シートン探偵記 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2015年7月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (336ページ) / ISBN・EAN: 9784167904043

作品紹介・あらすじ

シートン動物記をミステリに楽しく仕立て直した珠玉の動物短篇集



狼王ロボ追跡のさなかに起きた殺人。盗難の疑いをかけられたカラス…心優しい名探偵シートン氏が動物たちの行動から真相を見抜く!

みんなの感想まとめ

動物たちが織り成すミステリーの中で、心優しい名探偵シートンが真実を解き明かします。彼は野生動物の行動を観察し、些細な事実から全体を推理する優れた科学者であり、ナチュラリストとしての視点も持っています。...

感想・レビュー・書評

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  • 動物たちが謎を解く話。真実を教えてくれるのは、いつも動物。謎解きを聞けば、なぜ、自分がそこに気付かなかったのかと呆れる。自分が考えていた事実が目の前で次々と裏返されて行く。シートン氏は野生動物の行動を観察し、彼らが示すごく些細な事実から全体を推理する優れた科学者であると同時に野生動物の立場で世界を眺めるナチュラリスト。人間が見ている世界は必ずしも正確なものではないということを思い知らされる。可愛い装丁だが内容は異様に怖い。淡々とした冷たさが背後から迫ってくる恐怖。意想外のどんでん返し。思わず意味不明な声をあげまくらされた。

  • ◼️ 柳広司「シートン探偵記」

    野生動物などにかかわる殺人事件。探偵役シートンのキャラが、ハマっている。続編熱望。

    シートン動物記は実はたぶん断片的にしか読んでいない。この本と図書館で目が合ったとき、著者が夏目漱石のパロディ推理小説や「ジョーカー・ゲーム」シリーズを書いた柳広司氏と見て、これはきっと面白いに違いない。かつ、シートン動物記の話を再学習できるかも、と瞬時に期待が膨らみ即借りてきた。

    「狼王ロボ」、カラスの王様「銀の星(シルバー・スポット)」、ハイイロリスの「旗尾(バナー・テイル)」ハイイログマの「熊王ジャック」の話などが収められている。なにか懐かしく思い出すものはある。

    ニューメキシコ州サンタ・フェにある広大な"シートン王国"有名な「シートン動物記」の著者アーネスト・トンプソン・シートン氏のもとをロサンゼルス・タイムズの記者が訪れる。シートン氏の自叙伝の書評を書くにあたり、エピソードを拾おうという取材。そこで記者は、過去にシートン氏が解決した、オオカミにまつわる殺人事件の話を聞くことになるー(カランポーの悪魔)

    ワトスンはこの記者で、ホームズがシートン。80歳にしてかくしゃく、溌剌としているシートンは落ち着いた、知的な口調で語る。野生動物への豊かで深い知識と観察力、経験に基づいた推理力が発揮される。

    殺人や暴行、陰謀が絡むので、背景はやはり生臭い。しかし動物の習性をベースに置きながらユーモアを交え物語らしく仕上げている。ま、ちょっときれいにまとめているのでトリックは凝っていたり、特に動機があっさりしてたりという気もしたが、興味深く読めた。

    シートンはホームズよろしく、観察の結果から記者が訪ねてくる前どこに立ち寄って何をしていたか、など当ててみせる。これはいいアクセントであり、洞察の深さを示す材料となっている。また密室牛小屋の暴行事件はホームズの「名馬シルヴァー・ブレイズ」を思い起こさせたりする。

    実際のシートンと親交の深かったセオドア・ルーズベルト大統領も登場する。この関係性に関しては巻末の解説、補足で腹落ちする。

    思った通り、なかなか楽しかった。偉人が遺したものから上手に拾い上げ、うまく展開させている。もう少し読みたいぞ。続編望みます。

  • 動物には全然詳しくないし、そんなに興味もないけど。
    シートンさんと語り部のキャラもよかったし、読みやすかった。

  • 読み始めて気づいたが、最初の2話は十数年前に読んだことがある話だった。流れも読みやすく、語り口も穏やかで安定しているのでとっつきやすい本だと思う。思い出補正も重なって、面白く読めた。

