おまえじゃなきゃだめなんだ (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 1172
レビュー : 108
  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167902759

作品紹介・あらすじ

「対岸の彼女」で直木賞を受賞した角田光代さんによる短編恋愛集です。
このおまえじゃなきゃだめなんだは24の短編から構成されていて、情景がうかぶ作品が多いです。1作品の量も本当に短いものから、続きがもう少しほしいものまであります。様々な恋愛にまつわるエピソードは共感をよぶものが見つかります。

感想・レビュー・書評

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  • どんな激しい恋愛が描かれているのだろうかと息せききって読んだ表題作。
    なんと・・・、そう来たか(笑)
    まさかね、角田さんが山田うどんを語るなんてね。
    いやーまいった、まいった。

    何を隠そう山田うどんは地元の味ですが、「山田じゃなきゃだめなんだ」なんて熱い思いは全くない。
    人によりけり?
    最近昔よりずいぶん美味しくなったなぁとは思いますが・・・。

    企業コラボでお題ありきの小説でもそれなりに読ませてしまう角田さんはさすが。ティファニーの話もうまいし。
    でもやはりどこか物足りない。
    職業作家としてというか、頼まれた仕事は断らないという角田さんの姿勢もあり、まあ仕方がないのだろうけどやっぱり本来の角田さんの良さがつまった作品が読みたいなぁ。

    その中でも、「それぞれのウィーン」が良かった。
    過去と現在を交差する不思議な出会いの話。
    人の温かさがじんわりと伝わってきて優しい気持ちになれる。

    なんだかんだ言ってもやっぱり角田さん、好きだなぁ(笑)

  • 角田さんの本は久々に読みました。

    短編というか、ショートショートというか、とても短い。
    その短い中に、ぎゅっと詰まってるという感じ?
    楽しみました。

  • 企業とのタイアップ小説を中心に集めた短編、全24編。さすが角田さん、安定感あるクォリティ。一方で、安定感ありすぎて意外性を感じないかなというところもあるけれど。全体的に若かりし頃の恋愛を振り返る内容が多く、バブル時代の描写が懐かしかった。そうだよな、当時の若い男女って、高級なレストランだの高価な贈り物だので、互いの気を引くのに必死だったよなと。中でも好きなのが、「最後のキス」/「幼い恋」。彼目線と彼女目線で描かれた対の作品だが、若さゆえすれ違ってしまった恋の終わりが切ない。最後まで大人ぶって、突っ張ってしまうところが尚更。短い作品ながら、角田さんの巧さが光る。
    そして、表題作「おまえじゃなきゃだめなんだ」。埼玉を拠点とし、関東でチェーン展開する山田うどんが描かれているが、かつて埼玉に暮らしていた私は山田うどんが恋しくって!ある女性の恋愛の軌跡に山田うどんを絡めてきたところが角田さんらしいな。
    今回の文庫発売で、個人的に最大の収穫と思っているのが、メタローグ「recoreco」に連載していた「不完全なわたしたち」(『不完全な天体』を改題)が収録されていること。2002~3年発表の角田作品で、まだ本になっていないものがあったなんて!心にぽっかり穴が開いた感じ、今自分はどこにいるんだろうという心もとなさ、いい加減で飽きっぽくて、そのくせつまらないことに執着して…2000年代初め頃の角田作品が醸し出す、胸がざわざわするような空気が大好きなので、この作品はそんな空虚感に満ちていて、懐かしくて嬉しかった。シリーズ中「共栄ハイツ305」だけは他のアンソロジーで既読だったが、今回改めてシリーズの中の一作品として読むと、読後感が変わってくる。
    最終話「消えない光」も胸にずしっとくる。登場する若いカップル同様、恋愛や結婚において指輪を重要視しないという価値観を私も持っていた。だけど、型にはまるということの意味がこの年になって少しはわかる。高価なものはやっぱり苦手だけども、人生におけるジュエリーの存在について、ちょっと考えさせられたかも。
    帯文句「ずっと幸せなカップルなんていない」、本書をうまく言い表しているなと読み終えて実感。角田さんは力作長編もいいけど、短編もさすが巧いなと今回つくづく思った。24作品分、様々な人生を様々な角度から見つめることが出来る、そういう意味ではお得感あるかも。

  • 大好きな角田さんの超短編集。
    正直、やっぱりどこかあっけない感じはしましたがそれぞれ楽しく読めました。

    一番印象に残ったのは#さいごに咲く花
    人の命が終わるときに頭上に咲く花が見える女性のお話

    人生の花があるのなら、若いころに満開に咲きそして加齢とともに散っていく。。。
    私もそんな風に思っていました。

    でも「生きていくことは、ゆっくり自分の花を咲かせていくこと。ピークも下りもなく、その花の一番美しいときに向かって歩くこと。そしていのちの最後に誰もが自分の花を存分に咲かし切る」
    加齢とか、アンチエイジングとかいう言葉に敏感に反応しちゃう年頃の私には
    まさに”神のお言葉”
    やっぱり、角田さん好き♪
    私の頭上に咲く花はどんな花なのかな。

    それと、可愛い表紙にほっこり
    いくつになっても、こういう可愛いものは大好きです。

  • ジュエリーにからんだ話が多かったかな。
    やっぱり短編はしっくりこない。ってわかっていながら角田さんだから読んでみた。
    世の中にはいろ~んなカップルがいて、いろんな物語が転がってるんだろうな~
    「山田うどん」の話が印象的。それとやっぱり離婚指輪。

  • 短編集。いいなぁと思えるものと、なんだこれと思ったものと、落差が激しい短編集だった。

  • 何かの冊子などに寄稿したような短編の集まり。
    「消えない光」は良かった。結婚について考えさせられる。
    また、山田うどんの話や家にまつわる話もいくつか良かった。ここら辺は青春の回顧がテーマ。

    初めの方に載っている、ジュエリーや宿の話は内容が浅く、まるでケータイ小説に感じた。

  • うーん、まあまあ。最後の消えない光が良かったです。途中ちょっと飽きてしまった。

  • ショートショートみたいな超短編は物足りない。
    最後の比較的長めの話は良かったけど。

  • 初出の雑誌のテーマやコンセプトに沿って書かれているものも多い。
    ジュエリー絡みのお話が多いのもそのため。
    それにしても、さまざまなカップルの形、場所に関する思い出の形が、丁寧に繊細に描き分けられている。
    日常、フッと心をよぎること、男女の考え方、感じ方の違いなど、大袈裟でない事を拾い上げて文章にしているのはさすが。

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著者プロフィール

角田 光代(かくた みつよ)。
1967年、神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。
1990年、「幸福な遊戯」で海燕新人文学賞を受賞し、小説家としてデビュー。受賞歴として、1996年『まどろむ夜のUFO』で野間文芸新人賞を皮切りに、2005年『対岸の彼女』で第132回直木三十五賞、2007年『八日目の蝉』で中央公論文芸賞、2011年『ツリーハウス』で第22回伊藤整文学賞、2012年『紙の月』で第25回柴田錬三郎賞、同年『かなたの子』で第40回泉鏡花文学賞、2014年『私のなかの彼女』で第2回河合隼雄物語賞をそれぞれ受賞している。
現在、小説現代長編新人賞、すばる文学賞、山本周五郎賞、川端康成文学賞、松本清張賞の選考委員を務める。
代表作に『キッドナップ・ツアー』、『対岸の彼女』、『八日目の蝉』、『紙の月』がある。メディア化作も数多い。

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