湯を沸かすほどの熱い愛 (文春文庫)

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  • 文藝春秋 (2016年10月7日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784167907143

みんなの感想まとめ

余命2ヶ月を宣告された主人公が、家族愛や絆の大切さを描く感動的な物語です。映画監督自らが書き下ろした原作小説は、ありきたりなお涙頂戴とは一線を画し、深い感情を呼び起こします。主人公の双葉は、辛い現実に...

感想・レビュー・書評

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  • 『王様のブランチ』の映画紹介コーナーで気になり、書店で手に取った映画監督自ら書き下ろした原作小説。

    ありきたりなお涙頂戴物語かと思いきや、想像していたよりもずっと素敵な作品でした❗️

    自分が余命2ヶ月と分かったら、どのように毎日を過ごすかと、読みながら考えていました。

    自分には双葉のような行動力はありませんが、辛く厳しい秘密にも正面から立ち向かって懸命に生きる姿は、とても惚れ惚れします。涙無しとは言いませんが、読後は優しい気持ちにさせてくれる感動作です❗️

  • H30.7.9 読了。

    ・双葉さんの愛にあふれた作品。安澄がいじめられて制服を隠されて、その後頑張っていじめっ子たちから制服を取り返してきた場面がとても印象的だった。その時の双葉さんの娘を気遣い仕事も手につかず心配しながら、待っている気持ちが痛いほど伝わってきた。
    また、ラストも衝撃的だった。映画も観てみたい。


  • 薄くて文字も少なくて、読みやすい本だった。

    それぞれ本当の母親じゃなかったり、複雑だったりするけど、人と人の出会いはすごく貴重で大切なものだなと気付かされる一冊でした。

    最後のお葬式ではみんなそれぞれが双葉さんのことを思って作りあげた素敵なお葬式ですごく心が温かくなった。

  • 泣いてもいい場所で読んでいたら、ずっと涙だったかもしれない。
    親子や家族の形って無限大。
    そして双葉の強さ。
    でも、最後にこのタイトルの意味がわかった気がするけど、私はちょっと受け入れられないかも…

    2024.3.8

  • 想像以上に深くて熱い愛情に圧倒された。
    確かにこれ程の熱量なら湯もすぐに沸けるはずだ。
    「お母ちゃんはこれからもあたしのお母ちゃんだ。みんなの中から、お母ちゃんが消えることは決してない」
    その人の匂いを嗅ぐだけで安心できる。
    幼い頃からの無意識の記憶がそうさせている。
    それが母の凄さだと改めて思った。

    愛しい娘を見守り、常に全身全霊でぶつかる母。
    「少しの延命のために、自分の、生きる意味を失うのは絶対に嫌、私には、どうしてもやらなきゃいけない事が、まだある」
    限られた時間の中、最後まで娘に自分の精一杯を差し出す母の潔さに泣けた。
    同じく娘を持つ母の私には、ここまでの覚悟はまだ足りない、と反省してしまった。

  • 母親として、妻として、人として
    こんなに強く人と繋がれるだろうか。

    幸野双葉の強さが、たくさんの人の心を太くたしかなものにした。
    この世から居なくなるのはつらいけど、みんなの心のなかで生きていくってこういうことなのかと思った。
    でも、最後は<え?!>となり涙が引っ込んだ。

  • タイトルがまず素敵!
    宮沢りえさんの表紙も素敵!
    この熱い愛も素敵!

    ぜひ〜

  • 以前映画で観てなんとなくは覚えてたけど、改めて。
    双葉、一浩、安澄、鮎子、それぞれに秘密があり、余命2ヶ月となった双葉が「絶対にやっておくべきこと」として実行して行く。気丈に振る舞う双葉の行動すべてが愛に包まれたものであり、バラバラの家族に絆を結ばせることにもなった。
    終盤の展開はわかっててもやはり読むのがキツかった。
    タイトル通り愛に溢れた物語、また映画でも観よう。幸の湯ではないが、銭湯にも行きたい。
    261冊目読了。

