三国志 外伝 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2016年10月7日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (416ページ) / ISBN・EAN: 9784167907099

作品紹介・あらすじ

「三国志」愛読者はもちろん、入門者にも最適。

三国時代を生き抜いた12人の知られざる人生を描く異色列伝。



・正史「三国志」を書いた陳寿。かれの父親は蜀の参謀を務め、魏軍に大敗したことで諸葛亮(孔明)に罰せられた罪人だったが、諸葛亮を恨むことはなかったという。なぜか? この思いが陳寿を歴史に向かわせ、後に彼に「三国志」を書かせることになる(「陳寿」)。

・ 高い芸術的感性を持ち、琴の名手でもあった女性・蔡琰は、董卓に仕えていた父親の刑死により運命が暗転、匈奴の妾として人生を過ごすことに。長い転変の後、蔡琰は「ある能力」で曹操を驚嘆させたーー(「蔡琰」)。

・「勇気とか不屈とかいう精神は、政治や軍事の表舞台に立つ者だけが発揮するものではない」(本文より)。

・後漢末期から晋の時代に生きた、「三国志」の世界に独自の色彩を与える、十二人の異色の人物伝。わかりやすい後漢・三国年表つき。

感想・レビュー・書評

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  • キャラクターはやや地味ですが、外伝らしく、方々にマニア垂涎の件が鏤められていました。三国史ではなく三国志らしく、つい感情移入してしまいました。

  • マニアックすぎる…

  • 全1巻

  • 名臣列伝以来の宮城谷さんの三国志であるが、史実の記述と小説風味を織り交ぜた書き方がやはり読みやすくて面白い。

    人選の基準が分からないが、太史慈、韓遂という有名どころ(その割にあまりどういった人物か知らない)から、呉祏、趙岐といった初めて名前を聞く人物、さらには陳寿という、名前は当然知ってはいるが由来等全く知らない人物に至るまで、演義ではさほど深く(というか全く)触れられていない幅広い年代、幅広い立場の人物が取り上げられている。

    韓遂の人の良さ、許靕の目まぐるしい変遷、陳寿と諸葛亮との関係等、非常に興味深い話が多く楽しかった。

  • 本作は王粲に始まり12名の人物を取りあげた短編集である。中でも『正史』の著者である陳寿にスポットを当てたのは興味深い。
    また韓遂の生涯には心打たれるものがあった。
    ただ、これらの作品は全て宮城谷昌光自身の手によるものなのかは疑わしい。その理由は宮城谷作品の“肝”の一つといえる漢字の使い方が、作品により異なるからだ。しかし、それが本作の評価を下げることにはならなだろう。
    どの作品も面白かった。

    「人は、出発はおなじでも、おなじ道を歩きつづけることはむずかしい」『許靖』より。
    「人は無名のころに他人から受けた恩と仇を死ぬまで忘れない。恩を忘れず、仇を忘れることができたら、その人は聖人に近い。曹操は恩を忘れず、仇を忘れたふりをすることができた。ゆえに彼は英雄であり傑人であった。忘れたふりをつらぬくことさえ、凡百の人にはできない。」『蔡琰』より。
    「身分の高低にかぎらず、怠慢はかならずおのれを損するかたちで返ってくる。それは人だけではなく王朝という組織についてもいえることかもしれない。」『蔡琰』より。
    「武人にとっての弁解とは、敗戦の原因についてくどくどと解説することではなく、つぎに汚名を雪ぐほどの功を樹てることであろう。」『陳寿』より。
    「勇気とか不屈とかいう精神は、政治や軍事の表舞台に立つ者だけが発揮するものではない。無名の者でも、あるいは匍匐叩頭して生きなければならない者でも、失ってはならない。失わないかぎり、その精神がかがやくときがくる。」『陳寿』より。
    「文芸には伝播力ある、と最初にいったのは孔子であり、その点でも、かれは偉大であった。事実というものは、そこにとどまるが、その事実が文芸的表現をまとうと、時空のかなたまでゆける。」『楊彪』より。

  • 宮城谷好きなはずなんだけど、
    最近読んだのは
    なんとなく薄っぺら区感じられたようなきがするが、
    これは面白かった
    色々読み直したくなる

  • もともとの三国志正史が紀伝体なのでこういう人物伝的なかたちがしっくりくる。むしろ本編をムリに「三国志」にせずこの形の人物列伝でよかったのではないかと言う気さえする。

