探検家の憂鬱 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 100
レビュー : 14
  • Amazon.co.jp ・本 (297ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167903718

作品紹介・あらすじ

生のぎりぎりの淵をのぞき見ても、もっと行けたんじゃないかと思ってしまう」探検家にしてノンフィクション作家の角幡唯介が、みずからの性とジレンマを描き尽くす。冒険とは何なのか。生きるとはどういうことか。自分はいったい何者なのか。極限状況において、自らに問い続けた果てに、しぼりだされた珠玉のことば。いま最も期待される探検家、はじめてのエッセイ。

感想・レビュー・書評

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  • 2018.5.5一箱古本市で購入。

  • 書いてる内容がおもしろいから読むけどこの人とは気が合わないだろうなって思った。

  • 身近な話から始めてくれるのがいいな〜。

  • ぼくは冒険家でもなんでもないが、角幡さんの書いたものは『空白の五マイル』以来『雪男は向こうからやってきた』『アグルーカのゆくえ』と読んで来た。一番好きなのはやはりチベットの秘境に挑戦した『空白の五マイル』である。角幡さんは、大学を出た後朝日新聞の記者をやっていたせいか、文章がわかりやすくうまい。本書はその角幡さんのエッセイ集である。角幡さんは文章がうまいと言ったが、実は本人はかなり苦労しているところがある。それは自分の冒険を自分でどのように書くかという問題で、あまり懲りすぎるとうそっぽくなるし、冒険自体フィクションかと思われる危険性がある。だから、文章を書くのも楽ではないのである。(ちょっと技巧に走りすぎている嫌いがないでもないが、この程度はまだ許せる)本書では、角幡さんが三度も命拾いをした雪崩の経験(生き延びたのが奇跡としかいいようがない)、冒険家たちの最後を見送る話、さらには冒険家と性の問題まで話が及ぶ。ナチスにつかまったユダヤ人たちを描いた『夜と霧』では、たしかみんなが素っ裸になっても性欲はおこらなかったという話が出ていたが、冒険家は死と隣り合わせになってもどうもそうでもないらしい。ただ、これまでだれもそれを語らなかっただけだ。(だから、ときに露悪家と言われる)それで思い出したのが、梅棹忠夫さんが『モゴール族探検記』の中で、テントを個人別にしたという話だ。これは一人でほっとしたいということもあるだろうが、性の問題も関わっているような気がする。角幡さんは冒険家で、いくら見合いをしてももてないと言っていたが、最後のあたりを読むとちゃんと奥さんをもらい、だれよりも可愛い(本人の弁)娘をさずかっている。おめでたい話だが、冒険家として今後どうやっていくのだろう。奥さんも覚悟の上だろうか。

  • 探検家、角畑唯介のエッセイ
    記述されている時間軸のなかで、いつの間にか結婚、出産を経験しているようだが、その辺りのエッセイも書いてほしいものだ。

  • モテないはなしを散々したあとに最後でするっと結婚してかわいい娘まで生まれてるの、裏切られた気分だわ。合コンで探検家の人にあったらこの本の話をしようと思う。

  • 探検家&ライター・角幡唯介のエッセイ集。
    2012年発刊の『探検家、36歳の憂鬱』に、数篇を加えて文庫化されたもの。
    著者は、『空白の5マイル~チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む』で、開高健ノンフィクション賞(2010年)、大宅壮一ノンフィクション賞(2011年)をダブル受賞しており、今最も注目される探検家&ライターのひとりである。
    本書では、そうした著者ならではの切り口での考察が綴られている。
    ◆ノンフィクションの行為と表現~「書くことでも映像をとることでも・・・結果として表現に置き換えることを前提に何かの行為をする場合、その行為の純粋性を保つことは想像以上に難しい。・・・ノンフィクションを成立させる場合の本当の難しさは、実は文章を書く時にノンフィクション性を成立させることにあるのではなく、むしろ行為をしている時にノンフィクション性を成立させることにあるのだ」
    ◆冒険とノンフィクション~「冒険の場合は命がかかっているので、基本的には現場で起きるあらゆるトラブルに対処できるように計画を作る。・・・すなわち冒険の現場で筋書きのないドラマが起きた時、それはかなりの確率で遭難と呼ばれるものを指しているのだ。筋書きのないドラマが優れたノンフィクションの条件であるなら、冒険という分野では遭難こそがそれにあたるのである。・・・しかし、遭難は狙ってできるものではないし、狙ってしてはいけないものでもある。そうすると、冒険ほどノンフィクションの作品に適さない分野はない、ということになる」
    ◆冒険家にとっての目標~「目標そのものが、目標というよりも、達成しなければならないというふうに自分を追い込む強迫観念となってしまい、それを断念することが自分の弱さの露呈であるような気がして永久に逃れられなくなってしまうのだ。・・・目標から撤退することは、死を覚悟で挑戦することよりも時には苦しいことがある。冒険家や登山家の多くはどこかでそういうジレンマを抱えている」
    ◆冒険の魅力~「結局のところ冒険を魅力的にしているのは死の危険なのだ。死の危険があるからこそ、冒険や登山という行為の中には、人生の意義とは何なのかという謎に対する答えが含まれているように思える。・・・もしかしたらそれは当たり前のことなのかもしれない。生とは死に向かって収斂していく時間の連なりに過ぎず、そうした生の範囲の中でも最も死に近い領域で展開される行為が冒険と呼ばれるものだとしたら、それは必然的に生の極限の表現ということになるだろう」
    自ら冒険し、それをノンフィクションとして表現する、探検家&ライターの、行動・思考の背景を知ることができる。
    (2015年5月了)

  • 自分の生き方が社会に認められない、マッチしていない、もっとロマンのある生き方をしたいみたいな人にお勧め
    探検家でありノンフィクション作家である葛藤が人間らしくて好き、水虫の件とかも・・・

  • 2015/9/27

  • お気楽エンタメノンフが読みたかったのですが、予想を超える重たい内容もあり。受け止められそうなコンディションの時に再読します。

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著者プロフィール

角幡 唯介(かくはた ゆうすけ)
1976年、北海道芦別市生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、朝日新聞社に入社。同社退社後、ネパール雪男捜索隊隊員。『空白の五マイル』(集英社)で開高健ノンフィクション賞、大宅壮一ノンフィクション賞受賞。『雪男は向こうからやって来た』(集英社)で新田次郎文学賞受賞。『アグルーカの行方』(集英社)で講談社ノンフィクション賞受賞。

「2014年 『地図のない場所で眠りたい』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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