金色機械 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2016年5月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (496ページ) / ISBN・EAN: 9784167906092

作品紹介・あらすじ

著者の新境地・ネオ江戸ファンタジー小説

謎の存在「金色様」を巡って起こる不思議な禍事の連鎖。人間の善悪を問うネオ江戸ファンタジー。第67回日本推理作家協会賞受賞作。

みんなの感想まとめ

この作品は、複雑で多層的な物語が展開されるネオ江戸ファンタジーで、時代を超えた視点から人間の善悪を問う内容が魅力です。全十章から成り、各章は年代を示しながらも、物語は必ずしも年代順に進むわけではなく、...

感想・レビュー・書評

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  • 2014年第67回日本推理作家協会賞

    この作品は、犯人を推理する小説ではないんです
    そして、読み始めてこれは土瓶さんの好きなタイプだと思いました
    複雑で濃いんです
    私は浅はかにも移動のお供にしてしまい
    7割は読んでいた状況だったのですが
    混乱してしまい、邪道に年代順に読み直しました
    決してマネしないでください
    全十章からなるこの小説は
    各章年代が明確に表示されながら
    物語は年代順に進んでないのです
    これは作家さんの思惑通り読み進め
    最後に200年ほどの江戸時代ファンタジーを
    読み解くところに醍醐味があるのだと思います

    今まで読んだ恒川さんの古民家ホラーの
    “古民家”の時代
    まだ夜は闇の時代
    山里には秘密があり
    異形の金色機械金色様は、もはやムーンから

    もしや近代日本以前には
    このファンタジーは真実と紙一重だったのかもしれません
    金色様をめぐる禍ではなく
    人の禍の結末を金色様が見届けたのではと

    • bmakiさん
      私は犯人当てが好きなので、私の好みでは無さそうてすね( ̄▽ ̄)
      私は犯人当てが好きなので、私の好みでは無さそうてすね( ̄▽ ̄)
      2025/02/19
    • おびのりさん
      ビマキさん
      そうなんですよ
      まあ死人は出るのですが
      仕方ないって感じなんですー
      ほら、土瓶さん高評価のやつは、複雑系ですから
      ビマキさん
      そうなんですよ
      まあ死人は出るのですが
      仕方ないって感じなんですー
      ほら、土瓶さん高評価のやつは、複雑系ですから
      2025/02/19
    • ultraman719さん
      複雑系なんですね。
      恒川さん、「雷の季節の終わりに」は、手元にあります(こればっかり)が、これも検討しよ。
      土瓶さん、複雑系好きなんかぁ…「...
      複雑系なんですね。
      恒川さん、「雷の季節の終わりに」は、手元にあります(こればっかり)が、これも検討しよ。
      土瓶さん、複雑系好きなんかぁ…「魔獣狩り」って複雑系なんかな?
      2025/02/20
  • 登場人物一人ひとりの人生がうまく絡み合っているという、構成が面白いものをたくさん読んでいるここ最近。
    この『金色機械』も、読み進めていくと判明する「実はあの時・・・」という種明かしが楽しかった。

    触れるだけで生物の命を奪ってしまう恐ろしい力をもつ少女、自分を殺そうとした父親から逃げ山賊に拾われた少年、幼き日に犯した罪をかかえながら悪を糺す同心。
    人々の運命が、人間とは思われない謎の存在「金色様」を介して交わる。江戸時代を舞台にした「時代ファンタジー」。

    現実に少しだけ(?)ファンタジーというか、SF的な要素が混ざっているものが面白いんだと気づいた。しかも時代物はかなり好きなので、とても楽しかった。
    運命ってすごく切ない。「因果応報」を感じた。

    金色様、得体が知れなくてはじめは怖かったけれど、読み進めていくとちょっとかわいく思える・・・


    「人生、起こること。これみな神事。覚悟せいよ熊悟朗。」

  • 長年積読になっていた一冊をやっと…。これまでに読んだ恒川作品とはちょっと異なる読み味で、夜市×スター・ウォーズ?みたいな世界観。スケール大きく、ミステリー要素もあり、エンタメ性の高い時代ファンタジー。章毎に年代と視点が切り替わり、それぞれが次第に繋がっていく展開にハマった。物語の核をなす「テキモミカタモ、イズレハマジリアイ…」。金色様の含蓄ある言葉が印象に残った。

  • ファンタジー寄りの恒川ワールド。恒川作品は基本的に大好きですが、ダークさや不思議さは少なめな為少し物足りなく感じてしまいました。心の奥底を揺さぶる悲しさが残る物語です。

