Deluxe Edition (文春文庫)

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  • 文藝春秋 (2016年5月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (336ページ) / ISBN・EAN: 9784167906085

作品紹介・あらすじ

現代を疾走する作家の超小説集!



現代文学を代表する阿部和重が9・11から3・11へ至る世界に対峙した12の小説。おなじみの洋楽ナンバーに乗せてお届け。

みんなの感想まとめ

多様なテーマが織り交ぜられた短編集で、現代社会に向き合う作家の独特な視点が光ります。作品には、時折パクリを思わせる要素も見受けられますが、それを超えた新しい感触や印象を提供しており、読者にとっては刺激...

感想・レビュー・書評

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  • 作品中に洋楽(およびその歌詞)が登場するのは作者の特徴のひとつだけれど、この短篇集は曲のタイトルを使っているものの歌詞は引用されない(ひとつだけ曲のタイトルではない、「Geronimo-E,KIA」には「I want you back」が伏字入りで引用されるが)。なのに、目次を見ると、コンピレーションアルバムっぽい雰囲気を醸しているのがあべかずっぽい逆転感。アップルミュージックにプレイリスト作ってくださってる方がいたので、聴きながら読みました。

    以下、思い出したくなった時のために:
    「Geronimo-E,KIA」:ビンラディン暗殺。これが一番印象に残ったかも。現実がゲームにずれこむ構造は、先日読んだ『フライデー・ブラック』とか、ジョージ・ソーンダーズなんかにもありそうだけど、あれらは問題提起や風刺の対象が明確なのに対し、こちらは何を提起したいのか、そもそも問題提起の意図などないのか、はっきりしないところが好きだ。
    「Bitch」:これがハルヒのやつか!(笑)
    「Search and Destroy」:微妙な世代間の描き分けが愉快。両親の名前が星夜と樹璃亜で、子が一三六と佐都子なのがツボだった。
    「In a Large Room with No Light」:シンセミアっぽくて面白かった。場面が映画みたいに頭に浮かぶ(って陳腐な感想だが、作者の小説はそこが心地よいからいくらでも読めるのかも)。軽いのか重いのかわからない身体の痛みも映画的。
    「Sunday Bloody Sunday」:これ、面白かった!血の日曜日ってそういうことかよ!っていう。主人公もトイレのドラえもんもキモ切ない。
    「The Nutcracker」:福永信さんの解説ではピストルズが挙げられていたけど、わたしは「ミステリアスセッティング」っぽいと思った。寓話を入れ子にしているところもそうだし、ユウコちゃんのうざさとかあの妹を思い出す。でも、シオリとちがってユリは自己犠牲ではない道を選ぶんだね。雪の異世界にたどりつくところはタイトルの『くるみ割り人形』っぽくて、『グランドフィナーレ』の冒頭といい、あべかずはガーリーな描写もうまい!
    「Family Affair」:ヘイトデモとか外国人の搾取とかSNSとか2013年に書かれているのに今っぽい。最後よくわからなかったのでまた読み返したい。
    「Ride on Time」:短いのでさらっと読んでしまったが、解説を読んではっとした。波って、金曜日って、そういうことか・・・。ぼやぼやしないでこういうとこちゃんと読めるようになりたい。

  • ハルヒに似た話があるけど、特にクレジットはないみたい。いいのかな。パクリ感あり。

  • 阿部和重の短篇集『Deluxe Edition』を読みました。
    阿部和重の作品は、先週読んだ『無情の世界 ニッポニアニッポン 阿部和重初期代表作2』以来ですね。

    -----story-------------
    映画を超える迫力、音楽を超えるエクスタシー

    デビュー20年を迎えようとしながら、常に文学シーンの最先端を疾走する阿部和重の最新作。
    米軍によるビンラディン殺害、若者による団塊世代おやじ狩り、津波、原発事故……現実をアグレッシブに取り入れつつも、誰も見たことないシュールでブラックな世界が広がります。
    映画を超えた映像的文体は、初出時から絶賛を浴びました。
    もちろん、バイオレンスと血のりも満載です。
    エンターテインメントと純文学が融合した、驚きにみちた超豪華版(ベスト・アルバム)です。
    12作のタイトルすべてが、マイケル・ジャクソン、プリンスなど著名なミュージシャンの楽曲名にちなんでいるのも読みどころの一つ。
    -----------------------

    2009年(平成21年)から2013年(平成25年)に発表された短篇を収録して、2013年(平成25年)に刊行された作品……以下の12篇が収録されており、ポップ・ミュージックの楽曲名が使うことがコンセプトになっている作品です。

