偉くない「私」が一番自由 (文春文庫)

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  • 文藝春秋 (2016年4月8日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784167905989

作品紹介・あらすじ

佐藤優が選ぶ、よりぬき米原万里



ロシア語会議通訳、作家、エッセイストとして活躍した米原万里の作品を、激動のロシアで親交を結んだ盟友・佐藤優がよりぬいた傑作選。

メインディッシュは、初公開の東京外語大学卒業論文、詩人ネクラーソフの生涯。

ロシア、食、言葉をめぐる傑作エッセイ、単行本未収録作品などをロシア料理のフルコースに見立て、佐藤シェフの解説付きで紹介する。



没後10年米原万里を偲ぶオリジナル文庫。

みんなの感想まとめ

多様な視点からロシアや文化、言葉について深く掘り下げたエッセイが集められた一冊。米原万里の作品群を選び抜いた佐藤優による編纂は、彼女の独特な視点や経験を色濃く反映しており、特に東京外語大学の卒業論文「...

感想・レビュー・書評

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  • <さあ、もっと自由に読んで語ろう!>


     チェコのプラハで育ち、ソビエト式の教育を受けたのち、日本に帰国。語学力を生かし、ロシア語会議通訳者として大活躍し、文筆活動へと移行。
     華麗なるプロフィールに彩られた米原万里書評集『打ちのめされるようなすごい本』(https://booklog.jp/users/kotanirico/archives/1/4167671042)に、あっさりTKOされた私です★
     ぜひ、この作者によるほかの著作も……と考えるも、著作リストにならんだ題は『ガセネッタ&シモネッタ』『ヒトのオスは飼わないの?』『パンツの面目ふんどしの沽券』『不実な美女か貞淑な醜女(ブス)か』等々……★
     なんという気取りのなさでしょう。示唆に富む読み物に相違ない、というのに手が伸びず、木谷は数年間の沈黙に入っておりました……★

     ふたたび米原さんの本を手に取った理由は、皮肉にもロシアによるウクライナ侵略でした。
     いえ、遠慮する必要は何もありません。読書好きが親しむドストエフスキーやトルストイらは、19世紀の帝政時代の文豪。つまり、ロシア文学と言ってもそもそも「国」が違うのですから。
     ただし、何らかの圧力を感じると、もっとロシア文学を読みたくなる心理効果もあったりして……!?

     あの力強い言葉にふれたらどんなに励まされるだろう、との思いで、久々に米原万里に向かうと、目に留まったのは『偉くない「私」が一番自由』。誰かにつきつけたくなるような言葉ですが、それはさておき……

     2016年に盟友・佐藤優氏が案内役を務めた、心憎き米原万里ベストセレクションが本書です☆
     米原さんの、詩人ネクラーソフに対する熱い想いをメインに、日本とは異なる学校教育の実情、読書、食文化、猫愛、通訳の奥深さ、そして、例のご冗談! などを少しずつ愉しめる趣向がおいしい。
     ぴりっとスパイスの利いた語り口。教養に裏打ちされたユーモア。語りの軽妙さは意外に落語を思わせるところも……!? いま、読むと元気になれる一冊と言えます★
     そして、私たちはもっと自由に読んで語っていいのです。

  • 米原万里の作品群から佐藤優が編んだ選集。
    米原万里は少女時代をチェコのソ連学校で過ごし、ロシア語通訳者として活躍、のちに物書きとなった人。

    親は共産党員で地下活動が長かったという。通訳として国際舞台での実体験も豊富であり、読書量は一晩に7,8冊は軽いという知見の持ち主。

    ゆえにエッセイもそんへんの文人が雑感を書くものとは一線を画す面白さだった。
    (選集だからそう思うのかもしれないが)
    政治や文化に対し批判精神を持ち、自身の考えが基盤にしっかりあることが感じられ、心地よい。
    他の著作にも興味を惹かれた。

  • 米原万里没後十年を迎えた、今年2016年、米原さんをしのぶ本や、エッセイの傑作選などが何冊か出版された。
    これは、佐藤優氏の編による一冊。

    私は、佐藤優氏に関する知識が無かったので、単に「米原万里のエッセイの傑作選」だと思って読み始めた。
    読んだ事のある文を見つけて懐かしむのもいいな、読んだ事のないものが収録されていたら嬉しいな、そんな気持ちで。

