本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784167903985
作品紹介・あらすじ
直木賞受賞! 私たちの心の奥底を静かに覗く傑作集
どこにでもある町に住む、盗癖のあるよそ者の女、婚期を逃した女の焦り、育児に悩む若い母親……彼女たちの疲れた心を待つ落とし穴。
感想・レビュー・書評
-
第147回直木賞受賞作品
久しぶりな辻村深月作品。やっぱり読みやすいし、感情が入りやすくて、絶妙な人物達とその人達が暮らす世界観作りに感嘆しましたわ。
短編集でどの作品も絶妙なリアリティがあって本当に良い。特に最後の『君本家の誘拐』この作品は震えました。ちょっと読み進めるのが嫌になりました。
サラッと読めるけど深みのある作品だらけで、抜けが無いですね。やっぱり大好きだ。辻村先生!!いつか【辻村深月を囲んで褒め称える会】やりたいなぁ笑詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
人のこころの奥深いところがわかるような話だった。
全体的に暗い雰囲気の話でした。人の考えている悪い気持ちやだんだん変わっていってしまう様子を違和感無しでかいている辻村さんはさすがだと思いました。-
すみません、私の本棚をフォローしていただいていたのに、何故かエアポケットに入ってしまっていました。
改めて「きたごやたろう」と申します。
よ...すみません、私の本棚をフォローしていただいていたのに、何故かエアポケットに入ってしまっていました。
改めて「きたごやたろう」と申します。
よろしくお願いします。
辻村深月さん、お好きなようですね。
私も大好きなんですが、辻村さん大作が多くて(よく上・下巻に分かれてますよね。笑)、読むには気合を入れないと読めません笑。
図書館だとタイムアップ、家だと積読…。これからは、がんばって完読します!2024/09/05
-
-
『鍵のない夢を見る』辻村深月
今まで感じた辻村深月さんの爽やかさはない。
どの短編も人の中に潜んでいる感情が細やかに描き出されている。見たくないのに、、こんな展開にしなくていいのに、、と思いながら最後まで読まされてしまった。衝撃は『芹葉大学の夢と殺人』のラスト。『君本家の誘拐』は育児ノイローゼに陥る母の錯乱。これが一番リアリティがあった。目を離せない、逃れられないと思えば思うほど、人は逆の行動をとってしまうことがある。言ってはいけないことが無意識に口から出てしまうように。そんな危うさは誰にもあるし、共感できる。救いがあってよかった。
-
唯川さんのエッセイ「さよならが〜」で、“藁をも掴む思いで掴んだものは絶対に藁だ。”を読ませていただいたばかりですが、それを具現化したような小説でした。
「石蕗南地区の放火」は、辛うじて、藁男子を自ら離す。「美弥谷団地の逃亡者」は、他者にその手を離してもらう。「芹葉大学の夢と殺人」は、藁と共に沈んでいく。それぞれの女性は、違和感と嫌悪感を感じながら焦燥感からか、藁である認識を持ちながら関わりを捨てきれない。趣向ある連作と思う。
「君本家の誘拐」は、勘違いから誘拐騒ぎを起こしてしまった女性。多くのママさん達が、経験している心情が痛々しい。一歩ではないけれど、数歩間違えれば、自分であったかもしれないという不快さ。最後の安堵感、そこに至るまでの共感。似たような経験を思い出し、寒気がした。
-
2025/08/21
-
2025/08/21
-
ともちん、まあ毎日暑いのにありがとう♡
辻村さんはさすがに面白いよね
すごく人気の青少年の作品より
この短編集とか傲慢と善良の方が好きです
...ともちん、まあ毎日暑いのにありがとう♡
辻村さんはさすがに面白いよね
すごく人気の青少年の作品より
この短編集とか傲慢と善良の方が好きです
黒辻村ね!2025/08/21
-
-
直木賞なので手を出したが、苦手な短編集…
全5篇女性主人公で、それぞれ異なる環境や性格を描写できる作者に感服
想像で書いたと綴っているが、只々感性に驚きつつ面白い!
題名「鍵のない夢を見る」は作中にはでてこない。
ネット徘徊すると、
閉塞感の現状から出ていきたい、ささやかな希望を込めた題名とのこと
なるほどすべての話は少なからず当てはまり読後に納得
「出口」とか「希望」のような安直な単語でなく
ドアの「鍵」としたとこが、おしゃれで日本語って良いなと感じた
-
すごいなあ、辻村深月!
