おちくぼ物語 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2015年4月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (416ページ) / ISBN・EAN: 9784167903503

作品紹介・あらすじ

千年もの長いあいだ人々に愛された日本のシンデレラ物語

意地悪な継母に召使いのように蔑まれながら育った「おちくぼ姫」。ところが都で評判の貴公子が姫に求婚して…王朝版シンデレラ物語。

みんなの感想まとめ

継母に虐げられた「おちくぼ姫」が、貴公子に見初められて幸せをつかむ物語は、平安時代のシンデレラストーリーとして描かれています。物語は会話が多く、読みやすく、時折登場する平安文学の名作への言及が、当時の...

感想・レビュー・書評

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  • 継母にいじめ抜かれていた『おちくぼ姫』が、貴公子に見出されて幸せなるというシンデレラストーリー。会話多めで読みやすく、しかも面白さ抜群。時折、「源氏物語」「枕草子」「蜻蛉日記」等の記述にも触れられ、平安時代の風俗について説明が入るので、当時の貴族の生活がよく分かります。田辺聖子さんの、古典知識の豊富さはすごいなあと思いますし、ユーモアのセンスも卓越しています。原文も読んでみたくなりました。古典文学を身近に楽しめる1冊です。

    • うさぎのジョバンニさん
      おちくぼ物語、面白いですよね。田辺聖子さんは他にも色々な古典文学の現代語訳をされています。これから少しずつ紹介していきたいと思います
      おちくぼ物語、面白いですよね。田辺聖子さんは他にも色々な古典文学の現代語訳をされています。これから少しずつ紹介していきたいと思います
      2025/04/19
    • くにちゃんさん
      ありがとうございます♪楽しみにしています^ - ^
      ありがとうございます♪楽しみにしています^ - ^
      2025/04/19
  • 和製シンデレラ。
    継母にいじめられていた美しい落窪(落窪んだ部屋に住まわされていた)が、今をときめく中将に見初められ、愛する落窪をいじめ続けた継母に中将が復讐する話。

    個人的には阿漕が好き。落窪に忠誠を誓って、気を配り働き続ける美しい女房。バリバリ働きながら恋も楽しんでいる姿は、現代の働く女性にも近い部分がある気がする。恋人に強気で発言しつつ、仲睦まじいのは可愛らしさもあって、とても魅力的な女性。

    落窪と中将が結ばれる所まではいいんだけど、やっぱり中将は北の方への復讐をやり過ぎているよなぁ。もう少し違うやり方もあるでしょうに…。

    どこがどう違うかと言われるとわからないけど、原作にかなり手を加えている気がする。もともと話は好きだったけど、私は田辺さんの訳があんまり好みじゃなかったので★3で。
    田辺さんの訳は出てくる物や平安時代の習わしが細かく書いてあるので、平安文学に全然触れたことない方には読みやすくておすすめ。
    一応文学部出身の身としては、もう少し本文に忠実で固めの訳が好きかな。

  • これは、継母にいじめられた女の子がステキな男性と結婚するという、平安時代のシンデレラ物語です。登場人物の一人ひとりが良くも悪くも魅力的で、田辺聖子さんの現代語訳もまるで自分がその場にいるかのような臨場感があり、ハラハラドキドキしながら読みました。継母はおちくぼ姫に嫉妬したのでしょう。若く美しくて、高貴な生まれで、心も優しい。自分にないものをすべて持っている。そういう気持ちがわからないわけではないけれど、相手を貶めて引きずり下ろそうとするのは、嫉妬を通り越して人として最も卑しいことです。不幸な人間のすることです。

    継母は、おちくぼ姫を引きずり下ろそうとして幸せだったでしょうか。いっときは嬉しかったかも知れませんが、もともと自分に与えられた幸せを幸せと思えなかった人です。心に穴があいている人がどうして幸せになれるでしょう。どんな状況でも幸せになれる人がいて、どんな状況でも不幸になる人がいる。小さなことに幸せを見つけて、いつも楽しそうにしている人は羨ましいですよね。どうせ嫉妬するならこういう嫉妬をしたいと思いました。

  • 最高でした。平安文学は苦手だったけど、去年は和泉式部、今回は落窪。
    いよいよ源氏物語ですかね。

  • めちゃくちゃ面白かった!
    源氏より先に書かれて当時は大衆小説として見下されていたようですが。
    いっぱんの人々に愛される物語。

    おちくぼの姫の心根の美しいこと。
    継母の虐めの酷さ。
    はらはらどきどきしました。

  • 生みの母を亡くし、継母とその娘達に虐げられる心優しく美しい姫君。
    彼女を見初めてそこから救い出す美しくて人気も地位もある貴公子。
    確かにこれは平安版のシンデレラストーリー。
    さしずめ阿漕がフェアリー・ゴッドマザー?

