64(ロクヨン) 上 (文春文庫)

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  • 文藝春秋
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レビュー : 376
  • Amazon.co.jp ・本 (355ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167902926

作品紹介・あらすじ

二〇一二年のミステリー二冠! 究極の警察小説登場!昭和64年に起きたD県警史上最悪の事件を巡り警務部と刑事部が全面戦争に突入。その狭間に落ちた広報官・三上は己の真を問われる。

感想・レビュー・書評

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  • D県警広報室トップ広報官の三上義信
    これは、2度目の広報室勤務
    前回は刑事3年目で広報室勤務を命ぜられ1年で刑事部に戻された。
    怯えが精勤を支えたと言っていい。
    以来、20年以上刑事としてのキャリアを積んできた。
    それが、晴天の霹靂の広報官就任だ。
    2年で刑事部に戻る
    幾つもの感情をその一言に封じ込めて広報官の任に就いた。

    三上の娘あゆみは父親に似ている顔を嫌い心を病み家出
    広報室の改革……記者クラブとの関係が改善されつつあった。
    あゆみの家出が事情を一変させた。
    キャリアに言われるがままの記者対策で

    広報室と記者クラブと加害者の匿名問題で対立する中
    警察庁長官による時効の迫った重要未解決事件「ロクヨン」
    視察が1週間後に決定した。

    ロクヨンとはD県警刑事部にとって掘り返されたくない迷宮入り直前の
    昭和64年に起きた雨宮翔子ちゃん誘拐殺人事件
    ロクヨンを巡り刑事部と警務部が全面戦争に突入
    三上は長官訪問を被害者にお願いするが、断られる。
    長官の遺族訪問を実現すべく、父親を説得する為に
    改めて「ロクヨン」の捜査関係者から話を聞きまわる。
    犯人から脅迫電話を録音する「自宅班」の内2人が事件直後警察を辞めていた。
    『幸田メモ』の存在
    歴代の刑事部長が代々隠匿していた秘密がある事を知る。
    長官訪問の意味……。

    長官視察の前日に「ロクヨン」の手口を全くコピーした新たな誘拐事件が発生
    このタイミングで誘拐
    これは、狂言誘拐なのか?
    被害者の一家は実在するのか?
    これは、本当に偶然の産物なのか?

    前半は、広報室と記者クラブの対立
    警察内部……刑事部と警務部の軋轢
    高圧的なキャリアと叩き上げ刑事の哀しさ
    暗く重い心情描写の連続……    それも、伏線

    後半は、14年前の事件を全くコピーした誘拐事件が発生
    これは、実際に起こっているのか?
    作られた誘拐事件なのか?
    ページを捲る手が止まらず一気に読めました。

    横山さんの人物描写や深い心理描写素晴らしいです。

    横山さんの警察小説は名作です。
    深く考えさせられ重い内容の本です。
    とても、読み応えがありました。
    その後のD県警・三上警視・あゆみちゃん……知りたくなりました。

  • H31.4.29 読了。

     某局で放映されたドラマロクヨンの三上役のP氏のイメージで読み進めてしまった。良いドラマだったのに。

     マスコミと広報官との関係性や刑事部と警務部との関係性、あゆみちゃんは発見されるのかなどなど下巻の展開が気になる。

  • 有名なので、題名は聞いたことあったけど
    内容は知らなかったので、読んでみました。
    64ってこういう意味だったんですね。
    何となく主役は佐藤浩市で映画化されてたように
    思ったのですが・・・三上さんって外見がよくない
    設定ではなかったっけ?
    じゃないと娘さんが家出した理由が違ってくるし。
    佐藤浩市が演じたら、その部分はどうしたんだろう?
    内容的には、登場人物が多すぎて、誰だっけ?って
    なることもあるけど、面白くてどんどん読めます。
    上巻を返してすぐに下巻を借りて帰りました。
    余談ですが、三雲さんは誰が演じたのか気になって
    配役見てしまいました。
    奥さん役も気になりますが、見ないで最後まで
    読んでしまうことにします。

  • 「64」って何だろう?……と思いつつ読み始めたら、なんとたった1週間しかなかった昭和64年(に起きた未解決事件)のことだった(゚д゚)!
     それを、平成残り1週間となったいま 読むという、偶然(゚д゚)!
     多くの日本人にとって容易に思い浮かべやすい「あの日々」を選んだ舞台設定が、うまいね( ´ ▽ ` )ノ

     刑事部と警務部のはざまに放り込まれ、陰湿・陰惨な抗争の渦にキリキリ舞いする三上の苦悩が、これでもかこれでもかと描きこまれ、読んでるこっちも辛くなる(>_<)
    「陰の季節」「動機」と続けて読んできてるから、根は決して悪いやつじゃないと分かってはいるけど、暗躍する二渡が不気味(>_<)
     調べてみたら、映画では仲村トオル、ドラマでは吉田栄作か……(._.)
     ブサイク娘は同・芳根京子、入山杏奈(AKB)……(._.)
     それが嫉妬するほどの美貌の母は夏川結衣、木村佳乃……(._.)
     で、肝心の三上が佐藤浩市(に似ると娘は不幸なのかな……?)、ピエール瀧(こりゃもう、再放送はないな(>_<))……(._.)

