名もなき日々を 髪結い伊三次捕物余話 (文春文庫)

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  • 文藝春秋 (2016年1月4日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784167905439

作品紹介・あらすじ

惜しくも逝去した著者の大人気シリーズ最新刊



伊三次の息子、伊与太が秘かに想う幼馴染みの茜。だが彼女の奉公先、松前藩の若君も茜に好意を持ち始めていた。人気シリーズ12巻。

感想・レビュー・書評

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  • 「髪結い伊三次捕物余話」も終盤にさしかかっています。
    お気に入りのシリーズ、ゆっくり読んでいます。

    伊三次は義兄の髪結い床(床屋さんですね)も手伝いつつ、廻り髪結いの仕事も続けています。
    伊三次と芸者のお文の息子・伊与太は、絵師に弟子入りしていましたが、師匠が急逝。
    すぐには落ち着き先が決まらず、ひそかに恋する茜のことに思いを馳せます。

    不破友之進の娘・茜は松前藩の奥女中となっていますが、剣の腕を生かすための警護役なので男装。表紙の若衆髷のきれいなお兄さん?が茜なのです。
    藩では跡継ぎが病弱なため、お家騒動が持ち上がりかけていて、若君に好かれている茜は巻き込まれていきます。
    そんなとき‥?
    気丈な茜がふと見せた涙の理由が切ない。

    伊与太は人気の若手絵師のところに手伝いに入ることとなり、葛飾北斎のところを尋ねるときに同行できたのも楽しい。
    伊与太の妹は女髪結いになりたいと言い出すし、若い世代がいきいきしています。
    大人世代もそれぞれに活躍どころを見せ、いくらかは不安もありつつ、長年の知り合いを見守るような気持ちになれて、心温まる読後感でした。

  •  「茜は泣いていた。水洟を啜りながら必死で嗚咽を堪えていた。鶴子は茜の泣いた顔を初めて見た。上屋敷で失態を演じた時も涙ひとつこぼさなかったと、上屋敷から訪れた家老の一人が言っていた。気丈な娘だと鶴子は思っていたが、道端で出くわした若者の言葉に茜は呆気なく泣いた。」
     うまい。茜に向けた作者のやさしさがしみじみと心を打つ。それは茜は泣くだろうさ。読んでいたぼくだって泣いたよ。思いがけない伊与太の言葉に、張りつめていたものが堰が切れるようにあふれ出した、まさにそうだろう。ふだんの男まさりの勝気な茜がみせる、良昌へのやさしい心づかいだったり、伊与太への思いだったり、そんな素の茜の純な心が読み手の心をこんなにも揺さぶる。どうやったらこんなぎりぎりの人間の魅力をさらりと書けるのだろうか。龍之進しかり、文吉しかり、この長く続いたシリーズのそれぞれの登場人物の生き方にどれほど共感をもって引き込まれてきたことか。今回の最後のきいの出産シーンも出色だ。だけど、今は何より茜の行く末が気にかかる。タイムマシンがあるなら今すぐ助力に駆けつけたい。

  • 次世代の若者たちの成長ぶりが頼もしい。
    一方で、ベテランの大人たちもまだまだ第一線。
    新旧世代が、時には反発しつつも信頼しあい、なんとも良い雰囲気を作り出している。
    さらに世代を経ていって、大河大長編になってほしかったなぁ。

    シリーズあと2作、じっくり味わって読ませていただきたい。

  • 宇江佐さんがデビュー以来書き続けた伊三次シリーズの十三冊目。伊三次の子どもたちが主役になる物語が中心。
    息子の伊予太は新しい絵師の師匠の元へ、娘のお吉は女髪結い師を目指して修行中。不破の娘・茜は松前藩のお家騒動に巻き込まれる。シリーズ内では第三世代にあたる彼らが一歩ずつ大人の階段を上っていくのが、頼もしくもあり心配でもあり。宇江佐さんが亡くなった為、物語もあと僅か。噛みしめるように読んでいきたい。

