サムライ 評伝 三船敏郎 (文春文庫 ま 35-1)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167904944

作品紹介・あらすじ

映画化! MIFUNE:THE LAST SAMURAI「世界のミフネ」の栄光の陰に、三船プロの内紛劇や離婚裁判、不倫騒動、晩年に患った認知症。徹底取材で明かされる巨人の実像とは?

感想・レビュー・書評

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  • 「世界のミフネ」の光と影といったところか。
    ご子息の仰る通り社長でなく俳優として全うした方が良かったのかもしれない。
    黒澤明監督が『用心棒』の3作目のアイデアがあったというのが1番興奮した。多分そのアイデアの流れでいくとタイトルは『松風三十郎』になったのかな。『赤ひげ』の後にぜひこれだけは作っておいて欲しかった…。

  • 三船敏郎の魅力とは何かつらつらと語ってくれてはいるのだが、いまひとつ伝わってこない。
    矢鱈と乱発される「気遣い」のエピソードが酒乱の誤魔化しのようにしか見えなかったり、映画絡みのエピソードが少なかったりが原因か。
    失われた三船敏郎という存在を再発見させようという、小ぢんまりした構想のせいもあろう。もっと大きなスケールでこそ語られるべき存在なのに。

  • 黒澤明のリバイバル上映で初めて三船の若い頃の姿を観たときの印象は強烈でした。
    最近の、蚊の鳴くような声でボソボソ話すナヨナヨした若い俳優にくらべて何なのでしょう、この圧倒的な存在感は!
    いかにもキンタマついてるぜ、感のプンプンただようオスの匂い…
    あの野獣のようなギラギラした眼でみつめられたら男のアタクシでさえ何かをゆるしてしまいそう。

    橋本龍太郎が中国の女スパイのハニートラップにハメられた事件がありましたが、あれが三船の国民栄誉賞受賞をツブすことになったとは…運がなかったねェ。

  • 「赤ひげ」以降 黒沢監督と一緒に仕事をしなかった。30年以上前からの疑問に一章さいて詳しく書かれていた。赤ひげは傑作だと思ったが、小国、黒沢長男が評価しなかった。その他も含めある程度疑問は解消した。

  • 現在は渡辺謙や浅野忠信など、ハリウッドで活躍している日本人俳優も珍しくなくなってきた。

    別にハリウッドを持ち上げなくても良いのだが、やはりマーケットや全体的な制作本数などでは特別な存在として良いだろう。

    その中にあって日本映画=サムライという大きなイメージを作り上げたのは三船敏郎だった。

    おそらく三船敏郎がいなければニンジャもサムライもこれほど大きなモチーフとはならなかったと思われる。
    ケン・ワタナベもラストサムライもショー・コスギもタートルズもミフネが築いた礎に乗っかっている。

    この本はほぼ三船敏郎礼賛と言ってもいい内容だ。
    著者は松田優作の元妻。才能あふれる才媛だ。元女優でこのような評伝やルポでも良い仕事をされている。

    で、女性なのに、三船敏郎の不倫や女性問題にはえらく寛容な筆だ。いいけど。

    私などは後期のテレビ時代劇や東映への客演・ハリウッド映画への出演選択など、どうかと思うところもあるのだが、本書ではそれもミフネへの出演オファーウハウハのような書き方しかされていない。
    「1941」などは当時愕然として観ていた記憶がある。
    逆にやっぱり「STARWARS」には出てほしかったなあと。アナキン役らしいし、そうなったら、その後のシリーズも今とはえらく違ったものになってたでしょう。

    最晩年の認知症のくだりは、当時写真週刊誌かなにかで見た記憶もあるが、痛々しい限り。
    それを追いかけて誰が得するのでしょう。マスゴミなどといわれても致し方のない所業です。
    そういう意味では最後までかっこよかった健さんと文太兄ぃは凄かったですね。

  • 評伝と銘打つものの、離婚騒動や黒澤明との不仲説や三船プロの内紛など、ワイドショー的な内容にページが割かれているのが残念。巻末にはぜひ見てほしいという5作品が紹介されているが、その中の1つ「無法松の一生」撮影時のエピソードは、無骨な主人公とそれを全身で演じた三船自身の魅力が伝わってきて印象的だった。

  • 文庫化されたので再読。
    スキャンダルのところは、週刊誌の芸能欄の描写みたいでそこだけ浮いていた。

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著者プロフィール

料理研究家、日本雑穀協会理事、テーブルコーディネーター、女子美術大学講師。一九五五年東京生まれ、鎌倉育ち。ホルトハウス房子に師事し、各国の家庭料理、日本料理、中国料理など幅広く学ぶ。一九九三年より「松田美智子料理教室」を主宰。季節感を大切にした、美しく作りやすい料理作りを心がける。二〇〇八年、使い手の立場から本当に必要なものを考えて開発した調理道具、食器のプライベートブランド「自在道具」を立ち上げる。『季節の仕事(天然生活の本)』(扶桑社)、『丁寧なのに簡単な季節のごはん 松田美智子料理教室「絶対の定番」』(小学館)など、著書も多数。

「2021年 『おすし』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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