本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784167907730
作品紹介・あらすじ
海坂藩普請組牧家の跡取り・文四郎、15歳の初夏から物語は始まる。
隣家のふくとの淡い恋、小和田逸平・島崎与之助らとの友情、突然一家を襲う悲運と忍苦――。
苛烈な運命に翻弄されつつ成長してゆく少年藩士の姿を描き、数多くある藤沢作品のなかで不動の人気ナンバー1を誇る「蟬しぐれ」が、文字の大きくなった新装版で登場。
時代を越えて読み継がれる、藤沢文学の金字塔。
解説・湯川豊(文芸評論家)
みんなの感想まとめ
運命に翻弄されながら成長する少年藩士の姿が描かれた物語は、淡い恋と友情を通じて、青春の喜びと苦悩を鮮やかに映し出します。文四郎とふくの幼い恋心は、時代の変化とともに深まる一方、家族や藩の運命に翻弄され...
感想・レビュー・書評
-
選挙のあった日、昔の写真やら資料やらをゴソゴソしていたら、「読書ノート94-95」という「袋ファイル」が出てきた。その中に、新書大のルーズリーフにびっしりと手書きをした読書メモが約70冊分入っていた。中には、お米粒の長さに4文字ぐらいを詰め込んだ感想文も有れば、以下のように2文字ぐらい詰め込んだ、なんとか読めそうな感想文もある。せっかくなので、判読できそうなのは随時『デジタル化』してゆきたい。当時の想いを現在から見ることもしてゆきたい。年間40冊ほどの感想文ということは、おそらく週一冊程度の読書ペースだったのだと思う(多分読了本の全てをルーズリーフに書いてはいない)。案外読んでいない。
94年になってやっとこの藤沢周平代表作に手をつけている。記憶と違う。私はおそらく90年代に藤沢周平を40-50冊集中的に読んだのだろう。
読み方も現在と変わらない。「蝉時雨」の場面が最も有名だが、それ以外の部分を書き写しているのは、自分を自分で褒めてあげたい。本書の眼目はこの引用部分であり、最終段落のコメントが本書の大きなまとめになっている。ただ改めて驚くのだけど、確かに「若者の成長物語」そして「青春物語」なのだけど、それが壮年まで続くのである。
『蝉しぐれ』94.12.4読了 藤沢周平著 文春文庫
単行本初出 1988年5月
海坂藩足軽普請組の長屋に住んでいる牧文四郎は、初夏のある朝、となりの女の子『ふく』が蛇に噛まれたのを血を吸ってやり助ける。文四郎15歳、ふく12歳、淡い恋も育たない間柄であったが、やがて父親が藩の派閥争いに巻き込まれ、切腹になり減禄、文四郎は大人の世界に入っていく。一方、ふくも江戸藩邸の女中になったことがきっかけで殿の手がつき、おふく様になってしまう。
「文四郎は平静さを取り戻し、数え切れない禁忌から成り立っている日常に、少しずつ戻っていく自分を感じていた。ふくの事は何事もなかったように振る舞うことだと思った。そうすれば、それはもともとなかったことになる仕組みを文四郎は承知していたし、その手の抑制に耐える訓練も積んでいた」
友人の小和田逸平、島崎与之助とともに、剣と学問の道を励む傍ら、やがて派閥争いの渦中に入り、おふくを助け父親を殺した張本人を失脚させることに成功する。
数十年後‥‥
美しい自然描写、父親が死ぬときに若者の張りつめた気持ち、淡い恋情とラストの通い、若者の成長物語と派閥争いの対比。
名作である。 -
政変の中、淡い恋が心に沁みる。
文武に秀でた海坂(うなさか)藩普請組の軽輩である牧助左衛門の息子文四郎15才は、隣家の小柳甚兵衛の娘ふく12才とは男女の間柄というよりは、お互いに幼いながら好意を持っていた。母の世代は、女は13才で嫁に行って子を生んだ時代ですが、いまは二十歳前に嫁にやればいいというふうに変わった。文四郎の親友である上士の家柄の小和田逸平は、見るたびにきれいになっていくふくにビックリする。
文四郎16才の時に牧助左衛門をはじめ数十人の藩士が、罪に問われる出来事が起きた。助左衛門を含めて13人が、切腹、斬首。牧家は、家禄四分の一に減額(七石)。文四郎と母登世は、屋敷からうらぶれた長屋に引っ越すこととなる。ふくは、江戸へ出て正室寧様に仕えていると、殿の手がついて子を孕むが、謀により流産する。この知らせを聞いた文四郎は、自分でも驚くほどに、ふくへの激しい想いがあふれ出てきて、自分の気持に気が付く。
【読後】
事ある毎に蝉の声が聞こえてきます。この蝉の声が、物語を深く、静かなものにしています。牧助左衛門の死は、政変といえるのでは。家老の里村左内と元中老の稲垣忠兵衛が、藩の世継をめぐる正室と側室の権力争いを利用して、反対派を粛清したと思わる。この物語は、海坂藩の政争とふくと文四郎の心の奥にひそむ淡い恋の物語です。二年後、突然に文四郎は、家禄を旧に戻された(二十八石)が、なぜ戻されたのかもわからず緊張が強いられる。この政変は、なぜ起こったのか分からず、ただ翻弄されて行く……。
「購入」
新装版 蝉しぐれ 上巻《文庫本》
2017.01発行。字の大きさは…小。2023.10.07~08読了。★★★★★
ブックオフWebで発注、220円で購入2023.09.16
~~~~~~~~~~~~~~~~
蝉しぐれ一覧
02.下巻
01.上巻 2023.10.08読了
~~~~~~~~~~~~~~~~ -
「青春やー!」からのどん底。そして、好きなあの子が嫁ぎに行っちゃって、悪いことばかり、でも、最後はみんなで飲みに行って笑っているところを読んで、親みたいな気持ちになりました。ずっと、文四郎を見守ってた感じ…。文章がリアルで感情移入がしやすかったため、そんな気持ちになったんだろうな、と思ってますね…。神様みたいに、見守ってるぜって思いながら、本を読みたい方はこれはおすすめですね…!!
