死のドレスを花婿に (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2015年4月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (400ページ) / ISBN・EAN: 9784167903565

作品紹介・あらすじ

『その女アレックス』の原点となる恐怖のイヤミス



狂気に駆られて逃亡するソフィー。聡明だった彼女はなぜ全てを失ったのか。悪夢の果てに明らかになる戦慄の悪意とは。驚愕の傑作。

みんなの感想まとめ

テーマは、成功した女性が突如として不幸のどん底に落ち、その中で自らの生きる力を取り戻す姿です。主人公ソフィーは、聡明で逞しい女性でありながら、次々と襲いかかる理不尽な運命に翻弄されます。物語は、章が進...

感想・レビュー・書評

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  • ソフィーの目の前に転がる男児の遺体。
    記憶にない奇行を繰り返すソフィーは自分自身を信じられずに逃亡する。
    しかし、章が変わると視点は一変する!
    また次の章に変わると事態が一変する!
    最終章では更に一転二転と状況が変わる!
    各章の最後で鳥肌が立つほどの衝撃で物語は切り替わり進んで行く。
    「その女アレックス」を既読の方は、是非読んでみてほしい。
    また未読の方は、勿論読んでみてほしい。
    海外作品が苦手と言う方も一度、ピエール・ルメートルの魅力を味わってみてください。

  • 紹介文に『その女アレックス』の原点とあるがまさしくその通りでありました

    話のシステムが『その女アレックス』の原形ですよね
    章が変わるごとに衝撃の真実が明らかとなり見えてる世界をガラっと変えられる
    大掛かりな仕掛け
    そして最後に明かされるタイトルの意味

    そしてこの作品の肝は犯人が持つ徹底的に理不尽な動機ですよね
    もう終始一貫して気持ち悪くて赦せない
    だけど最後に罰せられても特に爽快な感じにもさせられない
    これで良かったんかな〜?って気にさせるあたりも『その女アレックス』に通じるところでした

  • すごいおもしろかった

    優しい夫と充実した仕事
    人生順風満帆なバリキャリの女性が
    いきなり不幸のどん底に落とされ
    社会の最底辺まで落ちるところからはじまります
    第一部が終わり、これは一体どのように決着がつくのだろうか??と終わりが全く見えないまま
    第二部で驚きの事実が発覚し衝撃を受けました
    そこからもう本を読むのが止められず
    気がついたら徹夜です
    そして見事な終結
    あんなに終わりが見えなかったのに
    とっても綺麗に終わりました!すごい

    主人公ソフィーの生きる力が逞しく
    こんな状況になっても頭が良いので自分が今何をやるべきなのか
    きちんと把握して行動するパワーに尊敬しました

  • 悪夢に苦しめされて眠れず、何でもすぐに忘れてしまう。思いもよらぬミスをする。幸せなキャリアウーマンだったソフィーは記憶にない奇行を繰りかえし、おぞましい汚名を着せられて逃亡する。
    転落して行く女性の軌跡を追うサスペンス小説。


    一章は最近気鬱や物忘れ、放心状態などの症状に悩まされているソフィーという女性の姿を描いており、ある日目が覚めると、ソフィーがベビーシッターをしている家庭の子どもが首を絞められて死んでいる。記憶がないうちに自分がやってしまったのかと逃亡するのですが、その先々でも次々と死体が転がる事に。ソフィーは狂気と不安に苛まれながらも身分を偽って生きるためある事を計画します。

    そこから2章となるのですが、そこでまたがらりとストーリーを取り巻く風景が変わり、おぞましいたくらみが明らかになっていく……。
    常人の理解の範疇を超えた動機と偏執的な行為に、気分の悪さを覚える事請け合いです。全編通してぞわぞわとした不快感がありました。

    裏表紙のストーリー説明で『その女アレックス』の原点、と紹介されていましたが確かに似た所があるように感じます。
    読み進めるにつれ、被害者と加害者が目まぐるしく入れ替わっていくような構成が最たる部分で、どうにもすっきりしないラストなども。

