俳優・亀岡拓次 (文春文庫 い 97-1)

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  • 文藝春秋
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感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167904906

作品紹介・あらすじ

映画原作! 脇役俳優の酒と仕事と恋川端賞作家・戌井昭人が描く短篇連作。脇役俳優、亀岡拓次は、行く先々の現場で奇跡を呼ぶ! 安田顕主演で2016年1月映画公開。

感想・レビュー・書評

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  • 映画を観て気になって、原作を。
    亀岡拓次ののったりした生活と俳優稼業、
    でも何か持ってる感と、周りの人たちとのふれあい。
    そういったものがゆるやかに伝わってきて、
    個人的には原作の方が好きでしたね〜。
    で、やはり身につまされるところの多い作品でした(^^;。
    続編も早く文庫化されないかな〜。

  • 安田顕に当て書きしたレベルでぴったり。読む前から分かる。面白かった。

  • 映画を観てからの原作。映画の方は独特な雰囲気があったような記憶なんだけど、原作はもっと脱力系というか、気軽にフフッと笑いながら読める話だった。実際、撮影の無い時にフラフラしている俳優っているのかな??バイプレイヤーのスケジュール、ちょっと気になる、、

  • 映画化されたからではなく、トヨザキ社長の書評本見て読みたくなったから。すごくサラサラッと読めて、その割に笑いどころはちょいちょいあって、かつ人物像もしっかり立ってるから印象にも残りやすい。物語を読む楽しさを手軽に味わうには打ってつけの一作。映画もちょっと観てみたくなりました。

  • リリース:歩さん

  • 亀岡さん緩いー。
    なんだかなーみたいな出来事がたくさん
    起こるんだけど この人なら大丈夫。
    ってなる。
    オムツうけた。 むふふ

  • 大好きな安田顕さん主演映画の原作ということで手に取りました。
    主人公である亀岡拓次が、ものすごく顕さんっぽい。
    いちいち表情や仕草が思い浮かんで、ニヤニヤしっぱなしでした。
    何か大きな事件が起きるわけではなく、まるで亀岡拓次の日記のよう。
    でも、その淡々とした雰囲気が心地よくて、もっと色々読みたい気持ちにもなった。
    なんてったって、亀岡がいい。
    何度もお酒で失敗してしまうような、ちょっとだらしない亀岡…若くてカッコいい男の子も良いけど、こーいう少し情けない男の人にもキュンとくる年齢になったんだな、私(笑)

  • このゆるさがたまらなくよい。しかも短編連作という形式がすごくよいリズムを作っている。毎度、くすっと笑わせられる。欲望に忠実で、奇妙なことにだからこそ仕事にストイックな、俳優亀岡拓次の人生の1ページ。

  • 職業俳優・亀岡拓次。主演、というような超有名人、ではないものの独特のルックスから「どこかで見たことある」と会う人会う人に言われるくらいには顔を覚えられている。撮影が終わると酒を飲みに街の呑み屋に繰り出したりもする。
    そんな、亀岡が撮影のために訪れた様々な街でのちょっとした出来事の連作短編集。

    登場人物同士の会話1つ1つが、自然で、且つその中に妙な面白み(オムツ、とか猫ゾンビ、とか妙な単語が混ざることで生まれる面白み)も有り、結果的に「ほっこりしながらもインパクトがある」面白い独特の空気が出来ている。
    作者、「ちょっとしたユーモラスなおじさん」の描き方を心得ている人だ。

  • 亀岡拓次、37歳。職業俳優。独身、恋人なし。173㎝、筋肉質、色黒。天然パーマの頭部は少し薄い。いつも眠たそうな目で飄々とした感じ。いざバイオレンスシーンではその目が狂気に変わる。役どころは下着泥棒に強盗に農夫やホームレス…といった特異な役回りが多い。そもそも大きな役を射止める野望すらなし。あくまでも脇役に居心地の良さを求める。世間的には「ああ、どこかで見たことある顔」といった認知度しかなく、名前を知ってるのは余程のファン。仕事ぶりは全く堅苦しさはなく理屈はこねず、決められたスケジュールに従って単身現場に赴き、監督の指示通りにカメラの前に身をさらす。そう、亀岡拓次は憑依型ではない俯瞰型俳優。数ページ読むうちにたちまちにして俳優・亀岡拓次に魅力されること必至。日常と現場の交錯がドキュメントタッチで描かれる小説集。

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著者プロフィール

1971年東京都生まれ。劇作家・小説家。97年「鉄割アルバトロスケット」を旗揚げ。2009年小説『まずいスープ』で第141回芥川龍之介賞候補、14年『すっぽん心中』で第40回川端康成文学賞受賞、16年『のろい男 俳優・亀岡拓次』で第38回野間文芸新人賞受賞。

「2022年 『沓が行く。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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