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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784167905651
作品紹介・あらすじ
喪われた人、傷ついた土地。「あの日」の涙を抱いて生きる私たちの物語集。
「俺、高校に受かったら、本とか読もうっと」。幼馴染みの慎也は無事合格したのに、卒業式の午後、浜で行方不明になった。分厚い小説を貸してあげていたのに、読めないままだったかな。彼のお母さんは、まだ息子の部屋を片付けられずにいる(「しおり」)。突然の喪失を前に、迷いながら、泣きながら、一歩を踏み出す私たちの物語集。
AIがまとめたこの本の要点
この本を表す言葉
みんなの感想まとめ
震災による喪失とその後の生き様を描いた物語集は、様々な形で傷を抱えながらも前に進もうとする人々の姿を温かく映し出しています。各短編は、震災に関係する主人公たちが抱える喪失感や葛藤を丁寧に掬い取り、読者...
感想・レビュー・書評
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久しぶりの重松清さんです。東日本大震災から12年、今年も被災者の方々へ想いを馳せようと、そしてタイトルの優しさに惹かれて手に取りました。
本書は、独立した7篇からなる短編集で、全て主人公が何らかの形で震災と関係しています。
大切な人や思い出の地を失くした人たちの、それぞれ続く日常の中から、決して消えない喪失感や気持ちの切り替えの葛藤を、丁寧に掬い取り温かな目線で描かれています。
一編一編が、優しく愛おしい物語で、一気読みするよりは敢えて時間をかけ、読後感をかみしめたい気持ちにさせられます。何度も涙を誘われました。
重松さんは、これまでも「希望の地図」「同2018」など、東日本大震災を扱った作品を刊行されており、被災地・被災者への想いも人一倍強い印象があります。自粛ムードが広がる当時から、奇を衒ったものでなく、徹底した取材を元に〝人の気持ち〟にいつも拘った作品を意識していたように思います。本書も間違いのないおすすめの一冊でした。
毎年今の時期になると、震災関連の書籍を手にします。「想いを馳せたい」「寄り添いたい」と言うのは簡単だし、口にするのは傲慢だと判っているのですが‥。
震災も人の心の復興もまだ終わっていないのだと、毎年思わされます。せめて毎年訪れる春に、「また次の春へ」と癒しと希望をもたれているよう願うばかりです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
■サマリー
・短編7つで構成された物語
・テーマは震災や災害などで親族を亡くした家族の人生
・強く生きようとする人々の生き様が描かれている
■気付き
地震で家族を亡くしたという方のニュースを目にすることがある。
前を向こうとしている人、立ち直れない人いろんな人がいると思うが、
私は限りなく立ちなれない人になると思う。
家族や大切な人と過ごす時間は、一瞬足りとも無駄にしてはいけない。
もしかするとその時が最後になるかもしれない。
だから、スマホばっかり見ててはダメ。顔を上げる必要がある。
この物語の中には、あの時、〇〇していたら良かったという後悔も描かれている。
きっとどんな風に過ごしていても、少なからず後悔はあると思う。
ほんの少しだけ、今を大事にして〇〇して良かったと思えるように
生きていきたいと感じた。
■心に残った部分
運命について思う。悲しみはある。
ないと言えば嘘になる。けれど、悔しさや無念や恨みだけは抱くまい、
と自分に言い聞かせる。
ひとはそのために、運命のせいにするという知恵を授かったのかもしれない。 -
短編7作品収録
東日本大震災絡みのお話でした
なので明るい話ではありませんでした
生き残った人たちはこれからも生きなきゃいけない
過去を背負って
そんなことを感じました -
東日本大震災が大きな1つのテーマの短編小説。
これまた会社の方にお借りした一冊。
短編は苦手で、清く正しい国語の教科書的作品は苦手なのだが、これはサクサク読み進められた。
家族が死亡ではなく、行方不明だった時、どんな風に事実を受け止めるのか。
その立場にならないと絶対に分からないだろう葛藤がひしひしと伝わってきた。
こういう正しいだろう正義の小説は苦手だが、そんな苦手視している私の心にも響くものがある一冊だった。
さすが重松先生。 -
「俺、高校に受かったら、本とか読もうっと」。幼馴染みの慎也は無事合格したのに、卒業式の午後、浜で行方不明になった。分厚い小説を貸してあげてたのに、読めないままだったかな。彼のお母さんは、まだ息子の部屋を片付けられずにいる(「しおり」)。突然の喪失を前に、迷いながら、泣きながら、一歩を踏み出す私達の物語集。
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東日本大震災を舞台にした7編の短編集。
震災後、何度も被災地に訪れた重松氏。
それぞれの短編に思いが詰まっていました。
これからの未来に向けて。
これもおすすめの一冊です。 -
東日本大震災を題材にした短編集です。泣かそうと思って泣かされるのは不本意だとつい身構えてしまう。でもやっぱり親子の愛情の話になると涙してしまう。
『しおり』が1番好きです。中学の卒業式の後に幼なじみが行方不明になってしまう。15歳らしい目線で幼なじみの死を通して震災について考えていく主人公がよかった。 -
過去だけではなく、
未来も奪い去ってしまった。
大地震、津波、そして原発。
あれから14年。
未だに2,520人の方の
行方が分からないそうです。
過去として風化してはならない。
だけど、どこか過ぎ去ったことのように
感じてしまうことも確かにあります。
当時、私は学生で東京に住んでいました。
被災地と呼ばれる場所には、親戚や
友人も誰もいなかった為、
自分事として捉えられませんでした。
けれど決して他人事ではない。
この時期になると読みたくなる、
読まなければと思う作品です。
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震災の傷は一生癒えることはないかもしれないけれど、「また次の春へ」と一歩一歩、前を向いて歩き出す。そんな人たちが一人でも多くいてくれたらと、心から願っています。
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また春が来て欲しい。
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読んでないと思ったら、読んでました。六年前。
胸にじわっときてハンカチを取り出し目元をぬぐう。
故郷に帰れない人たち、故郷に変えることを諦めた人たち。今、少しでも微笑んでいますか?