  • 恒川さんの小説は、『夜市』をはじめ短編が多く、自分も好んで読んでいたが、こちらは長編(しかもそれなりに分厚い)。冒頭は江戸時代の遊郭で、遊郭の主である男と、遊女としての面接を装って侵入してきた何やら訳ありの女が相対する緊迫感のあるシーンからはじまり、今後の展開にわくわく。その後、それぞれの視点の物語(生い立ち)が入り乱れる(ある意味「短編集」とも言えるかもしれない)。進むにつれて、恒川小説に欠かせない怪異の存在が見え隠れするが、今回は「金色様」なるロボット?で、物語の時間軸からすれば、未来から来た存在であるようだ。発想に驚きつつ、この設定・背景に馴染むのか?という若干の心配を持ったが、ややコミカルな仕草も楽しく、圧倒的な戦闘力もあって、物語を上手く収束に導く中心的な役割を果たす。結局、金色様の存在や男と女の特殊な力についての明確な説明はないのだが、そこのムズムズ感を差し引いても魅力的な物語で、読み応えがある。終盤の展開がやや駆け足気味で、もっと余韻を感じたかった。

  • 「夜市」とは系統が違うけど、異世界に連れて行かれてるような不思議な気分になるのはやっぱり恒川さんの作品の特徴なのかな、、、
    金色様は結局なんだったんだろう。余韻がすごい。

  • 読むのに時間がかかった、物語の流れが緩やかだとつい雑念が入り込んでしまう、それはそれでいいのだが。
    柔らかい美しい文体で野生的な盗賊たちの生活が描かれているが「金色様」は何か異界の夢物語めいていた。

    恒川さんの、現実から幻想的な世界に滑り込んでいく物語が好きで読んでいるが、長編は初めてで少し勝手が違った。
    時系列どおりに進むのではなくて登場人物が現れるごとに、それが生きてきた過去から話が進む。時間の往来があってから、現在に合流する。

    全編を通して恒川ワールドの雰囲気が続いていく。
    はみ出し物の盗賊たちは殺しもやれば子どもの誘拐もする、情け容赦のない場面もあるが、それも全て絵物語のようで、続けて読めば分厚い400ページを越す話も進行は早い。

    山奥に通称「極楽園」といい、鬼屋敷とも呼ばれる盗賊の部落がある。子供をさらってきて働かせているが、頭目が殺されて手下だった夜隼が実権を握る。ここにも下克上はある
    そこに熊悟郎が逃げ込んできて下働きを始めるが、夜隼に見込まれ、武芸の訓練を受ける。
    見る見る上達して仲間に認められるが、彼は長じて、妓楼を任され莫大な利益を得てのし上がっていくことになる。
    熊悟郎は人の心が見える目を持っていた。

    捕縄の名手、同心の柴本巌信のところに遥香と言う娘がやってくる。彼女は手を当てると人を安楽に死なせる技を持っていた。医者の家で、見込みのない患者にその技を使わせていたが、医者の家からも自分の力からも逃げてきたと言う。

    彼女は過去に鬼屋敷にさらわれてきて逃げだした紅葉という娘の子供だった。
    遥香は逃げ出てさまよい、庵に中にいた「金色様」に出会う。彼女は父母が殺されたいきさつを話し、厳信が手伝うことになる。

    「金色様」と呼ばれるのは遠い昔、月から来た一族だったが、体が金に覆われ光のエネルギーで生きていたため、一族が耐えても生き残っていた。極楽園の中の庵で暮らしていたが、やがて遥香とめぐりあう。この一族の話はなんというか、突然下りて来て紛れ込んだような宇宙譚でこの金色様の話だけで読んでみたい気がする。

    同心と一緒になった遥香の復讐、極楽園の人々の末路、話は前後しながら進み、やがて幕引きの時が来る。

    金色様と呼ばれるロボット様の物体は、C-3POの姿を彷彿とさせるが、こちらは男にも女にも変幻自在、声まで変えられる。花魁の衣装を着て白塗りの顔を長い髪に隠し、文字通りこの世のものでない強さを見せる。月から来たと言うそのときから物語の中に存在して、人々に関わり続けているが、あまり違和感はない。
    何か現代のおとぎ話で、恒川さんの現実離れのしたストーリーは、現実との距離感が荒唐無稽になりそうだが、その世界が好きなら巧妙な言葉で異次元に誘われる。
    時々はっと我に返ると、長編だけに少し齟齬のある部分がみえるので、どちらかといえば、短編の方が持ち味に沿っているように思えた。
    それでもこんなありそうもない世界をもっと楽しんでみたい気がする。やはりストーリーも夢幻の世界をさまようような恒川ワールドだった。
    リアルな世界で構築された物語が好きな人向きではないが、地面を離れて浮遊してみるのも悪くない。
    読者を選ぶ作品。