全編主人公のキャラクターは全然違うのに、一つ一つの物語の中で、こんなにも個性が際立っている。そして何より、そのキャラクターそれぞれが、本当に生きているかのような、大きなエネルギーを感じた。こういうのを「宿る」っていうんだろうな。
解説の林真理子さんの言葉。
「主人公の一人称小説の場合、ちょっと変な考えのキャラクターであっても、正当性を持ってしまうものなんですけど、この作品では読んでる人にひたひたと違和感を感じさせ、実はちょっと軸が曲がってるんだということが伝わる。これはすごくテクニックがいることです」と。
特に笙子と未玖には、共感しつつも「いやいやいや」と、彼女たちの気持ちにのみこまれる直前に、ぐぐぐ、と自分の気持ちに戻ってくる。最後までは共感させない。この描き方はすごい。でもどこか、昔の自分と重なる主人公の心理状態。だからこそ、共感しながらもゾクゾクして、最終的には自分の気持ちを取り戻す。この、あやうさ。読者との絶妙な距離感。辻村さんは、この絶妙なバランスを描くのに大変長けた作家さんだ。このあやうさに取り憑かれてしまうと、中毒のように求めてしまう。もっともっとと、求めてしまう。きっとすでにわたしは取り憑かれていて、しばらくこの世界から戻れそうにない。-
2019/11/10
-
2019/11/10
-
-
登場人物がみんな絶妙にズレている。読んでてとっても居心地が悪いというか、気持ち悪いというか。
そんな登場人物たちの思いや行動に共感するところが少しあったりして、ゾッとする。
本当に上手いなあと思いました。
特に「石蕗南地区の放火」の主人公のズレ具合が本当にゾワゾワしました。 -
ツナグ以来の5話からなる短編作品。
表現が抽象的になってしまうが、どの作品も重めのテーマのようで軽くて薄かった。
登場人物に血肉の備わりが感じられず、私には響かず届かずまったく感情が揺らがなかった。
また出逢うであろう他の作品に期待しよう。 -
地方の町が舞台の五人の女性の物語。
読み始めると一気に引き込まれる。
ゾワゾワ感がすごい。
人の心というものは…
どのお話も共感と驚愕があった。
正しいかそうでないか。
子どもの頃は物事の計りが少なく単純明快だ。
しかし、生きていくと計りが増える。
どんどん複雑になっていく。
頭ではわかっていることも、心がそうさせない。
その両方のバランスを保ちながら生きていく。
心のままに生きられたらいいのに。
そんな風に思ってきた。
しかし、心というものはどのようにもなる。
心の暗部が大きくなってしまうとき。
そんなときに心を優先させたら…
共感するのに、共感しきれない。
それは一線を越えてしまったところにあるのかもしれない。
人の心をこんなにも深く掘り下げて描けるものなんだなぁ。
直木賞受賞作も納得の作品だった。-
ひろ、この本…
こっ、こわいねっ!
心の奥深い部分が書かれてあるんだね
ひろのレビュー読んで腕に鳥肌がぁぁぁ(・_・;ひろ、この本…
こっ、こわいねっ!
心の奥深い部分が書かれてあるんだね
ひろのレビュー読んで腕に鳥肌がぁぁぁ(・_・;2022/12/18 -
ある意味ホラーよりこわいかもっ…!
ありえない話でもなくて、ちょっとしたボタンのかけ違いでもしかしたら…
Σ(||゚Д゚)ある意味ホラーよりこわいかもっ…!
