ダイオウイカは知らないでしょう (文春文庫)

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感想 : 44
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167903060

作品紹介・あらすじ

気鋭の作家二人が短歌に挑戦!第152回直木賞を受賞した小説家・西加奈子と文筆家のせきしろが、常識はずれの短歌道に挑戦! 個性的なゲスト達にお題を出してもらい、そのお題にちなんだ歌を詠んだ記録。登場するゲストは穂村弘・東直子・俵万智・いとうせいこう・星野源・山崎ナオコーラ・華恵・光浦靖子・ミムラ・ともさかりえ・山里亮太(南海キャンディーズ)・山口隆・勝山康晴・入山法子といった、短歌・作家・お笑い・ミュージシャン・俳優として活躍する、様々なジャンルの個性豊かな14人。登場する短歌はこんなふう。「わたくしあなたを卒業します」はは、入学させた覚えはないぜ (西加奈子) こうやってキミの頭を撫でている この手は二回不法投棄した (せきしろ)溢れる想像力と妄想・物語を心のおもむくまま、三十一文字にグッと込めました。思わず自分も一首詠みたくなる、まったく楽しい短歌本。注)イカの本ではありません

感想・レビュー・書評

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  • 又吉直樹氏から、せきしろ氏に繋がり、こちらに。西加奈子氏はすでにいくつか作品を読んでいたが、また機会が有れば、せきしろ氏の作品を読みたい。
    私も短歌を作ってみたくなってきたが、こちらも機会が有れば。

  • 面白かったー!よい本買った!
    私は西加奈子が大好きなので、西さん目当てで買ったんだけども、せきしろさんもイイ…
    短歌ってコピーに似てて、限られた文字で心の深いところをくすぐったり、忘れてた過去の1シーンを思い出したり、言葉にならない気持ちを浮かび上がらせたり、すごい好きだなって思った。やっぱり言葉が好きだって改めて思った。

    せきしろが、対談の無骨で雑な感じと裏腹にすごく繊細な歌を詠んでびっくりしたり。
    西加奈子は、うーんなんかわざとらしいなぁー、ってのもいくつかあったけど、たまに驚くほど力強いハッとするようなのを詠んでいて、やっぱ好き…と思った。


    以下、好きな歌

    分かってる同じ文面分かってる分かってる分か 年賀状きた 西加奈子

    鬼のままチャイムが鳴った鬼ごっこ 再開されず今でも鬼で せきしろ

    携帯の電源を切る人生の始まり ずっと圏外で行け 西加奈子

    祖母が縫うボタンが頼りなく揺れている それでも褒める昔褒められたように せきしろ

    好きな花 聞かれてあの娘迷わずに かすみ草って答えはってん! 西加奈子

    いつもそこに白い肌の人がいて触れる前には手を洗うんだ せきしろ

  • 西さんの本を読み尽くす。
    それが西加奈子ファンである私に課されたミッション。
    手に取ったのはそれだけの理由だったけど、「しずく」のせきしろさんの解説がとてつもなく良かったので、内心すごく期待していた。

    高校時代、短歌の話を嬉々として話す友人を、「変なやつ〜」と思っていたけど、気持ちがわかった。短歌、おもろい!

    西さんの情熱的な歌も良いけれど、せきしろさんのなんとなく哀愁漂う歌が好みでした。
    涼しくなってきて、山も色づき始める頃なので、恋人と吟行にでかけたくなった。