  • 月ってなにか不思議だよね。

  • 戦国時代、今川が治める領地山奥の藩境に、宇宙船に乗って空からやってきた人々を祖に持つ一族、幽禅家がひそかに居を構えていた。タイトルの「金色機械」(金色様)は、その一族の一員として暮らす高性能ロボットのこと。当主に絶対服従だが、自ら考え、感情をも併せ持つ賢くて無敵のマシンだ。

    幽禅家崩壊後、当主の娘ちよは、金色様を従え、ならず者達を集めて鬼御殿という居城をつくり、徳川の御世、裏家業で不法に栄えていた。

    その鬼御殿に拐われた賢い娘、紅葉。同じ日に拾われた少年、熊五朗。熊五朗は相手の殺意を見抜く心眼の持ち主だった。紅葉は、鬼御殿を密かに脱走し、小豆村に逃げ込んで腕のいい猟師の善彦に嫁ぎ、娘を設けたが、色々あって夫婦ともに殺されてしまう。紅葉の娘、遥香は、善彦の家系が受け継ぐ、素手で触れると相手の魂を溺れさせて死に至らしめる "死念" という能力の持ち主。遥香は、金色様の助力を得て両親を殺した仇を打とうと、今や鬼御殿の大物となった熊五朗が仕切る遊郭を訪れる。

    地球外のものが持ち込んだロボット金色様、そして "心眼や "死念" といった異能の使い手が織り成す、数世代にわたるスケールの大きなストーリー。SFやファンタジーの要素あり、時代小説の要素ありで、読み応えたっぷりだった。

  •  これは見事、名作。世界観としては恒川光太郎作品においてさほど新しいとは感じなかったが、構成が素晴らしい。
     物語全体は、歴史物とまではいかないが、長い年月を含んだ壮大なストーリーである。これを複数の人物の視点から(時系列でなく)描き、そのどれもを主役級に厚く描写している。どのストーリーも面白いが、こちらの移入度が高まったところで、複数のストーリーが繋がりを見せるので、また一段と興奮が増す。
     時代設定やホラーファンタジー的な要素も相まって、京極夏彦作品と共通するものも感じた。時代小説は苦手で読まないが、そういった人でも問題なく楽しめるのでは。

  • 伝奇SF。再読ですが、何度読んでもこの世界に取り込まれてワクワク読んでしまいます。面白かった。
    長編でも、寂しさを覚える読後感は変わりません。
    地球に降り立った金色様の、永い幕引き…と思うと大変寂しい。
    相手や自分を、許す許さない…がぐらぐら揺れ続けるのも良かった。

    「筋か。この世の恐ろしいところはな、筋などというものは、本当はどこにも存在しないのだ。ただ、筋を通した、通っていないと当事者とその周囲の者がいうだけでな」

    不思議な力を持つ遥香のことを邪険にせず、謎すぎる存在の金色様のことも邪険にせず「違う種類の神様だけど」みたいに接するお年寄りたち、おおらかだなぁ。
    日常と異常が無理なく共存しているのは、ファンタジーでもあり、昔の日本でもあり。
    恒川さんの、日本の昔話味がいつもより色濃く出ていました。
    文章が端正で易しくて、いきなり容赦ない生々しい描写が出てくるのも昔話読んでるみたい。

    紅葉さん、流石格好良い。
    「人生、起こること、これみな神事。覚悟せいよ熊悟朗」

  • 異次元に連れて行かれてしまう作家No1との誉れも高いですが、この本もまさに別の世界に連れ出されてしまう本であります。
    江戸時代なのに金色のロボットと思われる物体が重要人物(物質?)となっています。なかなか無い展開で戸惑いますが、滑らかに物語に入って行けます。
    謎の金色様を巡って展開する超展開の江戸時代ロマン。

  • スターウォーズのあのお方の親戚でしょうか。飛び抜けて強く賢く忠実で優しい。おまけにユーモアもある。私はすっかり金色様のファンです。
    恒川光太郎さんの本はまだこれで4冊目だがどれも面白い。設定はファンタジーだが中身はしっかりと人間ドラマ。「金色機械」を離れがたいが、さて次はどれを読もう…最新刊か?