  • http://wp.me/p7ihpL-nv

    ラインナップもおもしろい。
    劉備、曹操などの主役級と比べると失礼ながらちょっとマイナーな人ばかり。
    政治家や武将としてよりも、文化人として、学者としての業績のある人が多く、歴史の表舞台に出てきにくい人たちが多くピックアップされている。
    「精神の風姿が悪い」
    この言葉は本書のはじめにでてくる言葉だが、なんだかいい言葉、いい響きの言葉だな、と思った。

  • 脇役とされる人物を主人公に据えて描かれる短編集。だが、公孫度の前半が董卓の武将徐栄、蔡エンの前半が蔡?、といった感じで、描写が割かれ、もっと主人公を踏み込んで描いて欲しい、ところもあった。太史慈の話では、愚鈍に描かれる劉?も、劉?を主人公にするとそれなりの傑物に描かれていたり、といった対比も興味深かった。正史の三国志を著した陳寿の話も興味深く、また師匠の?周の佇まいも印象に残った。以下備忘録/劉備は恩人に報いるどころか、必ず裏切ってきた人物/劉備は命がけで他人のために働いたことがなく、これからも己のことしか考えないだろう。(王さん)/王莽の新、滅亡後、短期間、三国時代があった/「わかった、協力しよう」(韓遂)、本当の義?の人、という描かれ方だった./「河首平漢王」を名乗った隴西の宋建。三十年も続いた政権だった、とは寡聞にして知らず。/今の天子は董卓に擁立されたという事実があるゆえに群雄から尊崇されていない(韓遂)/公孫度が建てたのは王国と言ってよく、亡くなってからもゆるぎなく続いたことを考えれば、四国時代と言ってもいいのでは、と。/恩を忘れず、仇を忘れることができたら、その人は聖人に近い。忘れたふりを貫くことさえ、凡人にはできない/タタール人の砂漠、のような蔡?の配流先での処遇。「いつ鮮卑の大軍が出現するかわからない荒涼たる平原を、毎日眺めている辛さは、戌兵になってみなければわからないだろう」/蔡エンの作った、回想的な詩、読んでみたい/おそらく父は、上司であった馬謖が、死によって、弁解の道を永久に閉ざされたことを知って、自身も死ぬまで弁解しないと決めたにちがいない/馬謖を用いるなという劉備の言を入れなかった諸葛亮。敗将の言いつけをまともに受けいれられない気持ちがあったのでは、と。ただ、当時の蜀で実践を知り尽くしていたのは劉備。夷陵の戦いも、補給路の長さを突かれたとはいえ、まずい戦い方をしたわけではない、と。/楊震の「四知」、天知る、神知る、我知る、子知る。

  • 三国志の脇役というか、ほぼエキストラのような人達を紹介する外伝!

    韓遂、太史慈、劉繇はどの様な役割を果たしたか知っています。


    許靖、公孫度、楊彪はかろうじて名前だけ知ってます。


    蔡邕の娘が蛮族に攫われた話も何かで読んだ気がします。


    他の人達はほぼ知りません。


    超マイナーな人物達の物語に少しだけ触れてみましょう。


    お勧めは

    異民族の為に生涯を捧げた男『韓遂』

    諸葛亮から処罰された男の息子た『陳寿』

    意外や意外!仁徳のあった『劉繇』


    他に蔡琰、鄭玄も面白かったです。

  • 三国志の脇役の人たちの物語だが、結構渋い人たちにスポットが当たっていてすんなりと読めた。外伝なのですんなりすらっと読める。

  • 宮城谷の文章は、少し苦手だ。
    行と行の間がゆったりしているように。ちぎれ雲のように浮かんで全体として一つの文章をなしているという感じを受ける。

  • 【異色の人物伝。もう一つの「三国志」】「三国志」を著した陳寿は、諸葛孔明に罰せられた罪人の息子だった――。三国時代を生きた、梟雄、学者、女性詩人など十二人の生涯。

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著者プロフィール

宮城谷昌光
1945(昭和20)年、愛知県蒲郡市生れ。早稲田大学文学部卒業。出版社勤務のかたわら立原正秋に師事し、創作を始める。91(平成3)年『天空の舟』で新田次郎文学賞、『夏姫春秋』で直木賞を受賞。94年、『重耳』で芸術選奨文部大臣賞、2000年、第三回司馬遼太郎賞、01年『子産』で吉川英治文学賞、04年菊池寛賞を受賞。同年『宮城谷昌光全集』全21巻(文藝春秋)が完結した。他の著書に『奇貨居くべし』『三国志』『草原の風』『劉邦』『呉越春秋 湖底の城』など多数。

「2022年 『馬上の星 小説・馬援伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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