さよならの手口 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 893
レビュー : 119
  • Amazon.co.jp ・本 (431ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167902209

作品紹介・あらすじ

仕事はできるが運の悪い女探偵・葉村晶が帰ってきた!

ミステリ専門店でバイト中の女探偵葉村晶は、元女優に二十年前に家出した娘探しを依頼される。当時娘を調査した探偵は失踪していた。

感想・レビュー・書評

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  • 相変わらず、満身創痍でヒロインとは思えないやられっぷり。ほんとにきつそう…前作で喧嘩別れしてしまった親友はそのままなのかな〜というところが気になって仕方ない。

  • シリーズものの第一作でもなければ最新作でもなかった。
    でも面白かったわ~。

    四十代の元探偵事務所の調査員で、今は古本屋のバイト店員・葉村晶。
    彼女がめっぽうハードボイルド。

    全身打撲、肋骨二本にひび、おでこに大きなこぶ、そして肺がカビの胞子まみれ。
    これが、導入部の、本筋ではない事件での負傷。
    その後も、たった数日の間に何度病院に担ぎ込まれることか。

    しかし彼女はめげない。
    やらなきゃならないことは、身体を張ってでもやる。
    頭の回転は速い。
    そしてなんだかんだ言ってお人よし。
    ああ、好きだわ、こんな生きるのが不器用な人。

    二十年前に行方不明になった娘の生死は?
    彼女の父親は?
    失踪した探偵は?
    最後までゆるむことなく張りめぐらされた謎と罠。

    ミステリ専門の古本屋さんでバイトもしているものだから、懐かしい書名がたくさん出て来て嬉しい。
    そして店長のキャラクター!
    あくまでマイペースに自己主張を押しとおす。
    そばにいれば迷惑な人だが、傍で見ている分には実に愉快。
    ストーリーの後味の悪さを、彼のキャラクターが随分中和してくれる。

    これも、シリーズを追いかけることになりそう。

  • 葉村晶シリーズ。盛りだくさんの長編。
    読みはじめて早速ケガしたかと思ったら、今回はほんとに何度病院のお世話になることかと、何か自分の手やら足やらまで痛くなりそうだった。
    最後は志緒利がどこにいるのか?いつ姿を現すのかが気になっていたけど、そんなとこにいたのかと驚き。
    前のほうを読み返してしまった。
    舞美は、図々しいのと調子が良いのがちょっと気に入らなかったのだけど、まさかのそうでしたか。ショックではないけど、晶の苦い想いとかを思うと騙された感満載。
    もっと騙されたのは息子か。なんだよそれ。
    でもようやく熟睡できたというのでちょっとだけ人間らしさも感じられたか。
    そしてなかなかに秀逸な終わりかた。
    このタイトルはどこから?ということにもちゃんと応えてくれた。
    読みごたえ充分。楽しめました。

  •  不運な探偵葉村晶シリーズの長編ミステリ。

     タイトルがずるい。
     ふと気づくと時がたっているシリーズ。その間のことは多く語られず、読者に推察させる。

     最後まで読んで、やはりタイトルがずるい、と思うミステリ。
     格好良すぎるだろ。

  • 前日譚未読でも問題なし!の言葉に背中を押され、葉村晶シリーズ初読み。徹底的に足で稼ぐ手法、社会へのシニカルな視点、警察との関係性など、思っていた以上にハードボイルドだった。度々不運に見舞われる葉村晶はまるで満身創痍のプロレスラーだが、クスリと笑える彼女のボヤキやツッコミのおかげで軽快に読める。本編は事件や謎がテンコ盛りで、少々力技な部分(使用人失踪の真相や倉嶋舞美の正体)もあったが、こうも綺麗に伏線回収出来るのは本当に恐れ入る。結末の苦い後味といい、好物すぎて満腹。また追いたいシリーズが増えてしまった…。

  • 十数年ぶりに葉村晶が登場し、ちゃんと年を取って40代になっていることに感動した。しかも、不運はパワーアップ。
    冒頭、事件に遭遇してケガを負うのも、事件をきっかけに依頼を受けるのも前回同様のお約束。
    調査が進めば進むほど謎が増えていき、収拾できるのかと思わせるが、見事に収束。本筋ではない事件が残り、これも解決するが、後味の悪さも楽しみの一つ。
    最後の1ページは笑えるし、ラストの一行は震えるほど気が利いている。

    葉村晶が福家警部補シリーズを買うなんて!!
    葉村晶が傑作と評する「キルトとお茶と殺人と」は読まなければ。

  • 探偵を休業し、ミステリ専門店でバイト中の葉村晶は、古本引取りの際に白骨死体を発見して負傷。入院した病院で同室の元女優の芦原吹雪から、二十年前に家出した娘の安否についての調査を依頼される。かつて娘の行方を捜した探偵は失踪していた―。有能だが不運な女探偵・葉村晶が文庫書下ろしで帰ってきた!

  • 若竹七海さんのミステリー小説 初めて読みました。
    これは 女探偵 葉村晶シリーズだったんですね〜
    この本で初めて葉村晶を知る事になるんですけど タイトルからして訳ありな要素を含みつつ、内容も かなり面白かった ついつい読み入ってしまった ラストが呆気なく終わってしまった感じがした…女性探偵ならではの サバサバした性格でありながら 人を気遣うところなど とても 主人公に好感を持てるし、細かく調査してゆく道順が面白かったし、結構痛い目に遭いながら臨んでゆく姿に
    ミステリーではないドラマ性を感じられ 前作の葉村晶シリーズを読みたくなった。葉村晶シリーズに期待大!

  • 女性の探偵ものは、何故だかほろ苦い。
    女性が探偵『役』で、美人だったりして、荒事をこなしてくれる相棒がいたり、疲れ切った時に労ってくれるいい男がいたりすると、そうはならないんだけれど。

    葉村晶は、その点ちっとも甘くなく、リアルに食べていくための仕事として『探偵』で、女性として得してるところはほとんど全然なく、その上運が悪く、ケガはするし危ない目には合うし、いまや若くもなく美人でもない。
    けれど真摯に仕事をし、精一杯フェアであろうとする、人としてスジの通ったところが沁みる、男前?な女探偵ぶりが、独特な面白さになっていると思う。

    若竹七海さんの作品は、ドタバタミステリもいいけど、こういう曇り空みたいなミステリも好き。
    青空が、ちらっと見えるところがあって救われるのもいい。

  • 相変わらずの面白さ。

    毎回ボロボロになって、とにかく今は眠りたい、ってなるなー(笑)

    巻き込まれ型の探偵さんですが、巻数を重ねるごとに人情味がましますね。しかしあくまでドライ。

    同時進行の問題多発であきません。

    このシリーズの残酷な結末は重くなくて好きなんだけれど、今回こんな終わりもいいな。切ないとこは切ないけど。

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著者プロフィール

東京都生まれ。立教大学文学部史学科卒。1991年、『ぼくのミステリな日常』でデビュー。2013年、「暗い越流」で第66回日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞。その他の著書に『心のなかの冷たい何か』『ヴィラ・マグノリアの殺人』『みんなのふこう 葉崎は今夜も眠れない』などがある。コージーミステリーの第一人者として、その作品は高く評価されている。上質な作品を創出する作家だけに、いままで作品は少ないが、受賞以降、もっと執筆を増やすと宣言。若竹作品の魅力にはまった読者の期待に応えられる実力派作家。今後ブレイクを期待出来るミステリ作家のひとり。

「2014年 『製造迷夢 〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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