父・夏目漱石 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 68
感想 : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167906016

作品紹介・あらすじ

没後100年。息子が記録した癇癪持ち大作家の素顔偏屈で癇癪持ちの父。その怒り爆発の瞬間、日記に残した子どもへの情愛、臨終の一部始終を、次男坊の記憶でスケッチした名随筆。

感想・レビュー・書評

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  • やはり息子にとって恐い親父だった。それでも著者の目を通して、妻・鏡子や出入りする弟子たちの様子が伝わってくる。伸六氏が文筆を生業にすれば、嫌でも漱石と比べられる必然を背負ってしまう。自分もそういう目で本書を読み、漱石の文章がいかに無駄をそぎ落として鋭いのかを再認識した。それでも、この著作が漱石を知るうえで重要なものであり、伸六氏の勇気を感じずにはいられない。

  • 初版は昭和31年。文豪の次男が、父、漱石を書いた随筆。とは言え、漱石が亡くなった年、著者は、まだ若干九歳。父親をどうこう語れる年齢ではない。
    著者は歳を重ねるにつれ、父の作品を読む様になり、初めて、亡き父に親しみや、同じ血が流れる親子ならではの他人には持てない感情を抱く様になったらしい。
    印象的だったのは、親譲りとも言える優れた文才。この人の文章を他でも読んでみたいと思った。
    が、伸六本人は、文章を褒められれば褒められるほど、やりきれないと知人に話したこともあり、漱石の子に生まれた不幸というようなものもあるのかもしれない。
    また世間に、悪妻と喧伝される母、鏡子さんを、どの姉弟をも、等分に愛し、他人からどんな悪口を言われたり書かれたりしようとも一度も愚痴をこぼさなかったと書いてあるのが読めたのも良かった。

  • 没後100年ということで。今年は夏目漱石イヤーになってほしい。そしてこの手の本を読むと、それ以前に夏目作品を読み返さなくてはな…!という気持ちになります。でも読んじゃう。

  • 漱石がどんな人だったのか興味がありました。悪妻と言われた奥さんにも。。。漱石の次男から見た夏目漱石が書かれています。明治生まれの著者なのでわからない言語?がありますが、漱石の血を深く引き継いでいるのか文才があって退屈させない内容です。子供たちにとっては、癇癪持ちの怖い父親だったみたいですね。臨終の様子も詳しく書かれていてリアルでした。「悪妻」と言われた奥さんは漱石と真逆の性格でよく言えば「大らか」悪くいえば「大雑把」。漱石が日記に奥さんの悪口を書いていたとのことで、同じ女性として奥さんの方に同情しました

  • 【没後100年。息子が記録した癇癪持ち大作家の素顔】偏屈で癇癪持ちの父。その怒り爆発の瞬間、日記に残した子どもへの情愛、臨終の一部始終を、次男坊の記憶でスケッチした名随筆。

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