- 文藝春秋 (2016年8月4日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784167906856
作品紹介・あらすじ
「三省堂国語辞典」略して「三国(サンコク)」。そして 「新明解国語辞典」略して「新明解」(赤瀬川原平著『新解さんの謎』でブームとなった辞書である)。二冊ともに戦後、三省堂から刊行された辞書で、あわせて累計4000万部の知られざる国民的ベストセラーだ。
しかし、この辞書を作った(書いた)二人の人物のことは、ほとんど知られていない。
「三国」を書いたのが、ケンボー先生こと見坊豪紀(けんぼう・ひでとし)。
「新明解」を書いたのは、山田先生こと山田忠雄(やまだ・ただお)。
二人とも国語学者だが、「三国」と「新明解」の性格はまったく異なる。
「三国」が簡潔にして、「現代的」であるとすれば、「新明解」は独断とも思える語釈に満ち、「規範的」。そこには二人の言語観・辞書が反映されている。
本書は、二人の国語学者がいかにして日本辞書史に屹立する二つの辞書を作り上げたかを二人の生涯をたどりながら、追いかけたノンフィクション。二人が辞書の世界に飲みこまれていくさまは壮絶ですらある。
著者・佐々木健一は、同じテーマで「ケンボー先生と山田先生」(NHKBS)という番組を制作したディレクター。同番組はATP賞最優秀賞、放送文化基金賞最優秀賞を受賞。番組には盛り込めなかった新事実やこぼれおちた興味深いエピソード、取材秘話なども含めて、一冊の本にまとめた。本書で日本エッセイスト・クラブ賞受賞。
みんなの感想まとめ
辞書の編纂に情熱を注いだ二人の国語学者の物語が描かれています。ケンボー先生と山田先生は、共に『三省堂国語辞典』と『新明解国語辞典』という二大辞書を生み出しましたが、その過程で友情が試され、異なる言語観...
感想・レビュー・書評
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著者、佐々木健一氏は本書で日本エッセイスト・クラブ賞を受賞されたそうです。
平成25年4月29日、NHK-BSプレミアムの特番。
「ケンボー先生と山田先生~辞書に人生を捧げた二人の男」という番組の取材内容に新たな証言や検証を加えて構成したものだそうです。
ケンボー先生というのは『三省堂国語辞典』を編纂した見坊豪紀(けんぼうひでとし)氏のことで、山田先生というのは、『新明解国語辞典』を編纂した山田忠雄氏のことです。
二人は東大の同級生で二人とも三省堂の社員でした。
最初はケンボー先生の助手として山田先生と二人で、『明解国語辞典』を作っていたそうです。それが途中から、簡単に言うと山田先生の反乱で袂を分かち、ケンボー先生は『三国』を、山田先生は『新明解』を別々に作るようになったそうです。
二人の辞書にはそれぞれ独自のカラーがあり、『三国』は用例採集を1日に15時間もしていたケンボー先生の「現代語事典として説明が平易でそれがよくこなれている」と、国語学者の大野晋氏にいわしめた、オーソドックスな辞典。
『新明解』は山田先生のカラーが強く出た辞書のことばの”堂々めぐり”を打ち破る辞書界への挑戦状。「ことば」の”表”と”裏”の意味を明らかにした画期的な辞書で悪く言えば、個人的すぎる内容の語釈があること。逆にその語釈が面白いということで日本で最も発行部数の多い辞書だそうです。
辞書と言えば『広辞苑』と多くの人が思っているのは誤りだそうです。
今持っている辞書の他に、どちらかを買うなら、一体どちらにしたらいいのか読みながらさんざん悩みました。
どちらも、欲しい気もしますし、私は辞書を読むほどのマニア(勉強家)ではないので今持っているもので十分な気もしました。
ただ、辞書を読むなら語釈が個性的な『新明解』が面白そうで、学生さんなら『三国』が基本かと思いました。
ケンボー先生と山田先生は、友情と引き換えに強烈な個性を辞書に輝かせました。 -
項羽と劉邦、最澄と空海、信玄と謙信、エジソンとテスラ…そんな歴史上の大人物達で無くとも、同時代に並び立つ二人の天才のライバル関係を描いたストーリーというのは大抵の場合、すごく面白い。
しかもそれをNHKの番組制作ディレクターという圧倒的に取材力に長けた人がノンフィクション・エッセイとして書いたら。その時点で面白くなることは自明だ。筆者はこの本が初の著作らしいが信じられないくらい文章の構成が巧みに感じた。圧倒的な取材量に基づく事実の裏どり、肉付けがあることが文章から透けてくる。
『舟を編む』という辞書編纂者にスポットを当てた三浦しをん著の名作小説があるが、あんなドラマは小説の中だけだと思っていた。最近『三省堂国語辞典のひみつ(「三国」の現主幹編纂者である飯間氏が書いた国語辞典の面白さを描いた本)』を読んで自分の中で「三国」がホットになっていたけど、まさかその出自にこんなドラマがあったなんて。
本書に出てくる表現を借りれば正に“字引は小説より奇なり”だった。『博士と狂人』じゃないけど、映画化されてもいいのでは?
