ダイオウイカは知らないでしょう (文春文庫)

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レビュー : 37
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167903060

作品紹介・あらすじ

気鋭の作家二人が短歌に挑戦!第152回直木賞を受賞した小説家・西加奈子と文筆家のせきしろが、常識はずれの短歌道に挑戦! 個性的なゲスト達にお題を出してもらい、そのお題にちなんだ歌を詠んだ記録。登場するゲストは穂村弘・東直子・俵万智・いとうせいこう・星野源・山崎ナオコーラ・華恵・光浦靖子・ミムラ・ともさかりえ・山里亮太(南海キャンディーズ)・山口隆・勝山康晴・入山法子といった、短歌・作家・お笑い・ミュージシャン・俳優として活躍する、様々なジャンルの個性豊かな14人。登場する短歌はこんなふう。「わたくしあなたを卒業します」はは、入学させた覚えはないぜ (西加奈子) こうやってキミの頭を撫でている この手は二回不法投棄した (せきしろ)溢れる想像力と妄想・物語を心のおもむくまま、三十一文字にグッと込めました。思わず自分も一首詠みたくなる、まったく楽しい短歌本。注)イカの本ではありません

感想・レビュー・書評

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  • 西加奈子さんとせきしろさん、という短歌の超初心者が気軽に短歌を作ってみました、何も知らないふたりだからこそ、の斬新さ、面白さをお楽しみください的な企画なのだけど…。

    確かに文筆業のおふたり、十七文字に自分の世界を入れ込んで、うんうん、それぞれ、西さんらしい、せきしろさんらしい、と言えなくもない・・。
    ただ、実は私、短歌という形式がとても好きで、また、作歌に真摯に没頭するプロだったり、学生だったりの人々をリスペクトする気持ちも強いものだから、お2人の短歌はおふざけが過ぎるのでは、と、やだなぁ、これって町内のうるさ型みたいな言い方だよね。

    でも、まぁ、毎回、ゲストや指導者を迎えて、その都度違った驚きを読者に伝えてくれたのは、どこかの回で気に入ってもらえれば、ということなのでしょうし、その意味ではうん、面白く読みました。

    私が好きだったのは、俵万智さんの回。

    22 というお題で

    ほっぺたの雫勘定してみてん笑かしよるでちょうど二十二

    という、一見わけわからん!(^_^;)という短歌の背景となっている

    泣いている自分を冷静に見ている自分、
    (実は妙なテンションになっている。)

    という気持ちを西さんから引き出して、
    それなら、と

    泣きながら電信柱数えてん ちょうど二十か? ちょうど二十二

    と添削。うん、これならストンと気持ちがわかるなぁ、と。

    また、

    22の時に産まれた長男は22でなお仕送り貰う

    というせきしろさんの短歌に、

    長男が、にしたらどうだろう、と提案。
    長男は、だと一般論的だけど 長男が、だとより身につまされるから、と言われ、なるほどねぇ~~!
    また過去形ではなくて、現在形にしたところが切実さが伝わってくる、と褒めてくれ、うん、これは案外いい歌かも、なんて読者に思わせてくれる、という優しさ? それとも俵さんの力量? (#^.^#)

  • 小説家・西加奈子と文筆家・せきしろが個性的なゲストたちと共に常識外れの短歌に挑戦!

    めっちゃおもしろかった。
    さすがのお二人、短歌初心者でもセンスが爆発してます!ゲストも星野源やミムラ、穂村弘、東直子、いとうせいこう、南海キャンディーズの山ちゃん、光浦泰子…と気になる方々ばかりで自分得でした(^^)

    西さんの小説的、物語性のある短歌、せきしろさんのはっとするような、闇とゆるさの狭間の短歌…
    楽しかった~!