    狂気と正気の境を考えさせられます。
    イヤミスなど好きだったらおすすめです。

  • 『そのおんなアレックス』の原点と言われるだけあって、全体的なイメージはよく似ている。
    主人公のソフィーのイメージが、最初、ぼんやりとしていて掴めなかったと思っているうちにどんどん変容していく感じが。
    構成も面白い。
    『その女アレックス』を読み返したくなった。

  • ソフィーの目の前に転がる男児の無残な死体。ああ、私はついに人を殺してしまった…
    ベストセラー『その女アレックス』の原点。

    自身の狂気に怯えて涙を流すソフィーの導入部分からずっと目が離せません。フランス発の極上のイヤミスは必見!

  • どはまり中のピエールルメートル氏。
    読んでいるうちに、ソフィーの混乱が伝染して自分まで頭がおかしくなってくるような感じ。
    イヤミス!

  • 最初は「ソフィー」。ソフィー・デュゲは夫を亡くし今はベビーシッターをしている。が、気が付くとシッターすべき6才のレオが死んでいる。無意識に自分がやったのか? というところから始まり、不審ともいえる夫や義母の死から、ひどい物忘れなどソフィーの混乱した状況が語られる。でもソフィーは逃げ出した。そして名を変え捕まらずにいる。

    そこで「フランツ」に入る。と、ここで一転、最初のからくりがわかる。次に、「フランツとソフィー」、「ソフィーとフランツ」と続き、最後は終焉を見る。

    ソフィーの混乱は「フランツ」で読者は分かる。でもソフィーは途中の逃亡まではからくりが分からず、無我夢中で逃げている。そのソフィーの強靭さが喝采ものだ。

    「その女アレックス」とも通じる、一旦男によりどん底まで貶められた女が強靭な精神でしっぺがえしを行う、という主軸。アレックスのような性的な残虐さがないところがほっとする。最後は、ソフィー、それ、やれ、やった、と溜飲。


    2009発表
    2015.4.30第1刷 2015.4.20第3刷 図書館

  • 期待どおり!ホラー映画を観ているようだった。おすすめします。

  • 「その女アレックス」と比較したが故の☆3つであり、本作も読み応え十分。

    ソフィーとフランツの心理戦は読んでいてしんどくなる程に。

    ストーカーってこんな風に相手(被害者)の肉体、精神、人間関係等を破壊出来るって事に恐怖を覚える。

    説明
    内容紹介
    『その女アレックス』の原点となる恐怖のイヤミス

    狂気に駆られて逃亡するソフィー。聡明だった彼女はなぜ全てを失ったのか。悪夢の果てに明らかになる戦慄の悪意とは。驚愕の傑作。
    内容(「BOOK」データベースより)
    『その女アレックス』の原点となる恐怖のイヤミス

    狂気に駆られて逃亡するソフィー。聡明だった彼女はなぜ全てを失ったのか。悪夢の果てに明らかになる戦慄の悪意とは。
    ソフィーは怯えていた。かつては優秀なキャリアウーマンだった彼女には秘密があった。ときに奇行を起こし、そのことをまるで記憶していないのだ。そのせいでソフィーは職も地位も失ったのだった。自分は正気を失ったのか。恐怖を抱えながらも、高名な政治家の家でベビーシッターをつとめるソフィーだったが、ある日、決定的な悲劇が訪れ、彼女は恐慌にかられて逃亡を開始した。自分は人を殺したのか? 自分は狂気に捕らわれてしまったのではないのか? そんな彼女をずっと見つめるフランツ。彼の暗い歩みとソフィーの狂気の逃亡が交差するとき、おそるべき罠が全貌を明らかにする!
    底知れぬ狂気と悪意が織りなす恐怖の犯罪計画。驚愕の四部構成の最後に浮かび上がるのは恐怖の肖像――
    あなたの心を凍らせる衝撃と恐怖の傑作サスペンス。
    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    ルメートル,ピエール
    1951年、パリに生まれる。教職を経て、2006年、カミーユ・ヴェルーヴェン警部シリーズ第1作Travail soign´eで作家デビュー。同作でコニャック・ミステリ大賞ほか4つのミステリ賞を受賞。シリーズ第2作『その女アレックス』は、イギリス推理作家協会賞を受賞したほか、日本で「このミステリーがすごい!」など4つのミステリーランキングで1位となり、ベストセラーとなった

