離れ折紙 (文春文庫)

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  • 文藝春秋 (2015年11月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784167904838

作品紹介・あらすじ

美術ミステリならこれを読め!

「騙すか、騙されるか」。関西の骨董業界を巡る丁々発止をテンポよく描き、人間の尽きることない欲望をあぶり出す傑作美術ミステリ。

みんなの感想まとめ

欲望渦巻く古美術の世界を舞台にしたこの作品は、騙し合いや真贋の見極めをテーマにした連作短編です。関西弁の軽快なやり取りが展開する中で、さまざまなキャラクターが登場し、彼らの駆け引きや失敗がユーモラスに...

感想・レビュー・書評

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  • 古美術、骨董品を巡り、欲望渦巻く者たちの騙し合いの世界。そう言うとダークなイメージになりがちだが、テンポの良い関西弁が飛び交い、短編ならではのスピード感ある展開が一瞬の爽快感をもたらす。
    関西のの洛鷹美術館の学芸員が何かと絡む連作短編集となっている。ガラス工芸品、刀剣、浮世絵、絵画、焼き物等作品毎に取り上げられる美術品の薀蓄、制作工程(贋作づくり)の描写も興味深い。
    タイトルの離れ折紙という言葉、知らないとなんとも意味深な感じだが、これも作品の中でちゃんと説明されている。

  • シリーズ物とは知らずに購入。
    美術品や骨董品を扱った短編集で、多少なりとも美術を齧った身としては、浮世絵の版や刀などのモチーフだけで結構ワクワクしたし楽しめた。
    シリーズの外伝的な話なので登場人物の関係性や人間性を知らず、そこをきちんと把握していればもう少し没入できたかも。

    ひとつひとつの話の完成度には満足はするけれど、どの話も結局は「狐と狸の化かし合い」で欲望のまま金儲けで美術品に手を出すと痛い目見るよね、との感想しか出てこず。
    通して一冊全部が騙し合いなので、もう少し変化のある色々な話が読みたかったなぁと思った。



  • こちらでご紹介があって手に取った一冊。
    古美術の商取引での騙し騙され、真贋の見極めがリアルに描かれた連作短篇。古美術商、ハタ師、贋作画家、工芸家、コレクター、キュレーター。様々な人物が登場し、目玉の飛び出る様な価格の骨董品や美術品が右から左へ動く。

    話の中で共通して出てくるのが京都の美術館学芸員兼美術講師の澤井。この澤井と言う男、立場的に多方面から美術品の真贋鑑定やら売り先紹介やら、あれこれ相談を持ちかけられる。それを利用して少しでも儲けようと画策して奔走し、最後に失敗する情けない似非美術商気取りが笑える。

    京都、大阪を舞台にこれだけ詳しい古美術や美術品作製の薀蓄を盛り込み、ミステリー仕立てあり、どんでん返しあり、欲に駆られた人間のゲスな部分を「しゃあないなぁ」と読み手に思わせる人物を登場させるのが凄い。血も暴力も出てこないが、欲に目が眩んだ小悪党達の駆け引きの勝負が何とも言えない可笑しさを感じさせるのは、興味の無いものには何の価値も無い古美術品を中心に話が動くからだろうか。

    仏像、刀剣、ガラス工芸、岩絵具の違い…。知らないことが次々出てきて驚きつつ読み終わって、黒川さんが京都の美大出身で美術教師だったことをプロフィールで初めて知る。この短編、実は黒川さんの意外な本領発揮の一冊なのかも。

  • 内容(「BOOK」データベースより)

    フリーのキュレーターの澤井は、大物建築家の未亡人に請われて、美術品の鑑定に出向いた。そこで見つけた硝子のレリーフは幻の逸品だったが、割れていた。澤井は一計を案じ、まんまとレリーフを手に入れるが…(「唐獅子硝子」)。古美術業界を舞台に、人間の尽きることない欲望をあぶり出す傑作美術ミステリ。

  • 美術品や骨董品を扱った短編集
    騙し騙される系が好きなのでど真ん中でした
    短編なのに一話の中身も濃い
    しかもそんなこともあるだろうな、という業界話が楽しめた
    絶対に素人が手を出してはいけない世界

