とっぴんぱらりの風太郎 下 ((文春文庫))

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  • 文藝春秋
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  • / ISBN・EAN: 9784167906900

感想・レビュー・書評

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  • 万城目学さんの『とっぴんぱらりの風太郎(ぷうたろう)』
    『鹿男あをによし』と共にこの作品も心に残る作品となりそう!
    じわじわ来てる、来てる(笑)
    家にあるのは文庫本2冊ではなく、750頁程の辞書のような分厚い単行本
    なかなか気が進まず手が出なかったんだけど、意を決して読んだ
    読んで良かったーッ٩( ᐛ )و
    タイトルからして軽いノリなのかなと思ったけれど、意外とシリアス
    それでも登場人物がみんな個性的なので面白い(個人的に黒弓推し)
    そして、万城目ワールド健在!

    時代は、豊臣から徳川へ天下が移り変わる
    忍びの世界も色々あって、時代の移り変わりもあって、風太郎は伊賀を追い出されてしまう
    一つのひょうたんから話が始まり、自分で人生の道を選んでいるかと思っていたのに実は振り回されていて、あとは騙されたり、斬ったり斬られたりと怒涛の展開
    ラストは「ひょうたん屋を営みながら、風太郎と芥下と赤子は幸せに暮らしたとさ」となるであろうと想像していたが。。。

    『とっぴんぱらりの風太郎』を読了後に『プリンセス・トヨトミ』を読むといいみたい
    知らずに『プリンセス・トヨトミ』を読んでしまったけれど、仕方ない


    • ちゃたさん
      ハッピーアワーをキメたK村さん

      こんにちは。こちらの本、虚々実々の駆け引きが面白かったです。長い話ですが、結構忍者の実態がリアルで歴史物と...
      ハッピーアワーをキメたK村さん

      こんにちは。こちらの本、虚々実々の駆け引きが面白かったです。長い話ですが、結構忍者の実態がリアルで歴史物としても面白かったです。
      私も「トヨトミ」から読んじゃいました(^-^;
      2023/03/26
    • ハッピーアワーをキメたK村さん
      ちゃたさん

      こんにちは!
      コメントありがとうございます♪
      前半は万城目学さんの作風ののほほんとした感じに癒され、後半はまさしく「虚々実々の...
      ちゃたさん

      こんにちは!
      コメントありがとうございます♪
      前半は万城目学さんの作風ののほほんとした感じに癒され、後半はまさしく「虚々実々の駆け引き」が面白く、そしてとても切なかったです
      忍びだったり、ひょうたんが喋ったり、ねねさまが出てきたり、それでいて史実と合っていてやっぱり面白いです!
      『プリンセス・トヨトミ』、忘れかけてしまっているので、そのうち再読しようかなあ。。。
      2023/03/26
  • 忍び稼業とはおよそ無縁な"瓢箪"がもたらした
    風太郎の運命とは果たして如何なるものなのか....

    瓢箪は幸運を招く縁起物とはいうけれど
    再び忍びの世界へと呼び戻されるはめ(?)になってしまった
    風太郎に、幸運の女神は微笑んでくれるのでしょうか。

    うだつはなかなか上がらないが、その心根には
    どこかしら真面目さがあって憎めない風太郎。
    そんな風太郎をはじめ、忍び稼業を共にする仲間たちにも
    それぞれの個性が光り、命を張ったその働きぶりには
    "がんばれ!"と声援をおくりたくなります。

    そしてなんといっても極めつけなのはひさご様♪
    辛く悲しい運命にありながらも、心優しいお人柄のひさご様から
    最期に託された願いを、なんとか叶えよう守ろうとして
    命をも顧みず、決死で立ち向かう忍びの者たちの
    真の心意気の力の入った展開に手に汗握りました。

    そして、風太郎たちが守り抜いたその証が
    「プリンセストヨトミ」へと繋がっていくのですね。

    その後の行く末を知る楽しみも残されているとは
    たいへん嬉しい限りです。^^

    とっぴんぱらりのぷう。

    • nejidonさん
      yumiieさん、こんにちは♪
      いつも楽しいレビューですね!
      きっと、読書そのものを楽しんでいらっしゃるのではと、勝手に想像しております...
      yumiieさん、こんにちは♪
      いつも楽しいレビューですね!
      きっと、読書そのものを楽しんでいらっしゃるのではと、勝手に想像しております。
      それにしても、「プリンセス・トヨトミ」に繋がっていくのですか?!
      がーん、知りませんでした。なかなか奥が深いですね。
      「かのこちゃん」を読んだ頃は「まんじょうめさん」だと思っていたほどのワタクシです・笑
      機会があったら読んでみたいものです。
      2018/01/17
    • yumiieさん
      nejidonさん こんばんは♪
      いつもありがとうございます!
      うわぁ..もしかして褒めて頂いてますか?^^
      ありがとうございます!!...
      nejidonさん こんばんは♪
      いつもありがとうございます!
      うわぁ..もしかして褒めて頂いてますか?^^
      ありがとうございます!!♪^^
      レビューは毎度お恥ずかしい限りですが、ほんとその通り♪
      読むことが楽しくて楽しくてしょうがない毎日です。(笑)
      物語の中に入り込んで喜んだり悲しんだり笑ったり泣いたりできることが
      嬉しくてしょうがないです。拙いレビューでも
      その気持ちが伝わってくれたのならとても嬉しいです。
      だけど私の方こそnejidonさんのレビューはいつもほんとに素敵で
      どれもこれもみんな読んでみたくなって、いいね!を
      連発でポチポチさせて頂いているんですよ!!^^

      そうなんです。私は「プリンセス・トヨトミ」を読んでいないので
      知らなかったのですが、読み終えてから他のみなさんのレビューを読んで
      繋がりがあると知りました。きっと登場人物は新しくなり
      お話も新たなる展開になるのでしょうと想像しています。楽しみです。
      うふふ^^確かにまんじょうめさんと読めますね。
      あれ??なんか最近どこかでこの名を聞いたような..
      朝ドラにいましたね~まんじょうめさん。笑
      2018/01/17
  • 2019.4.4再読
    プリンセストヨトミへの伏線がいい。このまま終わらない的な感じで続きが読みたい!

