ミッドナイト・バス (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 346
レビュー : 45
  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167906719

作品紹介・あらすじ

壊れた「家族」という時計は再び動き出すのか故郷に戻り、深夜バスの運転手として二人の子供を育ててきた利一。ある夜、乗客に別れた妻の姿が――。家族の再出発を描く感動長篇。

感想・レビュー・書評

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  • 内容(「BOOK」データベースより)
    故郷に戻り、深夜バスの運転手として働く利一。子供たちも独立し、恋人との将来を考え始めた矢先、バスに乗車してきたのは、16年前に別れた妻だった。会社を辞めた長男、結婚と仕事で揺れる長女。人生の岐路で、忘れていた傷と向き合う家族たち。バスの乗客の人間模様を絡めながら、家族の再出発を描いた感動長篇。

    親子の関係再生のドラマは万人に受けますね。皆だれかから生まれて来ている訳なので、上手くいっている家庭で育っていても共感する事はたやすい事です。この本も非常に話に入りやすく、現在の恋人と元妻の間を揺れ動きながら誠実でいたいと思っている主人公利一の行動も非常にドラマ的で分かりやすいです。もう大人になっている子供たちも、足りなかった愛情の穴を怒りと悲しみで埋めようとする姿もぴったりはまっている。なんだかマイナスな話をしそうなレビュですがそんなことは無いです。しっかりと書かれた人間ドラマで情景も浮かびやすく、深夜バスの運転手というシチュエーションも必須のものとして機能しているので、舞台設定やそれに対するドラマのからみ方も非常に秀逸。とても面白かった。

    何が気に入らないって、話の出来栄えではなくて主人公利一が現在のいじらしい可愛らしい恋人「志穂」への対応が超ムカつく!きー!っというものです。元妻「美雪」との間をゆれている時には「そこは志穂だろバカ野郎!」と心の中でがんがん突っ込みを入れていました。もう志穂が幸せになればあとはどうでもいいという位に感情移入しました。
    もう映画になるみたいで配役決まっているようですが、僕の中では
    利一⇒西島(大根役者だけど合うと思う)
    恋人 志穂⇒櫻井幸子(これは絶対合うと思う。完全脳内再現)
    元妻 美雪⇒小泉今日子(タバコすいながらだるくしているのが似合うから)

    こんな感じです。
    これだけ書いているので分かっていただけると思いますが、早い話面白かったという事です。

  • 良い意味で予測が付かない本でした。
    “次はきっとこういう展開になるだろう”と言う予想がことごとくハズレ、この物語は一体どこへ向かっているのかと、続きが気になってしまいました。

    成人し、それぞれの道へと進んでいった息子と娘。
    子供を置いて家を飛び出して行った妻。
    派手さはないのだけれど、物凄く心に染みる大人な一冊だと思います。

    子供とは、きっと幾つになっても子供なのだろうな。
    成人しようが社会に出ようが、やはり子供には親の温かさが必要なのだ。

    貴方には、いつだって私が居るのだから大丈夫なのだよ。帰ってくる所があるのだから、どこへでも行っておいで。
    と、そんな事をいつか言えるような強い母親になりたい。
    娘の寝顔を見ながらそんな事を考えていました。

  • 見捨てられない。例え手を差し伸べることで、他の誰かが傷つくとしても。優柔不断、八方美人だと言われても、不器用で不誠実だと蔑まれても、それが人間らしさだと思う。時は戻らない。だけど家族がいる。再出発に遅いということはない。
    あらすじ(背表紙より)
    故郷に戻り、深夜バスの運転手として働く利一。子供たちも独立し、恋人との将来を考え始めた矢先、バスに乗車してきたのは、16年前に別れた妻だった。会社を辞めた長男、結婚と仕事で揺れる長女。人生の岐路で、忘れていた傷と向き合う家族たち。バスの乗客の人間模様を絡めながら、家族の再出発を描いた感動長篇。

  • 妻に逃げられた深夜バス運転手の男とその2人の子供のよもやま話。
    みんなが一生懸命生きていて、感動できる。

    しかしこの本の登場人物はみな異性にモテるな。

  • 新潟出身の作家ということで新潟住みの自分は勝手に親近感を感じたので手にとってみた。
    読み終わって、予想を超えるほど面白い本だった。
    家族間で起きた傷を再生していく物語は感動的で、バスや車の移動してる時に起こる利一の心情や、玲司や美雪と話す言葉たちは移動してる時だからこそ打ち明けられる話とかも、この本は「移動間」に起きる季節の移ろいや、街の描写が上手いなあと感じた。
    新潟の古町や弥彦らへんをドライブしながら慣れ親んだ街をもう一度ゆっくりと見よう。BGMはユーミンで

  • 新刊にあまり興味を惹かれるものがなかったので、文春から来たメルマガに映画化なると紹介されていた、この本にしてみた。
    東京での仕事を諦め、故郷に帰ってきて遠距離バスの運転手をしている男・利一が主人公。
    東京にいる恋人・志穂、これも東京での仕事を辞め転がり込んできた息子・怜司、仕事と結婚の間で揺れる娘・彩菜、別れた妻・美雪。
    私とは構成も境遇も全く違う家族の話だけど、利一と息子・娘の関係やら、利一と女たちの間に流れる情感やら、老いた義父の頑固さやら、娘の彼氏の家族とのぎくしゃくした様や、バスの乗客たちの切り取られた人生の一幕やら、そこかしこに何かしら似たような境遇や近しい経験や同じような感情を催される。
    ずるずると時が経っていき、結構長くてしんどい話なのだけど、しんどくても引き込まれる。
    しかし、男も女もやせ我慢して生きるのは大変だ。利一も随分だと思うが、志穂も美雪も…。別れのシーンの重さに切なくなってくる。
    『お父さんの幸せは、僕らの幸せだ』と息子に諭され、張った片意地にようやく気付くラストは甘いと思うが、それで良い。

    妻は横におり、多少問題抱えていても息子たちもそれなりに暮らしている、自らの幸せを改めて思う。

  • 堤真一をイメージしながら読んだ。

  • 男と女って、めんどくさくて大変よね。。。

  • 映画にはないサイドストーリーが、物語に深みを与えている。

  • 登場人物が、気持ちを全然相手に言わずに、自分の中だけで決めてすれ違うことが多いことに、モヤモヤ。
    家族だから返って言えないのは分かるけど、もう少し素直になってもいいのでは。。

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著者プロフィール

伊吹有喜(いぶき・ゆき)
1969年三重県生まれ。三重県立四日市高等学校、中央大学法学部法律学科卒業。四日市市観光大使。1991年に出版社に入社。雑誌主催のイベント関連業務、着物雑誌編集部、ファッション誌編集部を経て、フリーライターになる。2008年に永島順子(ながしま・じゅんこ)名義で応募した『風待ちのひと』(応募時のタイトルは「夏の終わりのトラヴィアータ」)で第3回ポプラ社小説大賞特別賞を受賞。2009年に筆名とタイトルを改め同作で小説家デビュー。2014年『ミッドナイト・バス』で第27回山本周五郎賞候補、第151回直木賞候補。2017年『彼方の友へ』(実業之日本社)本作で第158回直木賞候補。

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