売国 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2016年9月2日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (416ページ) / ISBN・EAN: 9784167906948

感想・レビュー・書評

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  • 冨永検事シリーズ第一弾。
    3か星4かの微妙なラインだが、厳し目の星3で。

    前半は少女遺棄事件の裁判で、遺体が見つからない中での公判のストーリー。
    冨永検事が勝ち筋がない中で、何とかして容疑者の自供を元に遺体の在り処を探し出そうとする。
    これ、とても面白い内容だっただけに、あっさり終わってしまって消化不良。

    後半は、その実直な功績が認められ、東京地検特捜部に異動した内容。

    幼馴染の近藤左門の意味深なメッセージや巨悪とされる橘氏との絡みなど、読み応えのある内容。
    ただ、ところどころ挟まれる宇宙開発、ロケット開発の内容はストーリーの流れを断ち切ってくるので、ここが星3つの原因。

    後半の急展開は物足りなさがあり、前半没頭、後半失速という印象だった。
    多聞はその後どうなった?

  • 宇宙開発に挑む女性研究者と特捜検事の二人は、ある汚職事件と親友の失踪で繋がる。その背後には政治家の影が見え隠れする。政治家や企業トップが日本を売り報酬を受け取ってきた、と思われる。こうした闇は現在でも存在するのだろうか?

  • 宇宙と東京地検特捜部の政治汚職捜査の話だが、途中までそれぞれが完全に分断されつながりが分からず、最後も尻切れのように終わっている印象でいま一つの本でした。それぞれが面白そうなテーマだったので残念。

  • 【感想】
    「だいぶ風呂敷を広げたわりに、まぁまぁ尻すぼみで終わったな」というのが1番の感想。。。

    プロローグにあった、「アメリカに負けない情報網を構築しろ!」という台詞から、真山仁バージョンの「ジョーカーゲーム」チックな物語が始まるのかと思いきや、、、
    終始アメ公に弄ばれて終わった、ある意味現実的な物語でした。

    決してハッピーエンドではない、不気味で納得いかない終末を本作品では迎えていた。
    そして、正直何も伏線を回収しきれず、尻切れトンボになっちゃっていたような。。。
    読み終わった後のこのシコリ。これは頂けませんよ、真山さん。

    まぁ、真山仁が書いた小説なのだから、決してAllフィクションの内容ではなく、何らかのメッセージがあるのかもしれない。
    アメリカと日本の2国間にある、闇の部分がうっすらと垣間見えた気がした。
    国際関係のニュースなどを普段見ていると、やはりアメリカ(というか、どの国にも)してやられている感は否めない。

    こういう内容の本を読んでいると、日本は決して独立している国ではなく、いまだにアメリカの属国なんじゃないのかなと不安に思う。
    そして、その属国にすぎない日本の1国民にすぎない自分自身の日常生活や努力は、とてつもなく些末なものなのかもしれないと、虚しくなってしまう。
    ずっとこのパワーバランスが変わらないとすれば、ある意味夢や希望なんて現世にないのではないのかな?

    タイトルでもある「売国」が果たして悪なのか正義なのか、正しいことなのかは未だによく分からない。
    読み終わった後に色々と考えさせられ、憂鬱になってしまう本でした。


    【あらすじ】
    『ハゲタカ』シリーズをはじめ、震災後の原発政策とリーダーシップのあり方を問う『コラプティオ』、農薬と日本の食の暗部に迫る『黙示』など、現代の日本社会が抱える問題に正面から挑みつつ、最上級のエンターテインメント小説を精力的に発表しつづける真山仁。
    2014年秋、作家生活10周年記念刊行の第一弾として、超弩級の謀略小説、社会派長編が誕生した。
    今回の主人公は、気鋭の検察官・冨永真一と、宇宙開発に挑む若き女性研究者・八反田遙。物語は二人の視点から描かれる。
    遙は幼い頃から宇宙を夢見、日本の宇宙開発を担う研究者になるべく日々奮闘中。
    航空宇宙科学研究センター(宇宙セン)の指導教官・寺島に導かれ、我が国の宇宙開発の現状と問題点を目の当たりにする。
    それは宇宙開発の世界が生き馬の目を抜く世界であり、同盟国・アメリカとの関係の複雑さに触れることでもあった。

