静おばあちゃんにおまかせ (文春文庫 な 71-1)

著者 :
  • 文藝春秋
3.52
  • (54)
  • (149)
  • (192)
  • (27)
  • (5)
本棚登録 : 1721
感想 : 173
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (367ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167902407

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 中山七里は面白い。
    帯にはどんでん返しと書かれていたけど、そうなんだぁと思っただけだったかな。というか、そうした必要性があまりなかったような。
    理路整然と犯罪を捉えて推理していくのは気持ちいい。

  • 新米刑事が女子大生に事件の相談をして,女子大生のおばあちゃんが安楽椅子探偵する連作短編集。
    ユーモアミステリっぽいがおばあちゃんの発言に深みがある。
    このオチはどうにかならなかったのだろうか・・・。

  • 多面的だと思っていた正義は、
    本当はもっと単純で良いのかもしれない。
    葛城の正義がどんなに幼稚だとしても、
    その正義を支持したいしそこに寄り添いたいと思う。
    きっと近くにいる人を救うことが正義であり、
    正義が発揮されるときには救われる方も能動的に手を伸ばす必要はある。
    正義には双方向の心の機微が必要に感じた。

  • 表紙やタイトルを見た感じでは、何となくほのぼのとしたユーモアミステリをイメージする。少し頼りない若い刑事と、純情な女子大生という組み合わせもそうだし、その捜査の話を聞いて謎をとく安楽椅子探偵が女子大生のおばあちゃんというのも、実になんというか、狙いすましたようなパターンと感じる。

    読んでみると少し驚く。確かに、ある種のほのぼのした感じはある。刑事と大学生の恋模様も、なかなかくすぐったくてよい(案外急展開でそれには驚いた)。しかし、この連作短編の眼目は、実は硬骨なおばあちゃんの口から語られるさまざまな言葉ほかならないと思う。そしてそれは、突き詰めて言えば、「正義とはかくあるべきだ」という、きわめて実直な提言だと思う。

    本格ミステリとしてもまずまずのレベルと思う。ありがちなトリックながらうまく使いまわしている、という感じだろうか。

  • 中山七里は、以前読んだアンソロジー、「しあわせなミステリー」で
    見事に引っかかり、一度ちゃんと読んでおきたいと思った作家だった。
    何故にコレだったのか?と言うと、タイトルがほんとにどうしようも無かった(^^;)から。
    この作家の場合、それすらが狙いのような気がしてのチョイス。
    ・・・当たりました。珍しく(^^;)。

    形態は連作短編。
    捜査一課の平凡な刑事は、何故だかいくつもの難事件を解決してしまう。
    これには秘密があり、大事な時には彼のそばにいつも大学生のガールフレンド居て、
    全て彼女の助言が事件解決の糸口となる。しかし、実は謎を解いていたのは彼女の
    おばあちゃんで・・・。という構成。軽いテイストながら、キッチリ練り上げられた
    骨太なミステリーが5篇。いわゆる安楽椅子探偵モノのお手本のような作品である。

    物語はある種淡々としているが、ラストにとんでもない事実が。
    しかし独語は"もの凄く気持ちの良いやられた感"で胸がいっぱいになる。
    どうやらこういうのが得意な作家らしい。これは引き続き読んじゃうな、他を(^^;)。

  • 自宅に居ながら難解な事件を推理。
    でも、そのおばあちゃんは少し訳ありで。
    警察官と女の子の恋愛事情も楽しいミステリ。

  • 今回はいつもの中山七里作品と違うどんでん返しが用意されていた。そのどんでん返しは涙も誘う仕上げになっている。
    中山さんの数々の作品に登場する人物が何人も出てきて、それもまた楽しませてくれた。また、今回の作品では人生の教訓ともいえるものをたくさん提示してくれている。
    またまた中山七里ファンになってしまった作品といえる。

  • さすが、中山七里の一言。タイトルを読むと静おばあちゃんが主人公かと思いきやさにあらず。いろんなミステリーが鏤められていて、飽きずに完読。あとがきにシリーズものがあるとのこと。そちらも読まねば。

  • 久々に気持ちの良い騙され方をしました
    全体的に読みやすいのと、主人公をはじめ
    気持ちの良い人物が多いですね

  • ひょうひょうとして刑事と言うより旅行会社の添乗員みたいな主人公、落ち着いてるけど鋭い女子大生の円、それにいつも冷静な静おばあちゃん。
    ほっこりする3人のキャラに相反して結構難解な事件。最後のどんでん返し、今回はちょっと?でしたが、面白かった。

全173件中 31 - 40件を表示

著者プロフィール

1961年岐阜県生まれ。『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2010年にデビュー。2011年刊行の『贖罪の奏鳴曲(ルビ:ソナタ)』が各誌紙で話題になる。本作は『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』『追憶の夜想曲(ノクターン)』『恩讐の鎮魂曲(レクイエム)』『悪徳の輪舞曲(ロンド)』から続く「御子柴弁護士」シリーズの第5作目。本シリーズは「悪魔の弁護人・御子柴礼司~贖罪の奏鳴曲~(ソナタ)」としてドラマ化。他著に『銀齢探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2』『能面検事の奮迅』『鑑定人 氏家京太郎』『人面島』『棘の家』『ヒポクラテスの悔恨』『嗤う淑女二人』『作家刑事毒島の嘲笑』『護られなかった者たちへ』など多数ある。


「2023年 『復讐の協奏曲』 で使われていた紹介文から引用しています。」

中山七里の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×