銀座の喫茶店ものがたり (文春文庫 む 3-4)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 107
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (257ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167903299

作品紹介・あらすじ

魅力と個性にあふれた喫茶空間日本には独特の喫茶店文化がある。有名店から穴場まで、45の名店を巡ると、銀座というふところの深い街のものがたりが見えてくる。

感想・レビュー・書評

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  • 銀座界隈にある喫茶店を紹介している。一つ一つにドラマティックなストーリー展開がされていて、文章も読んでいるうちに吸い込まれていくかのような文体となっている。先日、喫茶店の日というので、この本が紹介されていた。隙間読みにもおすすめではある。

  • 【美味しいエッセイ】
    銀座の喫茶店を45店紹介しています。筆者の体験談なので、時代感覚が今と違っている章もあり、色々な銀座が楽しめます(^-^)
    知っているけど行きそびれていた教文館の中の喫茶や、資生堂パーラー、コージーコーナーや不二家の銀座店等、これを読んで改めて行きたくなりました。喫茶店だけでなく、銀座の街並みや文具の伊東屋さんも書いてたりと、読み切ると銀座に詳しくなった気がします。
    これを読んで実際に足を運んだ喫茶店もあったり( ´∀`)
    新型コロナの流行以降、人気の老舗さんでも必ずしも経営を続けられない状況になってきました。
    憧れの銀ブラ、一度は行きたい喫茶店を行き逃さない様に、このエッセイを道標としてお勧めします。

  • 銀座にあるいろんな喫茶店をめぐって、そのお店の雰囲気や店主の話をまとめた連載。と書いてしまうと、ありがちなカフェ本のように思えてしまうけれど、全然そんなことはない。筆者の村松氏が一軒一軒お店をめぐり、メニューや味だけでなくその立地、歴史、店主の人となりや歩んできた人生にいたるまで、五感をフル活用して集めた素材を丁寧にひとつの物語のようにまとめている。ひとつのお店に対して割かれているページ数はそこまで多くはないけれど、どれも内容が濃くて、読み応えがある。一気にまとめて読むよりも、それこそ喫茶店をめぐるように、少しずつ読んでいくのが良いのかも。

    「帝国ホテルの不思議」で、帝国ホテルの様々なセクションの幅広い年代の従業員に対してとても丁寧なインタビューをしてひとつの作品にまとめあげていたのが印象的な村松氏。今作も、彼らしい自由な想像力と、綿密な取材が見事に結合した素敵な作品になっています。

  • 資生堂パーラーの話や千疋屋の話、開店4日目にジョンレノンが偶然来た喫茶店の話があった

  • 銀座といえば、岸田文雄首相と韓国の尹錫悦大統領がすき焼きとオムレツを食べたことで話題になった。




    その銀座には喫茶店が点在している。




    今回の本は、タウン誌「銀座百点」の「一杯の珈琲から 銀座の喫茶店ものがたり」という2009年1月号〜2010年12月号に連載されたものに加筆・訂正したもの。





    プロローグでは贅沢な空気感の薬効として、喫茶店まつわる話題をしているが、「資生堂パーラー」に行ったときのことを書いている。




    銀座の中の銀座とも言える敷居の高さを、点線として宙に浮かせ、そこに和気藹々(あいあい)や団欒(だんらん)の柄柄をつくり出す・・・・・・これが「資生堂パーラー」ならではの薬効とも言うべきおもしろさなのだと述べている。





    そう言えば、甘いもの好きの甘ちゃんなのに、資生堂パーラーで「充電」したことはない。




    生きているうちに期間限定のパフェとソーダ水をシュワシュワと味わってみたいなあ。





    昔から銀座に根付いている店もあるかと思えば、銀座7丁目の花椿通りにある「椿屋珈琲店」も取り上げている。




    1934年に昭和初期の菅原電気ビルが竣工して、そこに「椿屋珈琲店」の前身となったコーヒー店が同じビルに店を出していた。




    椿屋珈琲店は、ここに1996年に営業を開始した。




    天井や床、階段の一部は前のコーヒー店の姿をそのまま残しているそうだ。




    店内から伝わってくる質感、雰囲気、奥行き、謎めいた時間の推移、それを愉しむひとり遊びをそそられる源には、店をつつむこのビルそのものの歴史のささやきが沈んでいるにちがいない。




    このように著者は感想を書いている。




    銀座の喫茶店を探検するといろいろなことが体験できそうで行ってみたくなった。

  • 20180915読了
    この地域に詳しい人なら読んでいておもしろいかも…。

  • エッセイみたいな。

  • その中身は、銀座に点在する新旧40店余りの喫茶店のカフェガイド&歴史物語です。
    もともとは、田舎の母が上京した際に行きたい店を見つけておいてもらいたくて渡した本なのですが、自分もカフェ好きなので、行き先のバリエーションを広げようと、逆レンタルしてきてしまいました。
    霞が関近辺にお勤めの方々は、銀座まで一駅ですよね。なんとも羨ましい限りです。。。既に御存知のお店もあるでしょう、それに加えて一つ一つのお店の歴史やオーナーのこだわりを知ってから行くと、感慨もひとしお、一口一口の珈琲の香りも味の深みも増すかと思われます。
    私としては、チェーン展開のスターバックスやタリーズの安心感も捨てきれないけれど、時には冒険をして、当たり外れにドキドキしながら自分の感性を刺激してみたいもの。ちなみに、私は珈琲も大好きですが、合わせるケーキがかなり重要ですよ!この本の中のA店のモンブランやB店のチーズケーキはかなりオススメです(どこでしょうか?)。

  • 著者が銀座にある新旧の喫茶店を訪ね、その喫茶店にまつわる「ものがたり」を綴ったエッセイだ。
    喫茶店の歴史にも、店それぞれあり、興味深い。また、その中で語られる著者自身の学生時代から編集者時代の喫茶店エピソードも興味深い。この本は文庫本になる前に単行本で発行されたが、その間に閉店した喫茶店もそのまま載せてある。そういうのも、銀座での経営の厳しさを物語っているなぁ、と思った。
    私の銀座の喫茶店エピソードは、女の子と銀座で映画を見た後、ちょっとおしゃれな喫茶店に入って、メニューを見たら、コーヒー一杯1,000円で、思わずビックリした事。それ以来、銀座の喫茶店は恐ろしくてチェーン店以外に入れなくなってしまった(;^_^A。みみっちいエピソードだが。

  • レトロ喫茶から最近のカフェまで網羅的に示されたバイブル。定期的に出版されると面白いのにと思っています。

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著者プロフィール

1940年東京生まれ。慶応大学文学部卒。『時代屋の女房』で直木賞、『鎌倉のおばさん』で泉鏡花賞受賞。著書に『アブサン物語』『北の富士流』『アリと猪木のものがたり』『猪木流』『老人の極意』『老人流』等。

「2022年 『ゆれる階』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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