    いやー、まいった。こうなるのかなーとの想像を超える展開。闘う者達の悲しい運命と、かすかな希望を持ちながら最後まで一気に読んだ。

  • 通勤時に少しずつ読んでいたが、
    プリンセス・トヨトミを匂わせる中盤から
    「もう仕事どころじゃない!」
    と仕事中もそわそわ(笑)

    ひさご様のシーンはずっと涙目だった私。
    最後はみんなで瓢箪屋をやりましょう〜
    なんて望んでたハッピーエンドじゃないんだ。
    悲しくて悲しくて…
    でも最後の最後はちょっと心が温かくなった。
    風太郎、瓢箪屋になれたらいいな…。

  • 終わり方は、戦国時代ならば仕方のないことなのか…でも悲しすぎた。
    今まであまり豊臣は好きではなかったけど、ひさご様が素敵なキャラクターすぎて、好きになりつつある。

    最後にやりとげた風太郎に、感動。

  • 面白かった。
    ついつい夢中になって
    駅を乗り過ごしてしまった。
    意地と自尊心、
    使命と義務、
    自由と尊厳、
    己の思うままに生きる。

  • ぷうたろう、「ぷ」なんですね。そんな間の抜けた名前でラストを乗り切ったのお前…
    帯の謳い文句は「ニート忍者」。なるほど風太郎はどこまでも非情の素破にはなれないやさしい男だったね。
    文庫版下巻の風の位置、最後まで読むと半身だけ覗いてるわけだと納得。
    文春で連載している時にたまに読んでいたけど、通して読むと司馬遼太郎の『梟の城』などの忍びの者を描く乾いた無情の雰囲気が感じられてよかった。
    百市の生き様や思いは、ほんと司馬遼太郎の忍び作品に出てくる女みたいで切ない。
    最後の一文を読んで、タイトル見て「とっぴんぱらりのぷう」の音を思い起こすとこまでが一セットなんだろうし、風太郎の特技を考えると「ぷう」の音でいいんだけど、なんとも悲しい気持ちに。

  • こんなにも遣り切れない話ってあるか。いくら風太郎に成長が見えたって、仲間を信頼することが出来たって、最後に希望が託されたって、悲しいものは悲しいんだ。勇猛な武将に注目を集めがちな戦国の戦いの裏で、懸命に生きた名も無き者たちの生き様は無駄ではなかったと思いたいが、勝っても負けても戦いは美化されるものであってはならないと思う。

  • 下巻は大阪夏の陣。上巻の最後のほうあたりから風太郎もいくさに加わらざるをえず、なんだかどんどんシリアスな展開に。立場上、伊賀忍者たちが仕える藤堂家の殿様は徳川方なのだけど、ひょうたんの中の因心居士と、ねね様からの頼まれごとのために、結局風太郎のみならず、黒弓や蝉左右衛門までが大坂の豊臣側に助成することになってしまう。何より「ひさご様」の正体はアノヒトだしね。

    前半で厭な奴だった蝉と百市が、どんどん良い奴になっていくあたりや、終盤の常世と蝉の「ここは俺にまかせてお前は先に行け」展開は少年マンガの王道展開でハラハラドキドキ胸アツだったけど、もどかしかったのは肝心の風太郎がそんな彼らの犠牲を活かしきれなかったところ。というよりこれはもしかして「一人称小説の限界」なのかもしれない。主人公が語り手である以上、彼が目にしなかったことは描写できない。がゆえに、先に行けって言われてるのに留まって風太郎はそれを見てしまう。

    わりと早い段階で、この小説が『プリンセス・トヨトミ』の壮大な前日譚であることには気づくので、ある程度結末は想像がつくのだけれど、それはつまり赤ん坊の命だけは助かる、という部分のみで、風太郎たちがどうなってしまうのかは、楽観していたら意外にもドライな結末でちょっとショックだった。芥下と一緒にひょうたん屋になって欲しかったな。あと結局残菊って何者だったのだろう。そこだけ若干モヤっと。

    とりあえず読み終えてからもう1度『プリンセス・トヨトミ』を読み直したくなります。ひさご様の願いはほぼ叶えられていたはず。あ、ひさご様と一緒にいた大助ってあれか、真田幸村の息子だったんですね。その名前もプリンセス~に引き継がれていたわけだ。

  • あらーー(・ω・)意外なテイスト。
    あれよあれよと展開して終った。寂しい。お笑いドタバタも好きだけど、こういうもの好き。
    人は見かけによるし、見かけによらない。

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著者プロフィール

万城目学(まきめ・まなぶ)
1976年生まれ、大阪府出身。京都大学法学部卒。
2006年、『鴨川ホルモー』(第4回ボイルドエッグズ新人賞受賞)でデビュー。主な作品に『鹿男あをによし』、『プリンセス・トヨトミ』、『偉大なる、しゅららぼん』などがあり、いずれも文学賞ノミネート、映像化等など、大きな話題を呼ぶ。また、エッセイ集に『ザ・万歩計』、『ザ・万遊記』、対談本に『ぼくらの近代建築デラックス!』がある。

「2013年 『ザ・万字固め』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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