  • 「きんいろきかい」と読む。
    この本を読むときは、じっくりと腰を落ち着けて、その世界にどっぷりとはまりながら読むのがよい。


    江戸時代。

    人が生まれ、死んでいく。
    人生の糸が複雑に絡み合い、結ばれ、断ち切られ、生と死を繰り返しながら歳月が流れ、やがてそれが新しい世を造る。

    生命というものを持たない金色様は、昔、月からやってきたそうだ。外見は(おそらく)C3POのようで、チャーミングなところもあり、でもとても身軽でとても強い。金色様はこの世の移り変わりを、様々な人に常に寄り添いながら見守ってきた。

    この物語は、手で触れただけでそのものの命を奪うことができるという不思議な力を持つ遙香という女が、大遊郭の創業者である熊悟朗を訪ねるところから始まる。遙香の頼みとは。。。
    そして時代は行ったり来たりを繰り返し、その度にちりばめられた謎が少しずつその姿を現す。

    上手く説明できないのだが面白かった。
    独特の世界観に魅せられた。

  • 日本推理作家協会賞受賞作品。江戸時代をベースにしたファンタジー。
    この機械人間は、スターウォーズのC3POと似ています。少しです。相手の敵意や殺意が見えてしまう熊五郎。手をかざすだけで相手を殺すことのできる遥香。この三者が入り乱れ、山の奥に隠れ住む鬼御殿の奴らと関わっていくという、復讐。探偵ミステリー。何か不思議な話しでした。とにかく、おもしろい。気がつくと夢中になっていました。エンタメ娯楽作品です。

    http://muto.doorblog.jp/

  • 恒川光太郎さんには珍しい長編小説。
    おとぎ話や昔話はこうしてできるのかも、と思わされる物語でした。SFと時代小説が違和感なく一つのものになってて素晴らしかったです。

  • ここで「おすすめ文庫王国」のエンターテインメント部門1位のこの本に取り掛かる。
    廓の大旦那・熊悟朗を遊女になりたいという娘・遥香が訪ねてきた場面から始まる物語は、最初は掴みどころ無く、装丁の地味な印象も相俟って、こうしたお薦めがなければなかなか手に取りそうもない。
    二人の生い立ちが語られる前半はファンタジーと聞いていてもあまりそれらしい匂いもなく進み、時代を行き来しながら描かれる物語は二人の生い立ちからどんどん離れて一体どのように話が展開するのだろうと思わせるが、関係が分からないままでも、次々と出てくる新たな登場人物とそれに付随して繰り広げられるエピソードはまるで大河ドラマの趣で興を逸らさぬ。
    二人から離れていったお話が実は全て冒頭の話に結びついていたことを知る後半は、それまで提出された謎が氷解していく推理小説でもあり、ラストがどのように収束するのか、金色様と遥香の冒険小説でもあり、なかなか楽しめた。

  • ザ・恒川ワールド。斬新な設定で独自の世界観が最高だった。読みやすいからあっという間に読み終わった。

  • 恒川光太郎初読。章によって主人公や時間が入れ替わり、読み進めていくほど真実が明らかになっていく。淡々とした文章から人の感情が読み取れ、なんとも切ない気持ちになる。ありそうでなさそうな話で非常に好み。

  • 何て面白いんだ! 京極夏彦「嗤う伊右衛門」の心がキリキリする感じと宮部みゆき「悲嘆の門」のドキドキ感が混ざった素晴らしい内容。 物語自体がとても面白く構成も良く出来ていて又とても読み易い文体で書かれているので内容がすっと入ってくる。 「夜市」があまりに衝撃的だったので期待半分、不安半分で読み進めたがあまりの面白さにページを捲る手が中々止めれなかった。 恒川光太郎に完全に嵌った! 時代物とかファンタジー物とかそんなことどうでも良くなる読み応え抜群の作品。

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著者プロフィール

1973年東京都生まれ。2005年、「夜市」で日本ホラー小説大賞を受賞してデビュー。直木賞候補となる。さらに『雷の季節の終わりに』『草祭』『金色の獣、彼方に向かう』(後に『異神千夜』に改題)は山本周五郎賞候補、『秋の牢獄』『金色機械』は吉川英治文学新人賞候補、『滅びの園』は山田風太郎賞候補となる。14年『金色機械』で日本推理作家協会賞を受賞。その他の作品に、『南の子供が夜いくところ』『月夜の島渡り』『スタープレイヤー』『ヘブンメイカー』『無貌の神』『白昼夢の森の少女』『真夜中のたずねびと』『化物園』など。

「2022年 『箱庭の巡礼者たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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