     ■Man in the Mirror
     ■Geronimo-E, KIA
     ■Bitch(『イッツ・オンリー・ア・ビッチ』を改題)
     ■Just Like a Woman
     ■Search and Destroy
     ■In a Large Room with No Light
     ■Life on Mars?
     ■Sunday Bloody Sunday
     ■For Your Eyes Only
     ■The Nutcracker
     ■Family Affair
     ■Ride on Time
     ■解説 福永信

    現代を疾走する作家の超小説集! 現代文学を代表する阿部和重が9・11から3・11へ至る世界に対峙した12の小説。おなじみの洋楽ナンバーに乗せてお届け、、、

    進化した類人猿の処理を任された男、反米テロ組織リーダーの暗殺作戦に参加した少年たち、姐さんにスパイの拷問を依頼された極道の俺、福島の警戒区域にATMや空き巣を狙って侵入したチンピラ、夏休みの少年少女たちに襲われた多摩川の河川敷のホームレス、おやじ狩りを繰り返す少年、運命の人と出会うべく婚活パーティーに参加するサラリーマン、SNSで友達をつくるナイジェリア出身の少女……豪華な音楽に彩られた12本の短編が新たな世界の到来を予言する! 

    『ピストルズ』、『クエーサーと13番目の柱』、『□』と同時期に書かれた珠玉の12の短編を収録……芥川賞作家・阿部和重の魅力を堪能できる短編集。

    マイケル・ジャクソン、ザ・ローリング・ストーンズ、ボブ・ディラン、ザ・ストゥージズ、プリンス、デヴィッド・ボウイ、U2、シーナ・イーストン、ピョートル・チャイコフスキー、スライ&ザ・ファミリー・ストーン、山下達郎の曲名が作品名になっています、、、

    『無情の世界 ニッポニアニッポン 阿部和重初期代表作2』読んだときの、ヒリヒリするような気持ちや不快な展開なのに心地良い……という印象はなかったですね。

    そんな中で好み……というか印象に残ったのは以下の2作品ですね。

    南太平洋にある国際霊長類研究センターが舞台、、、

    人間と全く同じ見かけをしているサルが発見され、この新種のサルが人間と接触することで、見た目だけでなく言語能力や振る舞いなども人間に近付き始めており、そこにある任務を帯びて東郷隆という男が着任してくるという展開の『Man in the Mirror』……ゴルゴ13のパロディなのかな。

    ホームレスが暮らしている多摩川が舞台、、、

    実は金持ちなのに趣味でホームレスをやっている男性がいるというテレビ番組が放送され、若者たちに襲われていた新入りホームレスを主人公のホームレスが助けるが、主人公のホームレスもターゲットにされてしまうという展開の『Life on Mars?』……救いようのない物語でしたね。

    阿部和重の作品……一度、じっくり長篇を読んでみたいですね。

  • 2冊目だが、やっぱり現代音楽聴いてるみたい。
    普通に起承転結のある話が好きな私には「で?」という感想しか出てこない…

  • 3.2

  • びっくりするほど短編

  • 始めの幾つかの作品は?という感じだったが、読み進めるにつれて、いつもの阿部和重節が全開。
    ふざけているのか、おちょくっているのか、どうせフィクションだからと過度なホラ話めいた風にしているのか。そのような煙幕の中から、鋭い弾丸が飛んでくる。

  • 9.11から3.11に至る世界と対峙した12の短編小説集。タイトルはお馴染みのロック、ポップスの曲名から取られている。阿部特有の世界感はそのままに暴力と猥雑さに滑稽さも垣間見れる。

  • インディビジュアル・プロジェクションから追いかけている(女の人が写ってる表紙の写真につられて「ちょっとえっちな話しかな、と思って買ったのは秘密だ)阿部和重。スナイパーの話など大きなオチがある短編がとくに楽しめた。新境地ではないか。解説も本編をより楽しめるように考えられていて大変よかった。

  • 【現代を疾走する作家の超小説集!】現代文学を代表する阿部和重が9・11から3・11へ至る世界に対峙した12の小説。おなじみの洋楽ナンバーに乗せてお届け。

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著者プロフィール

1968年生まれ。1994年「アメリカの夜」で群像新人賞を受賞しデビュー。1997年の『インディビジュアル・プロジェクション』で注目を集める。2004年、大作『シンセミア』で第15回伊藤整文学賞、第58回毎日出版文化賞、2005年『グランド・フィナーレ』で第132回芥川賞受賞。『シンセミア』を始めとした「神町」を舞台とする諸作品には設定上の繋がりや仕掛けがあり、「神町サーガ」を形成する構想となっている。その他の著書に『ニッポニアニッポン』『プラスティック・ソウル』『ミステリアスセッティング』『ABC 阿部和重初期作品集』など。

「2011年 『小説家の饒舌 12のトーク・セッション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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