    他の作品も読んでみたい

  • 短編連作/ 京都の美術界隈の騙し騙され/ いつもの黒川であり、それ以上でも以下でもない/

  • (収録作品)唐獅子硝子/離れ折紙/雨後の筍/不二万丈/老松ぼっくり/紫金末

  • 短編集です。でも十分楽しめます。

  • 2020.05.読了
    黒川作品にハズレなし。
    元気がない時に読んでもいつのまにか笑っちゃってる自分がいる。
    黒川先生いつもありがとう

  • 「目利きほど騙されやすいんですわ」
    タイトルの「折紙」とは刀剣の鑑定書のこと。
    古美術業界を舞台に、人間の尽きることない欲望をあぶり出す連作短編ミステリ。
    ガラス創りの陶器、刀剣、浮世絵、絵画等、京都の洛鷹美術館で非常勤のキュレーターをしている澤井を中心に、「狐と狸の化かし合い」が繰り広げられる。

    面白かった。
    後味は総じて良くないが、人間の悲哀・人生がうかがわれる。
    それにしてもあっさりと多額のお金が動くことに驚いた。
    古美術の知識があればもっと面白いと思う。

    黒川博行って、こんな小説も書くのかと思ったら、京都市立芸術大学卒業、高校の美術教師もされてたんだ。

  • 目利きほど騙されやすいんですわ-。関西の骨董業界を巡る丁々発止をテンポよく描き、人間の尽きることない欲望をあぶり出す美術ミステリ短編集。表題作はじめ「唐獅子硝子」「雨後の筍」など、全6編を収録。

    黒川博行の詐欺モノだけに期待して読み始めたけれど、美術品のウンチクに全くついて行けなかった。そういえば黒川博行は大学の芸術科出だったっけ、と思い出した。
    (D)

  • 古美術・・・とか聞いただけで古ダヌキがうようよいそうなんだけど・・・ホントなのかも?!
    動くお金の単位がすごい。何百万は当たり前。美術館の学芸員も登場するので、そういうところが作品を買うときのやりとりも描かれている。偽物をつかまされることって実際、どうなんだろう・・・と想像ばかりふくらんでドキドキ。
    「不二万丈」の話が怖すぎる。自分は損はしていないのに、なぜか暗たんたる気持ちになるという、何とも言えない組立て。
    欲をかいたせいで大損する分かりやすい話もあるし、いやはやー。のめりこんでいるからこそ、危ない橋を渡る(結果、落ちる)ことって、人間、あるんだろうな・・・と思わされた。

  • 初めての黒川作品。とても面白かったです。
    骨董品に関する短編集ですが、偽物を本物のように見せかけて高く売ろうとする詐欺師や高く売ろうとしていたら実は自分が騙されていた人など、骨董品で一儲けを企んでいる人間がたくさん出てくるお話。といっても命に関わるほどの深刻さではないので、読んでいて気が重くなることもなく、あまり表に出てこない世界のお話なので興味深く読みました。
    また、黒川さんの作品を読んでみたいです。

  • 黒川博行による、美術界の化かし合いを描いた短編集。
    ストーリーは派手でなく、予想通りの展開を見せるのだが、キッチリ必要充分の動きと、オチがある。話がとても端整。
    そんなシンプルな小説の中で、素人には分からない美術作品や美術商かけひきが次々登場することで小さなインパクトが生まれ、何話でも読みたくなる。
    妙手による小品。
    4

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著者プロフィール

黒川博行
1949年、愛媛県生まれ。京都市立芸術大学彫刻科卒業後、会社員、府立高校の美術教師として勤務するが、83年「二度のお別れ」でサントリミステリー大賞佳作を受賞し、翌年、同作でデビュー。86年「キャッツアイころがった」でサントリーミステリー大賞を受賞、96年『カウント・プラン』で推理作家協会賞を、2014年『破門』で直木賞、20年ミステリー文学大賞を受賞した。

「2022年 『連鎖』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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