2016年4月18日 一回目 読了☆☆☆☆
トン汁/おまじない/しおり/記念日/帰郷/五百羅漢/また次の春へ
東日本大震災から1年半の間に書かれた七つの短篇たち。
九州の地震で被害を受けた方々の気持ちが偲ばれる。崩れた建物や山の映像を見ると阪神淡路や広島の映像を思い出す。コンビニやコンサート会場で募金箱を目にすると、少しずつでも協力したいと思う。 -
震災は、経験した人にしか分からない苦しみや喪失感がある。
それでも何とか助けになりたいと思う人たちがいて、でもその手助けの方法や距離感の難しさもあって難しい問題だと思う。
それが重松さんらしく丁寧に描かれていた。
「記念日」の話がとても良かった。
助けになりたいという子供達の純粋な気持ちや、担任の先生の気持ち、子供の気持ちを汲みつつ震災にあった方が傷つかないように考える両親の気持ちや、震災にあったおばあちゃんの気持ち、それぞれが優しい気持ちを持ってるのだけど、その表現や加減がとても難しいなと思った。
おばあちゃんの対応に涙が出た。
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七篇の中では『記念日』が一番じんときた。
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3.11に見舞われた方々のそれぞれの生活。我が身のことと考えたら、辛すぎるなあ。
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オススメされて。
物語にならないだけで一人一人の物語があるんだなと実感。ただただ切なかった。
当たり前、日常の壊れる恐ろしさ。だからこそ、1日1日の大切さが身にしみて…。
あとがきにも気づかされる。見えない足跡、なるほど、見えないだけでそこに確かに「あった」はず。 -
最初はカレーライスでお馴染みの重松清さんの本を読んでみたいと思い、桜の表紙とすぐに読めそうな厚さに惹かれて軽い気持ちで手に取った。開くとそれは短編集で、主に東日本大地震をテーマとした身近な人の死と残された遺族の物語だった。私は今年の春に1人で宮城県の石巻市を旅行し、被災地の見学や伝承館を訪問したばかりだったため余計に心を動かされた。家々や暮らしの拠点が一瞬にして津波に飲み込まれ、更地となった広い石巻と復興で整備され異様なほど綺麗な道は被災後の虚しさを訴えるようだった。亡くなった人たちだけでなく、残された遺族の皆さんはそれと同等、もしくはそれより大きいのではないかと思うほど悲しい思いをされていた現実にふと気付かされた。放射線による後遺症や家族や友人を失った人たちの葛藤など、正解のない悩みにぶつかる姿にかけられる言葉が見つからなかった。私は当時都内に住む5歳児で、地震の記憶はあるものの被災地や被災者のために何か行動を起こすことはできなかった。被災地を訪れ震災について知り、この本を読めたことは私自身が震災と向き合う第一歩なのかもしれない。自然災害は予測も、予防もすることができない。同じようなことが起きたとき1人でも多くの命が失われないように、自分の身を守れるように、被災後の人々の気持ちと暮らしが安心安全なものとなるように今後も自分にできることを探したい。そして、今も尚この苦しみと共に生活されている方々が少しでも生きることに希望を抱けることを祈ります。
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東北震災、福島原発事故のその後に苦しむ人達を描いた短編集。断ち切れない思いが丁寧に描写され心揺さぶられる。苦しみが終わる時は来ないんだろうな。
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東北の大震災をモチーフにして、人々の心情の変化を温かく描いている短編集。被災地の人々の感情には胸がつまる思いがする。ブランコでおまじないを唱えるシーンには感動した。
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震災を題材とした短編集。小説として読んで良いものなのかもわかりませんでした。
あったことをなかったことにはできず、未来を生きていくということをいろんな立場、角度から表されていたと思います。
どうしても、大切な人をなくされた悲しみから出発となり、やりきれない思いが迫ってきました。
感情がまとまらず、自分の浅い想像力では収めることができませんでした。
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震災にはそれぞれの思いや状況があるから、短編でいくつかの物語が入っている意味がわかった。
遺体を確認していないのに死亡届を出さないといけない悲しさは想像することすら苦しい‥
あれから時間が経っても、まだ戦ってる人がたくさんいることがわかった。
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