ありえない話でもなくて、ちょっとしたボタンのかけ違いでもしかしたら…
Σ(||゚Д゚)2022/12/18
-
-
-
辻村深月さんの直木賞受賞作という事でワクワクして読み始めたが、読んでる途中目を背けたい気持ちと、どうなってしまうのかといった興味が丁度半々で、でも結局先が気になり、ページを読む手が止まらなくなるディープな作品だった。
自分と、それ以外の者にほどよく執着する。過度は依存になり、いずれ破滅する。それをまざまざと見せつけてくる本。
人生は、階段を登り続ける事が大切だか、踊り場を楽しむ事も、幸せに生きる上で大切だなと思った。 -
泥棒癖のある親子、婚期を逃した36歳のOL、DV彼氏と海に行く女子、元彼が犯人の女子、子育てに苦悩する母親のお話ですが、なんなんでしょ?全てしんどい。
「スロウハイツ」が素敵で「島とぼくらと」は素晴らしくて、「嘘つきジェンガ」でえっ?ってなり「傲慢と善良」ではっ?、今回で好みじゃない!ってなりました。 -
辻村深月さんのダークな雰囲気を集めた短編集。学園ものが読んでて清々しくて面白い印象のある辻村深月さんの作品でしたが、本作はテイストが全然違うように感じました。
全体的にネガティブな考え方でまとまってる作品で、見栄とか嘘とか痴情とか、嫌な感情てんこ盛りみたいな印象を受けました。個人的には、「石蕗南地区の放火」が好みで、いわゆる女性のマウンティングというのがこの頃から上手く表現されててグッドでした。 -
自分が思っていなかった事が起きたり、相手の考えが読めなかったり、そんな時に、何かの点と点が結びついたとき、人間は「思い込みの勘違い」をするのだと思う。
複数の収められている作品の中に共通するメッセージを拾いあげるとこんな感じ、
自分の思い込みや自分の中での正義感や常識が相手への見方を偏らせたり、差別を生んだりするんだと思う。
完全にフラットな人間になることは出来ないし、その必要も無いんだろうけど、その小さな違和感を辻村さんは表現するのがとても上手いです。
ミステリーは相手や物事の現象にあるのではなく、自分自身の心の中が起こすんだな、、と読み進めながら感じることができます。
「自分自身に効く」こんな一冊ですね。 -
短編集。
主人公の女性たち、登場人物(彼氏や夫など)に癖がある。そしてどうしてこういう思考になるのかと嫌悪感を抱いた。
しかし、一部自分にも経験がある、当てはまることがあるな、とも気づく。
読んでみて後味の悪さがあり、再読はしたくないが、忘れられない不思議な本かも。 -
直木賞受賞作・・・。題名にある「鍵」は物理的なモノというより心の鍵だろうかと、いつものように題名から当たりをつける。
5人の女性が起こす行動にどんな心の動きがあるのだろう。それぞれの物語から誰しも持っているだろう心の奥底を描いた作品だ。
泥棒、放火、逃亡、殺人、誘拐の事件に接した主人公たちの気持ちが上手く表現されている。そしてそれぞれの事件を起こした当事者の気持ちも。心情表現の巧さは確かだと感じた。 -
直木賞受賞作 5篇からなる短編集
仁志野町の泥棒
石蕗南地区の放火
美弥谷団地の逃亡者
芹葉大学の夢と殺人
君本家の誘拐
こういう人いるなぁ、いやだなーこの子って思ったり、ついつい鼻で笑っちゃうような男が出てきたり、いやだいやだと思いながら、その人たちと感情がリンクする部分がちょっとあったりして、さらにいやな気分になる。嫌いだーと思いながら、そんな嫌いな部分が僅かに自分にもあると読みながら思い起こされて疲れました(^-^;)(僅かだと思いたい)
芹葉大学の夢と殺人の未玖には全く共感も同情もできず自分の知らない感情でした。特に最後の行動と感情なんてわからん!怖い!
人の心は複雑だなぁ。
気づいたら眉間に皺を寄せている読書時間でした。 -
どの短編も、世間的にどうなんでしょう?って人達が出てくる。
その どうなんでしょう?って人に、なんとなく重なる部分、心当たりがある場面がある。
ん〜そうか…私は世間的にどうなんでしょう?っていう部類に片足突っ込んでるんだな。
一線を超えないように…後戻り出来る所まで。心を強く持とうと思った。
-
直木賞受賞作。短編集。すごく面白かった。
以前Kindleで買って読んだのをすっかり忘れて文庫を買ってしまったが、再読して本当に良かった。
全く異なる5人の女性の物語。
逃亡者、殺人、誘拐の3作品が特に好き。
誘拐は子育て真っ最中だからリアルに想像できて、冷や汗かきながらページめくり続けました。
巻末の林真理子さんとの対談もすごくいい。山梨出身の直木賞作家同士の話は、とてもためになりました。
◼️二志野町の泥棒
友達の母が泥棒。
これだけそんなに好きじゃなかった。これも好きだったら文句なしに⭐︎5だった。
◼️石蕗南地区の放火
独りよがり感がすごくいい。
■美弥谷団地の逃亡者
意思のない女性の描き方が抜群すぎる。
◼️芹葉大学の夢と殺人
夢を追うダメ男の魅力に溺れる女性の言語化がすごい。
◼️君本家の誘拐
もはやホラー。現実に起こりうるからまた恐ろしい。
-
心がざわざわするような内容のものばかり。だけど早く先が知りたい。
何かにとりつかれたように、一気読みしてしまった。
とにかく読ませる力が凄かったです。
「君本家の誘拐」は、妊娠出産をテーマに書かれたものだったが、現実感たっぷりで、怖いくらいにその頃のことを思い出してしまった。
著者プロフィール
辻村深月の作品
本棚登録 :
感想 :