大部分、徹底した取材に裏打ちされた事実と推定によって成り立っているけど、終盤の一部分に関してはちょっと妄想や願望が入り混じった「創造的誤読」で筆が進んだように感じなくもなかった。(具体的にはケンボー先生と山田先生の内心を慮る箇所)
終章および「おわりに」の締め方が見事。
改めて新明解国語辞典と三省堂国語辞典が欲しくなった。 -
『新明解国語辞典』の山田忠雄。
『三省堂国語辞典』の見坊豪紀。
ふたりの辞書編集者を追ったドキュメンタリー。
おもしろかった!
NHK特番が元なだけあって、検証が深い。
彼らの信念や功績を追うことで、辞書の歴史・問題点・特色などもひもといていく。
辞書の世界が深まる1冊。
もともとは一緒に『明解国語辞典』をつくっていたふたりが、なぜ決別したのか。
ふたりの確執もゴシップ的ではなく、あくまで辞書編集者としてのこだわりに付随する結果、という書き方。
『新解さんの謎』でも取り上げられた「一月九日の時点」の謎も解決して、びっくり。
小口にツメ(インデックス)がついているなど、辞書風のつくりも凝っていて楽しかった。-
KOROPPYさん♪おはようございます!
いつも、レビュー楽しく拝見しています。
そして、毎回「いいね!」ありがとうございます!
この...KOROPPYさん♪おはようございます!
いつも、レビュー楽しく拝見しています。
そして、毎回「いいね!」ありがとうございます!
この本、なんか既視感があると思って読んでいたら、KOROPPYさんのレビューを既に拝見していました。
辞書の世界は奥が深くて面白いですね!
また、何か面白い本があったらご紹介ください(*^^*)
石山茂利夫さんの本も面白かったです♪
(つい先日レビューされていらした方は図書館になかったのであきらめました)2019/09/29 -
>まことさんへ
お返事遅くなってすみません。
こちらこそいつもありがとうございます。
そう言っていただけて、うれしいです!
辞書...>まことさんへ
お返事遅くなってすみません。
こちらこそいつもありがとうございます。
そう言っていただけて、うれしいです!
