- Amazon.co.jp ・本 (372ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167905606
作品紹介・あらすじ
ノーベル文学賞作家の不朽の名作を新訳でジャングルの動物に育てられた少年モーグリの冒険譚。映画化も進行中の、ノーベル文学賞作家の不朽の名作がみずみずしい新訳で蘇る。
感想・レビュー・書評
-
児童文学の「名作」というものを
ほとんど読まずに
大人になってしまった
名前だけは知っているけれど
どのような物語であるのかは
ほとんど知らない
知人と話していて
その会話の中に
ひょいと その「名作」が
入ってくることがある
今さら それは知らないとも
言えず
その知人と別れてから
妙に印象に残ってしまう作品名が
ある
この「ジャングル・ブック」もその一冊
いゃあ これは堪能させてもらえました
よいものは やはり よい
と素直に思いました詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
<内容紹介より>
ジャングルで、オオカミに育てられた人間の少年モーグリ。クマや黒ヒョウ、大蛇らと交流し、ジャングルの掟を教えられる一方で、人間を敵視する大トラや、獰猛な赤犬の群れとのはげしい対決をくりひろげていく。人間社会の縮図のような動物社会の中で、少年がさまざまな冒険を経て成長していく姿を描く名作が新訳で蘇る。
ーーーー
幼い頃にみたディズニー映画がうっすらと記憶に残っていたことや、2016年に実写化されたこともあり(実写版は観ていませんが)、少し前に買って積読していました。
ディズニー映画のような1本の長編物語ではなく、一つ一つのジャングルの逸話集のような体裁です。
解説によると、本書は1894年と1895年に出版された短編集から、モーグリを主人公とした8編と番外編を収録した「モーグリ・ブック」のようなもの、だとか。
とても古い作品ですし、その分、主人公の「好青年たるべし」的なニュアンスも感じないわけではありませんが、道徳的すぎることもなく、等身大の思春期の青年の悩みがしっかりと描かれていました。
自由に遊び呆けているように見える動物たちにも、様々な「ジャングルの掟」があり、人間の子どもでありながらジャングルで過ごすためにそれを覚え、やがてはジャングルの主へと成長してゆくモーグリ。彼を支える黒ヒョウのバギーラや大蛇のカー、クマのバルー達との交流も心温まります。
訳は「古典作品」を意識しているのか、固めなようにも感じましたが、作品のもつ雰囲気とはとても良く調和しています。
長らく読まれ続けている作品のもつ「パワー」をもらい、読後感もいいです。
みなさんも、「よい狩りを!」 -
数年前に読みかけで止まっていたのを読了。
ジャングルで狼に育てられた少年、モーグリを巡る連作短編集。時系列が行き来していて最初混乱しましたが、次第に引き込まれて行きました。
名作と呼ばれる作品はやはり時代を経ても面白いですね。
穏やかな目をして、花冠をつけたモーグリが森の神様のように出てくるラストのシーンが印象的。
ジャングルの獣たちとの会話も生き生きとしている。特に黒豹のバギーラが好きです。 -
ジャングル・ブック、モーグリ編を集めた書籍です。最近複数の出版社からジャングルブックが出ていますが、モーグリの物語を読むのであれば、実質的後日談の番外編である「ラクの物語」が入ったこの文春文庫版が良いのではないかと思います。
-
子どもの頃に読んだ「ジャングルブック」を思いだし、何とも懐かしかった。
当時読んだのは小学生向け(たぶん)のヤツだったが、主人公なんかも正義感あふれる少年に描かれていた(たぶん)気がする。
今回の訳では、登場人物(多くは動物)の感情の機微なんかがリアルに描かれていて、大人版として、とても楽しめた。-
なのだ!読むべし!
モーグリがけっこう天狗になったりとか、皆なかなか人間味(動物味)あるヤツになってやす。名前もビミョーに発音がネイテ...なのだ!読むべし!
モーグリがけっこう天狗になったりとか、皆なかなか人間味(動物味)あるヤツになってやす。名前もビミョーに発音がネイティブ寄りになってたりなんかして。2016/07/01
-
-
「ジャングルブック」のうち、狼に育てられた少年「モーグリ」が登場するものだけを抜粋した短編集。でもちゃんと全体で起承転結してるので、抜き出された感はなく、ひとつのお話としてまとまってる。文体もとても読みやすく、「よく物語のなかで名前があがってる本」をとりあえず読んでおくのにちょうどいい。でもまたいつか、全編揃ってる奴をよんでおきたいかな。モーグリってカエルなんだなぁ……
-
2016年のディズニー映画封切後、出版された新訳。
原作は1894年とその翌年に出た続編だという。
つまり、一世紀生き延びた児童文学だという。
原作は短編集。
オオカミに育てられた少年、モーグリ(蛙という意味らしい)を主人公とする活劇。
人食いトラのシェア・カーンとの闘いや、実の母?のメスーアを迫害する人間たちとの闘いなどがいきいきと描かれる。
物語内時間は、発表順とは一致しない。
これまでに出た版の中には、時系列順に並べなおしたものもあるそうだが、本書はオリジナルの発表順に戻したそうだ。
そのせいか、若干読みにくい。
が、まず驚いたのは、ジャングルの動物たちの「歌」により物語が始まり、終わるという形式。
これはミュージカルか?と思う。
モーグリがジャングルをけしかけて、人間の村を襲わせる場面がある。
このイメージがとても鮮烈。
人間が自然をコントロールできないことを感じさせる。
番外編の「ラクの話」は、唯一人間世界が中心になる。
インド政府森林省監督官ギズボンとその執事、アブドゥル・ガフール、インドの森全体を管理しているドイツ人ミュラーといった人々との関わりが描かれる。
こういう編の方が読みやすかったりするのは、やはり自分が童心を失っているから?
金原さんの解説も面白かった。
この作品、古くは芥川龍之介と菊池寛の共同訳で出版される予定があったとか。
芥川の死で、菊池が残された原稿を引き継いだそうだが、どんな訳に仕上がったのだろう?
見てみたい気がする。 -
映画とはまた違った視点で見れる。面白かった。
-
ネパール滞在中に読了。