ミッドナイト・バス (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 358
レビュー : 46
  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167906719

感想・レビュー・書評

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  • 新潟出身の作家ということで新潟住みの自分は勝手に親近感を感じたので手にとってみた。
    読み終わって、予想を超えるほど面白い本だった。
    家族間で起きた傷を再生していく物語は感動的で、バスや車の移動してる時に起こる利一の心情や、玲司や美雪と話す言葉たちは移動してる時だからこそ打ち明けられる話とかも、この本は「移動間」に起きる季節の移ろいや、街の描写が上手いなあと感じた。
    新潟の古町や弥彦らへんをドライブしながら慣れ親んだ街をもう一度ゆっくりと見よう。BGMはユーミンで

  • 新刊にあまり興味を惹かれるものがなかったので、文春から来たメルマガに映画化なると紹介されていた、この本にしてみた。
    東京での仕事を諦め、故郷に帰ってきて遠距離バスの運転手をしている男・利一が主人公。
    東京にいる恋人・志穂、これも東京での仕事を辞め転がり込んできた息子・怜司、仕事と結婚の間で揺れる娘・彩菜、別れた妻・美雪。
    私とは構成も境遇も全く違う家族の話だけど、利一と息子・娘の関係やら、利一と女たちの間に流れる情感やら、老いた義父の頑固さやら、娘の彼氏の家族とのぎくしゃくした様や、バスの乗客たちの切り取られた人生の一幕やら、そこかしこに何かしら似たような境遇や近しい経験や同じような感情を催される。
    ずるずると時が経っていき、結構長くてしんどい話なのだけど、しんどくても引き込まれる。
    しかし、男も女もやせ我慢して生きるのは大変だ。利一も随分だと思うが、志穂も美雪も…。別れのシーンの重さに切なくなってくる。
    『お父さんの幸せは、僕らの幸せだ』と息子に諭され、張った片意地にようやく気付くラストは甘いと思うが、それで良い。

    妻は横におり、多少問題抱えていても息子たちもそれなりに暮らしている、自らの幸せを改めて思う。

  • 堤真一をイメージしながら読んだ。

  • この作者の小説は、スルリと読者の心に入ってきて、読みながら忘れかけていた自分の過去のあれやこれや(親との葛藤、子との擦れ違い)を思い出させる。今回も亡き親の深い愛をしみじみ感じて涙・・夫婦の擦れ違い、老親の覚悟、親子のもどかしさなど多少のきれい事もあるけどどれもが素直に心に染み入る。そこに景色の描写が写りこんで、気づけば利一を応援(笑)

  • みんな、いろいろなものを抱えているから、支え合わないと、バランスを崩してしまう。

  • いい本だった。出てくる人間が不器用だけど大好き。いろいろ考えさせられる話だった。

  • 家族の形に決まりはないのだ。

    繋がり方や距離感、それはそれぞれ独自のものであって、他人にとやかく指摘されるものではないのだ。

    素直で好感が持てる登場人物たちが良い。

著者プロフィール

伊吹有喜(いぶき・ゆき)
1969年三重県生まれ。三重県立四日市高等学校、中央大学法学部法律学科卒業。四日市市観光大使。1991年に出版社に入社。雑誌主催のイベント関連業務、着物雑誌編集部、ファッション誌編集部を経て、フリーライターになる。2008年に永島順子(ながしま・じゅんこ)名義で応募した『風待ちのひと』(応募時のタイトルは「夏の終わりのトラヴィアータ」)で第3回ポプラ社小説大賞特別賞を受賞。2009年に筆名とタイトルを改め同作で小説家デビュー。2014年『ミッドナイト・バス』で第27回山本周五郎賞候補、第151回直木賞候補。2017年『彼方の友へ』(実業之日本社)本作で第158回直木賞候補。

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