    目次は、コース料理に見立てられ、それにふさわしい、米原さんの文章が紹介される。
    この、フルコースメニューに沿ってというのは、最近の流行だ。
    しかし、そういうオシャレな流行スタイルをとっているにしては、何か政治思想のにおいがする。

    作家の傑作選の編者は、普通、最初のご挨拶と、締めのご挨拶くらいしか書かないものだと思っていたが、コース料理の合間合間に、「シェフのご挨拶」が顔を見せる。

    つまり、「米原万里」は料理の素材であって、出来上がった料理は、“シェフ”佐藤の作品。
    この本は、そういう本だと私は思った。
    それをどう捉えるかは、読む人次第だ。
    正直に書きます。
    私としては、「別に、あなた(佐藤氏)の事を読みたいわけではない」

    純粋に米原万里を読みたいのであれば、今だっていくらでも手に入る。
    ただ、大学の卒論などはなかなか読めないかもしれないが。

    買ったまま、積ん読状態の米原作品が何冊かある。
    まず、それらをきちんと読まなくては、と反省させられた。

  • 米原万里が亡くなって久しい。散り散りの文章を集める編者は必要だろう。佐藤優セレクトでもいい。ロシア料理のコースになぞらえたアンソロジー形態でもまあ良かろう。けど、彼の逮捕劇の経緯はココで語らんでもいいと思うわあ。
    大学の卒業論文収録。本人生きてたらイヤがるやろなぁ。

  • 佐藤さん選の米原万理さんのエッセイ集。米原さんの本をおそらく10冊は読んでいるので、知っている話は多々ーなのですが、やっぱりおもしろい話は何度読んでもおもしろい。米原さんが学生時代に書いたネクラーソフの論文も掲載。文章量と論文という体裁上、目は滑りつつもネクラーソフという男の軌跡はなかなか興味深かったです。DV父と献身的で賢い母に育てられ、農奴制への不満を抱えて、父をだまして単身都会へ。そして、貧困のどん底。すごい人生でした。一部、読むのが大変でしたが、読めて良かった作品でした。

  • 没後10年、佐藤優シェフによる米原万里のフルコース。1冊目としてではなく、彼女の本を何冊か読んでから読むべき本。
    目玉はやはり、東京外語大の卒論「ネクラーソフの生涯」100ページ。文章や論理展開は生硬だが、その後花開く彼女の萌芽が詰まっているように感じる。ネクラーソフをテーマにしているあたりが、いかにも彼女らしい。そしてなんと、卒論の審査概評も載っている。やや厳しい講評だが、温かさも感じられる(指導教員は飯田規和)。
    冒頭で紹介されているエピソードが印象的。佐藤優がチェコの作家クンデラを魅力的だと言ったら、米原万里が色をなして怒ったという。さもありなん、彼女は、計算尽くの人、裏のある人、言行不一致の人が大嫌いだったから。

  • 内容は全く知らないが、勧められて読む本がたまにある。そんな本の一冊だが、佐藤優氏による米原万里氏の追悼本だったとは。

    「ロシアは今日も荒れ模様」は昔何度か読んだ本。ロシアにはあまり興味はなかったが、良い文章だった事を覚えている。

    佐藤優氏、嫌いでもないけど、書く本は良いものだと思うけど、それ以外の印象がどうも良くい印象。

    佐藤優氏がチョイチョイ出てくるところが、必要か?と思ったり、私はあまり対談とか興味無いんだよなと思いながらペラペラ頁をめくる。

    ロシアで体調を悪くした日本人に、梅干しのおにぎりを食べさせたら元気になった話等を読み、そうだよなこの方は骨があるよなと文章を読みながら思い出した。全体としてはそうでも無いけど、米原万里氏の本を読んでみよう思わせてくれたことには感謝。

