新装版 海狼伝 (文春文庫) (文春文庫 し 5-29)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (558ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167905149

作品紹介・あらすじ

戦国時代終盤、対馬――。松浦党の一族であった母とともに海と船へのあこがれを抱いて育った少年・笛太郎は、航海中、瀬戸内海を根城とする村上水軍の海賊衆に捕えられた。笛太郎は瀬戸内まで連行されるが、そこで自分が村上水軍の将の息子であることがわかり、それからは海賊衆とともに行動するように。その後笛太郎は織田信長の水軍との海戦に加わるなど力量を発揮、比類なき「海の狼(ウルフ)」へと成長していった……。 日本の海賊の姿を詳細にかつ生き生きと活写し、海に生きる男たちの夢とロマンを描いた海洋冒険時代小説の最高傑作。第97回直木賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • あー、面白かった!海洋冒険時代小説の最高峰で、第97回直木賞受賞作、という煽り文句に惹かれて読みましたが、話しに違わず引き込まれました。ひととき、夢中になれました!「海王伝」も是非読みます。

  • この作品で直木賞から数十年?
    読もう読もうと思って読まなかった作品。

    村上海賊の娘が好きな人なら気に入ると思います。

    海狼伝の狼って誰だ?って読みながら思ってましたが
    笛太郎だったのか。。。優しい狼やなあw

    続編もあるようなので気が向いたら読みます。

  • 対馬で小舟に乗って海人を輸送する日々を送っていた笛太郎。朝鮮から帰ってきた宣略将軍、金崎加兵衛と会ったことで海賊となる。村上海賊が護衛する商船を襲うも返り討ちに会い笛太郎、雷三郎は能島村上海賊に捕まり能島小金吾に引き取られ海賊として働く。小金吾が自身の金で黄金丸という船を作り最後対馬の宣略将軍と戦い小金吾は死ぬも青龍船を破壊し勝利する。最後の海戦は読み応えのある戦いで、宣略将軍が船とともに沈む際に笛太郎が自分に変わって悪行を重ね悩み苦しむというセリフはこの話を通して海賊の悪行に不審を抱いていた笛太郎が同じ道を辿ってしまうのではないかと考えさせられる。対馬や瀬戸内の地理にそこまで詳しくないので地図を見ながら読んだ方が良かった。

  • 十時半睡シリーズを読んでファンになった白石一郎さん。
    すでにお亡くなりになっていて残念。

    この本,第97回直木賞受賞作品。
    文庫版として553ページの長編。

    時代は未だ日本統一がなされていない時代。
    日本では織田信長が、僧兵らとの戦いを続けていた時期であり、朝鮮半島,中国も混乱の時代でもあった。
    壱岐,対馬地方では、朝鮮半島中国海岸部との地域的な貿易もあり、海賊働きも横行し、それぞれの国民のなりをして、民族を偽って自国市民に海賊を仕掛ける輩も多かった。
    戦いで捕虜となったものが、相手方の奴隷,手下となって、働くことも普通であった。

    そんな時代に、瀬戸内海では村上水軍が大きな力を持っていた。通行料を取り暮らしていた。
    それも、難敵な瀬戸内特有の航路を知る有益性からだった。
    無事に荷物を運ぶことは,商人にとって第一。
    村上水軍は、その航海術を道具に運ぶ荷物の1割を奪っていた。

    当時の武士たちの力関係や、歴史,日本だけにとどまらないコスモポリタン的な登場人物が面白い。

  • 「戦国時代終盤、対馬――。松浦党の一族であった母とともに海と船へのあこがれを抱いて育った少年・笛太郎は、航海中、瀬戸内海を根城とする村上水軍の海賊衆に捕えられた。笛太郎は瀬戸内まで連行されるが、そこで自分が村上水軍の将の息子であることがわかり、それからは海賊衆とともに行動するように。その後笛太郎は織田信長の水軍との海戦に加わるなど力量を発揮、比類なき「海の狼(ウルフ)」へと成長していった……。 日本の海賊の姿を詳細にかつ生き生きと活写し、海に生きる男たちの夢とロマンを描いた海洋冒険時代小説の最高傑作。第97回直木賞受賞作。」

    村上水軍関連の小説を読むなら、

    和田竜著『村上海賊の娘』(2014)
    城山三郎『秀吉と武吉』 もおすすめ!

    感想:
    和田さんの『村上海賊の娘』を4巻読んでから、白石一郎『海狼伝』を読んだ。戦乱の世についても村上水軍についても全く知識がなかったので、この順番に読んでよかったと思う。和田さんの作品はフィクションだが、資料を読み込み史実に基づいた出来事をたくさん解説してくれているのでその時代や瀬戸内の地理などがわかりやすかった。
     話は、『海狼伝』の方が面白かったな。なんといっても(架空の人物だけども)笛太郎、雷三郎、村上海賊の小金吾の3人組のキャラクターがそれぞれに魅力的。瀬戸内の島や船で生きる海賊たちの活き活きとした姿や暮らし、後半は船作りや船での合戦のことも知ることが出来る。巫女のいる島や垢すり女のいる島もおもしろかった。歴史小説をほとんど読まない私ですが、爽やかな読後感で楽しく読めた。あー、しまなみ海道、淡路島、瀬戸内海の島々を見に、旅行したいなぁ。

  • 珍しく対馬を舞台にした小説だと知り、読んでみた。文中で「鬼ヶ島のよう」と評される対馬の様子や、朝鮮や壱岐との関係性(壱岐とは嫌い合っている)など、なるほどたしかに、と納得しながら読んだ。
    時代背景がよくわかっていないので、面白さは半分だったかもしれないが、それでも村上海賊と対馬の海賊たちとの違いや、船に夢中になる笛太郎たちの姿など、なかなか面白かった。最後の海戦は、読んでいてドキドキするほど。通底する人情味が、時代小説ぽくて良い。

  • 2020.10.01
    狼というほど獰猛な感じじゃなかった気がするが、登場人物やこの時代の死生観もよく描かれていて面白かった。
    村上海賊の娘も読んでたから時代背景は掴みやすかったかな。

  • かなり久しぶりに(2年くらいか)、日本の歴史小説を読んだ。戦国時代、織田信長が天下統一を目指している時代に、海と船を通じて成長する青年の物語。読んだのは、ひとつ前の版か。

    あまり自らの意思を出す機会の無かった笛太郎に、中盤はやや物足りなさを感じたが、なかなか面白い物語だった。

  • ワンピース。人の命が安い時代があったなー。今は
    ありがたい時代だなー、と思いました。

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著者プロフィール

白石一郎(しらいし いちろう)
1931年11月9日 - 2004年9月20日
釜山の生まれの作家。終戦までは釜山、戦後は佐世保市で育った。長崎県立佐世保北高等学校、早稲田大学政治経済学部卒業。双子の息子がおり、白石一文・白石文郎両名ともに作家となった。
1987年『海狼伝』で第97回直木賞、1992年『戦鬼たちの海—織田水軍の将・九鬼嘉隆』で第5回柴田錬三郎賞、1999年『怒濤のごとく』で第33回吉川英治文学賞をそれぞれ受賞。

白石一郎の作品

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