  • このシリーズは前にも読んでいるのだけど、子供たちがこんなに成長していたとは・・・
    宇江佐さんの作品は大好きなので残念ですが、なるべく多く読みたいと思います。

  • 余話です
    伊三次かぞくの生末がほのぼの、少し心配な気分で見守ってます
    絵師の修行も中断されそうな伊与太
    松前藩の争いに巻き込まれそうな茜
    うっかりシクジリをした龍之進

  • 本の帯で著者死去を知りビックリ。本を読み終わってホロリ。時代小説ではピカイチだったと思う。

  •  捕り方、町人、武家が関わり合いながら物語が展開していく。やや薄味だったかな。

  • 次世代の子どもたちのお話。あと2巻。なんだか伊佐次が出世することは本当に無さそうで残念。茜がどう落ち着くのかも楽しみ。

  • 内容(ブックデータベースより)

    惜しくも逝去した著者の大人気シリーズ最新刊

    伊三次の息子、伊与太が秘かに想う幼馴染みの茜。だが彼女の奉公先、松前藩の若君も茜に好意を持ち始めていた。人気シリーズ12巻。

    令和6年10月20日~27日

  • 龍之進に子が産まれました。

  • 伊三次から始まった人間関係が、どんどん広がって、いろいろな人が主役になる。
    伊三次たちは良い大人になって、若者世代の話が多くなった気がする。やっぱり若者の日々が面白いのかな。

  • 目次
    ・俯かず
    ・あの子、捜して
    ・手妻師(てづまし)
    ・名もなき日々を
    ・三省院様御手留(さんせいいんさまおてどめ)
    ・以津真天(いつまでん)

    作者が作中の10年をすっ飛ばして書きたかったことというのは、もしかして松前藩のことなのだろうか。
    茜が屋敷奉公をすることで、松前藩の特殊性が書かれ、今は江戸詰めであるけれど、そのうち蝦夷の国元にも連れていかれそうな気がしてくるような展開。
    だとすると、伊与太と茜の仲はいよいよ絶望的。
    表紙の茜、「お嬢」と声を掛けた伊与太の方に振り向いた時か。

    本筋とは別に、伊与太の暮らしぶりを見るため、師匠の留守中、うきうきと伊与太の奉公先に出かけるお文と、それに閉口する伊与太。
    可愛いとは思っても、娘らしくなったお吉をおいそれと抱きしめることができなくなったことを淋しく思う伊三次。
    この家族、本当にいいなあ。

    それにしても、贅沢禁止の幕府とはいえ、女は自分で髪を結うべしというのは!
    あの髪形を自分で作れと!?

  • 伊予太の成長や茜が松前藩で過ごす日々など。安堵と切なさが入り乱れる。

  • 2018/11/2
    あと何作残っているのだろう。
    内容とは関係なく寂しくなる。
    とにかく茜が心配。
    なんとか上手く収めて戻ってきて欲しい。
    伊与太の奥さんになれるんやろか?
    絵師と同心の娘ってアリなん?

  • 2016.919
    シリーズ最後もっと続きが読みたかった

  • 201601/文庫帯の「追悼」の2文字が寂しい…。宇江佐作品ではこのシリーズが一番好き。

  • 9

  • 【惜しくも逝去した著者の大人気シリーズ最新刊】伊三次の息子、伊与太が秘かに想う幼馴染みの茜。だが彼女の奉公先、松前藩の若君も茜に好意を持ち始めていた。人気シリーズ12巻。

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著者プロフィール

1949年函館生まれ。95年、「幻の声」で第75回オール讀物新人賞を受賞しデビュー。2000年に『深川恋物語』で第21回吉川英治文学新人賞、翌01年には『余寒の雪』で第7回中山義秀文学賞を受賞。江戸の市井人情を細やかに描いて人気を博す。著書に『十日えびす』 『ほら吹き茂平』『高砂』(すべて祥伝社文庫)他多数。15年11月逝去。

「2023年 『おぅねぇすてぃ <新装版>』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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