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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784167907679
作品紹介・あらすじ
天朝様が江戸城に玉体を運ばれる日が近づく。
が、六兵衛は、いまだ無言で居座り続けている……。
虎の間から、松の廊下の奥へ詰席を格上げしながら、居座るその姿は、実に威風堂々とし日の打ち所がない。
それは、まさに武士道の権化──。
だが、この先、どうなる、六兵衛!
浅田調に笑いながら読んでいると、いつの間にか、連れてこられた場所には、人としての義が立ち現れ、思わず背筋がのび、清涼な風が流れ込んでくる。
奇想天外な面白さの傑作です。
解説・青山文平
みんなの感想まとめ
江戸城の無血開城を迎える中、謎の旗本・的矢六兵衛が居座り続ける姿が描かれ、彼の正体や目的を巡る様々な説が展開されます。六兵衛の行動に振り回される周囲の人々のドタバタ劇と、それを面白がる野次馬たちのユー...
感想・レビュー・書評
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江戸城明け渡しに先立ち、官軍の御先手に任じられた、尾張藩江戸詰徒組頭の加倉井隼人。
西の丸に入ると、なぜか城内に居座り続ける男がいて……。
出自も目的もまったく謎の男、的矢六兵衛。
なんとか六兵衛を退去させようと、あの手この手を考える隼人たち。
六兵衛の行動に振り回されるドタバタぶりと、それを面白がる野次馬たちがユーモラス。
幕臣、官軍。
さまざまな立場の人間が加わりながら、不思議な連帯感が生まれていく。
元が日本経済新聞の連載のためか、繰り返しの説明があったり、やや冗長なところが。
それでも、時代小説らしからぬ、ミステリでコミカルな雰囲気がおもしろかった。
結局六兵衛の正体や、なぜ御書院番士の身分を買い、江戸城に居座ったのかははっきりせず、もやもやが残る。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
いつもの通り、浅田節が効いている
幕末、徳川の治世は終わると諦め、貧乏に負ける旧幕府士族。対して、俄か侍ながら武士のお手本のような心持ちで鎮座する的矢六兵衛。
対比が効いていて面白い。
最後、的矢六兵衛の出自が明らかになればスッキリしたのだが、そこをはっきりさせないのが粋なのだろう。私はまだ若輩すぎて無粋だ。 -
慶応四年戊辰四月十一日 江戸城は新政府軍に引き渡された。的矢六兵衛は置物のように動かない。下巻では六兵衛は「慶喜公」「天朝様」「イギリス国公使の間者」などさまざまな憶測を読んだ。
年号は明治となり、江戸は東京と呼ぶようになるが六兵衛は十ヶ月あまりの間、横臥もせずじっと座っている。
六兵衛の説得に大村益次郎、木戸孝允など歴史上の傑物も登場してきてコメディのようであったが17歳の聖上(おかみ)との対面をもって六兵衛が座を辞する。言葉はないが三百年にわたる武士の勤仕をやり通したような感があり、爽快な物語の締めの描写だった。 -
面白かった。しかし、ちょっと消化不良です。
江戸城明け渡しが決まった中、一人だけ居座り続ける御書院番士、的矢六兵衛。
彼をめぐるミステリー仕立て?の展開となっています。
下巻では、六兵衛の正体がさまざまな憶測で語られていきます。
誰も顔を見たことのない徳川慶喜説
公家からの間者説
イギリスからのスパイ説
などなど。
そんな中、六兵衛の居座る場所は宿直部屋からどんどん格上げして、ついには、最も高貴なお座敷の黒書院へ。
果たして、天朝様のご到着までに、退城させることが出来るのか?
六兵衛の正体は?
といった展開です。
六兵衛を通して武士の矜持が語られています。
そんな中、ミステリーとしては、その正体含めて、ちょっと納得がいかない設定です。
なので、ミステリー仕立てではありますが、ミステリーとして読んではいけません。
しかし、江戸時代末期に忘れられつつあった武士のあるべき姿や矜持が、新しい時代に変わっていく姿という意味では、とても意味ある終わり方でした。 -
武士道は言葉で表すものではないんだな。
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的矢六兵衛とは何者だったのか?
ただただ無言で座り続ける男の正体を推理してゆくうちに、武士の矜持のとてつもない大きさをすこし実感できた。
徳川260年を最後に時代が大きく変わる様がよくわかるし、何より感動し、記憶に残る大好きな浅田先生の中でもとても大好きな二冊です。 -
個人的には、浅田兄ぃの作品は、幕末から戦時中以外の昭和までが大好物
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初めて読んだ歴史物
慣れなくて読み進めるのに苦労したー
武士の矜持、良心、わかるようなわからないような… -
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そうかー、って終わり方でいまいち消化不良気味
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登場人物がストーリテラーとなり一人称で語っていく手法が盛り込まれていて、テンポ良く読み進めました。
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ま、ファンタジーということで
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(借り物)下巻。結論から言えば下城するものの、結局、「四千両を払ってまで旗本の身分ごと手に入れ、その身分を利用して江戸城に居座った理由」と「頑なに居座った後に唐突に下城した理由」がいまいちよく分からなかった。消化不良ではあるものの、六兵衛以外の登場人物同様、なにやら神格化したくなった。実際、正体がわからないままなのはそういうことなのかも知れないと思うことにした。(解説を読めば多少は理解できるかも)
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江戸城に居座り続ける六兵衛の正体を巡り、実は徳川慶喜説や朝廷の密使説、果てはイギリス女王のスパイ説まで飛び出す。彼を何とか退去させようとあの手この手で説得を試みる高官たちですが、いずれも己の方が底が浅いことに気付かされて断念する。
そして、最後にとうとう退去を決意するきっかけとなったのが明治天皇との無言の対面という、読書に国政というものの本質を考えさせる作品でした。
何も語らないからこそ雄弁だという発想には参りました。 -
武士の鏡の黒兵衛。
最後の武士の黒兵衛。
浅田文学の真骨頂のラストがさわさか。 -
不戦開城決した江戸城に、てこでも動かぬ旗本がひとり。旧幕臣の正体があきらかになるにつれ、城中の誰もが遠ざけ、おそれ、追い出せない…。幕末の武士の屈託まで描き出す。
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的矢六兵衛とは、時代が動くときに必然的に登場する、天から降りてきた最後の武士だったのかな。
江戸幕府そのものか。
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