部下にいろいろな意味で恵まれていたり、ヴィヴィアンにズキュンと一目惚れしてたり。そ、そうだったのか!
ジュリーさんは人をささやかな事で嬉しがられるのが上手ですね。
子供達やウィギンズさんとの会話が微笑ましかったです。
それなのに女性にはなかなか…いや、後の方の巻では情熱的な一面もありますけどね!最初だから?
それにしてもジュリーさんもプラントさんも40台なんですよね。
時にそれを忘れさせる謎の若々しさがあります。
ラストのお手紙の「ホイペット犬みたいな体の細い、よく居間に飾ってある田舎紳士の絵の中に描かれている種類」は、今で言うウィペットの事なんですね~。
最初「ん?」と思って調べてみたら、日本でも少し前までウィペットよりホイペットの方がポピュラーな表記、との事でした。なるほどなるほど。
それからウィギンズさんが言った「赤い鰊(ニシン/レッド・ヘリング)」は直訳すぎるかも?
レッドヘリング:ニシンの燻製の意。注意を真犯人から逸らすため置かれる、偽の手がかりをさす。ニシンの燻製の臭いに猟犬が注意を逸らされることから。 -
初め、退屈かなあ…と思ったけど、面白かった。
一日で読めました。 -
【海外ミステリ復刊第四弾、田舎町の殺人騒動】平穏な田舎町で発生した殺人。ロンドン警察のジュリー警視や元貴族のメルローズ、ミステリ好きのアガサ叔母さんらが謎に挑む!