アルカトラズ幻想 下 (文春文庫)

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  • 文藝春秋 (2015年3月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784167903350

みんなの感想まとめ

多様なジャンルが融合した物語が展開され、読者を引き込む魅力が詰まっています。ミステリーから脱獄サスペンス、さらにはファンタジーの要素までが絡み合い、最後には全てが見事に収束する様子は、まるで劇場での華...

感想・レビュー・書評

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  • 上巻で、これからどうなっちゃうんだ〜と思った結果、下巻はミステリーから脱獄サスペンスになり、ファンタジーになり、エピローグで突如全てがまとまった!
    歴史ある劇場で、正統派クラシックを聴こうとかしこまっていたら、はちゃめちゃで楽しいラプソディーが始まり、最後には天井も壁も飛んで行っちゃった!というような読後感。なのに、奇妙な切なさ、なつかしさのようなものが残る。
    巻末の解説で伊坂幸太郎さんが「とにかく、色んな世界を旅する冒険譚だと考えるべき」「島田作品なわけですから、ミステリー的な理屈を付け加えている」「そこがもう、異様といいますか、誰にも書けないもの」と書いてますが、まさにその通りだと思った。面白かったです。

  • 上巻と下巻のテーマ的なつながりがわからず、登場人物だけが共通する二つの別作品と感じてしまった。読書体験としては楽しかったけれども、作品としての出来栄えを評価せよと言われると「よくわからない」という感想。

  • 終盤の謎解きはさすが島田荘司って言うらしさがあり奇想を現実に落とすのは独壇場。
    ただ前半って?ってのは思っちゃうけどね

    3214冊
    今年113冊目

  • ワシントンDCで女性の連続殺人事件が起きる。警察官のロンとウィリーが事件の謎を追うという、アメリカのハードボイルドもののミステリの空気が漂う。が、突然、"恐竜絶滅の謎”に関する論文が繰り広げられ、気付いたときには、脱獄不可能とされるアルカトラズ監獄からの脱走劇が繰り広げられることに。やがて、脱走した男は、“パンプキン王国”と呼ばれる、ファンタジーとしか思えない場所に迷い込んでしまう。

    大好きな伊坂幸太郎さんがおすすめしたので手に取りました。あらすじを読んでみて、きっとみなさん、訳のわからない、とんでも系ミステリかと思われたかと思います。が、これがめちゃくちゃ面白いんです。

    本作は、四つの章とエピローグで構成されるのですが、それぞれがまったく色が異なっているんです。ただ、一つの章ごとに一つの作品として出してもいいくらい、どれもが面白い。

    物語自体が誰も読んだことのないものに仕上がっているし、すべてが結びついたとき衝撃。圧巻でした。この本を読むことでしか絶対に味わえない感覚。

    上下巻で長編で手を出しづらい方もいるかとは思いますが、興味がある方はぜひ、手に取ってみてくださいね。

  • この本を読んでアルカトラズについて興味が湧いた。
    パンプキン王国からは、予想の斜め上すぎてついていけなかった。ラストも目眩のような完璧な説明を求めていたので、いまいち飲みこめず。
    ただ島田さんらしい大胆な発想はおもしろかった。

  • よく、こんな小説を書くな、という、なんとも言えない読後感。あとがきにも書かれているが、ネジ式ザゼツキーに近い印象。
    上巻のミステリータッチから一変、アクションものになり、まさかのSFファンタジーか、と思いきやエピローグでまとめられる。

    賛否が分かれそうな小説だが、先が気になり読ませる。不思議な小説。

  • 猟奇殺人事件の犯人・バーナードは、凶悪犯の巣窟アルカトラズ刑務所に収監され、やむ得ず脱獄劇に巻き込まれる。その行き先は不思議な街・パンプキン王国だった。
    解説の伊坂幸太郎氏の「僕には書けない」という言葉が的を得ている。まさか、まさかの展開が次から次へと起こり、最終的にはストーリーが破綻することなく、見事な着地を見せる。特に本作品は島田荘司氏の底力がをまざまざと見せつけられた。感服の一言。

  • 先行する島田作品で連想できるものはある。
    が、より自由でよりワンダーがある。
    つまり異世界に飛び込んでしまった戸惑いや、そもそも恐竜についての考察も単純にわくわくする。
    ミステリとしての前半部って、要るか?
    という素朴な疑問もないわけではないが。
    それこそ伊坂幸太郎のいう「ミステリという枠にはくくれない」というものなのだろう。
    とにかく読書の快楽とはこれだ。

