バンド臨終図巻 ビートルズからSMAPまで (文春文庫 は 51-1)
- 文藝春秋 (2016年12月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (453ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167907594
作品紹介・あらすじ
あなたが好きだったあのバンドはなぜ解散したのか?カネの分配、ドラッグ、メンバーの死、女性関係、そしておなじみの「音楽性の違い」。ときにはマネージャーが暴走し、メンバーが殴り合い、美しい解散宣言もあれば、泥沼の裁判沙汰に至ることも。ビートルズからSMAPまで、古今東西のバンド191の死にざまを網羅する音楽ファン悶絶必至&阿鼻叫喚の大著!古きよきロックはもちろん、ソウルもJ-POPも、メタルもパンクも渋谷系も、アイドルにフォークにプログレにシューゲイザーまで、古今東西の音楽ジャンルを横断。X JAPANやスコーピオンズなど「臨終」から不死鳥のごとく甦ったバンドも収録。SMAP、FUNKY MONKEY BABYS、girl next door、モーターヘッドなどを追加。Hi-STANDARDの16 年ぶりのシングルリリース、ABBA再結成ツアー敢行、嗣永桃子 芸能界引退発表など最新情報も。あのバンド、このバンドの「死因」が一目瞭然:メンバーの死(T・レックス、カーペンターズほか)、メンバーの逮捕(カルチャー・クラブ)、メンバーの離婚(ABBA)、マネージャー(ザ・クラッシュ、デスティニーズ・チャイルドほか)、成功による重圧(イーグルス、ニルヴァーナほか)、兄弟げんか(オアシス)、公約通りの解散(横浜銀蝿)……
感想・レビュー・書評
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書店で見かけたときも気にはなっていたんだけど、どこかの書評でも取り上げられているのを読んで、それならいっちょ、ってことで読了。図鑑なら、興味深いところを拾い読みって感じだけど、本書は図巻なんで通読。でも正直、知らなかったり興味なかったりするバンドは、ほぼ流し読み。読んでも分からんし。あと逆に、メタル界隈に以前はのめり込んでいたこともあり、ここで書かれていることは、ほぼ既知だったりして。という訳で、一番興味深かったのは、そこまで興味ないけど気にはなる存在だったり、今ほど情報過多でなかった当時、知りたくても知れなかったような内容。具体的に面白かったのは、SMAP、X、BOOWY、ブルーハーツ、爆風スランプ、ハウンドドッグ、チェッカーズ、といったあたり。なるほど。
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バンドというよりアイドルやグループもあるけどね。
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様々なバンドの「終わり方」が綴られている。バンド以外にも、ユニットやアイドルグループが含まれているが。「グループ臨終図鑑」かな。
年代が新しくなればなるほど、わからないグループが増える。哀しい。 -
名前を知ってるバンド(ユニット・アイドル)のみ読み進めていきました。
90年代後半以降のバンドに関しては直撃世代だったので大体の情報は知りつつも、知らなかった情報もあったりして、読んでて面白かったです。
60年代70年代に関しては知らないバンドが多かったのですが「あ、この人、名前は知ってたけど元々はこのバンドだったの?」という違った発見をする事が出来たのは良かったです。
あと「」の使い方が個性的なライターさんがいて、読む度にちょっと気になりました。 -
4.1ビックリするぐらい面白い。やがて来る終わりの形の記録。フリッパーズギターの、2人が通じ合うことは、驚異的で、奇跡で美しい。そう思う。夫婦にも当てはまる。
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好きだったあのバンド…気が付けば解散してた!
ってことってありますよね。
そんなバンドの終わりを綴ったサブカルチャーレポ
まあよくあるのが「お金」ドラッグ」「メンバーの死」「音楽性の違い」なんだけど、メンバー同士の殴り合いやら、マネージャーの暴走や画策、泥沼裁判沙汰などなど、その理由はそれぞれ。
ビートルズからSMAP、ミューズなど、気になるバンドの解散劇がよくわかります。
ちょっと笑ったのが「SPEED」。
原因に意外な男名前が…って私が知らなかっただけ?
「長年同じ釜の飯を食い、下手すりゃ親兄弟よりも多くの歳月を過ごしたバンド仲間との決別は、愛と憎しみが複雑に交錯し、ほどけない」(by 筋肉少女帯 大槻ケンヂ)
これ名言! -
名前は知ってるけど、くらいの有名バンドの諸事情が広く浅く書かれていて、マニアックな部分での欲しかった知識を得られた。バンド版ワイドショーのようだ。面白かった。
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洋邦ジャンル問はず「結成順」に並べてある。下積み長いバンドは予想外に前の方に出てきて、全然違う文脈にぶっ込まれるのね。その編集が批評と言えば批評
70年代ハードロックやプログレ関係者の離合集散が、短い文章の中にこれでもかと入ってくるあたりも好き。一回読んだだけじゃわけわからんよ、とブーブー言いつつニヤニヤもしてる。ゴシップと教養の境界。20170826 -
バンドの命が終わるとき。それはギャラ、メンバーの仲違い、女性問題、事務所問題、ドラッグ、不慮の事故。大体この繰り返し。なかなか円満に天寿を全うすることはできないものだなあと感じます。
興味深かったのが一旦解散したバンドの再結成日時が記されていること、意外と多くのバンドが復活と一夜限りのライブをしているものだな、と。 -
前書きにこうにある。「人間と人間が衝突し、もうこれ以上折れることができないところまで追い詰められる。こうした必然から生まれるのが解散である。解散は必然であり、そこには必ず葛藤が生じ、ドラマが生まれる。ドラマのない解散などないのだ。」まさにその通り!バンドの解散などにまつわるエピソードにはかなり面白いものも多いはず!なんと目のつけどころがいいのだろうか!と興奮して購入したが、本書において素晴らしいのはその目のつけどころのみである。
まずは扱っているバンドが多すぎるため、それぞれの内容のあまりに薄すぎる。wikipediaでももっと充実してるよ…。「ドラマが生まれる」と書いておきながら、内容は「メンバー同士の仲違いにより解散」などの一言で終わっているものがあまりに多い。んなものリストから外しとけ!読者・ファンはその内容が知りたいんだよ!仲違いによりどのようなケンカをしたのか、空気はどうでその頃のライブでの様子はどうだったか、など、いわゆる「ロッカー」であり、もっと掘り下げれば面白いエピソードなど数限りなくあるはずだ。
また、そのバンドについても、◯◯年に××が脱退し、△△が加入。など、どうでもいい年表の羅列。その脱退や加入、再結成時のエピソードはほとんどなく、痒いところに全く手が届いていない!
さらに、「客観性を保つため、情報の収集はインタビューではなく、文献を調べることで行った。その際信憑性のないものは記載していない」などとあるが、出典元はスポーツ新聞や週刊誌が大部分を占め、中には「噂の真相」まである。信憑性ないじゃねーか!それならば、最初から関係者に取材をしまくって、色々なエピソード、その時の周囲の空気、当事者たちの心情、など深く掘り下げた方がはるかに面白いものが出来たはずである。柳澤健や吉田豪を見習ってください。
長くなってしまったが、結局本書は手を広げすぎたため、そのバンドのファンにとっては周知の事実のみ、ファンでないバンドの内容はどうでもいいことばかり、という非常にどうしようもないものとなっている。扱うバンド数を減らし、掘り下げてもらわないと全く面白くありません。クソofクソ。音楽ファンの皆さん、手に取らないでください。