  • 小説家・西加奈子と文筆家・せきしろが短歌をひたすらやってみる本。
    豪華なゲストに見守られ、文字数もすこしずつ合っていく…。

    最初と最後の見届け人は穂村先生。
    やさしく的確な解説で歌が歌以上におもしろくなる。
    せきしろさんのセンスの良さを高級食材にたとえ、盛り付け方を指南する様はまさに職人!
    せきしろさんも、西さんも、持っている方々なので切り口がユニーク。
    このお題でその発想はなかったわの連続。
    俵万智先生の添削がまた素晴らしい。
    お題「22」の西さんの歌は格段によくなっている。
    お題「メール」のせきしろさんにも注目。
    星野源や光浦靖子サンボマスターのひとなんかは一緒に詠んでいておもしろかった。
    ちなみにタイトルは西加奈子さんの短歌から。

    ピンッときたのはたまたませきしろさんの歌でした。
    以下抜粋(ネタバレ)




    ―――誕生日や記念日も全部覚えている 耳にお経を書き忘れる―――

    ―――葬式に行くたびにおもうのは みんな談笑してるもんなんだな―――

    ふたりのかけあいがどんどん兄と妹のようになってきて微笑ましかった。
    短歌クロスエッセイはお二方の本業をたのしめる。
    どーだ!どーだ!の西子ちゃんと、どーどー宥めるよにみえるせきしろさんの関係が愉しい。
    あと字、どことなく似てんのな。

    欲を言えば目次にお題を羅列していただきたかった。
    そうすればいつでもあの短歌、とおもったとき頁をひらけるのに。

  • 自分も短歌を作ってみたくなる1冊でした。
    西加奈子さんの短歌は、説明を聞くと、え!そういう意味だったの!ということが多かった。

  • 平成27年10月発行のYAだよりで紹介された本です。

  • 西加奈子、せきしろ、そして評者がほむほむとか、星野源とか、面白くないわけがない。それにしても西加奈子が面白かわいくて、通勤の汽車で読むのはかなり危険だった・・・。
    お題「占い」がとても好き。なんというか、ふたりとも、日常の中の出来事を少しずらした視点で見ていて(だから文章書きなのでしょうが)、それが、すごくハッとする。全然気づかなかった視点でも、そうだ、そうだった!という視点でも。疲れたときにまた読みたい。

  • 短歌って性格でるなぁって思った。途中から短歌見てどっちが誰の短歌か当てられるようになった。
    せきしろさんのはなぜか読んだ後に余韻があって、こらこらってツッコミたくなる。西さんのは少し変わってて、解説読んで改めて読むと面白くて可愛い。
    ゲストの入山法子の最初の短歌綺麗だった。

  • 技巧を持っていなくとも、表現する力のあるひとって自分の舞台でなくとも光れるんだなぁ!
    短歌という、字数を削ぎきった舞台を楽しそうに走り回る西さんとせきしろさん。
    ふたりも短歌も、どれもが魅力的に映る。

  • せきしろさんと西さん、そしてゲストの方の会話をずっと読んでいたくなる。読書は孤独だけどこの本はとても暖かかった。

  • 西さんとせきしろさんがけっこう好きなのと、ゲストに源さんがいたので、小説の合間の箸休め的に読むものとして購入。

    やっぱりこの2人は天才というか、ぶっ飛んでるなぁ。普通だったらもう少し上手く詠もうとしてガチガチになりそうなものを、2人の感性全開で、文字数とか音とか無視して自由に詠んでる。最初は「これどうやったら短歌の音にハメて詠めるんだ…?」と思ったけど、最後の方は文字数も合ってきてたし。2人のこの自由さが好き。

    あと思ったのは、ゲストの方も感性豊か。2人の短歌を読んでも、解説されるまで全然意図が分からないものが多かったけど、ゲストの人は解説なしでおおよその意図が汲み取れてる。自分がいかに感受性がないか思い知らされた。。。

    期待した程爆笑ではなかったけど、2人が好きな方は楽しめると思います。あまり短歌の勉強にはなりません(笑)

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著者プロフィール

西加奈子(にし かなこ)
1977年、イランのテヘラン生まれ。エジプトのカイロ、大阪府堺市で育つ。関西大学法学部卒業。雑誌「ぴあ」のライターを経て、2004年『あおい』でデビュー。
2007年『通天閣』で織田作之助賞大賞、2011年咲くやこの花賞、2013年『ふくわらい』で第1回河合隼雄物語賞、2015年『サラバ!』で第152回直木三十五賞を受賞。
その他代表作として、宮崎あおい・向井理出演で映画化された絵本『きいろいゾウ』、同じく映画化された『円卓』、20万部を超えるベストセラー『さくら』、本屋大賞ノミネート作『i』など。2020年初夏、『さくら』が映画化決定。プロレス好きとして知られる。お気に入りの本は『アントニオ猪木詩集』。

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