パリ仕込みお料理ノート (文春文庫 い 10-4)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167906030

作品紹介・あらすじ

なぜかしら音楽家には食いしん坊が多いのですとろとろのチーズトーストにじっくり煮込んだシチュー…世界の歌の友人との交流と、彼らから学んだ料理に関する食いしん坊エッセイ。

感想・レビュー・書評

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  • 戦後、シャンソン歌手として活躍されて いた石井好子さんのお料理エッセイ。

    時代背景もあり、「えっ!」と思ってしま う部分もあったけれど(時短アイテムに否 定的だったり)、それも時代による価値観 違いだと思うと面白い。

    お弁当が出てくる章を読んで駅弁が食べ たくなった。駅弁をむしゃむしゃしなが ら電車の旅なんていいなぁ。


    ⚫主婦は一日じゅう台所で立ち働いてつまらないとグチる前に、台所にいるために食卓 では味わえぬ珍味にありついているのだ、と喜ぶほうがしあわせではないだろうか。

    ⚫食べ物に興味を持てることはしあわせである。たいして知らない人とだって、食べ物の話なら気軽にできるし、人の陰口をきくわけ ではないから、あとくされもない。
    「あれがおいしい」
    「これがおいしい」
    とたあいないことをいいあっているうちに、何か友情を感じてくるのだからありがたいものである。

    いつの時代も食いしん坊の思考は変わら ないのだ、と微笑ましくなった。

  • 戦後パリでシャンソン歌手として活躍した石井好子さんの、お料理とシャンソンにまつわるエッセイ。
    今では当たり前となった食材や台所用品も、当時は珍しかったようで、読んでいて新鮮に感じた。今の時代からすると多少過激的な表現もあるので、時代背景を念頭において読む必要がある。

    それにしても、石井さんは学ぶことに対して意欲的な方だ。当時は今よりも外国へ行くハードルが高かったろうに。自分が何か学びたいと思えば直ぐ行動に移し、舞い込んできたチャンスは逃さない、そんな彼女の心意気を見習いたい。

  • "パリの料理"という言葉に惹かれて買ってあったものの、1年ほど寝かせてしまった。
    不意に手にして読み始めたところ、瞬く間に引き込まれて夢中になった。

    これは読んでいるとお腹が空く、危険な本だ。
    夕飯前でお腹もそろそろ減ってくる頃合いではあったのだけれど、即座にグーグー鳴り出してしまうくらいだ。

    ひたすらに美味しそうな話が続くが、半ばあたりからはシャンソンの話一色になる。あれ?タイトルと違う、と思い、シャンソンにはあまり興味のない私には少し辛くなった。
    それでも石井さんの書く文章がとても素晴らしいのだろう、すぐに引き込まれて気づけば読み終えていた。

    涙するような話もあり、興味深い話もあった。この石井好子さんはものすごい人脈を持っている方で、時々驚く。それも楽しい。
    全く知らなかったけれど楽しませてもらえた。

  • 【なぜかしら音楽家には食いしん坊が多いのです】とろとろのチーズトーストにじっくり煮込んだシチュー…世界の歌の友人との交流と、彼らから学んだ料理に関する食いしん坊エッセイ。

  • 時代を感じる小説

    料理本と著者が音楽をやっていた頃のお話があるエッセイ本
    シャンソン歌手というのを初めて知った

  • 真似したくなるレシピあり。シャンソンを歌うようになったきっかけや歌手や作曲家などとの交流が面白い。レッスンを受けるつもりでいたら、いきなり舞台に立つようになることになったとは!

  • 作ってみたくなるものがたくさん!
    学生時代、レッスンのあとに先生に作ってもらったシチューを思い出しました。

  • 料理について語ったパートは勿論面白く、美味しそうですが、今回はシャンソン歌手として、又プロモーターとしての作者が色濃く表れた一冊でした。次々と作者の前に現れるシャンソン界のスター達、変わらぬ歌声を響かせる者や変わり果てた姿を見せる者、あまりに個性的で扱いに難儀する者など実に様々。作者の人脈の広さに驚きです。

  • 手放してしまってざんねん。

  • 料理のことだけではなく、後半では交友のあった人々との出来事も書かれている。寄せられたあとがきにもある通り、淡々とした文章から人生の悲哀のようなものが伝わってきて、一章読むごとに独特の余韻が残る。

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著者プロフィール

1922年東京生まれ。52年、パリでシャンソン歌手としてデビュー。各国の舞台に出演し、帰国後はエッセイストとしても活躍。『巴里の空の下オムレツのにおいは流れる』(河出文庫)等著書多数。2010年逝去。

「2020年 『いつも夢をみていた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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