    毎回異なるゲストが一緒に歌を詠んだり解説したりするのも、次は誰が参加するのか、とワクワク感があって良かった。


    以下、お気に入り短歌。

    「わたくしあなたを卒業します」 はは、入学させた覚えはないぜ  西加奈子

    白骨と煙になるのを待っている 充血した目で飲食物を選びながら  せきしろ

    青春は全て別冊マーガレットの中で ただただじっと 過ぎ去るのを待った  せきしろ

    「アパートの一階ですよ、若者が激しく愛し合っているのは」  西加奈子

    こうやってキミの頭を撫でている この手は二回不法投棄した  せきしろ

    兄さんの分まで生きるつもりだぜ 気づいていた俺、長男、二朗  西加奈子

    好きではなかったアイドルが死亡した日 知らずに自殺しあとおいと言われる  せきしろ

    ご予約の電話かけたら「かあさん?」て聞こえて切った日曜日七時  西加奈子

    集会と太極拳と投票日 体育館はきっと不本意  西加奈子

    ボールのはねる音が思った以上に大きいからあわてて止めた  せきしろ

    フロそうじトイレそうじをする予定 立ち上がりつつマンガ読むかな  星野源

    隣の部屋からアラームがきこえる今日もとめない 死んでいるのか  せきしろ

    まだ寝れるもう起きようかまだ寝れるか 今こそまさに決断の時  せきしろ

    分かってる同じ文面分かってる分かってる分か 年賀状来た  西加奈子

    いらっしゃい! 太った? 元気? 腹減った? 寅の娘が笑う食堂  西加奈子

    鬼のままチャイムがなった鬼ごっこ再開されずに今でも鬼で  せきしろ

    「西さあん」白衣の声はやらかくて扉の前で泣きたなります  西加奈子

    シワ加工ツモリチサトにアイロンをかける母髪白くて白くて  西加奈子

    葬式が始まる時を待っている 雲ひとつない まだ笑みがある  せきしろ

    電話が鳴って死の知らせ テレビから 変なおじさん 変なおじさん  せきしろ

    もしもだよもしもの話私がさ 背中から声 時計点滅  せきしろ

    僕だって馬鹿じゃないから笑えます ひひひ やはり悲しいから馬鹿  西加奈子

    笑いあう夢から覚めてゆっくりと悲しみがくる 顔をしかめる  せきしろ

    ミラクルを約束した指切りの 指を洗って 洗って ぬぐう  せきしろ

    何回もきき返すのは悪いから一か八かで頷き肯定  せきしろ

    銅鑼鳴らす華僑の顔は晴れやかだ 僕は別れを告げられている  西加奈子

    自転車のベルを鳴らされすぐ避ける まだ鳴らしてる そういう人か  せきしろ

    好きな花聞かれてあの娘迷わずにかすみ草って答えはってん!  西加奈子

    日本には四季があるから夏が来る 日傘が少女を黒く守る  せきしろ

    あの方が覚悟を決めた瞬間をダイオウイカは知らないでしょう  西加奈子

    こういう時泣かない方がモテるのかそれとも逆か5秒で答えて  せきしろ

    美しい人が私の本を取り棚に戻した僅か数秒  せきしろ

  • プレバトでは色々修正されるけど、短歌はこんな自由でいいのか!←偶然書いた文章がなにげ短歌になってる!

  • 西加奈子さんとせきしろさん、という短歌の超初心者が気軽に短歌を作ってみました、何も知らないふたりだからこそ、の斬新さ、面白さをお楽しみください的な企画なのだけど…。

    確かに文筆業のおふたり、十七文字に自分の世界を入れ込んで、うんうん、それぞれ、西さんらしい、せきしろさんらしい、と言えなくもない・・。
    ただ、実は私、短歌という形式がとても好きで、また、作歌に真摯に没頭するプロだったり、学生だったりの人々をリスペクトする気持ちも強いものだから、お2人の短歌はおふざけが過ぎるのでは、と、やだなぁ、これって町内のうるさ型みたいな言い方だよね。

    でも、まぁ、毎回、ゲストや指導者を迎えて、その都度違った驚きを読者に伝えてくれたのは、どこかの回で気に入ってもらえれば、ということなのでしょうし、その意味ではうん、面白く読みました。

    私が好きだったのは、俵万智さんの回。

    22 というお題で

    ほっぺたの雫勘定してみてん笑かしよるでちょうど二十二

    という、一見わけわからん!(^_^;)という短歌の背景となっている

    泣いている自分を冷静に見ている自分、
    (実は妙なテンションになっている。)

    という気持ちを西さんから引き出して、
    それなら、と

    泣きながら電信柱数えてん ちょうど二十か? ちょうど二十二

    と添削。うん、これならストンと気持ちがわかるなぁ、と。

    また、

    22の時に産まれた長男は22でなお仕送り貰う

    というせきしろさんの短歌に、

    長男が、にしたらどうだろう、と提案。
    長男は、だと一般論的だけど 長男が、だとより身につまされるから、と言われ、なるほどねぇ~~!
    また過去形ではなくて、現在形にしたところが切実さが伝わってくる、と褒めてくれ、うん、これは案外いい歌かも、なんて読者に思わせてくれる、という優しさ? それとも俵さんの力量? (#^.^#)

  • 小説家・西加奈子と文筆家・せきしろが個性的なゲストたちと共に常識外れの短歌に挑戦!

    めっちゃおもしろかった。
    さすがのお二人、短歌初心者でもセンスが爆発してます!ゲストも星野源やミムラ、穂村弘、東直子、いとうせいこう、南海キャンディーズの山ちゃん、光浦泰子…と気になる方々ばかりで自分得でした(^^)

    西さんの小説的、物語性のある短歌、せきしろさんのはっとするような、闇とゆるさの狭間の短歌…
    楽しかった~!

  • ふたりがとても好きになる本だ。
    どんどん短歌がうまくなるのがすごい。

  • 自分も短歌を作ってみたくなる1冊でした。
    西加奈子さんの短歌は、説明を聞くと、え!そういう意味だったの!ということが多かった。

  • 小説家・西加奈子と文筆家・せきしろが短歌をひたすらやってみる本。
    豪華なゲストに見守られ、文字数もすこしずつ合っていく…。

    最初と最後の見届け人は穂村先生。
    やさしく的確な解説で歌が歌以上におもしろくなる。
    せきしろさんのセンスの良さを高級食材にたとえ、盛り付け方を指南する様はまさに職人!
    せきしろさんも、西さんも、持っている方々なので切り口がユニーク。
    このお題でその発想はなかったわの連続。
    俵万智先生の添削がまた素晴らしい。
    お題「22」の西さんの歌は格段によくなっている。
    お題「メール」のせきしろさんにも注目。
    星野源や光浦靖子サンボマスターのひとなんかは一緒に詠んでいておもしろかった。
    ちなみにタイトルは西加奈子さんの短歌から。

    ピンッときたのはたまたませきしろさんの歌でした。
    以下抜粋(ネタバレ)




    ―――誕生日や記念日も全部覚えている 耳にお経を書き忘れる―――

    ―――葬式に行くたびにおもうのは みんな談笑してるもんなんだな―――

    ふたりのかけあいがどんどん兄と妹のようになってきて微笑ましかった。
    短歌クロスエッセイはお二方の本業をたのしめる。
    どーだ!どーだ!の西子ちゃんと、どーどー宥めるよにみえるせきしろさんの関係が愉しい。
    あと字、どことなく似てんのな。

    欲を言えば目次にお題を羅列していただきたかった。
    そうすればいつでもあの短歌、とおもったとき頁をひらけるのに。

  • 短歌素人の西さんとせきしろさんが短歌に挑戦する本。同じお題なのに出来上がる短歌が全然違ってるのおもしろい。短歌に挑戦してみたくなる本でした。本のタイトルにも使われている、西さんのダイオウイカの短歌好きだな。

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著者プロフィール

作家。1977年生まれ。『あおい』『さくら』『通天閣』『しずく』『こうふく みどりの』『こうふく あかの』

「2022年 『こどものころにみた夢』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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