辞書関係の本は、知的好奇心を刺激されますよね^^
またおもしろい本がありましたら、随時アップしていきます。2019/10/02
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三省堂の三国と明解を作り上げた先生方の本。これは私の周りのことではあるけれど、○○対▲▲という個人間の対立(というよりは衝突?)には必ず第三者の横槍というか意向が入っている事が多い。この場合は三省堂という会社の意向が多大にあったと言える。この第三者が徹底的に2人の道を分離させた。
それにしても、膨大な言葉を扱う辞書を作り上げるというのは途方もない事業。特に今のようにデータ化が当たり前にある時代ではないのだから。そういった事業に携わる人らしく2人とも(というかその周りの人たちもではあるが)個性が強い。三浦しをんの「舟を編む」に出てくる人たちの個性の強さよりも更にアクが強い。
取り急ぎここまで。 -
感想じゃありませんが、この本を読んだあと、手元の明鏡で「畏友」を引いてみたら、用例が「我が畏友山田君」って!思いがけずなんだか嬉しい気持ちになりました。
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従来の体質を変えないといけないという山田先生の強い思いと強引な実行力に感謝します。この本や映画テレビ等を通して辞書を創りたいという人が沢山出てきて特徴のある辞書が沢山出てくればいいなと思いました。
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新明解が面白い辞書として取り上げられていることしかしらなかったが、そこに至るまでの話がドラマティックで面白かった。
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三省堂国語辞典と新明解国語辞典のそれぞれの編者について書かれた本。
面白かったけど、筆者の推測の部分は、そういう説も成り立つけど、根拠が弱いかなとは思った。
最近、ノンフィクション系の本について同じような感想を持つことが多いが、もしかしたら読み手側(つまり私側)の問題なのではないかとも思う。 -
舟を編むという映画を観て、辞書編纂者という存在を知り、他にも事実お二人の偉大な先生によって、辞書が産まれた様を読むことができ、辞書に対する印象が大幅に変わりました。実家にある国語辞典が何なのか早く確認したいです。
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東大の同期だったケンボー先生と山田先生。
当初は共に「明解国語辞典」を作っていましたが、ある時を境にケンボー先生は「三省堂国語辞典(三国)」を、山田先生は「新明解国語辞典」を別々に編むようになります。
二人の間に何があったのか、それぞれどんな思いで特色ある辞書を編んだのか。
関係者の証言や、辞書の語釈などから、徹底的に調べあげていくノンフィクション作品です。
地味で地道な辞書の編纂という仕事に、全人生をかけた二人の男の熱い信念に、感動しました。
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(2021-07-04 2h読了)
「ゆる言語学ラジオ」にて三省堂の辞書と本作が取り上げられており、その中の見坊先生と山田先生の話が非常に印象的であったことから、興味を抱き、図書館で借りてきました。文庫本も出ているのが個人的には嬉しい。まだ真新しい様子なのに書庫から出てきたのにはびっくり。
内容はとっても良いです。NHKで放送された特番をもとに再構成されているようで、そちらの番組も見たかった。辞書を作り上げていくかたがたの熱い思いが、ガツンと伝わってきます。そして番組を作り上げたかたの真摯な向き合い方には頭が上がりません。
この本読んだら、新明解国語辞典買わずにはいられないのでは…。個人的には3色のうち白色が好きです。
メモ
・ら抜き言葉を許容する
・読書
・凡人
・「辞書は”公器”」
・それぞれの特徴
・『広辞苑』は過去から未来を記述する
・祖;大槻文彦、松井簡治
・時点
・表音式
・主食
・「見坊君はーでしょうねぇ」
・ことばの写生
・「中学生ーいいか」という
・私がーからだ。
・「ただーいか。」
・装丁を3色ーです。
・「いたちごっこ」ーになった。
・【うそ】ー三五行ーった。
・以前はーいた。
・辞書は”かがみ”である
・辞書を攻撃する前にーになります。
・ざま「生きざま」を擁護する
・「金田一京助ブランド」名義貸しは平成17年(2005年)2月10日の第六版まで
・「私は、山田君を許します」
・辞書は人の手でーなのだ。
・『ことば』によってー現実ー『模型』
・テレビ番組はーようだ、と。
一方本はー「樹幹火」のようだ。 -
【併せて読みたい本】柴田武監修、武藤康史編「明解物語」三省堂(2001)
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私は三国育ち(見坊先生)。