    一方の冨永は、形勢不利だった殺人事件の裁判を検察勝利に導いた功績を認められ、特捜部に配属される。
    粘り強く次々に成果を出す冨永だったが、大学時代の親友の失踪を機に、奇妙な疑獄事件に巻き込まれてしまう。
    そしてその陰謀には、戦後の日本復興を支えた大物政治家の影があった……。

    正義とは何か? 国益とは何か? 希望とは何か? 精緻な描写と骨太のストーリーに、誰もがページを繰る手を止められなくなるはず。
    日本の社会派小説の歴史は、ここからまた始まる!


    【引用】
    終戦10年後。。。
    GHQによる占領は終わっても、日本は未だアメリカの管制下にある。

    「アメリカに負けない情報網を構築しろ。そして情報戦に必ず勝て。そうすれば道は自ずと開ける。」
    「デュ・トランブレーになるんだ。」

    修道士だったフランソワ・デュ・トランブレーは、ルイ13世の宰相リシュリューの側近を務めていた。
    修道士網を駆使して諜報活動を行い、当時の政治を操るほどの権力を握った。
    以来、フランスでは政治の黒幕をそう呼ぶようになった。

  • 久しぶりの真山さんの本。
    検察の話とロケット工学の話、それぞれの話に主要な主人公がいて、
    それぞれで進行していくというストーリー。

    最初、出てくる人物が多くて、話に入り込めなかったのと、
    検察の方のストーリーはミステリー調で、
    続きが気になって仕方がなかった一方、
    ロケット工学の方は、そこまで没頭できず。

    最後にこの二つの話が交差するのかと思いきや、、、
    ここから先はネタバレなので、この辺りで。
    ちょっと最後の終わり方を単純化しすぎたかな、
    もうヒト山描写してもよかったのかな、とは思いますが。
    日本の政治や産業の闇に隠れた部分を
    よくあぶり出してくれているかと思います。

    真山さんのファンなら、楽しめる一冊かと思います。

  • プロローグでの人物たちが、本編でどのように係わってくるのか、興味津々に読み進めた。
    検察官・富永と、宇宙開発に挑む女性研究家八反田遥、それぞれ独立して話が進んでゆく。誰が題名にある通りの売国の徒なのか。
    陰謀と謀略の戦後裏面史と、日本独自の宇宙開発。テーマが壮大なゆえに、惜しむらくは終わり方が・・・

  • 検事の冨永と宇宙ロケットの技師を目指す大学生の遥の2人を中心にそれぞれの話で物語が進んでいく。検事側の話は面白いけれど、宇宙研究側はわりと退屈。
    この2人がどうつながっていくのかと期待したけど、ちょっと真山さんにしては期待はずれの最後だった。

  • 冒頭から、通産省の青年、宇宙センの研究者、法務省の検事と、互いに無関係な人物の会話から始まり、数十ページ読み進めると、そのどれでもない特捜部の検事と若い宇宙研究を進める大学生がダブル主人公であることが分かり、中盤になっても話の展開が読めない、、そんな展開にワクワクさせられる。

    キープレーヤーである橘洋平が悪党なのかヒーローなのかが最後の最後まで分からない部分が本作のミソだと思う。冒頭のシーンをみると、完全な悪党ではないことが何となく分かるが果たしてどんな仕掛けがあるのかが見えない。早く知りたいという好奇心を掻き立てられ、あっという間に読んでしまった。

