春はそこまで 風待ち小路の人々 (文春文庫 し 53-2)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 49
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (342ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167902971

作品紹介・あらすじ

期待の作家が描く、江戸の商店街の人間模様芝神明宮門前町の商店街、風待ち小路。途絶えがちな客足を呼び戻そうと、素人芝居を企画するが……。市井の人々を鮮やかに描く逸品。

感想・レビュー・書評

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  • 芝神明宮近くにある風待ち小路で商いを営む人を主人公にした連作短編集…とおもいきや、後半に話がつながって長編になるという展開。直木賞候補作でもあったんだとか(知らずに読んだ)

    市井人情ものの王道を行く、こういうベタな話は好きだなぁ。後半今までの登場人物たちが交差してのクライマックスを盛り上げ、ハッピーエンドにつなげる進み方も好き。

    解説に出てきた「世代交代」ではなく「継承」なのだという言葉がしっくりくる。古いものが悪ではなく、新しいものを嫌うのでもない。古いものの良いところを活かしつつ、新しいものを採用していく。ゼロサム的な短絡思考は進化、進歩を妨げる。もっともっと柔軟に考えていこうよってこと。

  • 2018/8/7
    途中退屈で何度も睡魔に襲われたけど最後はいい着地を決めはるんよね。
    いい感じに終わる。
    1人称で語られる印象と、別の人の目線で語られる印象の違いが面白い。
    自分で思ってるほどいい男と思われてなかったり尊敬されてなかったり、ちょっと意地悪でいい。

  • 江戸の商店街の人々の人間模様を描いた連作短編かと思いきや、途中から話し運びが変わって来て、「こういう構成もアリか~」と驚いた。これだと下手すると、とっ散らかって収拾が覚束なくなりそうなものだが、まさにタイトル通り気持ちの良い大団円を迎えて天晴れです。

  • 志川節子さん、初読みです。「春はそこまで 風待ち小路の人々」、2015.2発行です。読み応えがあります。じっくり味わいました。武家であれ、商家であれ、いい人はいいですね(^-^) 絵草紙屋の瞬次郎と半襟屋のおちせ、鈴之進の幸多き人生に拍手です!

  • 出張中に読みました。
    こういう江戸時代の街の人の話が好き。

  • 人間らしい良い所もあればダメなところもある、風待ち小路の個性的な人々の物語。読み始めたときは癖のある人たちだなぁと思いましたが、読み終わるときには人の気持ちが繋がっていくのが素敵だなと思うようになりました。

  • 201502/面白かった。現代の商売アイディアを作中で違和感なくいかしたり(でも実際当時もそれに近いことをやってたってのもすごい)登場人物達も正しいだけじゃないのが人間味あっていい。でも、大人の都合で必要以上に早く大人にさせられてしまう子供の話は切なかった。

  • 【期待の作家が描く、江戸の商店街の人間模様】芝神明宮門前町の商店街、風待ち小路。途絶えがちな客足を呼び戻そうと、素人芝居を企画するが……。市井の人々を鮮やかに描く逸品。

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著者プロフィール

1971年、島根県生まれ。早稲田大学第一文学部を卒業後、会社勤務を経て、2003(平成15)年「七転び」で第83回オール讀物新人賞を受賞。2013年『春はそこまで 風待ち小路の人々』が第148回直木三十五賞候補に。清廉な人物描写、江戸の気配を情感豊かに伝える文章に定評がある。その他の著書に『手のひら、ひらひら 江戸吉原七色彩』『煌』『花鳥茶屋せせらぎ』『ご縁の糸 芽吹長屋仕合せ帖』がある。

「2022年 『かんばん娘 居酒屋ともえ繁盛記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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