死神の浮力 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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レビュー : 281
  • Amazon.co.jp ・本 (538ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167906474

作品紹介・あらすじ

シリーズ累計115万部、大ヒット作待望の文庫化!娘を殺された作家は、無罪になった犯人への復讐を計画していた。人間の生死を判定する〝死神〟の千葉は、彼と共に犯人を追うが――。

感想・レビュー・書評

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  • 『いつか僕たちは死ぬ。これはもう逃げようのない「絶対」の決まりだ』

    人間を1週間調査し、死か見送りかを判断する死神、千葉。今回の調査対象は、良心のないサイコパス本城に娘を奪われた山野辺夫妻。彼らは本城への復讐を画策するが…

    死について考えさせられた作品。前作以上に、死神千葉の、ちょっと的外れな言動にクスリとしてしまった(笑)今作は復讐や人間の避けられない死がテーマなだけに、前作より格段に重苦しいものの、その分千葉の率直な言動がそれを和らげてくれた印象も強かった(これが死神の浮力なのかっ!?)

    病に侵され、死んでしまった山野辺の父の、自由奔放な生き方は、最初は「なんだこの人」と思ったけど、最後は強い父親だと思いました…
    死という絶望が迫っていながら、誰もが避けられない死を、誰よりも直視して、誰よりも怯えていながら、誰よりも"死"というものを子供に教えようとした…
    父親の『俺が弱っていくことに、あたふたしないでくれ』『死んだ時が、俺の寿命だよ。俺はちゃんと、寿命通りに生きるから』って台詞が印象深かった。
    そして肝心の復讐の結末ですが、途中まで紆余曲折あったのに、意外とあっさり…

    参考文献のあとに、作者が『作中で主人公たちが死についての言葉を交わし、様々な意見を口にしますが、僕自身は死のことについて何もわからず、ただ恐ろしくて仕方がなく、偉そうなことは何も言えません。』と言ってます。
    こんな作品を生み出した張本人が何を言うんだ!と面白おかしく感じつつ、人間皆そんなもんだろうなぁ…と思いました。

    死について考えさせられる作品だったけど、死に対して私たちは無力だなぁと感じさせられました。(別段悲観するわけではなく、死が『逃げようのない「絶対」の決まり』であることを再認識したという意味で)

  • 先月「死神の精度」を読んで、色々口コミなどを見ているときに続編であるこの「死神の浮力」の存在を知り図書館にたまたまあったので早速借りました。
    もう最初の大名行列のくだりからニヤニヤが止まらなくて「ああ、千葉さんだ〜」とすぐにこの世界観を思い出すことができました。他の不真面目な同業者を内心非難し、真面目に仕事をする千葉さんだけど、やっぱりミュージックのことしか考えてなくてかわいいな、と思った。

  • パッとしないまま終わってしまった…。「死」について考えさせられるセリフは何度かあったけど、全体のストーリーはのっぺりしているというか。グイグイ読ませる感じは無かった。千葉の興味無さそうな立ち振舞いが伝染したのかも。それこそ 対岸の火事 のような。ある意味この話に合っている感覚なのかもしれないけど、もう少しハラハラが欲しかった。ただ、最後の千葉のセリフは良かったな、、

  • 前作「死神の精度」が短編連作でスピーディーな展開だったので、長編は少し違和感があったが、前作以上に千葉さんがぶっ飛んでいたので楽しく読めた。ただ、主人公の父親とのエピソードはありきたりで捻りもなくパンチが足りない印象...。

  • 死神から見た死と生の世界観が、人間の主観と違って面白く考えさせられる。
    ストーリーとして、こんな事が現実的に起きるのか…と、自分が主人公の立場であれば、狂ってしまいそうな状況。
    次が気になりどんどん読み進めてしまう。
    伊坂幸太郎の小説の中で一番好きな小説で家に置いておく小説の1つとなった。

  • 死神千葉の再登場に全私が喜んだ。
    今回は複数の短編ではなく、一つの物語。

    作家山野辺の視点を交えて描かれる、復讐の物語。なんて書くと大袈裟かも知れない。

    途中までは山野辺の事件の描写は、息が詰まりそうになるほど、辛かった。
    しかし千葉のズレた発現に山野辺同様私も救われた。
    重くなり過ぎず、かといって軽過ぎず、しかし結局駆け抜けるように読み終えてしまった。

  • 千葉(死神)が山野辺(今回調査される人)を調査する7日間で構成される。
    1日毎に分けられていて、語り部も千葉と山野辺と交互に描かれている。
    物語の進め方や、構成、回想シーンをどのタイミングで織り交ぜるかなど、自然で秀逸。

    冷静で人間感情が乏しい悪者と、クールになりきれない知的な人間味溢れる主人公。
    さて、どうなるか。
    ワクワクして読める。

    死神の精度と合わせて読むのがおススメ。

    不寛容にも寛容であるべき。
    身につまされる。

    愛しき死神、されど死神。

  • 特に理由はないのだけど、最近伊坂幸太郎作品を読み返していて、死神の精度を読んだので、次は死神の浮力をと思い、久しぶりに文庫を購入しました。引き続き、みゅーじっく好きの死神が、事故など不測の事態で死ぬ運命をそのままとするかを判断する仕事をするため、対象の人を観察するため関わり、物語が進行します。

  • 伊坂らしい怒涛の伏線の回収はないが、
    独特な気持ちよさの残る一冊

  • 2018.06.17.読了
    伊坂氏の作品、合うなーおもしろいなーと思う時と
    なんか合わないわー、よくわかんない!という時がある。こちらはその中間。

    本作は、死神が娘を喪った山野辺夫妻の元にやってきて犯人への復讐を実質的に手伝うことになるという展開。
    なかなか面白いのだけど、読了までに時間がかかった。
    おお、おもしろいぞと思う時とバーッとページが進む、そしてもたつく。その繰り返し。

    作中に死に対する恐怖や覚悟、生きることへの執着と絶望について語られる場面が多々あるがここにはいちいち頷けた。

    エピローグも良かった。死神 千葉さんと香川さんのやりとりは面白い。

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著者プロフィール

伊坂 幸太郎(いさか こうたろう)
1971年千葉県生まれの作家。東北大学法学部卒業後、SEとして働きながら文学賞応募し、2000年『オーデュボンの祈り』で新潮ミステリー倶楽部賞受賞、デビュー作となる。その後作家専業となり、宮城県仙台市に在住しながら執筆を続けている。2004年『アヒルと鴨のコインロッカー』で第25回吉川英治文学新人賞、同年『死神の精度』で第57回日本推理作家協会賞短編部門、2006年平成17年度宮城県芸術選奨文芸部門、2008年『ゴールデンスランバー』で第5回本屋大賞、第21回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。同作で直木賞の選考対象となることを辞退したことも話題になった。上記受賞作のほか、『重力ピエロ』、『バイバイ、ブラックバード』、『アイネクライネナハトムジーク』など話題となる作品は多い。代表作も殆どが映画化されている。最新作に『フーガはユーガ』。

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