-
男の生き方。
勉に武に励む。
男は、常に胸を張って、強く生きねばならん。
上への敬意を忘れない。
友に腑を見せることを大事に。
等身大の自分で勝負。
愛情も友情も喜びも悲しみも悔しさも全ての感情が詰まってこその人生。
1秒を大切に全力で生きろ。 -
2019年8月11日、読み始め。
2019年8月13日、読了。
●調べた用語
・八双の構え---野球のバットを構えたような構え。刃先は相手に向ける。-
seiyan36さん
こんばんは。
いいね!コメント!有難うございます。
切米は、もうお分かりと思いますが、旗本、御家人の現在で言うと...seiyan36さん
こんばんは。
いいね!コメント!有難うございます。
切米は、もうお分かりと思いますが、旗本、御家人の現在で言うところの給料と言うと語弊が有りますが、そんなところです。
やま2019/11/23
-
-
実は読むのはこれで2回目。登録したのに感想を書き忘れ、長く経ったので内容を忘れてしまったので再読。読みながら、前回と同じく胸がギュッと締め付けられるような思いに耽りながら読み進めました。これこれ、こんなだった。僕の好きな話。時代や周囲の大人たちに翻弄されながらも、それぞれの道を進みながら子どもから大人になっていく登場人物。何度読んでも面白いです。
-
最近、小説を読めてませんでしたが、藤沢周平の世界にどっぷりハマってしまいました。運命に翻弄される主人公たちがなんとも切ないです。
-
鶴岡市立藤沢周平記念館に行く機会があり、面白そうなので読んでみた。ぐいぐい引き込まれ一気読み。池波正太郎と雰囲気は似ているが、あちらは都会感、こちらは田舎感がある。
-
ややこしい読書が続いている最中の一服の清涼剤。江戸時代の物語だが、まるで現代の青春清純ドラマ。隣地の少女の儚い恋心、幼馴染との友情、権力者による理不尽な仕打ちで倒れる大切な人、学問や剣術で成長する姿、陰ながら助けてくれる大人たち、などなど。そして、初恋の人との最後の逢瀬。藤沢周平の小説としてはとても読みやすく、期待通り。「澪つくし」「銀二貫」「蛍草」につづき、夜ドラとかでぜひ映像化してほしい。
-
-
藤沢周平 著「蝉しぐれ(上)」、2017.1発行(1988刊行、1991文庫)。海坂(うなさか)藩、牧家の養子、牧文四郎15歳の物語。男3人の友情と淡い恋。上巻を読了し、自然に「影を慕いて」の歌詞が浮かんできました。特に3番。♪~君故に永き人生(ひとよ)を霜枯れて 永遠に春見ぬ我が運命(さだめ) ながろうべきか空蝉の 儚なき影よ我が恋よ~♪ ふくを想う文四郎の気持ち。それでは、下巻にまいります。
-
景色の描写がいい。青春小説としてとても読みやすい。
義理や人情を重んじ、シンプルに生きている昔の日本の暮らしに惹かれている。
自分もそう歳を取ってきたのだろうか? -
毛色は異なるが、少年たちの一夏の成長ストーリーと言う意味で、スティーブンキングのスタンドバイミーをなんとなく思い出しながら読んだ。自分の力ではどうにもならない、理不尽な世の中を知り、それをじっと静かに消化していく経験を積み重ねると、人は大人になっていくのだろう。そんな様子が物静かに品のある文章で描かれていて、とても洒落た小説だと感じた。地元の仲間と酒を飲む最後のシーンも、なんだか懐かしいような、平和な気持ちになれて良かった。
-
B913.6-フジ-1
新潟県にも馴染みの深い、山形県鶴岡市出身の作家で熱狂的なファンが多いことで知られています。この作品は少年藩士が様々な困難に直面しながら成長してゆく様を豊かな情景描写によって描かれています。その描写は穏やかで、時には躍動感に溢れ、静と動が見事に融合して作品の中に織り込まれています。藤沢作品の入門書として一度読まれてはいかがでしょうか。 -
