桜子は帰ってきたか (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2016年12月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784167907532

感想・レビュー・書評

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  • 興味深く読んだ
    在日と韓国、敗戦後満州からの引き上げ.....

    文章リズムが心地いい

    クレ=呉?

  • 30年振りに復刊されたというこの小説。
    全く古さを感じる事なく読めました。

    戦時中、満州で暮らしていた日本人と朝鮮人の一人の青年との話。
    人間関係が複雑に絡み合っていて、途中混乱しそうになりましたが、そこは何とかクリア。

    終戦後夫を殺された桜子を日本へ送り届ける為に奮闘する朝鮮人のクレ。
    恋愛小説ではないものの、熱いロマンを感じました。
    ミステリとしても楽しめましたが、
    残留孤児の問題や、近隣国と日本の関係性、色々な事を考えさせられました。

    余談ですが私の母は、私が幼い頃に、ある国の事を研究し博物館を作る仕事に就いていました。
    その関係で私もその国へと母と行き、
    戦後残留孤児となってしまった高齢者の方々とお話しをする機会があり、その時の場面が鮮明に頭に浮かびました。
    産まれてから、きっと死ぬまで日本で暮らすであろう私には考えもつかない苦しさや痛みがあるのだと本当に思い知らされます。

  • 終戦直後の満州、行く手を阻むソ連軍の目をかいくぐりながら故郷へ帰ろうとする日本人達の逃避行。それを支える“クレ”の思いは、世話になった主人の妻である“桜子”を無事に日本へ送り届けることだったが…

    物語序盤は、終戦直後の混乱する時代を背景に、道連れの女性達も含めた思惑も交錯しつつの逃避行。色恋あり、危険ありの人間ドラマで、リーダビリティ高し。

    その後36年の時を経て起こる殺人事件。時代を跨ぎ、“中国残留日本人孤児”の社会的テーマも含めながら進む犯人探しと失踪人探し。あからさまな伏線により、読者目線では“真相”に気がついてしまうが、当事者の気持ちを思うとやるせない。肉親の安否を案ずる残された人達の気持ちはもちろんのこと、主人公“クレ”の長年にわたって恩を忘れない情の深さに、胸を打たれた。

    週刊文春ミステリーベスト10 3位
    サントリーミステリー大賞 読者賞受賞(1983年)

  • 去年の中頃にTSUTAYAブックスのポップを見て購入した本。
    終戦頃の満州あたりが舞台となっていたので、重いかなぁと思って、ちょっと寝かせてから、ようやく手に取りました。

    最初はミステリーというより人間ドラマ?と思って読み進めたけど、数年後、数十年後の事件とも関わりが出てくる、ちゃんとミステリーだった。

    終戦直後のひどい時代のことは、やはりな、つらいなと思いながら読み、
    真人やクレの捜査は、読者には間違いなくあの女だ、と思わせる内容でジリジリさせられた。
    こんな人間がというのと、よくもまあ何十年も側にいたものだと驚き。
    そしてなんといってもクレの信愛の情の深さが感じられた。そして賢い。
    最後はクレならそうするだろうという余韻を残した感じ。
    哀しくも納得のいく終わり方だったかと思う。

  • 【究極の発掘本! 清張+山崎豊子の読み応え】敗戦の満州から桜子は帰ってきたのか? 戦争という過酷な運命のなか貫かれた無償の愛。日本人が絶対に忘れてはならぬ歴史がここに!

  • そうですね、正直に言えば読むのに苦労しました。前半の部分では逃避行の様子が主で、やはりそれは少し退屈な感じがします。後半になるといろいろなものが繋がっていきますのでそれなりに楽しくはありましたが、想像の通りになる感じでしたので、うーん……。
    それでも全体としては悪くないと思います。

  • 過酷な状況の中で大切な人を守っていこうとするクレ。ミステリーではあるが、クレの生き方が胸を打つ。

  • 仙台出張した際、現地の人と話してお互い本が好きなことが分かり、好きな本の話で盛り上がる。本好きとしてはなかなか楽しい一時。そんな彼に進めてもらい、早速読んでみる。

    第二次世界大戦後、中国に残されてしまった女性が日本に帰ろうとする、月日は流れ、日本に残された息子が、長い年月を経た後、母がどのように日本に帰ってこようとしてかが分かり、それに伴い不審な事件が起こると言う話。

    中国残留日本人の話を聞くと、そのたびに戦争の恐ろしさ、人の弱さ、大衆の恐ろしさを改めて感じ、やるせなくなる。母の帰国話、現代の息子の話で場面は切り替わりながらだが、話は淡々と進んで行くので、迫力感は物足りなく、ある程度先が読めてしまった。ラストも有りだとは思うが私はしっくりこなかったな。

  • 本屋で目に留まって購読。
    終戦直後、安東真琴の遺志でその妻桜子を無事日本に帰すことを誓う朝鮮人の青年クレ。
    険しい道のりながら満州から挑戦まで1000km以上を踏襲する。

    終戦直後、刊行された1985年、そしてその13年前といくつかの時代が錯誤し、桜子の消息を含め、数々の殺人事件を巻き込んでいく。

    内容は非常に面白かったが、最後もう少し展開を進めて欲しかった気がします。

  • あらすじに引かれて購入後、既に1985年に刊行されていた作品とのこと。

    この作品は、剥き出しの欲もあれば悲惨な中でも貫く正義もあり、人間味がぎゅっと詰まっている。
    終戦後の単なる帰国旅だけではなく、思わぬ殺人ミステリーも含み、最後まで読む手が止められなかった。

    クレの無償の愛が熱く切ないラストへと導く作品。

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