  •  1939年、ワシントンDCにあるジョージタウン大学脇のグローバーアーチボルド・パークの森のブナの木の下で、異様な状態の女性の遺体が見つかった。ワシントン東警察署のロン・ハーパーは殺人事件を追うが、犯人は捕まらないまま、新たな事件が……というサイコスリラー的な形で幕を開ける本作ですが、物語は二度も三度もその姿を変えて、おそらく導入から結末の光景を想像できるひとなんてひとりもいないんじゃないかな、と思うような結末を迎えます。風呂敷はどこまでも大きく広がっていたほうが嬉しい。でもそれだけじゃ満足できないから、絶対にその風呂敷は畳んで欲しい、という読む側のわがままを満たしてくれる一冊だと思います。

  • 最後に騙されてください

  • 最初からは想像もつかない結末。こんな話の組み立て方があるのか!!
    エピローグに全てが集約。こんな濃密なエピローグは初めてだ。下巻、何を読まされているのか?何が目的なのか?ずっとそんな考えの中読み進めていた。
    趣旨からいっていい話だったな、とは表現できない。したくない。
    しかし島田荘司の力量を思い知る長編。是非一読を。

  • ネタバレになりそうなので詳しいことはかけませんが、原爆の投下場所って…

    あとは、ご自身でお読みください
    堪能しました

  • 上巻で示された論文と容疑者。
    下巻では舞台が表題でもあるアルカトラズに飛びます。
    自分としてはいきなりな展開に感じましたが、この段階ではまだついていけました。
    ただ第4章のパンプキン王国となると、突然のファンタジー展開についていけなくなってしまいました。

    確かに文章としては読みやすく引き込まれるのですが
    上巻で息もつかせずに読ませる事件の展開が
    下巻では失速し急に無茶な構成になったように感じてしまいます。
    つまらないわけではなく、面白い部分も勿論あるのですが
    だからこそ継ぎ接ぎ感もありました。
    原爆の話など盛り込み過ぎな感じもしましたし
    描写や筆者の考え方に疑問を覚えた箇所もあります。

    期待していた収束とは違う形での結末にがっかりしてしまったのが正直なところでした。

  • 猟奇殺人の犯人が捕まり、アルカトラズの牢獄に入れられる。そこで脱獄に巻き込まれ…と、気になる展開でワクワク。
    その後の展開が突然ファンタジーでなかなかついていけず。
    最後まで読んで、え、ああ…そういうこと?となるが、あんまりすっきり腑には落ちなかった。すこし、無理やりだったような?
    解説は伊坂幸太郎。何がいるのかわからないジャングルの中に放り投げられたうえ、どこからか物凄い磁石の力で、ぐいぐい引っ張られるような…とあるが、その感覚はなんとなくわかる。
    展開が読めない。展開どころか現状も読めない。でも最後は繋がる。その繋がり方に不満はあったけどね。。
    でも、面白かった!

  • 猟奇殺人の犯人が捕まった、と思ったら孤島の監獄に収容され、脱出したと思ったら、不思議な世界で、気付けば原爆の話になって……、最後にやっと、オチが分かる。
    解説で伊坂さんが語っていた「何がいるのか分からないジャングルの中に放り投げられたうえ、どこからか物凄い磁石の力で、ぐいぐい引っ張られるような感覚」「物語が線路のように地続きではなくて、ワープに近い」というものがしっくりくる。
    読んでいるうちと、読み終わった直後はもやもやした(特に終盤に差し掛かっているのに訳が分からない時はどうしようかと思った)けれど、読んでから少し経つと「初めての感覚だったなぁ」と少しワクワクしたので星4。
    でも、結局猟奇殺人の真相はどうなったんだろうか気になる。

  • 文体は好きなのだがいかんせん話がぶっ飛びすぎ。最後まとまるにはまとまるけど、、序盤のミステリー感のまま読みたかった。

  • 話の流れが途中からちょっとぶっ飛んでましたが、そこそこ面白かったです。

  • <あらすじ>
    バーナードは2件の事件の犯行を自供する。
    重力論文の証明のため、すでに遺体となっていた女性の身体で実験したのだ。
    しかし裁判で、陪審員からは猟奇殺人犯として扱われ、
    バーナードは凶悪犯の巣窟・孤島のアルカトラズに収容されてしまう。