★4.8(4.09)1988年発行。初の藤沢周平。とにかくこの本を絶賛されていたので、図書館で見つけて漸く読了。まだ上のみだが、なかなか素晴らしい。江戸時代の15歳文四郎の青春小説だろうか?小和田逸平と島崎与之助との友情、3つ下のふくとの淡い恋。突然の一家を襲う父の切腹・・・。様々な事件が起こるが、まさに江戸時代とはこんな感じだったんだろうなぁという当時の世相を見事に描く。なるほど、時代小説とはこういう人間の機微を描くことで、現代の我々の心の底に眠っているものを思い出させるということで人気があるのだろう。
-
初めての時代小説。
気高さや奥ゆかしさ等、日本人が古くから大切にしてきた精神・モノについて再度気づかされた。
長編だが、一気に読了。面白い。 -
期待が大きすぎたかもしれない。
-
なんという完璧な青春小説なんだろうか。
様々な不遇に見舞われ、大切な人を失いながらも、剣の道にひたすら励みながら、文字通り自らの人生を切り開いて行く青年の物語。
最終章「蝉しぐれ」での、様々な境遇を生き抜いて来た二人がぽつぽつとお互いの想い出を確かめ合う場面が、本当に切なくて切なくて、、、。
作中に登場する人物全てが情感に溢れ、魅力的な人情話もありつつも、ハラハラするような策謀が展開される場面など、読んでいて全く飽きさせない。
これを機に藤村周平の本を読み漁ってみようと思う。
秀逸すぎる時代小説だった。 -
おそらく東北の一藩、海坂藩に生まれ育つ主人公文四郎の話。友情、淡い恋、一家を襲う災難。周りの情景の表現が秀逸。2018.2.26
-
東北の小藩の普請組牧家の長男文四郎の成長物語
出自も性格も違う2人の友人と隣家の娘とともに、藩内の権力闘争に巻き込まれる。
著者プロフィール
藤沢周平の作品
本棚登録 :
感想 :

そうなんですか!
めろんさんも!!
そうなんですよね。つまりは手帳のフリースペースを読書ノートにしていたわ...
そうなんですか!
めろんさんも!!
そうなんですよね。つまりは手帳のフリースペースを読書ノートにしていたわけです。
つまりシステム手帳を「活用」していたつもりだったんです。
手帳の後ろに読んだ本の感想のストックがいつもある。
ところが、そのシステム手帳自体を使わなくなる日が来るとは予想していなかったわけです。私なんか、携帯どころか、PHSに変えた時点で手帳を手放しました(^^)。
細かい字のバラバラの読書メモなんて、その後見直す日は来ません。めろんさんみたいに無くしたと思っていても当然だと思います。私もついこの間まで存在自体を忘れていました。
たまたま、引越しの時に野口方式の袋ファイルを持ってきていました。それを今回、「10年ぶりに」少しだけ整理しました。
「デジタル化」賛同ありがとうございます♪
昔の資料発掘なんて、見っともないのでは?という気持ちも少しあったので、勇気をもらいました。
そして「蝉しぐれ」の感想メモも素晴らしい。引用された所は、おふくに殿様のお手が付いたことを知らさ...
そして「蝉しぐれ」の感想メモも素晴らしい。引用された所は、おふくに殿様のお手が付いたことを知らされる場面ですよね。この場面を引用されるセンスがいい。感服します。
あれから少しだけデジタル化を試みたのですが、それ以降ちょっと頓挫しています。
あまりにも字が小...
あれから少しだけデジタル化を試みたのですが、それ以降ちょっと頓挫しています。
あまりにも字が小さくて多くは判別できない(!)のがひとつ。やはり、自分用のメモと、SNSとは言え人様に見せる文章では粗が目立ちすぎる、というがひとつ。それでも、あといくつかはデジタル化できるのはあるかな‥‥。
「蝉しぐれ」名作ですよね。藤沢周平があまりタイムラインに出てこなくて残念です。そういう意味では、私の拙い感想もデジタル化するべきなのかもしれない‥‥。