    ・読みたい本
    オリガ・モリソヴナ
    旅行者の朝食

  • 初めて触れるソビエトとロシア

  • 米原万里さんのエッセイが好きで、何冊か読んでいる。本書は、佐藤優さんが編纂した一冊。東京外国語大学の卒業論文が掲載されているのも、本書の特徴。
    今度、本屋さんに行ったとき、久しぶりに米原さんの書籍を手にしてみたいと思った。

  • 佐藤優さんが編者となって色んな抜粋したもの。
    卒論が載ってるのが一番の目玉かな。

  • 佐藤優氏が選んだ米原さんのエッセイ集。初公開の東京外語大学卒業論文が圧巻。最初は卒論だなんてつまらないなと思って読み始めたものの、後半はグイグイ引き込まれてしまいました。詩人ネクラーソフ…気になります。

  • 付き合いのあった佐藤優が米原万理の作品を紹介している。米原作品を読む前に読むと参考になるだろう。東京外大ロシア語学科の卒業論文も含まれていて、ネクラーソフの生涯について書かれてある。ネクラーネフって初めて聞いたが、米原万理が選んだのはよくわかる。

  • 図書館で。
    佐藤優選米原アンソロとでも言うべきなのか。時々読んだ事がある気がする小作あり、こんなのも書いてたんだ~と思うモノもありで楽しく読みましたが… 卒論はちょっと読み切れなかった(笑)

    宗教よりもアルコールを崇める方が良いってのはすごいなぁ。外国のユーモアセンスってさらりとしていてすごいと思う。確かにビール派とワイン派が殺し合ったりしないもんな~

  • 2017.12.9. 福岡・入江書店にて購入。

  • 著者・編者の2人の対話や思い出話をもっと読みたい。それにしても米原万理が亡くなってしまったのが残念で仕方がない。今の政治や社会情勢についてのとても面白い文章が読めたことだろうに。この本では卒業論文まで載っていて、もうやはりこれ以上は未発表の作品は無いのだろうなと思うと寂しい。

  • エッセイ集。出色は「金色の目をした銀色の猫」。ロシアで偶然見かけた子猫を日本に持ち帰る話なのだが、チンチラの可愛さ、外国から生き物を迎え入れる際の面倒なドタバタ劇、周囲の手助けの暖かさがビジュアルで「見える」。

    優れたエッセイは、人間の可笑しさ、弱さ、悲しさが、鮮烈な情景と共に立ち上がってくる。そして風景が、登場人物の感情の動きが、一瞬で心に刻まれる。魔法に近いものがある。そういうエッセイのお手本として真っ先に思い浮かぶのが、小林秀雄の「人形」。先のエッセイはこの名作に比肩すると思う。

  • 2016年刊。

     外交官と通訳。遠いとも近いともいえる2つの職種のエキスパートは、ロシア・ソ連という糸で結びつく。この結びつきは、2人が天賦の才を類稀なる努力によって揺るぎなき能力を育み、これをもって周囲をねじ伏せた人物との面で共通するからこそとも見えないことはない。

     前者が後者に寄せるリスペクトと哀切の情が生んだ本書のエッセイ群は、それはそれは練達のそれである。
     就中、米原氏の東京外大卒論の凄みに声を失う。こんな思索に溢れる文章は、二十歳すぎは勿論、今の私にも書けないよ…。

     ところで、著者の細川護熙・小沢一郎・公明党評には爆笑させられた。

  • 米原万里さんの多才さを 1冊に 凝縮した本。軽快なエッセイから始まり、原点としてのロシア文学研究、翻訳者や小説家のプロとしての考え方など


    出版社の編集者だったら、人気のある 楽しいエッセイを集めて、営利優先となるのでしょうが、佐藤優さんは 米原さん そのままを 本にまとめたかったのかなーと感じました

  • 恐れながら。題名から想像する内容とは大きく外れ... ているのはおそらく私の責任ですw

  • 佐藤優さんの編集が米原さんの良さをかなり消してしまっている印象。

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著者プロフィール

1950年東京生まれ。作家。在プラハ・ソビエト学校で学ぶ。東京外国語大学卒、東京大学大学院露語露文学専攻修士課程修了。ロシア語会議通訳、ロシア語通訳協会会長として活躍。『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』(角川文庫)ほか著書多数。2006年5月、逝去。

「2016年 『米原万里ベストエッセイII』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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