  • 映画見ようと思っていたけど、なんか、この本読んでよかったです。

  • 本ではなく、映画館で観たものの記録。
    余命2か月と宣告された女性が、家族のためにやり残しのないように大事な使命をひとつずつ果たしていく。

    友人に誘われ、一風変わったタイトルに首を傾げながらほとんど予備知識がないままに観たため、監督の仕掛けたミスリードにも見事にはまり、ラストシーンにも押し潰されそうなくらい衝撃を受けた。

    捨てられて、辛い目にあい、それでも力強い眼差しを失わずに前を向き、生きていこうとする登場人物たちは、潔くすがすがしい。
    頭痛が残るほど涙の連続だったけれど、死だけでなく、いじめや育児放棄という深刻な問題がてんこ盛りのなかで、決してお涙頂戴でもきれい事でもないところがよかった。とくに、一人ひとりが我慢を続けた挙げ句、臨界に達して静かに爆発するシーンがどれも素晴らしい。

    親として、子どもに逃げるなと言う場合と、もう休んでいいよと言うべき境界を見極めることはとても難しいと常々感じている。逃げろと言うのと同じくらい、前を向け!とお尻を叩くことには勇気がいる。主人公の選択と行動力に拍手だ。

    宮沢りえ、舞台では何度か見ているが、本作でも凛とした姿が素晴らしかった。他のキャストも皆はまり役で、目力の強さが印象的だった。
    誘ってくれた友人に感謝!

  • 映画が良くて、ノベライズ版も読みました。号泣。映像でじっくり観れなかったところもちゃんと説明してあり、あまり深く語られなかった鮎子の気持ちも描写されていて、よかった。

  • 映画化されたのだが、見ていない。

    幸野双葉の猛烈かーちゃんの凄さ!
    夫が、浮気で行方不明で、一人で銭湯を経営出来ない状態で、パートへ。
    そして娘の安澄は、学校でいじめに遭っている。

    そんな中、双葉が、ガンで余命数カ月を言い渡されるのには、、、
    なんと非情な物語なのかと、、、

    双葉が、生前にしておきたかったこと、、、
    安澄のタカアシガニへのお礼状を書かせていたり、手話を習わせていたこと等、、、
    自分の命が短くなくても、子へしておかなくては、、、と、思っていたことに、、、、

    そして、安澄だけでなく、夫の不義の子 鮎子への愛情も、、、
    待ちわびる母を待つ鮎子の思いを察してやる双葉。
    2人共、双葉の血が入ってないのに、愛情を注ぎこむことが出来る心の深さ。

    自分自身 手術の選択をした時に、何をしておくべきなのか?と、言うより、又、同じような生活に戻れるのだろうか?と不安に思った。
    子供たちが、成人していたから、何も考えていなかったのだが、、、
    この本を読んで、しておかなければいけないことが、沢山あるように思われる。

    しかし、最後の双葉の葬儀の仕方には、、、どうなのであろうか?
    銭湯で、葬儀をすることには、問題ないとおもうのだが、、、遺体を勝手に動かすこと、そして、花弁の浮かべたお風呂に入っているのは、、、、
    物語を面白くしているためのものであると、思うけど、、、
    無茶えしょう!
    駄目ですよね!
    の通りである。
    そして、又、霊柩車で、遺体を火葬しなければならないであるのだから、、、、

    凄く感動して読んでいたのだが、本の終わりごろになって、これは、生きている者の自己満足の終わり方だと、思った本である。

  • the light novel for movie.

  • 少しの狂気めいたものがなければ愛は語れない。
    お母ちゃんは偉大だな。
    何度も涙が溢れそうになった。

  • お風呂で読むなら!と手に取った宮沢りえが表紙のこの本。

    裏表紙に書かれたあらすじを見て読んでみたいと思った方はきっと、読んでよかったと思って終えるのではないかと思います。

    期せずして前回に続き泣きました…。


  • 映画も本も本当に最高でした。
    お母さんのでっかくって深くて熱い愛に脱帽です。
    あ母さんに惹かれて近寄ってくる人たちがお母さんのお陰でどんどんといい方向に変わっていくのがとてもステキでした