    アルカトラズで刑期を務めることになったバーナードは、
    仲間の囚人から『地球空洞説』を聞く。
    ある軍人が北極を飛行中に突如ジャングルが現れ更に飛行を続けていたら南極に到着した!
    ある漁師が航海中に海の壁に囲まれ行き着いた先は巨人が住む未来都市だった!
    など、地球の中心には別の種族が住んでいるとかUFOがいるとか。

    そんな中、バーナードはある囚人が企てた脱獄作戦に参加することに。
    作戦は順調に進み、後は海を渡るだけの段階のとき
    看守に見つかってしまう。

    必死で逃げるバーナード。

    そこに突如背の低い女性が現れ、「はやくここに入って!」と
    地面の金属扉を開きバーナードを地下へ案内し助ける。
    バーナードは、わけも判らないままとりあえず彼女に付いていき、
    案内された部屋でぐっすり眠った。


    翌日、
    目が覚めたバーナードは助けてくれた女性に話を聞く。
    彼女の名前はポーラ。
    今いる場所は地下でカボチャが名産のパンプキン王国である。と。
    外に出ると、町中いたるところにパンプキンがあり、
    『V605、PUMPKIN』と至るところに書かれていた。

    そしてポーラはバーナードを地上へと案内するという。
    地上に出たら看守にすぐ見つかってしまうと怯えるが、
    地上に出ると監獄がない全く見たことのない世界だった。
    周りにはビルが立ち並び小さな人間たちが暮らす町。
    自分は地球の中心にいるのか?それともアルカトラズの亜空間なのか?

    現実かそれとも夢か、、、
    めまいがする中で、
    ポーラが”パンプキンヘッド”に誘拐される。
    信頼できる唯一の女性である彼女を追うバーナード。

    着いた先にはアルカトラズ刑務所所長と4つの扉。
    刑務所所長がバーナードに語る。
    「4つの扉のどれかにポーラがいる。間違えれば彼女は死ぬ」と。
    扉にはそれぞれ謎の図柄が描かれていた。

    それを見たバーナードは”ある記憶”を呼び覚ました。

    そして正解の扉を開けたバーナードはポーラに
    『日付』を答えたのだった。



    <オチ>
    実はバーナードは、脱獄したときに頭を打ち脳震盪の状態で刑務官に保護され、その後、彼は<上巻>の事件で被害者を殺害はしてないことが再審議され、その結果、軍に協力するのを条件に釈放され、即入隊した。

    "V605"は飛行部隊名
    "PUMPKIN"は原爆の別称

    爆撃手だったバーナードは作戦中、日本上空で撃墜され、捕虜となった。
    そこで日本軍は彼から米軍の情報を聞き出そうと自白剤を投与したら、副作用でアルカトラズ以降の記憶が消えてしまった。
    広島に原爆を落とされ後がなくなった日本軍は、次の原爆”パンプキン”が投下される場所と日付を聞き出すため、
    バーナードの記憶障害を利用し、彼を”軍艦島”に連れて行き、パンプキン王国を作り上げ、アルカトラズ以降の記憶に精神かく乱を促したり、ポーラ誘拐劇を行うことで、記憶を呼び起こしたのだった。
    ポーラは実際にバーナードと相愛の仲だった日本人で、4つの扉の図柄は、原爆投下候補都市を上空から見た簡略地図だった。


    <巻末の解説・伊坂幸太郎>

  • スケールが大きくてすごい。思わず最後は唸ってしまった。途中の論文は読むのが辛かったけど(笑)。

  • 始まりからは全く想像できない流れで驚いた。
    私は最初から話の軸を勘違いしていたから、全体が見えた時は衝撃で、とても面白かった。

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著者プロフィール

1948年広島県福山市生まれ。武蔵野美術大学卒。1981年『占星術殺人事件』で衝撃のデビューを果たして以来、『斜め屋敷の犯罪』『異邦の騎士』など50作以上に登場する探偵・御手洗潔シリーズや、『奇想、天を動かす』などの刑事・吉敷竹史シリーズで圧倒的な人気を博す。2008年、日本ミステリー文学大賞を受賞。また「島田荘司選 ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」や「本格ミステリー『ベテラン新人』発掘プロジェクト」、台湾にて中国語による「金車・島田荘司推理小説賞」の選考委員を務めるなど、国境を越えた新しい才能の発掘と育成に尽力。日本の本格ミステリーの海外への翻訳や紹介にも積極的に取り組んでいる。

「2023年 『ローズマリーのあまき香り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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