    本筋としては落窪の姫君と中将の恋物語、なんだろうけれど全編通して二人を結びつけようとする阿漕の苦労と努力がずっと描かれるので、ずっと読んでいるとなんだか彼女が主人公の様な気がしてきてしまう。
    けれどそのお陰で単純なストーリーでもより一層楽しめる。

    後半の継母達への復讐は結構ねちっこいと思ったけれどこれでも原典よりはマイルドに訳してあるらしい。
    いつの時代も人の恨みを買うと恐ろしい事になるんだなあ…

  • 職場の方から借りて、借りたから読まねばと思い読み始めたら思いの外面白くあっという間に読了!!シンデレラストーリー!

  • とても読みやすかった。継母や義理の姉妹にいじめられる所や位の高い男性に見初められる所はシンデレラとしか思えなかった。

  • 平安版シンデレラ物語と帯びにあったので読んでみました。
    主人公は才色兼備で血筋も高貴な姫君で、嫉妬した継母に虐げられた生活を送っています。
    ある日のこと、姫の噂を聞き付けた少将がアプローチをしてきました。
    姫と王子のラブストーリーですが、それだけではないのがこの作品。

    シンデレラと違って、魔法使いは出てきません。
    主人公には始めから、彼女の身を案じ、幸せを願い、彼女のためにと献身的に働く召使いがいます。
    そんな彼女の働きが縁を結びます。
    主人公はもちろん姫君なのですが、この召使いもまた主人公のように輝いていて、熱い友情の物語としても楽しめました。
    もちろん、主人公の人柄が良いからこそ良い縁が繋がっていったのですから、主人公も立派です。
    マイナス思考がたまに傷ですが、数少ない短所でしょうし、その方が人間らしいですね。

    姫君と少将が結ばれた後の話もあります。

    少女漫画の王道をいくストーリーという帯の言葉通りの作品でした。

  • 古典って嫌煙されがちだけど、ストーリーめっちゃおもしろいよっていう本で、確かにこの本のストーリーはおもしろかった。

    ベタベタな展開、基礎を抑えすぎているのが型を学ぶ上でも良い。そりゃ魚粉を入れたラーメンは須らく美味しくなるよね〜っていう感じの型。

    少女漫画も含め、単純に人をキュンキュンさせたくなる物語にさせるには、理不尽な美少女を王子様が助けに来てくれる、事を徹底すればいいんだなって感じました。水戸黄門みたい。

  • 面白かった!!スピンオフドラマのような、親しみやすいストーリー。今まで読んできた源氏物語、枕草子、うつほ物語は、内裏、貴族邸の煌びやかな雰囲気だったのに、今回は中納言ながらパッとしない源忠頼の家のどうしようもなさが舞台になっていて、平安時代の上級〜下級の役人、それぞれに使える人々の息づかいが掴めて楽しめた。虐待や暴力シーンはまともには読めないけど、北の方がキレてる時、梁もゆらぐほどの大声って書かれてて笑った。阿漕と露の働きぶりは応援したくなるし、四の君も好きだったな〜!