  • 玉葱は飴色になるまで炒めなきゃ駄目 厚顔無恥な軽やかさ 籠城 緩和ケアを中心に考えて 全てに屈した感じがして悔しい 私は渾身の力で布団を掴んで引っ剥がした 最下層の人間だから …お母ちゃんの遺伝子ちょっとだけあった 安澄は涙を堪えることをあっさり放棄した 濡れたパンツを拾い上げ、ドアノブに掛けこう呟いた。「鮎子ここにあり」 人生初の朝しゃぶしゃぶであり、おそらく、人生最後の朝しゃぶしゃぶ、私はそう思って席に着いた。 「ママのこと、好きでいても、いいですか?」ママではなく我が家を選ぶという選択が、十歳の少女にとってどんなに辛く苦しく残酷なことだったか…。 静岡県沼津市戸田へだ 「あなたはこれから、日本の最北端を目指すの」 私という存在が何なのか確かめるように抱きしめた。そして、期待された子どもみたいにこう言った。「じゃあ、目標達成できたら、報告に行っても良いですか?」 拓海君のお尻をポンと叩いた 海の向こうに見える富士山 まだ湯気の立つタカアシガニの大きさに 女性店員の頬を平手で叩いた ある希望的仮説が浮かび上がった ワタシは慌てて手話で聞き返す 終末期ケアを行う施設 それは家族で築いた小さなピラミッド 尋問客全員を欺くことに成功 幸の湯 赤い煙

  • 朝読書で読むべきじゃなかった

    10分しかないあの中で私は
    声を押し殺して、泣いた

  • 余命わずかという宣告を受けた双葉は、家族から全ての秘密を取り払うため「絶対にやっておくべきこと」を実行して行く。母として。

    幼い頃に捨てられた母親をやっと見つけ会いに行くと、そんな娘はいないと会う事を拒否された。母親は余命わずかな娘の願いより、今の自分の幸せを選んだ。
    母親には愛されなかった双葉だけれど、大切な人たちを最期まで愛し続け、そしてその人たちに愛された。強くて優しい人。

    驚愕のラスト。受け入れる、受け入れられないはともかくとして、そうしたかった夫や娘たちなどの気持ちが、悲しいだけのものにしていない。

  • 映画はまだ未観でして、先に小説から入ってしまった、という所の作品なのですが、うむ。良かった。なんとも骨太な作品だなあ、という感想。そんなに分厚い小説ではないですし、文章も読みづらい感じでもないですし、サクサク読める作品だとは思うのです。でもそれが、決してお気楽極楽ポップだぜ、という訳では全然ない。内容は相当にヘヴィーにズッシリどっしり。うむむ、骨太。

    作者の中野量太さんは、本業は、映画監督なのですね。そっちがメインだよ、という。で、自ら脚本も書いた映画作品を、これまた自らノベライズした、と。それがコレだぞ、と。うむむ、多才だ。映画も撮る。脚本も書く。小説化すら出来ちゃう。凄いですね。同じ日本の映画監督だと、西川美和さんと、似た存在感、でしょうかね?中野さん自身は、この作品の映画版が、自身初の商業用長編映画なんだそうです。

    となると、現時点では、西川美和さんの方が、だいぶ先輩格になるのだろうなあ。西川さん、既に何作も映画作ってるし、そのノベライズも、沢山されてるでしょうし。中野氏が、これから先の自らの監督人生で、どれだけ西川美和に近付いていくことができるのだろうか?期待しちゃいますねえ。なんせもう、西川さん、とんでもなく素晴らしい映画監督ですものね。

    で、この小説。めっちゃ分かりやすい言い方をするならば、ベタな表現するならば、「母(の愛)は強し」「家族愛」を描いた作品、というシンプルな説明になるかと思うのですが、その場合の「母」とは。「母親的な存在」とは。「家族の間の愛」とは。DNA的な繋がりでは無い。遺伝子じゃあ無い。血の繋がり、ではない、ところに、真の美しさと素晴らしさがある、というのが、中野さんの主張なんだろうなあ、と思いました。B'Zの曲でいうならば、「RUN」ですよねえ。時の流れは、人の絆は、時には血よりも濃いもの作るんだぜ、ということでしょうねえ。

