新月譚 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 309
レビュー : 37
  • Amazon.co.jp ・本 (625ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167903800

作品紹介・あらすじ

ベストセラー作家はなぜ筆を折ったのか?突然筆を折ったベストセラー作家・咲良怜花。その理由は、一人の男との煉獄のような恋愛関係だった。甘く残酷で痛ましい恋愛物語。

感想・レビュー・書評

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  • かつては一世を風靡した女流作家・咲良怜花は卓越した文才と美貌で長年、文学界の華として存在していたがある日突然、断筆してしまった。編集者である渡部敏明は咲良怜花の一ファンと共に断筆の理由を訊く為に咲良怜花の元を訪れる。そこで聞かされたのは木之内という男との出会いと彼に翻弄された”後藤和子”という女性の話だった。貫井徳郎さん=ミステリーというのを期待される方は肩透かしをくらってしまう作品です。文庫では600頁程ありますので御注意を!

  • 高校生の頃に読み衝撃を受けた作品、それを書いた女流作家は既に絶筆を宣言していたが若手編集者は彼女に接触を試みる。
    新作が読みたい。若い熱意とその覚悟は彼女にも伝わり執筆の原動力ともなった、今まで誰にも話さなかった秘密を語り始めたのだ…。

    編集者の語りから始まりますが、それ以降は作家となった女の半生が切々と描かれています。
    コンプレックスまみれの若い女が出逢った男。それは愛だ恋だと簡単に言えるものではなく、自分そのものを変えてしまう、破滅的な力を持っていた。そして煉獄の闘いが始まる…。

    『いつまでもやんちゃで危なっかしく、そのくせ強運で困難を平然と乗り越え、頭が切れて姿形がよく、女にだらしなく不誠実で嘘つきのくせにいつも真面目で本気でわたしを励ます言葉を無限に持っている、こんな特別な男が、どこにいるのか。』
    いやいや、こんな人いないよ。あまりにも彼の事が好き過ぎて、悪く言わないものだから、こちらも悪いイメージは持ちませんでしたけど、それでもやっぱり人として最低な男ですね。
    露骨な描写も直接的な表現もありません。思い煩う心の有り様が延々と続きます。
    歪んだ心をもて余す女性の心理を見事に書ききった、とても濃密濃厚な恋愛小説でした。

  • 貫井徳郎は微笑む人に続き2冊目。整形をしてそれまでの人生を捨て、女流作家になっていく主人公。執筆に掛ける作者の気持ちを代弁している感じ。ボリュームがあり、読み応えはあった。一人称で進んでいくので、これだけの量を読むと主人公と同化していく。結末はほの悲しく、主人公への共感が増して幕が閉じます。
    普段使わない漢字を多用するので、アプリで読み方を調べる回数が今までで一番多かった本です(笑)

  • 2017.5.15-44
    女性に対して不誠実である木之内の為に小説を書きまた筆を折る怜花の半生。ミステリーとは違う方向性であり重みもあるが一気読み。

  • 【内容紹介】

    美貌と壮絶な作品世界で一世を風靡した作家、咲良怜花。だが彼女は突如として筆を折った。なぜ彼女は執筆をやめたのか。彼女が隠し続けてきた秘密とは何か。沈黙を破り、彼女は語り始める―目立たない娘だった彼女を変貌させた、ある男との恋の顛末を。恋愛の陶酔と地獄を活写し、読む者の呼吸を奪う大作。

  • 恋愛小説というのはもっと上手くいくものではなかったか。もっと安心して読めるものではなかったか。読みながらそんなことが頭をよぎった。容姿に自信のない女性が恋を経て、整形をし華やかな美貌を手に入れ、持て余し、翻弄される…。どこか既視感があったような気もしたが、そんなものは一瞬にして吹き飛んでしまった。理屈に反するような行動ばかりする主人公。しかし、その狂気や陶酔、諦め、迷いといった心理描写が、読者にその理詰めでは説明しようのない人間の感情を、直に分からせてくれる。必死に生きる主人公に、心から共感できる作品。

  • 最後の一文を読んで、小さな貿易会社で働くようになって、社長の木之内と交際するようになった頃が、後藤和子にとっては、一人の女性として一番幸せな頃だったように思いました。木之内の存在を原動力に、咲良怜花として名声を手にしますが、その頃程の幸せは訪れなかったのではないかと感じました。

  • 女流ベストセラー作家が突然断筆したその理由は謎のままだった。作家の作品に影響され職を決めた若き編集者が訪ねた時その理由を語り出す…。ミステリーではないけど一気読み。壮絶な恋愛の顛末という売りだが読み終えればさほど壮絶でもない気もする。なのにのめり込ませる筆の力は凄い。

  • 残酷だなぁって思う。自分はその人だけなのに、相手は違う。。

  • これだから恋愛はバカにできない。

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著者プロフィール

1968年東京都生まれ。93年『慟哭』でデビュー。2010年『乱反射』で日本推理作家協会賞、『後悔と真実の色』で山本周五郎賞を受賞。他書に『天使の屍』『崩れる』『灰色の虹』『新月譚』『微笑む人』『ドミノ倒し』『私に似た人』『我が心の底の光』など多数。

「2018年 『女が死んでいる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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