生命と記憶のパラドクス 福岡ハカセ、66の小さな発見 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 135
レビュー : 20
  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167903244

作品紹介・あらすじ

〝記憶〟とは一体、何なのか?働きバチは幸せ? 進化に目的はない? 福岡ハカセが明かす生命の神秘に好奇心を心地よく刺激される『週刊文春』人気連載第二弾。

感想・レビュー・書評

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  • 学生時代、大学まで行かせてもらったのにろくに勉強しなかった。その負い目なのか、社会人の今になって、知識欲が強くなってきた。勉強する時間などろくにとれやしないのに。

    そんな私にとって福岡先生は一筋の光だ。
    文系一筋だったし、理系には抵抗がある。でも知りたい。
    こんなジレンマを抱える私には、専門書は厳しい。いや入門と銘打たれた書籍だって、一度数式が出てくると、もう本を閉じて逃げ出したくなる。でも知りたいのだ。

    福岡先生のエッセイは、知的好奇心を大いにくすぐるし、その文章は凡庸な小説家より深く心に染み入ることが度々だ。
    それも、福岡先生の幼少期からの読書の賜物なのだろう。

    きらきら輝く文章の間から透けて見える、生命科学の深遠な世界。こんなに読みやすくて、いちいちうなづいて、そして一歩でも苦手分野に踏み入った充足感。
    未読の作品がたくさんあるので、少しずつ手に取っていきたい。

  • 坂本龍一との対談をTVでみて興味を持った福岡ハカセ。面白かった。違うのも読んでみよう。先日ノーベル賞を取ったカズヲイシグロとかモグラ博士のモグラのはなしとか中に出てくる本にも興味が。

  • 生物学者にしてロマンチストの著者による、秀逸なエッセーの数々。昆虫に魅せられ、ドリトル先生に夢中になった幼少期。筒井康隆、新田次郎、フェルメールファン。自分と共通する部分を見つけて何だか嬉しい。村上春樹の「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」を傑作と書いてあっので、読んでみようかな。

  • 福岡ハカセがマイブームになったときに買ったまま、読めてなかった一冊。
    新婚旅行中に時間があったので、漸く読むことが出来ました。
    以下、印象的だったところ。

    ・「働きバチだけが、よく食べ、よく学び、労働の喜びを感じ、世界の広さと豊かさを知り、天寿を全うして死ぬ。おまけにしんどい産卵は他人まかせ。働きバチこそが生の時間を謳歌しているのである。」(p.27)
    ・「外国の都会では、通りの名が住所、道のこちら側は偶数番、あちら側は奇数番となっていることが多い。やはり道は両側をつなげるものとしてある方が自然なのだ。」(p.49)
    ・「その極太の万年筆の筆致のかっこよさといったらなかった。」(p.140)
    ・「今すぐにでもグラスに口をつけたくなるような言葉が並ぶのだが、これって中学生の教科書でしょ。いいのかなぁ。」(p.175)
    ・「マリリン・モンローを自ら演じてわかったことは、彼女の中には男がある、ということだと。肉体に突き刺さる男たちの視線を、薄い衣装だけで守り、はねかえすものは男性的な力でしかないと。」(p.180)

    いやー、相変わらず非常に広範な視座から、即妙な書きぶりで…さすがの福岡ハカセです。
    楽しんで読めました。

  • 去年の奥トレ忘年会で交換してもらった一冊。著者のことはフェルメールに興味を持ったことで知ったけれど、生き物についての洞察は専門的で文章もとても読みやすく、読んでいておもしろかったです。あと、多摩川だったり国分寺だったり自分の知っている場所がところどころ出てくるのも親近感を持ちました。こういう文章が書けるようになりたいなぁ。印象に残ったのは「関係妄想」という言葉。まったく関係のないところに余計な関係を見出しがちなこの世界、たまにはバッサリ切ってみるのも精神衛生上いいかもしれないすね。この本で紹介されていた場所や映画、いくつか見てみようと思います。

  • 研究奴隷という自らを称する言葉に目がいく。福岡ハカセ自身のことだ。生物と無生物のあいだ、という著書はハカセのものだ。私はこの著作を読んだ後、随分長い時間をかけて、ハカセの事を知った。この著作はハカセの日々の周辺の出来事を綴ったエッセイである。ハカセの魅力をたっぷり味わえる。但し、あまり生物や科学的な事には触れられない。

    必須アミノ酸の内、人が合成できない9種類の覚え方を 風呂場椅子ひとりじめ、と覚える。フェニルアラニン、ロイシン、バリン、イソロイシン、スレオニン、ヒスチジン、トリプトファン、リジン、メチオニン。この覚え方は知らなかった。

  •  週刊文春、連載コラムの書籍化です。「ルリボシカミキリの青」の続編になるのかな?
     いやあ、この人の好奇心てのはすごい。フェルメールから科学者の伝記から、もちろん専門の生物やら自然科学一般やら、「博覧強記」ってこういうのを言うのねって感じですね。文もうまいから読ませます。読んで損はないって話が多い。
     で、趣味が高じて専門になっちゃって、青学で「文転」しちゃいました。ま、自然科学も「生命とは何ぞや」ってのは哲学だから...。
     恐れ入りました。

  •  先日、福岡 伸一 氏 による「生命と記憶のパラドクス 福岡ハカセ、66の小さな発見」を読み終えました。
     「生物と無生物のあいだ」を皮切りに「動的平衡ダイアローグ」「フェルメール 光の王国」等々、福岡伸一氏の著作は何冊も読んでいます。本書は「週刊文春」で連載された小文をまとめたものとのこと。とても穏やかで軽いタッチの読み物です。
     本書の隋所に福岡氏一流の興味深い視座からのものの見方が開陳されています。

  • 生物学をする人の目線、面白いです。
    知らないことだらけ。
    細胞に生かされ、食用にしているつもりの稲に動かされ、我々人類も大したもんじゃないなぁ。

    読みやすいですが、中身は濃いので読み応えがありました。

  • 著者が自分のことを何故いちいちハカセと書くのかがずうっと謎で、おまけに高い知能に我が愚脳の処理が追いつかず理解できない箇所もあったが教養本としては為になった。
    ロンドンのコレラ発生の原因が妖気ではなくウイルスだと突き止めた話、生物の進化はDNAのコピーエラー、切なさとは有限性の気づき、地球上で最も成功した生物は◯◯、などなど説得力のある説明はさすが科学者。

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プロフィール

青山学院大学 理工学部 教授

「2018年 『マッキー生化学(第6版)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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