    結末はあっさり淡々と終わっていった感じがする。橘は今後冨永に危害が加わらないよう万全を尽くしたと言うが、その仕掛けが分かっても本当に安全な仕掛けなのかはイマイチ釈然としない。ただ、個人的には官房長官の逮捕など今後の巨悪の掃討を描かずボカしたのは非常に評価が高い。この一件を通した富永の決心だけを示して終わる形が本作のベストな締め方だと思う。(p387 物証があれば、いつか必ず告発できる。検察官としての冨永の矜持だった)

    また、真山仁の作品は「黙示」「マグマ」以来三作目だったが、本作はポップでリズムがある感じがして、これまでとは違う印象(良い印象)を受けた。基本は固い感じだが、遥や藤山のような若い女性の会話が自然で、ある種「華」のようなものを与えているような気がする。

  • The real relationship and Japanese governments secreted power are mysterious for us. This book gave me feel a thrill. To be honest, I wanted to get more clear ending.

  • ちょっとラストがあっさりし過ぎ

  • 日本の技術を海外(アメリカ)に供与するという意味での売国か。
    アメリカの持つ技術力もものすごいものだと思いますし、投下される予算の大きさにも驚くが、技術立国を目指してきた日本において、半導体、原子力、宇宙開発というものが世界を引っ張っていけるほどの技術力を持っているというのは素晴らしい話。
    脈々と日本を骨抜きにする為に仕掛けられたものに対抗する為には、元凶にたどり着かなければならない。

    個人的には日本の宇宙開発というものをあまり良く知らなかった。
    が、地球レベルで物事を考える上で宇宙は切っても切れない。お金はとんでもないくらいかかるのであろうが、もう少し興味をもつようにしなければ。

    そのような事業(公共といっていいか?)には利権が絡むのは当然と理解。
    政治家が絡むとたいていそう。
    宇宙開発に勤しむ人々と政治家、検事、フィクサーが並行して書かれており、展開についていくのが大変ではあるが、エンターテイメント要素を含み、ストーリーを盛り上げていく。

    ラストはもう一捻りというか、もう少し突っ込んだところまで展開してほしい。
    続きが気になって仕方がない。

  • うーーーーん、アメリカ大統領すら海外からコントロール出来るかもという現代の世の中でこの本の世界観はとても想像しやすい。

  • 途中までは面白かったが最後は急に店じまいという感じ。主人公を2人にする必要はなかったのでは。最後にほんの僅か遭遇するだけで関わりもなく。

  • 飽きさせずに最後まで面白く読了できたけど、薄味な 満足感が乏しくも感じた

    なぜか? 
    一つは、
    テクノスリラーとして期待すると
    諜報活動の描写がペラペラだし、
    米国の陰謀論も マクロ経済や地政学による根拠づけが ほぼ無くて 納得できるものじゃなかった リアル感が無くて残念

    二つに、推理小説として期待すると
    これもまた 謎解きの仕掛けは薄い

    散々な評価になりそうだけど
    実際には楽しく読めたのは、
    本作の主題が、
    メインキャラクターである富永真一の
    検事としての哲学を貫く様であったからと読了後に気づいた

    頑なに検事としての矜持を貫く真一
    愚直に ロケット研究に邁進する遙

    若者が自らの哲学を守り抜く過程を描いた小説として読むととても面白い作品だった

  • 検事と宇宙開発、という別々なところから、どんな話になるんだ?と読み進めれば、
    日本を不利にするために働いている人がいる、というすごく大きな話になり、
    でも何だか最後の仕舞はあれ?という感じ。
    途中からどんどん面白くなり、誰を信じるのか、ドキドキしながら読んだだけに、ちょっと残念。

