山行記 (文春文庫 な 26-23)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 68
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167906214

作品紹介・あらすじ

「山と渓谷」で共感を得た、芥川賞作家の山紀行芥川賞受賞の翌年に心身を病んだ作家兼医師が、五十歳で山登りを始めた。浅間山から南北アルプスの高みまで、作家が山で考えたこと。

感想・レビュー・書評

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  • 新穂高から笠ヶ岳と槍を通る周回や、北岳から農鳥までの大縦走が書かれていますが、声高になる事なく静かに淡々と時が流れて行きます。山行記ではありますが文学作品。良い本だと思います。

  • 好きな山が題材なのでがっちり心にはまるかと言うとそうとは限らない。相性が良くないのだろうな。

  • 芥川賞作家・南木佳士さんの山行記。
    うつ病から逃れるために50歳を過ぎて山歩きを始めた南木さんが北アルプスや南アルプスに登った記録ですが、もちろん本格的な登山ではありません。青色吐息で稜線をよじ登る姿が浮かびます。
    私も若い頃、山に登っていました。もっとも、中四国の丸みたっぷりの山頂がほとんどでしたが。それでも一度は南アに行ったことがあり、この本を読みながら北岳の雄大な姿や青空に映える3000m級の峨々たる稜線を懐かしく思い出してしまいました。
    マニアックな部類に入る南木さんの、マニアックな領域である山行記ですから読者は限られると思いますが、ハマる人はハマる作品だと思います。

  • ここのところテレビでも本町でも、山登りのスペシャリストのような方々を目にすることが多かった。そんななかで、登山の大変さが伝わってきてとても楽しく読めた。まるで一緒に登山したような気持ちになれた。登山は苦しいし、怖いこともある。けど、登山でしか味わえないものがあるのだと改めて思い、山に行きたくなった。

  • R3/4/14

  • 2021/1/17購入
    2022/3/17読了

  • 内科の勤務医であり、芥川賞受賞作家が描いた山の紀行文集。

    山の面白さも描かれているのだが、それを手放しに楽しむことは出来ず、山の紀行文というよりも、著者自身が心の在処を探し続ける旅を綴っているように思えた。というのも、著者が芥川賞受賞後から鬱病に苦しみながらも、勤務医と作家の二足のわらじを履き続け、50歳にして山歩きという拠り所を見付けたかのように読み取れるのだ。

    『ためらいの笠ヶ岳から槍ヶ岳』『何度でも浅間山』『つれられて白峰三山』『山を下りてから』の4編に『あとがき』と『文庫版あとがき』『作品関連地略図』を収録。解説は市毛良枝。

  • 2016/5/19 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。
    2018/4/9〜4/11

    初めて読む作家さん。本屋で発見して購入。歳をとってからの登山。年甲斐もなく重いテントを背負っての長距離山行など、あなたは私か、っていうくらい重なった。機会があれば、小説も読んでみたい。

  • 芥川賞を受賞した作者が、その翌年からうつ病に苦しまられ、山を歩くことによって、うつ病と付き合っていくその山行を記したエッセイ集というか、短文集。はしはしにうつ病のことは書かれているが、登山というスポーツや趣味で発散していこうとする試みが記されている。楽しいだけの山登り文ではないけれど、きっと「山登りやさん的に」楽しんでいるんだろう、そんな感じがする。

  • 【「山と渓谷」で共感を得た、芥川賞作家の山紀行】芥川賞受賞の翌年に心身を病んだ作家兼医師が、五十歳で山登りを始めた。浅間山から南北アルプスの高みまで、作家が山で考えたこと。

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著者プロフィール

南木佳士(なぎ けいし)
1951年、群馬県に生まれる。東京都立国立高等学校、秋田大学医学部卒業。佐久総合病院に勤務し、現在、長野県佐久市に住む。1981年、内科医として難民救援医療団に加わり、タイ・カンボジア国境に赴き、同地で「破水」の第五十三回文學界新人賞受賞を知る。1989年「ダイヤモンドダスト」で第百回芥川賞受賞。2008年『草すべり その他の短篇』で第三十六回泉鏡花文学賞を、翌年、同作品で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞する。ほか主な作品に『阿弥陀堂だより』、『医学生』、『山中静夫氏の尊厳死』、『海へ』、『冬物語』、『トラや』などがある。とりわけ『阿弥陀堂だより』は映画化され静かなブームを巻き起こしたが、『山中静夫氏の尊厳死』もまた映画化され、2020年2月より全国の映画館で上映中。

「2020年 『根に帰る落葉は』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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