新装版 無名仮名人名簿 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 120
レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167905156

作品紹介・あらすじ

転校した鹿児島の小学校で貧しい同級生から丼いっぱいの壺漬をご馳走してもらった思い出。「女がひとりで小料理屋に入り、カウンターに座ってお銚子を頼むのは、ひとりで海外旅行に出掛けるぐらいの度胸がいる」が、働く女の甲斐性だからとカウンターに座ったある夜の出会い。「女はね、女に靴を磨かせるようになっちゃおしまいだよ」と呟いた銀座の靴磨きのおばさんの、ふと目にした休日の光景。乗物や劇場の席とりが不得手な筆者に、「待ってたら、席なんかひとつもないのよ。あんた、女の幸せ、とり逃すよ」と檄を飛ばした女友達……なにげない日常や仕事先で出会った人々や出来事を鋭くも温かい観察眼とユーモアで綴る。大いにうなずき、笑いながら涙が出てくる不朽の名エッセイ集。解説/篠崎絵里子

感想・レビュー・書評

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  • エッセイって、その時代の香りがするなあと思う。月並みな感想だけど(笑)

    決して特別な内容ではないのだけれど、どこかヌケていて気安い感じがした。
    また、家族の話にも触れることが出来て、私としては新たな発見があり、良かった。

    「民主主義の辛いところは、多数決ということである。
    このままでゆくと、日本はいずれ横書きの国になる。
    週刊誌も新聞も、区役所の戸籍謄本もみな横になる。縦書きは、神主さんの読む祝詞ぐらいになってしまう。」

    「戦前の日本人は、今みたいに笑わなかった。
    特に男は、先生や父親は笑わなかった。
    昔の武士は「男は年に片頬」。一年に片頬でフンと笑えば沢山だといったそうだが、それほどではないにしろ、大の男が、理由もないのに笑えるかというところがあった。」

    向田邦子の目は、鋭い。

  • 再読。エッセイ集。何気ない文章に向田さんの飾らない人柄があふれ出ている。もっと長生きしていたら、どんなおばあちゃんになって、どんな風にこの世界を切り取ってくれたのだろうかと想像してみるのだが、うまく想像できない。あとがきはやはり向田さんを偲んでいる。

  • 図書館で。
    多分一冊まるっと読んだことは無いにせよ、色々なエッセイアンソロとかでお目にかかった事のある文章がたくさん。そうだよなぁ、向田さんの文章は今ある以上増える事が無いんだものな。

    なんとなくですが、ずっと読んでいられる本ってこういう本なのかなぁと思いました。説教臭くもなく、特にどうという事もないけれども普遍的な人の考え方や生き方が書かれていて嫌味が無い。大分前に書かれた本なのに古臭く感じないのは不思議なものだなぁと思いました。携帯やらパソコンやら便利な道具が色々出現して生活スタイルが随分変わったような気がするのにそれほど根本的な所で人の生活って変わってないのかもしれないな、なんて思いました。

    まあでも自分はメロンはそれほど好きではないのでそれほど固執するのがわからないのだけれども。そう言えば佐野洋子さんだかもメロンを熱く書いてらしたな、なんて思いだしました。

  • 2018.3/9

  • 名エッセイ言われるだけあり、時代を超越した品のあるユーモア、ペーソス。冷めた目線のようで、慈しみにあふれ。
    機微というんですか。
    こんな文章かけるようになりたいと思う文章。

  • 20160409 観察力の凄さとそれを表現できる文章力。それが記憶に残る作家になっている理由だと思う。笑わずに冗談を言われて、後になって気付く、そんな感じ。

  • やはり向田邦子のエッセイは好きだ。鋭い観察とユーモアがキリッとした文章で語られる。決してスノッブにならず、人を貶めることもない、気持ちのいい文章だと思う。こんな人とお酒を飲んでみたかった。

  • 向田さんのホームドラマは見たことがない世代なのですが、大好きな作家さんの1人です。
    家族の話題は人の数だけあって、その人なりに悩んだり救われたりしていてるんだなぁと、読むたびに気付かされます。
    個人的には「思い出トランプ」が一番好きです。
    戦中戦後を生きた向田さんは、視野が広く、とても頭の切れる優しい人だったのでしょうね。
    不完全でほころびのある人を見つけては、自分と同じだ、自分の方がもっと抜けてると温かな目線で描く文章にほっとします。
    赤い公衆電話や、道端に落ちているガーゼのマスク、土間にあるストーブなど、向田さんが放送作家として生きた昭和50年代の東京の様子が新鮮で、想像しながら過去に憧れる自分がいました。
    向田さんの生きた時代に、一度でいいから行ってみたいものです。

  • 【世の中は「無名」の人たちがおもしろい】日常の中で普通の人々がポロリと見せる意外な一面を、鋭くも温かい観察眼とユーモアで綴る。何度でも読み返したい名エッセイ集。

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著者プロフィール

1929年東京生まれ。放送作家としてラジオ・テレビで活躍。「だいこんの花」「寺内貫太郎一家」等。1980年に短篇小説「思い出トランプ」で直木賞受賞したが、81年8月飛行機事故で急逝。『父の詫び状』等。

「2019年 『向田邦子の本棚』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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