    主人公である幸野双葉は、娘として育ててきた幸野安澄とも、旦那である幸一が連れてくることになった片瀬鮎子とも、血は繋がっていない。特に、安澄が実は双葉の実の子ではない!というのが分かったところで、物語の前半~中盤のとある場面で安澄が言ったセリフ「お母ちゃんの遺伝子ちょっとだけあった」が、終盤の種明かし場面において、ホンマに切なく素晴らしいセリフになるんですよねえ。まあ、んで、血の繋がっていない存在であるにも関わらず、この作品のなかでは、双葉は、二人にとって圧倒的に「母親」になるんですよね。血の繋がった実の母である坂巻君江、片瀬幸子、という存在は、それはそれである上で。

    人と人との本当の繋がりは、血縁では無いぞ、と。どれだけその人が真剣に生き、どれだけ誰かの事を真剣に愛することができるか。それこそが真の意味での人と人との繋がりなのだ。そもそもだって、人って、完全に血の繋がりのない赤の他人の男と女が出会って好きあって愛し合って、新たな生命を生みだすんじゃん。で、家族になるんじゃん。ということなのか。なのかなあ?

    それが中野量太さんの言いたい事伝えたい事なのか、とか思った次第ですが、うーん、好きですね。俺はコレをどうしても伝えたいの!って所は、ビシバシ伝わってきたし、その伝え方も、上手いと思いました。ですので、好きなんですよねえ、この作品。

    エンディングは、相当に衝撃的です。こりゃあ、ある意味とんでもねえ結末やな、って思いました。倫理的に良いんですか?ってか、倫理ってなんやろなあ。この結末は、これはこれで、最高に相応しい、といいますか。まさに題名そのもの。うおお、タイトルがここに繋がるのか!という凄まじい納得感、あります。なんせ、幸野家の人々、お母ちゃんである双葉の遺体を、銭湯の釜場の炉で、焼いちゃうんですよ。まあ、火葬、と言えることもないことも、ない、か?で、その、お母ちゃんを燃やした熱で、お風呂沸かして、そこに「ええ湯だな~♪」って、湯船につかるんですよ、家族で。とんでもなくシュールやんか。猟奇的すぎるやんか。でもそれは、当然の事であり、お母ちゃんに対する最大限の愛情表現であり感謝の表現であり、もう、絶対に正しい事なのだ。幸野家にとっては。

    この場面が持つパワーは、ホンマに凄いと思いました。一般社会のモラルも倫理も全てぶっ飛ばして、この家族にとっては、これこそが真実の愛なのだ。で、それは、なんらかの感動を、俺には、呼び起こしたのだ。すげえ事ですよ、うん。

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著者プロフィール

1973年京都府育ち。京都産業大学卒業後、日本映画学校に入学。2000年卒業制作『バンザイ人生まっ赤っ赤。』が日本映画学校今村昌平賞、第1回TAMANEWWAVEグランプリなどを受賞。卒業後、助監督やテレビディレクターを経て、自主短編映画『ロケットパンチを君に!』で、ひろしま映像展2006グランプリ、第10回水戸短編映像祭準グランプリなど7つの賞に輝く。2008年文化庁若手映画作家育成プロジェクトに選出され、35mmフィルムで制作した短編映画『琥珀色のキラキラ』が高い評価を得る。自主長編映画『チチを撮りに』が、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2012にて、日本人初の監督賞を受賞、第63回ベルリン国際映画祭を皮切りに各国の映画祭に招待され、国内外で14の賞に輝く。2016年商業デビュー作となる『湯を沸かすほどの熱い愛』が、第40回日本アカデミー賞・最優秀主演女優賞、最優秀助演女優賞など、国内映画賞で35冠。第90回米アカデミー賞外国語映画部門の日本代表に選ばれる。2019年初の原作モノとなる『長いお別れ』を5月に公開、ロングランヒットに。独自の感性と視点で、家族を描き続けている。

「2020年 『浅田家!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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