この日本で生きる君が知っておくべき「戦後史の学び方」 池上彰教授の東工大講義 日本篇 (文春文庫 い 81-4)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167904135

作品紹介・あらすじ

池上節でタブーなく戦後史に斬り込む!池上さんの座右の銘は「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」。どん底日本を変えるために、ほんとうの戦後史を学びたい人への一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 日本の戦後史について幅広く説明されている本。
    さすが池上さんでわかりやすいが、内容薄め。東工大の講義が元になっている。

    自衛隊は朝鮮戦争中、日本に駐留していた米国が朝鮮半島に送られ、日本に軍隊がない空白期間にソ連が攻めてきたときのため作られたと教えられてきた気がするが、日本国内での社会主義革命が起こることも心配していたためとも書かれていて、今では想像つかないことだったので驚いた。

    55年体制は、社会党に対抗するために保守政党が団結した流れ。日本が社会主義になるのを防ぐため。世界は東西冷戦中だったが、日本国内でも同様だった。
    自由民主党は、憲法をGHQの押し付け憲法とし改憲の立場。西側の一員としての位置づけ、米国と協調。
    社会党は、平和憲法として護憲の立場。ソ連や中国との友好を重視。
    その後、村山首相のときに自民党と社会党が連立を組んで日本国内の東西冷戦も終了。
    日本の政治は政策で分かれるというより人間関係で党を組んでいる感じを受けた。和を重んじる日本的。

  • 池上先生の東工大講義第二弾。
    今回は、1年生対象の日本の近代史の授業です。

    世界編と違って、日本の歴史なので、より親密感のある内容で、
    自分が知らなかった(でも知っておくべき)日本の近代についてざっとおさらいができます。
    1作目同様、とても分かりやすい語り口で、これをとっかかりに自分の興味のある分野を深堀できるようになっています。

    一家に1冊は置いておきたい分かりやすい教養書ですね。

  • さすが池上さん。スイスイ頭に入ってくる。
    自分たちが大人になってから起きた出来事は歴史とは感じないが、若者たちは知らないってこと、結構ありそうなギャップだと感じた。現代史はもっと重点を置いて、理系も必修にすべきだと思う…

  • 戦後について勉強中。初めて聞くことが多くて、無知で恥ずかしい。

  • 日本史について無知な私には、当時の日本人がこんなにも熱量に溢れていたとは知りませんでした。
    同時に、過熱した集団は共食いをするのだとも知りました。歴史は繰り返すとは言いますが、同じ失敗は繰り返したくないです。

  • 戦後史の学びなおしのとっかかりとして読了。
    戦後史のポイントの概要を知るにはちょうどよい。ここから興味を持ったポイントを深掘りしていくのがよさそう。

  • ●終戦日は日本が戦争をやめた8/15ではなく、ミズーリ号での調印があった9/2。
    ●日本をアジアのショーウィンドウにしたかった。米国の仲間になり資本主義経済でいくとこんなに発展するんだと。だから360円という円安
    レートに設定した。
    ●社会党は一年だけ政権を取った時がある。
    ●改憲、保守、安保維持の自由民主党VS護憲、革新、反安保の日本社会党体制。1955年だったから55年体制と呼ばれた。
    ●新党ブームの中93年細川政権誕生。反小沢の自社さきがけ連立政権、片山以来の社会党委員長が首相に。
    ●日教組は、教え子を再び戦場に送るな!をスローガンに生まれた。そして労働組合として、政治団体として活動する。愛媛県の日教組潰し。勤務評定を採用。日教組に所属しているのはマイナスとなる。
    ●日本にある米軍基地の7割が、沖縄県の面積の2割が米軍基地。
    ●田中角栄は、公共事業で開発計画がまとまると、ペーパーカンパニーを使い用地を買い占め、それを売り抜けて資金を獲得する手法だった。

  • 大学の時、こういう講義があれば良かったな。と思う反面、当時の自分が興味を示したか甚だ疑問。

  • 2012年前期に行われた講義で、2013年に書籍化、加筆修正ありの文庫版は2015年発行。2012年12月の第二次安倍政権発足まで。

    各章のテーマがはっきりしていて、簡潔にポイントがまとまっている。

    冒頭に「自国の歴史から学ぶ力をつけることは、現代を生きる上での必須の教養なのです」とあり、学生時代に歴史や現代社会を、もう少し勉強しておけばよかったと感じる。

    読中で家に眠っていた本を読み直し。

  • [評価]
    ★★★★☆ 星4つ

    [感想]
    中学、高校の歴史教科書の後ろの方に存在することは知っていても授業で学ぶことがほとんどなかった戦後史を解説でおなじみの池上彰氏によって解説されている。
    本書は池上彰氏が東京工業大学で実施した講義内容を書籍化した内容となっている。
    内容はテレビの特番等で昭和を振り返った際によく話題となる出来事をそこに至るまでの流れや、出来事によって発生した影響が書かれ、戦後史が点から線へと変化し、さらには世界情勢と絡めることで面であることを改めて認識できる内容となっていた。
    自分たちにごく近い歴史を学ぶことで失敗や過ちを防ぐことができれば良いのではないだろうか。

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著者プロフィール

池上彰(いけがみ・あきら):1950年長野県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、73年にNHK入局。記者やキャスターを歴任する。2005年にNHKを退職して以降、フリージャーナリストとしてテレビ、新聞、雑誌、書籍、YouTubeなど幅広いメディアで活躍中。名城大学教授、東京工業大学特命教授を務め、現在9つの大学で教鞭を執る。著書に『池上彰の憲法入門』『「見えざる手」が経済を動かす』『お金で世界が見えてくる』『池上彰と現代の名著を読む』(以上、筑摩書房)、『世界を変えた10冊の本』『池上彰の「世界そこからですか!?」』(以上、文藝春秋)ほか、多数。

「2023年 『世界を動かした名演説』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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