    吉田/恒雄
    1947(昭和22)年、千葉県生まれ。市川高校卒、フランス文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

  • 最後まで読むとタイトルの意味が分かる。
    メイン2人による腹の探り合いは緊張感が走って読んでいてドキドキした。目には目を歯には歯をな感じの動機で犯罪が行われていくのに、折り重なる犯罪の尻尾も掴めないフランス警察どうなってるの?という疑問は残った。完全犯罪で終わるラストなので余計なものはいらないと言ってしまえばそうなのかもしれない。
    ラストの結末は個人的にスッキリした。ソフィーお前もなかなか狂気だな笑

  • ルメートルの単発作品。
    ニューロティックなスリラー小説。
    起承転結が綺麗に決まっている。
    魅力的な謎を提示し、読者の興味を引き付ける。
    ストーリー的には、土曜ワイドや火曜サスペンスにありそうかな笑

    以下ネタバレ

    ソフィーの章…いわゆる謎の発端部分。ソフィーは記憶の無いままに殺人を犯しているのか?どんどん追い詰められ、ついには逃亡生活を経て打開策として別人として生活を始めるまで。

    フランツの章…前の章で描写されていたソフィーの異常行動の種明かし。フランツのソフィーに対する悪意を日記体で、短いセンテンスで描写する。底の知れぬ悪意と、不明瞭な動機が緊迫感を生む。

    フランツとソフィーの章…ソフィーの記憶障害の謎が明かされ、フランツの動機も明らかにされていく中で進行する復讐。同時に自分の身に起きた数々の悲劇の真相をしったソフィーも反撃の準備を進める。

    ソフィーとフランツの章…ついにソフィーは反撃の機会を掴み、攻守逆転する。フランツは亡き母の診療記録を盗みだし母から自分が疎まれていた事を知り、一挙に精神を病む。更にソフィーによる薬物投与も重なり、母親同様にウェディングドレスを身にまとい自殺を遂げ、莫大な遺産はソフィーが相続する。
    最後の一捻りが、フランツにショックを与え、気力を失わせた母親の診療記録は、ソフィーの父親が偽造したものである事が明かされる。なんとも言い難い読後感と余韻を残す。

  • 2020年7月10日読了。

    ベビーシッターとして働くソフィー・デュゲ。
    日々、淡々と仕事をこなす彼女だったが、最近自分がした覚えのない行動をしていたり、物忘れが激しい事を気にかけている。
    例えば、図書館に本を返しに行かなければと思った時にはもう返してあったり、
    買った物をどこに置いたか分からなくなったり、車を停めた場所が分からなくなったり。
    それと同時に母親と夫を亡くした辛い過去を引きずり苦しんでいる事もあり、精神的にも肉体的にも疲弊していた。

    疲れ切ったソフィーは、雇い主のジェルヴェ夫人の「泊まっていったら?」という言葉に甘えてその日は眠りについた。

    目を覚ました時、目の前にはソフィーが世話をしている6歳の男の子・レオの無残な死体が転がっていた。
    首にはソフィーの靴紐で絞められた痕が…
    『眠っている間に私が夢遊病者のように殺してしまったのだろうか…』

    しかし、目が覚めた時に死体が転がっていた事はこれが初めてではなかった…


    カミーユ・ヴェルーヴェン警部シリーズぶりの久々ルメートル作品。
    物語は4部構成になっていて、
    1部はソフィーの身に起きている事態や行動を追い、謎が多い。
    2部からフランツという男が現れ、急展開。
    3、4部の後半は語り手が目まぐるしく変わり、騙し騙されで先が気になり一気読み。

    ラストの後味の悪さ。
    もはや誰が悪なのか分からなかった。

    カミーユシリーズとは訳者が違っていることもあり、最初少し読み辛さみたいなものを感じたけど、なんだかんだそこはルメートル。
    やっぱり面白かった。

  • 狂気をここまで見事に書いた小説は初めて出会ったと思ったら、どんでん返し。
    たまらん。
    ただ、狂気を体験したことないひとには序盤は不快な展開かもしれない。個人的には大好きだけど。

  • ほんと私この人の本好き。まじでおもろい。
    始めは読んでるこっちもすごく気分が悪くなる。不安で、体調も悪い気がしてすごく引きずられる。
    そんであとはいつもの感じ。わあ面白い続き気になる気付いたら朝!!
    最高!

