鍵のない夢を見る (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
3.35
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本棚登録 : 1755
レビュー : 184
  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167903985

作品紹介・あらすじ

直木賞受賞! 私たちの心の奥底を静かに覗く傑作集どこにでもある町に住む、盗癖のあるよそ者の女、婚期を逃した女の焦り、育児に悩む若い母親……彼女たちの疲れた心を待つ落とし穴。

感想・レビュー・書評

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  • ふとした日常に、僅かに生まれた歪み。
    ほんの些細なことで狂った歯車。
    それは運命、宿命なのだろうか。

    ひとの奥底に潜む邪な心に、
    ひとは自分自身を守るため、
    嘘をつき、嘘に惑う。

  • 辻村さんっぽくはなかったけど、最後まで読み切ると意外とよかった。内容は重いし、好きな小説にはならないかもだけど。

    完全に共感はできないけれど、見たくない女性の暗部を書き出されていて、いやだけどちょっわかるな~ってなる。

    最後の話、友達との会話シーンはわかりすぎるほどリアル。

    芹葉大学の夢と殺人が一番読み応えあった。

    女ってホント色々難儀。

  • 短編集。
    女は自分の中に得体の知れない何物かを飼っている。
    それは時々に名前を変え、ときに妬みになり、ときには憎しみになる。
    主であるはずの女は、ともすると得体の知れない何物かに逆に支配されそうになってしまう。
    それが女という生き物なのかもしれない。
    友だちや同僚、知り合いに訪れた幸せを耳にすると、「おめでとう」という言葉が自然と出てくる。
    当たり前のように祝いの言葉を受け取るその笑顔を見ていると、眠っていた何物かが起き出してきて囁くのだ。
    「私はこいつよりも幸せになって当然なのに・・・」
    「優越感に浸るのは私のはずなのに・・・」
    そんな複雑な感情をコントロール出来なくなった女たちの物語である。

    「芹葉大学の夢と殺人」が一番印象に残った。
    未玖の感情がいまひとつ捉え切れなかったせいだと思う。
    あんな結末を選ばなくてはならないほどに、未玖が雄大に求めたものは何だったのだろう。
    自分だけを見てほしい、自分をしっかりと受け止めてほしい。
    それは誰でも覚えがある思いだろうけれど・・・。
    未玖は雄大の性格を理解していたはずだ。
    そして、雄大の中での自分の位置もわかっていたと思う。
    だからこそ別れを言い出されたときも同意したのだろうから。
    どんな結末を選ぼうと、雄大の中で未玖の占める位置が変わることはないだろうに。
    それとも、自分のものにならないのなら道連れにと考えたのだろうか。
    複雑すぎて、どうしても未玖という人間が最後までわからなかった。

    辻村さんのどこかあたたかな物語が好きだ。
    読み終わったあとに残る、苦さと切なさと、そしてあたたかさ。
    この短編集にはそれがないような気がした。

  • つまらないのではなく、なんとも、嫌な感じのお話ばかり。
    よく書けているけれど、ズレかたが気持ち悪い。

  • いやーさすが辻村さん。
    単行本発売時はこの本の評価はイマイチっぽかった気がするのだけど、文庫化して買って読んだら夢中になってしまった。
    ぞくぞくと不快感が這うように感じるのだけど、読むのをやめられずどんどん引き込まれていった。
    でも、ラストの話は好きじゃなく、残念だった。

  • 短編集。どれもがグッと引き込まれる魅力的な作品。中でも「芹葉大学の夢と殺人」が秀逸(☆☆☆☆☆)。ストーリーはいいし、訴求力も突出している。とりわけ一つひとつの事象が的確に表現されており、一行一行に心奪われた。「際立った存在感を放つわけではないけれど、一度意識してしまうと目が逸らせなくなるような、そういう危うい魅力があった。好きか嫌いに関係なく、目が自然と彼を追いかける。綺麗な容姿とはそういうもの。」「自分でも気持ちの整理がつかなくて、言葉にして吐き出すことで落ち着きたかった。分かっているのだから追い打ちをかけるように言わないでほしかった。聞きたいのは高みからの正論ではなかった。」・・・・・・・・

  • 辻村深月 著

    「鍵のない夢を見る」ってタイトルが随分前から気になっていて…読みたかった作品 これまた 直木賞受賞作品だったんですね そうとは知らず かなり遅まきながら この間 本屋に行った時に 「あ、見たかったタイトルの本があった!」と思わず手にして読みました
    辻村深月さんの作品は まだ「つなぐ」しか読んでなかったから 内容に戸惑い驚いた。この作品では 女性をターゲットにした かなりリアリティある短編作品集だった。
    短編集であるにもかかわらず、どの作品もしっかり練ってあり 何だか 背筋がゾワッとする作品ばかりだった
    事件性がある内容が多くて 自分には ないような出来事だなぁと思う反面 何だか 実は とても身近な問題で起こり得た事かもしれないような…ちょっとリアリティあり過ぎて怖い感じがしました。(しかし、何を書いても 流石に上手いですね〜)と感心しながら…次々と飽きずに読んでしまえる作品だった どの短編も面白かった
    他人事のように思いつつも 始まりの短編「仁志野町の泥棒」読みだした時は 内容違えど、何処か遠い記憶の中に
    そんなような出来事があったような…自分の記憶の鍵を開けられた気分になりました。やはり すごい作家さんですね
    他の作品も 是非 読みたい

  • 綺麗事だけじゃすまない、ダメだと思っても感情的にやってしまう、そういうことってあるよねと思った。
    閉塞感というか、やり切れなさを感じた。
    第三者目線では、えーって思うけど、実際にその立場に置かれたら、どうなるやら…

  • 読了感は良くないものの、女性なら誰しもが感じたことがあるような感情を、鋭い表現でえぐられた感じがしました。作者の着眼点、感情の汲み取り方が素晴らしいと思いました。

  • 辻村深月さんの最初に読んだ作品。
    直木賞受賞作。

    ごく普通の女性5人がふと魔が差して起こしてしまった窃盗や放火といった犯罪をテーマとし[3]、新聞やテレビのニュースで大きく取り上げられることのない町の事件を扱った短編集。(Wikiより)

    ■仁志野町(にしのちょう)の泥棒
    ■石蕗(つわぶき)南地区の放火
    ■美弥谷(みやたに)団地の逃亡者
    ■芹葉(せりば)大学の夢と殺人
    ■君本家の誘拐

    全てちょっとした犯罪とのことだけど、逃亡者の話はニュースになるような犯罪かと…
    と思って読み返したら、ああクレジットカードのとこね、と納得。うまいなー!と思った。
    もしかして自分は犯罪に関与してしまったのか、受動的だったけど加担したことになるんだろう。
    自分から首突っ込んでるなら自業自得だけど、こういうのは怖い…。
    その場ではNOと言えない空気ね。

    誰にでも起こり得る突発的な犯行って恐ろしいわ。
    読後感はすっきりしないけど、だらだらしていないし、ちょっと背筋がぞくっとして通勤途中楽しめました。

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