しょうがの味は熱い (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 619
レビュー : 76
  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167903602

作品紹介・あらすじ

同棲=結婚じゃないの?!煮え切らない男・絃と煮詰まった女・奈世が繰り広げる現代の同棲物語。トホホ笑いの果てに何かが吹っ切れる、迷える男女に贈る一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 以前は苦手意識のあった綿矢さん、最近好きになりつつあります。今作も好き、とにかく文章が。心の動きが丁寧に細かく、綺麗に表現されていると思いました。線を引きたくなる文がたくさんで、ドッグイアだらけです。
    主人公2人の性格は面倒だし、ストーリーはそんなに大きな動きがあるわけじゃないけれど、とても好きな一冊になりました。

  • あーあーあー!もう!やっぱり綿矢りさはすごい。タイトル通りひりひり、ぴりっとする。

    ちょっとおかしくて、怖くて、それでも、ああそれわたしも知っている、となる部分が多々あって、ゾワゾワ。
    結婚した途端に何かが変わるとか、そうじゃないとか、気を遣うとか、愛だとか、身内だとか、絶妙に切り取られていく。

    綿矢りさ、やっぱりおそるべし。

    2015.07.10

  • す、っごい本だった…!
    あるある、わかる、という感情がたくさん散りばめられていて、それこそしょうがみたいにヒリヒリとする。
    解説も面白かった!

  • 書き出しの一文があざとく思えて先へ読み進むことをふとためらった。心象描写の多い文章は作中人物の思考を無理やり押し付けられているようで窮屈だ。どこかだらしない女性の生活感が上手く出ているが、単調で起伏の少ないストーリーは退屈だ。

  • 『ひらいて』から引き続きはまってる綿矢りさ作品を読んだ。同棲カップルのすれちがい(と一言でまとめてしまうとなんか違う気がする)を、女性と男性それぞれの目線から書いてるんだけど、それが絶妙に食い違ってていい。どっちにも共感しつつ、どっちにも違和感を持つ。ええーどうかなー?っていう、自分が出てくる瞬間がある。
    同棲したからって必ずしも結婚するわけじゃない。家族っぽいからって、家族なわけではない。っていうことが、じんわり分かる。いい作品でした。

  • うまくいかないから努力してきた。しかし、その努力は本当に必要だったのでしょうか。そしてこれからの努力も。最初に彼に抱いた『好き』という気持ちがゆっくりとすり減っていくだけではないでしょうか。でも私はがんばらなければ気が済まないのでしょう。だって、好きなのだから。こんな、どこかで諦めながらもがんばらざるを得ないという状況が存在することを、私はいままで知りませんでした。自分の意志ではなく、執着や激情に自分の身体が引きずられてゆくこんな感覚を、私は本気で恋をするまで味わったことがありませんでした。

    絡み合ってほしいときに絡まない視線、その胸の締め付けられる切なさを愛したことも事実なのです。

    ひさしぶりにいまことのひとときにだけひたっていると、身体じゅうがほぐれて眠くなり、自然にまぶたが、甘く重く瞳にのしかかってきます。

    今この瞬間の幸せを大事に。





    ここまでの行動力はないけれど、主人公の思考回路がこんなに共感できる話は出会ったことない。胸に突き刺さる言葉がたくさんあった。自分でちゃんと買って、本棚に収めておきたい。歳をとってまたこの本に出会ったときに、きっと今日のこの気持ちを思い出して懐かしくなるんだろうなと思う。綿矢りさの作品は、いつも着地点に希望が見い出せて大好き。

  • 表題作と、その続編「自然に、とてもスムーズに」の二本立て。

    同棲カップルのすったもんだな恋愛ものですが、女子のほうがとにかく依存体質で面倒くさい、同性からみてもはっきり言って、かなり重い。いまどき「あなたが生きがい」なんて言われて、喜ぶ男子がいるのだろうか?恋愛と結婚以外にやりたいことないのか?頼むから自分の人生は自分で生きてくれ、と男子ならずとも言いたくなってしまう。あげく結婚結婚と騒いで仕事(バイト)は辞めてしまい無職、勝手に婚姻届を書いて喧嘩のあげく実家に帰れば一人娘に両親は甘々、つまり結局彼女は誰かに寄生してないと生きていけないパラサイト体質なだけ。

    男のほうもゆとりなのかなんなのか・・・魚料理にご飯じゃなくて自分だけパン、とか、ありえないんですけど・・・同棲しててこんな食事されたら私ならキレます。彼女ほっぽらかして一人で海外旅行とかも、気持ちはわかるけど、だったらもう一緒に住んだりしなけりゃいいのに。彼女のどこが好きなの?食事と夜のお世話さえしてもらえれば誰でもいいの?終盤のほうでお互い一目ぼれのような状態でつきあいはじめたことが明かされるけど、正直この彼氏のほうは、彼女のどこが好きなのか全くわからないまま。

    ・・・と、読んでるほうがこれだけムキになってツッコミを入れてしまうくらい、つまり綿矢りさの人物造形は綿密で面白いんですよね(笑)とくに主人公(女子のほう)の思考回路はほんとアイタタな感じで、自分が男なら絶対別れる!って思うんだけど、そんな彼女の恋愛感情の機微や考察はとてもリアルで鋭い。全体としては、こんなカップルもまあいるだろうな、という程度の話なのだけれど、ときどきハッとするような本質を突いたフレーズが出てくるから綿矢りさは侮れない。

  • とにかく読んでいて気持ちのいい表現とことば。よく見ている。すごい作品だった。

  • 同棲しているカップルのすれ違いの物語、二編。

    どちらも女の愛が重すぎ、考えすぎていて、男は怯え、疲れている。お互い心を許し、好きなことは確かなのに、結婚にこだわりすぎる女と結婚に踏み出せない男。

    本当にうまくいくカップルは結婚時に無理がなく、当たり前のように迷いなく結婚するもんだ、という主人公の父親の言葉が痛い。

  • 2019.03.05

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著者プロフィール

1984年京都府生まれ。2001年『インストール』で文藝賞を受賞して作家デビュー。04年『蹴りたい背中』で芥川賞、12年『かわいそうだね?』で大江健三郎賞を受賞。ほかの作品に『夢を与える』『勝手にふるえてろ』『ひらいて』『しょうがの味は熱い』『憤死』『大地のゲーム』『手のひらの京』などがある。

「2018年 『100万分の1回のねこ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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