  • 動物記で有名なシートンの自伝について取材に行った新聞記者が、シートンから聞いた狼王ロボに関する殺人事件の名推理が好評で、次々と動物が関わる事件の推理を取材する事になる。
    本家の動物記で有名なものばかり。動物の習性をよくわかっているシートンならではの推理となっている。シートンが書いたのでは、と思ってしまいます。

  • 面白かった!シートン動物記は小学生の頃に全部読んだけど、そのまま〇〇年。こういう形での再会となりました。記憶も薄れてしまっていますが、読んでいるうちに思い出されるのもあり。そして、シートン翁が語る動物達は何て生き生きしているんだろう。動物の目を通すとき、いつも人間はバカだなぁって思う。事件は人が死んだりして笑えない章も多いけれど、シートンの聡明さ、洞察力に感服しっぱなし。とても面白かった。これを機会にシートン動物記をもう一度読みたくなった。

  • 面白かった。
    狼王ロボなどシートン動物記のサイドストーリーのように書かれていて、なかなか楽しい作品であった。
    シートンさんの語り口が優しく、全般にわたって和やかな雰囲気が流れている。

    どうしても半七捕物帳と構成が似ているので、とっつきやすかった。そういえば年代も同じくらいかも。

  • シートン老に、記事にするために、今まで動物が関わった事件を話してもらうのですが、楽しそうに、時々焦らしながら話してる姿を想像すると、私と一緒にじりじりします。ホームズぽいシートンさんの名推理に、よく見てると感心します。

  • 新聞記者の私が好々爺なシートン先生に取材を兼ね、過去に先生が拘った殺人事件について話を訊くところから物語は始まります。
    シートン動物記をリスペクトした優しい文体、短編連作、読みやすいと思います。

  • あっさり薄味で物足りない。もう少しサプライズが欲しいところ。

  • ジョーカー・ゲームなどからはちょっと意外な作風かなぁ~。同じ史実ものだと日本人の自分としては漱石先生ものの方がしっくりきます。

  • シートンさんの動物たちとの昔話を聞かせてもらう連作短編。
    読みやすそうだったので移動用にしていたけど、あっという間に読んでしまった。面白かったー。

  • 素晴らしい!
    シートン動物記も再読してみたいって思います。
    シートン翁の出会った謎とその真実を、若い新聞記者(私)が新聞連載小説にしているのですが、彼らの交流も、読んでいて嬉しい。
    アメリカでの野性動物の様子や、当時のアメリカ人の考えが緻密に描かれていて、ふっと翻訳小説のような気がするのですが、いいえ、日本の作品。すごいです。

  • 子供の頃シートン動物記が大好きで図書室にある本を片っ端から読んでいた。観察して読み取って解釈することは探偵業にも通じるものなんだ。シートン先生が探偵?ワクワクします。

  • シートン動物記とミステリー小説を同時に楽しみました。
    動物の本質から怪事件を推理していく軽快なシートン先生の
    探偵ぶりにあっぱれです!

  • 子供の頃に読んだシートン動物記の裏話?!
    まさかの探偵モノに。
    (元ネタ知っておけば良かった)

  • 連作短編。
    面白かった。
    シートンの人柄が魅力的だし、彼の愛する動物がかかわる事件なら、ひどい結末にはならないだろう、という安心感がある。
    動物の生態が興味深く、ミステリとしてもまとまっている。
    探偵と聴き手の関係が、ホームズもののパスティーシュのようで、楽しい。

  • 小学生の時、シートン動物記を愛読しておりました。動物達が誇り高く生きる姿に強く惹きつけられたからです。

    人間を決して襲わない狼王ロボに殺人容疑をかけることは、あってはならないことです。
    動物の生態についても原作の域を出ず、ガッカリしました。シートン動物記のファンにはおすすめできません。

    熊王ジャックだけは、ミステリーとしての叙述トリック、結末、共に良かったと思ったこと、カバーイラストが可愛らしいことから、星二つにしました。

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著者プロフィール

一九六七年生まれ。二〇〇一年『贋作『坊っちゃん』殺人事件』で第十二回朝日新人文学賞受賞。〇八年に刊行した『ジョーカー・ゲーム』で吉川英治文学新人賞と日本推理作家協会賞をダブル受賞。他の著書に『象は忘れない』『風神雷神』『二度読んだ本を三度読む』『太平洋食堂』『アンブレイカブル』などがある。

「2022年 『はじまりの島』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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