  • ルメートル節炸裂!
    視点が変わることにより物語が一変。
    後半の視点の切り替わりにによる緊張感。
    女性主人公ソフィーの強さに感動。
    もう一回、その女、アレックスが読みたくなる。

  • カミーユ・ヴェルーヴェン警部シリーズを読んでいたので、この人の作品は面白いはずと読み始めた。中盤の「胸くそ悪いことこの上ない」空気に耐えると、そこから流れが変わった時の爽快感はすごい。でも、ラストはなんとも形容しがたい気持ちになる。実際の人間は、怒りや憎悪の方向へ気持ちを全振りできないのかも。私はこのラストでそんな事をぼんやり思った。

  • "非常に手の込んだ陰謀。
    「その女アレックス」同様、後味の良いものではない。
    一気に読ませる娯楽小説。"

  •  今年は昨年の『その女アレックス』の大ヒットを受けて、フランス小説としては異例の翻訳化の嵐が吹き荒れている。年間3作品も翻訳出版されるスピードは、海外小説ということからしても奇異な現象である。何かの受賞作品一作だけで翻訳を見切られる作家も、海外小説という不況市場では珍しくない状況下、このような空前のヒットは歓迎すべきことである。これを機に北欧ミステリに続いてのフランスのミステリ、ひいては海外ミステリの翻訳に順風が吹いてくれることを期待したい。

     そのためには一発屋的ヒットではなく、次々と翻訳紹介される作品の品質が同等またはそれ以上のものであることが期待されるのだが、<ピエール・ルメートル>ブランドは、本書を読む限り、安心かなと思われる。この作家に期待されるどんでん返し、さらにダブル・ツイスト、トリプル・ツイストというプロットの秀逸さ、さらには語り口などが、ポスト『その女アレックス』の期待感にしっかり答えてくれているからだ。

     さて、翻訳出版としてはこの作品だけ異例のスピードだったが、実はこの書は既に『その女アレックス』以前に単行本として翻訳されていた柏書房(2009年)の文庫化である。いわゆる埋もれていた傑作、というわけだ。これを読んだ編集者が衝撃を受けて『その女アレックス』を出版にこぎつけさせたというから、その編集者の先見の明がしっかりと結果につながったというわけだ。素晴らしい!

     本書は、確かに衝撃を受けるような小説である。今、読んでいるものが、次にここまで覆されるとは読者は絶対に思っていないはずだ。しかし、今目の前に展開している描写を、裏の視点でもう一度語られてみると、別の世界が広がってゆく。章が変わるだけで、ここまで変わる作品は珍しい(実は、これも今年文庫化されたセバスチャン・ジャプリゾが『新車のなかの女』で、奇しくも同じフランス・ミステリとして同レベルのアクロバットをやってのけているのだが)。

     ハイレベルのツイストを見せてくれた作品だが、さらに屈折した悪の心に深みを添えてその原因理由をまでしっかりと裏付けてみせた本書の奥行、そこに潜む暗闇の黒さは作者ならではのものである。当分目が離せない作家が、こうしてまた増えてゆく。素晴らしい!

  • 「その女アレックス」の作者の本だったので期待感半端なかったのだけれども、期待を裏切らない内容でした。この方の本、ほかにもあるならどんどん翻訳して出版してもらいたいわー。
    なんていうかアレックス同様、先の読めなさがすごい。読書意欲がめっきり落ちていた私だったけど、時を忘れて続きを読み進めちやうこの感じが久々で心地よかった。
    そしてこのヒロイン達の心の強さを見習いたい!

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