真田三代 下 (文春文庫 ひ 15-12)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (560ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167902285

感想・レビュー・書評

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  • 大好きな真田幸村です。

    半年以上たって下巻を読み終りました。上巻を読んだあと、目の疲れが酷く体を悪くしました。が、知らず知らずに積読本のなかで常に上に持って来ています。どうしても読みたくて、しかし、字が小さくて躊躇していました。読み終って本当によかったです。

    武田信玄の父信虎に敗れて上州に逃げ、信玄が武田家の当主になったら信玄の家来になり真田家を信州の地に戻した真田幸隆。巨大な大勢力の狭間で地に這いつくばっても真田の家を守り続けた真田昌幸。頭脳明晰で緻密に生き抜いた真田信之。爽やかに力強く駆け抜けた真田幸村の三代四人の物語です。

    下巻は、真田昌幸が、上田で徳川家康の援助で上田城の建設を始めてから。最後は、大阪城に入った真田幸村が、家康によって攻められて49才で現在の大阪市天王寺区にある安居神社付近で討死するところまでです。

    火坂雅志さんの本を読むのは初めてです。

    【読後】
    この本には、真田氏の上州沼田への領土拡大を経済的な面でとらえています。すなわち利根川水系にある沼田と、信濃川水系にある上田は、太平洋と日本海を繋ぐ舟運の要衝にあり、貿易ルートを掌握することで経済的な利益を得ることを目的としていると。

    「購入」
    真田三代 下巻《文庫本》
    2014.11発行。字の大きさは…字が小さくて読めない大きさ。
    2023.10.10~12読了。★★★★★
    ブックオフ、110円で購入2023.01.27
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    真田三代一覧
    02.下巻 2023.10.12読了
    01.上巻 2023.01.29読了
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    参考
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    「著者紹介」
    火坂雅志(ひさか まさし、1956年5月4日 - 2015年2月26日、58歳没)は、日本の小説家。本名は中川雅志(なかがわ まさし)。上杉景勝の家臣であった直江兼続を主人公とした時代小説『天地人』は大河ドラマとして映像化された。また、明治の小説家である村井弦斎を敬愛し、長年にわたる弦斎研究を行っていたことでも知られる。

  • 真田家、謎多く面白い。

  • 武田二十四将にも数えられる、幸綱(幸隆)とその子、信綱と昌輝の真田二代。信綱の子、与右衛門へと三代は続くはずだった。長篠がなければ。

    幸綱が苦心惨憺の末、旧領を回復しなければ、その後の昌幸とその子、信幸(信之)と信繁(幸村)はなかったし、後の松代藩十代もなかった。

    幸綱の弟、矢沢頼綱(綱頼)も。この人いなかったら真田家は保てなかったんじゃないかな。弱小の一族の生き残りをかけた生き方が、ただ凄い。

    その矜持が、信繁をして凝縮し、大坂の陣という舞台(までもが充てがわれたとさえ思える)で輝きを放ったとしか思えません。歴史って面白い。

    何事も、移ればかわる世の中を、夢なりけりと、思いざりけり (信幸の辞世)

  •  下巻、第一次上田合戦から、大阪の陣。あらゆる手を尽くして、それは時には死力を尽くして得た領地を一時的に奪われることをも惜しまず、表裏比興と言われても、冷静に実を取る昌幸。現在においては仕事やら何やら信頼が大きなところを占めるのであるが、こういった自身に勢力や資金が無くても実力があり、強かに生きる術は大いに学ぶべきところがあろう。
     そしてそれとは真逆に位置する義に生きようとする幸村。ただし何処か義よりも一族より自身の生き方、存在意義を打ち立てようとしているように思える。しかしそこにも幸隆、昌幸から連綿と続く、一族への思い、誇りが浮かび上がるのであろう。
     ただ残念なことに、最後の大阪の陣のクライマックスが、勿論活躍はするのであるが、何処か拍子抜けする。何故であろうか?恐らく思いの外に大阪の陣が展開が早く、それ故に幸村の死への「恍惚感」が感じられなかったからなのかもしれない。

  • 忘れたー

  • #読了 上田城築城から大坂夏の陣まで。大坂の陣が駆け足気味でもったいないような気がするけど、面白かった。幸隆、昌幸、幸村の三人がメインって感じだったね。信之は少しわきに追いやられてしまったけれど、徳川方についている以上しょうがないかな。
    信州とか上州とか、あのあたりは本当に周りの大大名に翻弄されてたまらないね。泥臭く生き残りをかけて奔走し、表裏比興と謗られながらも芯のある真田家、やっぱり魅力的。

  • 泥水をすすっても生き残ることと矜持を持つこと、どちらも大事よという素敵はさなお話し。

  • じっくり読み込めて、没頭。こうありたい、と思う生き方。

  • 勝負というものはな、最後までわからぬ。
    わしは三方ヶ原の戦いで武田信玄に敗れたとき、もはやおのれの運は尽きたと思った。
    さはかし冥加にも命を拾い、織田右府さまの絶頂と滅び、太閤殿下の栄耀栄華をこの目で見てきた。そのすえに、最後に笑う者に必要なものが何か、ようやくわかってきたつもりよ。
    あきらめぬことだ。
    人生は潮の満ち引きと同じ。運がめぐって来るときもあれば、何をやってもうまくいかぬときもある。だが、誰の上にも、ひとしく機はおとずれる。その機を逃さず、運をたぐり寄せる

    家康の言葉が印象的。

  • 会話文が多く物語性があるのだが盛り上がりの表現が少ない。

    上下巻2冊の量では出来事を劇的に表現するのには足りなかったのでしょうが、十勇士の登場は必要があったのだろうか。佐助以外は名前だけの登場で活躍の場はほとんどない状況であった。

    家康の傍にいる信之が謀略家の雰囲気で、幸村は上杉に対して義理を感じて思い入れが強い。

    小大名の真田というよりも惣領でなかったがための昌幸と幸村の身の振り方に焦点が当たっている感じがした。

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著者プロフィール

作家

「2017年 『左近(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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