     お話はここからまだまだ二転三転ありそうで、目が離せない( ´ ▽ ` )ノ
     なんとか令和になる前に読了したい( ´ ▽ ` )ノ

    2019/04/24
     

  • 映画「64」の原作を読みました。

    映画は見ていないので、配役を想像しながら。。。



    県警の広報官たちと、記者クラブの対立、

    そして、警察内部の対立、

    そこに、過去の未解決誘拐事件「64」がからんで、

    複雑な展開になっていくけれど、そこがまた面白い。


    男たちの熱い戦いというか、怒涛の展開に興奮します。

    そして、感涙のラスト。。。



    仕事に行く前に読んでたので、涙で化粧は崩れ。。。

    感動の読後感に呆然とし、遅刻するところでした。。。



    まだ、今年に入ってそんなに本を読んでないけど、

    たぶん、今年の私のベスト1になりそうな気配。。。



    大好きな、佐藤浩一、三浦友和が、ピッタリの役で出てる映画も見たくなっちゃいました。。。

  • 横山秀夫先生の描写は繊細で深くて、本当に面白い。ロクヨンは以前テレビドラマで見たことがあるけれど、ぜんぜん違う深さを感じる。下巻も楽しみ!

  • 登場人物が多く、誰だっけこの人?となるがまあなんとかなるのでそのまま読み続けることをオススメします。
    後半の誘拐犯人には想像が及びましたが、まさかそういうことで。。。という驚きがありました。
    横山作品では半落ちをドラマで観て、なにこれ?全然ツマラナイ!と思っていたのでなかなか手に出来なかったのですが、ロクヨンは確かに価値のある作品だと思います。
    ただ、広報官としての主人公の仕事ぶりや娘さんの家出の話がこねくり回されておりましたが、最終的には必要だった?と思ってしまいました。
    総じては、面白い作品★4.2

  • 誇りを持って仕えてきた刑事の仕事から、警察の広報と言う立場に異動させられ、新聞記者を始めとするメディアとの攻防や、刑事部との軋轢に悩む三上には、父親似の顔を醜いと嘆き家出した一人娘がいた。

    娘を探索するために魂を売り渡し、望まない仕事に四苦八苦する三上の前に、ロクヨンという符丁が過去の亡霊のように立ち現れる。

    元号が平成に変わる前のわずかな期間存在した昭和64年に起きたD県を震撼させた事件。時効も近づき、もはや過去となりつつある事件が、今、なぜ再び注目をされているのか。

    上巻のラスト近くには衝撃の事実も明かされ、物語は一体どこへ向かうのか、混迷を極める。

    絡まったままの糸玉がいくつもあり、どう解きほぐされて像を結ぶのかが楽しみだ。

  • D県警の広報官、三上は苦しんでいた。
    顔の美醜に悩み、家を飛び出して戻らない娘の安否。三か月戻らない娘を案じて外出しない妻。
    刑事部から警務部の広報に異動したばかりに、刑事と警務のどちらからもスパイのように思われがち。そして上層部のパワーゲームに振り回される。

    そんななか、時効間近の幼女誘拐殺人事件の視察のために警察庁長官がD県警にやってくることになり、三上広報官は大忙し。
    被害者の父親は長官の訪問を断るし、妻は家にかかってきた無言電話を娘からのメッセージだと信じてやまない。地元メディアの記者たちは警察の匿名発表に腹を立て、抗議のために長官がきても取材をボイコットすると言い出す始末。

    被害者の父親を説得するため、幼女誘拐殺人事件を洗い直しているうちに、当時の捜査本部が重大な操作ミスを隠蔽していたことに気づいた三上。そして、そのミスを押し付けようとした現場指揮官、責任を感じて現在までずっと引きこもっている者、責任感からミスを公表しようとして警察を追われた者の存在を三上は知った。

    申し訳ない気持ちといなくなった娘を想う気持ち、色んな感情が混ざった三上は、被害者の仏壇の前で激しく泣き、長官来訪の許可を得た。
    娘と妻のこと、地元の記者たちの説得、刑事部と警務部の諍い。まだまだ多くの問題が三上の前には立ちはだかっている。

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    交通事故の加害者の名前が公表される、されない、の線引きはこういうふうに行われているんだなあと勉強になった。
    警察(広報)も色々考えるし、新聞やテレビなどのメディアもたくさんのことを考えている。なるほどなあという気分。

    父親譲りの顔のパーツに悩み、気持ちを病んでしまった三上あゆみさん。母親が美人なだけに、父親に似てしまったのが辛かったとのこと。ミドリカワ書房の『顔2005』という曲を思い浮かべずにはいられない。
    そこまで辛いなら整形させてあげればいいじゃない、と思う。でも、それは自分が第三者の立場にいるからだ。当事者たちは悩み続けてドツボにハマってしまった。

    三上広報官は休みの日も単独で働いているし、部下たちも記者たちを懐柔するために勤務後に深酒している。この人たちに手当は発生しているのか。飲み代は経費で落ちるのか。
    ロクヨン事件、長官来訪はどうなってしまうのか。
    350ページの上巻はあっという間に終わり、下巻へ続く。

    ミドリカワ書房 『顔2005』
    https://www.nicovideo.jp/watch/sm11466773

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著者プロフィール

横山 秀夫(よこやま ひでお)
1957年東京都生まれ。国際商科大学(現・東京国際大学)卒業。1979年に上毛新聞に記者として勤務。『ルパンの消息』でサントリーミステリー大賞佳作を受賞したのをきっかけに退社。以後フリーランスライターとして活動。1998年「陰の季節」で第5回松本清張賞を受賞し小説家デビュー。2000年『動機』で第53回日本推理作家協会賞(短編部門)受賞。2002年『半落ち』が「このミステリーがすごい!」1位となり、第128回直木賞候補作となるが、そこで起きた様々な論議から、直木賞決別宣言を出すに至る。『半落ち』は2004年に映画化されて高い評価を得ている。その後、2004年『クライマーズ・ハイ』で第1回本屋大賞第2位、映画化されヒット。2013年刊行の『64(ロクヨン)』で第10回本屋大賞第2位、「このミステリーがすごい!」「週刊文春ミステリーベスト10」各1位を勝ち取り、大ヒットとなった。

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