  • 学生の頃から好きな本で、もう10回以上は読み返していると思う。

    古典のシンデレラストーリーが面白いのはもちろんのこと、途中にある用語の解説が分かりやすい。
    例えば、三日夜の餠や几帳、お菓子等、聞いたことはあるけれど詳しくは知らないな、といった用語を作中で丁寧に分かりやすく記述してあるのでイメージがしやすい。
    このおかげで、受験の際に別の古典を読んでいても情景が思い浮かべやすかったこともある。

    落窪の君や阿漕等のキャラも好きだ。
    これからも何度も読み返すことだろう。

  • 作者の創作かと思えば、「源氏物語」や「枕草子」より古いと言う。妻は一人だという評判の若様と身分は高けれど、継母にいじめ抜かれた姫君との大恋愛劇は、まるで少女漫画の世界で、キラキラしている。しかも、仕返しまでセットだ。昔の女性達が心ときめかせて読んでいたのかと思うと、これもまた感慨深い。

  • 結構ライトな感じだった
    別の訳のやつ読んでみたい

  • 長孫が読みたくて購入した本。孫のあとで読みました。孫はこの後どんどん古典小説にはまっています。私はまあまあ面白いとも思いましたが、
    昔昔、源氏物語に若い女性がはまり、みんな読んでいました。今は瀬戸内寂聴さんだけれど(孫の読の読むのは)私の時はやはり女流作家の…思い出せない

    田辺聖子さお訳は、わかりやすくてとてもおよかったです。

  • 平安時代の物語ということで高貴なイメージがありましたが、所々笑えるところや汚い場面もあり、いい意味で親しみやすく人間味の強い話だなぁと思いました。ただ一人の女性をまっすぐ愛する男性が理想的すぎるので、きっと作者は女性だろうな…私もこんな男の人に出会いたい…と遠い昔に生きていた方ながら共感を覚えずにはいられません。
    田辺聖子さんの訳もすごく読みやすくて驚きました。古典初心者なので助かります。本当に読んで良かったです。

  • いのまたむつみさんの表紙イラストがかわいい。日本版のシンデレラ物語として有名な古典。田辺聖子訳は今となってはちょっと古く感じる部分もあるけど、アレンジも読みやすく、おもしろかった。阿漕の働きがすごい。好きなキャラです。

  • 想像以上に面白かった。
    解説は『ガラスの仮面』の美内すずえさん。

    正にシンデレラストーリー。

  • 資親さんと四の君さんが幸せになってるだけで素晴らしく感じてしまう。
    それにしてもお父様の主体性のなさよ。
    みんなから耄碌じじい扱いされてしまって…。
    でも、この時代の耄碌じしいさんだから、実際今の感覚だと若いんだろうな。何歳ぐらいなんだろうな。
    相変わらず見栄が支配する世界だけど、とりあえずハッピーエンドにしてあって良かったよ。

  • 高貴な生まれだが、母親が死んでしまったため
    義母にこき使われる日々をおくるお姫様。

    平安版シンデレラ、というのには納得な状況ですが
    親指姫も混ざっているような状況です。
    本人にはまったくもって駆け引きするつもりはなかったでしょうが
    うまい事作用して、向こうは夢中。
    そしてうまい具合に、邪魔をしそうな人物はいなくなる。

    わりと序盤ですべてが整うわけですが、それから先
    義母の奮闘(?)によって、また色々と大変な状況に。
    この時代ですから、自力で逃げる、という手が使えないので
    じりじりとすか事が進まない。
    そのおかげで、よし! という状態で出ていく事が。

    本人ではなく、周囲の人間が仕返しをしているのも
    異母妹が幸せをつかんでいるところまであるのも
    風呂敷きれいにたためて、納得する読後感でした。

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著者プロフィール

昭和3年3月27日、大阪府に生まれる。昭和22年樟蔭女子専門学校国文科卒。小説家。直木賞選考委員。昭和39年「感傷旅行(センチメンタル・ジャーニィ)」で芥川賞を、62年「花衣ぬぐやまつわる…」で女流文学賞、平成5年「ひねくれ一茶」で吉川英治文学賞、6年菊池寛文学賞、7年紫綬褒章、10年「道頓堀の雨に別れて以来なり」で読売文学賞、14年キワニス大阪賞など、多数受賞。12年文化功労者となる。作風は巧みな大阪弁で夫婦あるいは男女の機微と生態を描くものが多い。近著に『武玉川・とくとく清水』(平14 岩波書店)『女のおっさん箴言集』(平15 PHP研究所)など。

「2004年 『久保田淳座談集 心あひの風 いま、古典を読む』 で使われていた紹介文から引用しています。」

田辺聖子の作品

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