  • なんとなく読まず嫌いしていた作家。でも雑誌広告に惹かれて読んでみたら面白かった。他の作品も読んでみよう。

  • 本書のタイトル通りに、日本の技術を米国に売る代わりに私腹を肥やす官僚や国会議員に対して、主人公である検察官が真実を究明することから、本書の幕が開ける。主人公の無二の親友が残した謎のメッセージには、売国奴のリストがあり、そこには超有力政治家や企業の役員の名前があった。主人公は、親友のメッセージを頼りに、日本の売国奴を検察官の立場から追い詰めていく。
    読了したが、本書は不完全燃焼感がある。主人公が悪の親玉の正体を突き止めることはできるが、逮捕することはできない。結局、主人公が売国奴に捕まる描写で本書は幕を閉じる。
    主人公が売国奴を追い詰めていく過程は手に汗握る展開であっただけに、ラストシーンは煮え切らない。

  • 「売国」。
    随分穏やかでないタイトル。
    「ハゲタカ」を読んで以来、真山仁さんの作品は読んでいなかった。今回久しぶりに読むと、相変わらず骨太な作品だった。

    物語は検察官富永と宇宙開発研究員である八反田との面から描かれる。
    しかし、冒頭で一気に様々な人物が登場する。通産省官僚の男、宇宙航空研究センターの教授、官房長官、などなど。肩書きが小難しいひとがドヤドヤ登場するため、やや混乱する。読んでいくうちに収まってはくる。

    そもそも検察官と宇宙航空研究員がどう繋がってくるのかと思う。

    物語は現実にあり得そうだと感じられる絶妙な加減で、事実と虚構とが絡んでいる。このリアリティある物語進行は大変面白い。
    しかし残念なことに、これで終わり?という印象は否めない。一応の解決を見せてはいるが、置き去りにされたものが多すぎる。
    左門の生死が不確かなことも、富永の実家のその後や家族のことも、事件自体の捜査の行方と結論も、続編があるのかと思わせる。
    読み方次第で結末は察しろというのは乱暴すぎるよう感じる。

    検事富永が取り調べに用いようと実家の菓子司へ電話し、父親に和菓子を送ってもらうよう頼む。和菓子をわざわざ京都から東京まで父親が持参してくれる。その和菓子を見て、少年富永が祖母のために和菓子をこしらえたときのことを思い出す。
    ここのくだりが富永の心と家族関係の歪さを上手く描けていて良かったのに、最後にどうなったのかが書いていないとせっかくのエピソードも無駄ではないだろうか。とても残念に感じた。

    ロケット開発と政治とが絡むため、宇宙航空研究センターの描写は必要だが、八反田は特に必要だったのだろうか。
    希望に燃えた若い研究員だからこその情熱に押された行動があるわけでもなく、何も出来ず流されているだけの人物を物語の中心に置く意味がわからない。
    ロケットに関することや糸川英夫博士のことなどの記述が興味深いだけに勿体無い。

    真山仁さんの作品は骨太な社会派で面白いのだが、確か「ハゲタカ」のときにも読後感が余り良くない、スッキリしないものが残った。
    わたしには合わない作家さんなのかもしれないと感じた読書だった。

  • 途中まで、二つのストーリーの接点が全然わかりませんでした。どう繋がっていくのかも全く読めませんでした。
    途中からストーリーの全貌が見え始めて、そこから話は急速に進んでいくので、一気に読み切りました。
    全体的に良かったのですが、最終的にいくつかの謎を残したままなので、その辺が気になってしまいました。

  • 2つの話があまり結びつきが不自然というか唐突というか腹落ちしない感じでモヤモヤ

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著者プロフィール

1962年、大阪府生まれ。同志社大学法学部政治学科卒業。新聞記者、フリーライターを経て、2004年、企業買収の壮絶な舞台裏を描いた『ハゲタカ』でデビュー。映像化された「ハゲタカ」シリーズをはじめ、 『売国』『雨に泣いてる』『コラプティオ』「当確師」シリーズ『標的』『シンドローム』『トリガー』『神域』『ロッキード』『墜落』『タングル』など話題作を発表し続けている。

「2023年 『それでも、陽は昇る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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