辞書になった男 ケンボー先生と山田先生 (文春文庫)

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  • 文藝春秋
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レビュー : 20
  • Amazon.co.jp ・本 (375ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167906856

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  • 昭和に誕生した2冊の国民的国語辞典「三省堂国語辞典」「新明解国語辞典」。この2冊の源流というか母胎は
    昭和18年に出版された「明解国語辞典」。
    この2冊「客観」と「主観」、「短文」と「長文」、
    「現代的」と「規範的」、とにかく編集方針から
    記述方式、辞書作りの哲学、それらすべてが性格が
    異なり、似ても似つかぬ姉妹辞書が同じ親から誕生。
    「辞書なんてどれも一緒である」は、この二冊限っては
    小説同様「文は人なり」の言説が辞書にも通じること
    なんだと教えてくれる。そこには編纂者の思いや性格が
    ありありと滲み出ているからに他ならない。

    本書は「明解国語辞典」を共に編纂してきた東大の
    同級生であり、理想の国語辞典を目指し手を携えてきた
    良き友であった見坊豪紀と山田忠雄がなぜ袂を分かち、
    見坊(ケンボー)先生は「三省堂国語辞典」を、
    山田先生は「新明解国語辞典」を作ったのか。

    著者はわずかな手がかりを頼りに丹念に取材を進めるも
    難航。ある日、思いもよらない証拠にぶち当たる。
    それは、辞書に記載したある言葉の用例が昭和辞書史の
    謎を解く鍵だった…

    辞書界を揺るがせた最大の謎を上質なミステリーを
    読んでいるかのような知的興奮を覚える一冊。
    秋の夜長にどうぞ。

  • ドラマだった。番組も見てみたい。しかし、新明解がそんなに売れているとはしらなかった。

  • 辞書編纂の人間臭い裏話。

    ほぼ学者のような二人の編纂者にサラリーマンの出版社員が絡んで、二人の関係は修復することがなかった。

    ただ、いずれにしても二人の関係は、遅かれ早かれ破綻することになったのだろう。

    完成した作品である辞書を楽しんでみよう。

著者プロフィール

佐々木健一

1943年,東京都生まれ.東京大学文学部卒業.同大学院人文科学研究科修了.東京大学文学部助手,埼玉大学助教授,東京大学文学部助教授,同大学大学院人文社会系研究科教授,日本大学文理学部教授を経て,現在,東京大学名誉教授.美学会会長,国際美学連盟会長,日本18世紀学会代表幹事を歴任.専攻,美学,フランス思想史.

「2019年 『美学への招待 増補版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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