仕事と真摯に向き合う先生たちを尊敬せずにはいられない。言葉とは、辞書とは。日常では深く考えない点に思索を巡らせることができるすごく面白いノンフィクションでした。
でも、この本では触れられていないけど、この人間模様の根底にはこれほど知的を極めたひとたちに対する労働対価(報酬)の問題があったように思えてならない。法や経済を学ぶことと、言語を学ぶこと。両者が知的であることに全く変わりはないのに。。 -
三省堂国辞典と新明解国語辞典、2つのベストセラー辞書をそれぞれ生みだした2人の辞書編纂者の人生と描く。大学の同級生であり共同して辞書づくりをしてきた2人が、何ときっかけに袂を分かち別々に歩むこととなったのか。2人の足跡をたどりながら、謎を解いていく。多くの証言をつなぎあわせ、あるいは2つの辞書の語釈や用例からヒントを見い出しながら核心に迫っていくさまは推理小説のようで一気に読んでしまう。
しかし、2人の人生を見るに、何かを成し遂げようとするならばその代償が必要となるんだということを痛いほど感じる。そして、その代償を代償とも思わない、あるいは代償があろうとなさずにはいられない、という、強迫観念じみたものを抱えて初めて何かが成し遂げられる。それが果たして、本人や周りの人間にとって幸せなことなのかはわからない。 -
一気に読んだ。実に面白い。「明解国語辞典」から「三省堂国語辞典」と「新明解国語辞典」が生み出された経緯、赤瀬川源平「新解さんの謎」で話題となったユニークな記述、昭和47年1月9日の謎など、全てのエピソードが面白く、言葉というものの深さを改めて認識することとなった。お勧めの一冊。
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興奮をもって読んだ。三省堂国語辞典・新明解国語辞典それぞれの主幹編集者・見坊豪紀と山田忠雄。見坊は145万にも及ぶ用例採取で,山田はその独特な語釈で知られる。2人は元は明解国語辞典をともに作ってきた間柄であったが,あることをきっかけに決裂しそれぞれ三国・新解という2つの国民的辞書を生み出した。この本はテレビ番組制作を機に行った関係者・家族への取材を元に,2辞書の歴史,決裂の事情とその後を物語る。国語辞典のあるべき姿についての主張,スタイルの違いはあるものの,仕事に対する思いは執念ともいうべきあついものであった。
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国語辞書はどれも同じ、一冊あれば十分。と思っていたが、そうではなかった。どの国語辞典にも「個性」があり、その個性とは書き手の「人格」に他ならい、極めて人間味の溢れるものである事を知る事が出来たのは、大きな収穫。さらに、ケンボー先生と山田先生という、二人の辞書編纂者の生き様も大変面白かった。
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2017.12.11 朝活読書サロンで紹介を受ける。
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昭和に誕生した2冊の国民的国語辞典「三省堂国語辞典」「新明解国語辞典」。この2冊の源流というか母胎は
昭和18年に出版された「明解国語辞典」。
この2冊「客観」と「主観」、「短文」と「長文」、
「現代的」と「規範的」、とにかく編集方針から
記述方式、辞書作りの哲学、それらすべてが性格が
異なり、似ても似つかぬ姉妹辞書が同じ親から誕生。
「辞書なんてどれも一緒である」は、この二冊限っては
小説同様「文は人なり」の言説が辞書にも通じること
なんだと教えてくれる。そこには編纂者の思いや性格が
ありありと滲み出ているからに他ならない。
本書は「明解国語辞典」を共に編纂してきた東大の
同級生であり、理想の国語辞典を目指し手を携えてきた
良き友であった見坊豪紀と山田忠雄がなぜ袂を分かち、
見坊(ケンボー)先生は「三省堂国語辞典」を、
山田先生は「新明解国語辞典」を作ったのか。
著者はわずかな手がかりを頼りに丹念に取材を進めるも
難航。ある日、思いもよらない証拠にぶち当たる。
それは、辞書に記載したある言葉の用例が昭和辞書史の
謎を解く鍵だった…
辞書界を揺るがせた最大の謎を上質なミステリーを
読んでいるかのような知的興奮を覚える一冊。
秋の夜長にどうぞ。
著者プロフィール
佐々木健一の作品

こちらこそいつも「いいね!」ありがとうございます。
辞書関係の本って、ほんと面白いですよね。
興味のある本が重なって...
こちらこそいつも「いいね!」ありがとうございます。
辞書関係の本って、ほんと面白いですよね。
興味のある本が重なっていて、うれしいです。
これからも本棚を参考にさせていただきますね^^
お返事ありがとうございます(*^^*)
こちらこそ、KOROPPYさんのレビュー、楽しみにしています♪
お返事ありがとうございます(*^^*)
こちらこそ、KOROPPYさんのレビュー、楽しみにしています♪