回天の門 上 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2016年3月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (416ページ) / ISBN・EAN: 9784167905750

作品紹介・あらすじ

維新回天の夢を一途に追って生きた男の生涯

山師、策士と呼ばれ今も誤解のなかにある清河八郎は、官途へ一片の野心ももたない草莽の志士だった。清冽な男の33年の生涯を描く。

感想・レビュー・書評

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  • 藤沢周平氏の作風とは、かなり異色といえる1冊との印象を抱いた。 主人公の清川八郎は、庄内藩郷士の商家に跡継ぎとして生まれるが、家業を継がずに尊王攘夷の思想に走る。 江戸で虎尾の会を組織し、倒幕運動を続ける。 学問と剣術に長け、江戸では塾を主宰し、門弟も数多く集まる。 八郎は公武合体を排し、倒幕に走る。 その動きを幕府の知るところになり、追われる身に成る。 とても激しい史実を元にした内容だが、清川八郎の存在を、私は全く知らなかった。 虎尾の会には錚々たる人物も参加しておるのだが⋯

  • 清川八郎(斎藤元司)は、庄内藩(山形県)は清川村の出。実家の斎藤家は、造り酒屋で大庄屋格の豪農、藩から扶持を得て苗字帯刀も許されている。八郎はその惣領息子。頭脳明晰ではあるものの、「ど不敵」(自我を押し立て、貫き通すためには、何者も恐れない性格)で、家業を疎み村人達にも馴染めず、鬱屈として放蕩三昧。何らかの形で世に出たい八郎は、やがて、学問と剣術で身を立てる(学儒・一流の剣士を兼ね、江戸に文武両道を教授する塾を持つ)べく思い定め、親を説き伏せて江戸での修行にのめり込む。学問や剣術の修行は順調に進み、塾生を取れるまでに大成したが、不幸なことに、塾は二度の火事と地震で頓挫を繰り返す。そうこうしているうちに、時勢は幕末動乱期。流されるようにして尊皇攘夷の活動に身を投じていく。

    何とか世に出たい八郎は、時流と上手く噛み合わず、もて余したエネルギーを尊皇攘夷運動に吐き出していく。しかもその間、江戸留学や、塾立ち上げの費用等は全て実家に無心し、脛齧りを繰り返す情けなさ。

    もやもや感を抱えて下巻へ。

  • これまで策士としてのイメージであったが、草莽の士としてもっと再評価されるべきだ。

  • 【維新回天の夢を一途に追って生きた男の生涯】山師、策士と呼ばれ今も誤解のなかにある清河八郎は、官途へ一片の野心ももたない草莽の志士だった。清冽な男の33年の生涯を描く。

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著者プロフィール

1927-1997。山形県生まれ。山形師範学校卒業後、教員となる。結核を発病、闘病生活の後、業界紙記者を経て、71年『溟い海』で「オール讀物新人賞」を受賞し、73年『暗殺の年輪』で「直木賞」を受賞する。時代小説作家として幅広く活躍し、今なお多くの読者を集める。主な著書に、『用心棒日月抄』シリーズ、『密謀』『白き瓶』『市塵』等がある。

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