羽生善治 闘う頭脳 (文春文庫 は 50-1)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (383ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167905835

作品紹介・あらすじ

ビジネスに役立つ発想のヒントが満載棋士生活30年、常にトップを走り続ける天才。その卓越した思考力、持続力はどこから湧き出るのか。自身の言葉で明らかにする。

感想・レビュー・書評

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  • #3044ー101ー339

  • 羽生先生が7冠を取り逃がした時や取った時の特集、羽生先生とどなたかの対談、羽生先生自身の執筆文書などがまとめられた一冊。
    羽生先生の将棋感が随所に溢れ出ていた。

    特に作家である朝吹先生との対談が面白かった。朝吹先生の将棋の見どころを読んで、だから、私も将棋が面白いと思うのか!っという感じだった。

  • めっっちゃ面白い。面白すぎて、あかん!読み終わるのがもったいない!!!とまた戻り読んでる途中。将棋そんなわからんからこそ面白い。わたしがずっと思ってたけど、言葉にできなかったことが、さらさらといとも簡単に文章になっていて、もう本当凄い。凄いとしかいえない自分の語彙力のなさが悲しい。

  • 今最も有名な将棋棋士といえば、藤井聡太。しかし、棋界のレジェンドと呼べるのは羽生善治を筆頭に長い将棋史の中でも数人しかいません。羽生が登場したとき、100年に一人の逸材といわれていましたが、50年も経たずに藤井聡太が現れたのは、AIの功績かもしれません。
    羽生善治が初めて打ち立て未だに破られない記録は数えきれないほどあります。その羽生をして、破られていない大山康晴の記録があります。その1つが、タイトル戦連続登場の記録です。羽生23期(3年)に対して大山50期(10年)。昔はタイトル数も今より少なかったので、よりすごい記録ですね。
    とはいえ、その怪物大山の記録をことごとく塗り替えたのが羽生善治です。
    そんな天才、羽生善治の思考方法や素顔に迫ろうとする企画本です。各対談を通じて、羽生が決して将棋バカではなく様々な好奇心と興味を示し、自分の言葉で語る姿は社会人としても立派な人物だとわかります。
    奥さんとの馴れ初めやデートなどプライベートな部分や、対局の夕食休憩には1時間離れたレストランでのサンドイッチを食べるルーティーンだとか、勝ちの見えてきた終盤での手の震えについても語られます。
    前人未到の記録を作ったということもさることながら、羽生以前には「将棋は人間の総合力」という「道」としてのイメージを、単なる「ゲーム」だと一人で刷新した功績は「年功序列」や「盤外戦」とは決別した現代将棋の基礎を作ったのではないでしょうか。もちろんその過程では、A級順位戦初参戦の羽生が4冠タイトル保持者ではあったが順位戦上位の中原や大山の上座に平然と座ったことで叩かれたりもしましたが、きちんと勝負に勝つことでその後は誰も何も言わなくなったのが、1993年の「上座事件」です。
    また、チェスのボビー・フィッシャーが日本で拘束されたときに、嘆願書を小泉首相宛に出すなど行動の人でもありました。

     羽生善治(はぶ・よしはる)
    1970年埼玉県所沢市生まれ。二上達也九段門下。1985年、プロ四段になる。史上3人目の中学生棋士。1989年に初タイトルとなる竜王を獲得。1994年、A級初参加で名人挑戦者となり、第52期名人戦で米長邦雄名人を破って初の名人に。将棋界の記録を次々と塗り替え、1996年には谷川浩司王将を破って、前人未到の七冠独占を達成。どんな戦型も指しこなすオールラウンダー。2014年には4人目となる公式戦通算1,300勝を史上最年少、最速、最高勝率で達成。2017年、第30期竜王戦を制し、すでに保持していた永世名人、永世王位、名誉王座、永世棋王、永世王将、永世棋聖を合わせ、「永世七冠」の資格を獲得した。最近は将棋界だけでなく、AI知能との未来についての対談・取材を精力的にこなす。広く財界の人々との対談からその考え、生き方を広めていく活動も続けている。将棋界のスーパーヒーローである。

  • 私は羽生善治先生の事を崇敬しています。
    著作だけでも10冊以上は読んでいる気がします。
    本書は羽生先生のエッセイや対談、
    羽生先生について書かれた論評などを
    まとめた本になります。
    羽生先生自身のエッセイも面白いですが、
    私的には羽生先生について書かれた論評が
    非常に興味深く読みました。
    その論評を読んで、
    羽生先生の強さの一端を
    理解することが出来ました。

  • 対談集みたいなもの。高レベルの人の思考がぶれていないことがよくわかる。

  • この本は音楽のリスペクト盤CDみたいなもので、ゴーストライターの入る余地は少なく、インタビュー、他棋士の寄稿、対談、エッセイなどを集めた本である。
     谷川浩司を目指し、森内俊之、佐藤康光、藤井猛、郷田真隆、深浦康市ら、ライバルと共に、盤上で闘い続け、様々な要点を掴む様が描かれる。
     対局は、勝負というより、棋力の向上、棋理の究明につながる事として指される。
     対談で、引退要因などを訊かれるが、どのような時と明言していない。同世代が盛りを過ぎるなか、彼の孤独な闘いは続くだろう。

  • 頂点を極めた羽生善治が、若手の台頭や年齢による記憶の衰えを感じつつ、レベルを維持するために淡々と精進し続けてきた姿、結構かっこいい。

    対談の中では、沢木耕太郎との息の合ったやり取りが良かった。反対に、朝吹真理子との対談は噛み合っていなくてちぐはぐ。羽生善治評では、先輩棋士、島朗の文章が良かった。

  • 羽生さんの将棋に対する考えや人生観みたいなものが、各界の人とのインタビューを通して見えるのが面白い。
    将棋を知らない人間でも、将棋のことが少し解るような気がするのは、羽生さんの頭の良さなんだろうなぁという気がする。
    小さなことでも少しずつ勉強して日々精進しようと思わずにはいられなかった。

  • 将棋
    対談

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著者プロフィール

1970年9月27日、埼玉県所沢市生まれ。1982年、関東奨励会に6級で入会。1985年12月、プロ四段に。1989年、19歳で竜王獲得。これが初タイトルとなる。以降、数々のタイトルを獲得。1996年には、当時の七大タイトル(竜王・名人・棋聖・王位・王座・棋王・王将)全冠独占の快挙を成し遂げる。2017年に、八大タイトル戦のうち永世称号の制度を設けている7タイトル戦すべてで資格を得る、史上初の「永世七冠」を達成した。タイトル獲得は通算99期、棋戦優勝45 回(ともに2022 年6月時点)。主な表彰として、2007 年特別将棋栄誉賞(通算1000 勝達成)、2018 年国民栄誉賞、同年紫綬褒章。さらに2022年、史上初の通算1500勝を達成し、特別将棋栄誉敢闘賞を受賞。将棋大賞は最優秀棋士賞など多数受賞。

「2022年 『改訂版 羽生善治のこども将棋入門 中盤の戦い方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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