植村直己・夢の軌跡 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2017年1月5日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (336ページ) / ISBN・EAN: 9784167907792

作品紹介・あらすじ

没後30年目に初めて描かれた、稀代の大冒険家の肖像。



日本人初のエベレスト登頂、犬橇による北極圏1万2千キロ走破、北極点単独行とグリーンランド縦断――

数々の偉業をうちたて、次は南極大陸を犬橇で単独横断する、という長年の目標に向かいながら、43歳で冬期マッキンリーに消えた植村直己の伝記〈決定版〉。



文庫化に際し、付録「甘美でさえある時間」「二つの大切なこと」の二篇を特別収録。



決して単純な冒険のヒーローではなく、光と影を併せもった、一人の不器用な、そして魅力的な人間だった。1968年に初めてであって以来、16年にわたり植村の活動を支え、夢を共に追い続けてきた著者による伝記。



かつて、日本にはこんなにも熱い男がいた――。

みんなの感想まとめ

冒険のロマンと人間ドラマが交錯する物語が描かれています。日本人初のエベレスト登頂や北極圏の犬橇走破といった数々の偉業を成し遂げた植村直己の生涯は、単なる冒険ヒーローの姿を超え、彼の不器用さや魅力的な人...

感想・レビュー・書評

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  • 2018/8/26購入
    2018/9/17読了

  • 何でも初が価値を持っていた当時、南極単独横断がフォークランド紛争でのアルゼンチン敗北により、実現できなくなったが故に、マッキンリー(現名 デナリ)を無理してでも登頂しようとした。
    もし、アルゼンチン軍の支援が得られて入れば、と思わざるを得ない。

  • 湯川豊(1938年~)氏は、慶大文学部卒、文藝春秋の『文學界』編集長、取締役、東海大学文学部教授、京都造形芸術大学教授等を歴任した評論家、エッセイスト。『須賀敦子を読む』で読売文学賞受賞(2010年)。
    本書は、著者が、1968年から1984年までの公私両面での交流を通して捉えた、稀代の冒険家・植村直己の肖像を描いたもので、2014年に単行本で出版、2017年に文庫化された。14章のうち、12章は「ナショナルジオグラフィック日本版公式サイト」(2011年6月~2012年7月)に大幅に加筆したもの、1章は「コヨーテ」(2005年7月号)への掲載、1章は書下ろしで、文庫には、過去の寄稿と講演からの2編が加えられている。
    世界初の五大陸最高峰登頂、世界初の北極点犬橇単独行など、数々の前人未到の冒険を成し遂げた植村直己氏が、1984年に世界初のマッキンリー冬期単独登頂に成功した後に消息を絶ってから30余年が経ち、その間に数々の評伝等が出版されているが、本書の特徴は、植村氏の実績を時系列に追うという形ではなく、「単独行」、「冒険家の食欲」、「故郷」、「公子さん(植村氏の奥さん)のこと」のように、テーマ毎に章立てがなされている点である。
    読了して強く印象に残ったのは、繰り返し強調されている植村氏の二つの“あり方”で、その一つは、「単独であること」があらゆる行動の最終的な基準としてあるということ、もう一つは、「先住民に学ぶ」、即ち、生きるということをその土地にいる人たちに学んでいくということである。
    一点目については、植村氏自身が「たとえばブリザードが来たりすると、動けなくなって、二日も三日もテントの中でじっとしているでしょう。そういうときにね、妄想というんじゃなく、過去の出来事が頭の中をサーッと流れていくんです。・・・それはすごく楽しい時間でしてね。妄想に苦しめられるどころではなく、なんか充実した楽しさですね。だから孤独とか淋しいとかいう感じは全然ないですよ」と語り、著者は、「やりたいことをやる、登りたい山に登る。そのためには単独でやるより方法はない。やむを得ない例外をのぞいて、彼は単純にそう考えていたのではなかったか」、「ひとりで何事かをなすことが、何よりも楽しいのだ。そこに何にもまさる充実感を感じてしまうのだ」と述べている。
    また、二点目については、植村氏は、アマゾンを下る際には先住民に倣って(船やボートでなく)筏を使い、極地の食事では凍った生肉を食べ、犬橇の動かし方はエスキモーに習い、エスキモーと一緒に暮らす中で極地で生き抜く技術を身に付けたのだ。世界的な(極地)探検家のほとんどが、自分たちの持っている科学の力を最大限に使って冒険を成功させようとしたのに対し、植村氏ただひとりが、全面的に先住民と同じであろうとしたのである。
    著者は、「私の立場からすると、植村は輝かしい業績を成しとげた、単純な冒険のヒーローというわけではなかった。光と影を併せもった、魅力的な人間として彼は存在した」と語っているのだが、その著者にして書き得た評伝といえるだろう。
    (2017年3月了)

  • 冒険家 植村直己さんを支え続けた記者の視点で書かれた「伝記 植村直己」。
    植村直己さん自身が書かれた著書では分からないようなエピソードが面白く、偉大な冒険家の人間味あふれる一面を垣間見ることができました。

  • 2017/1/7 Amazonより届く。
    2018/10/15〜10/19

    植村直己さんをサポートした文藝春秋の湯川さんによる回顧録。植村さんのことは実はあまり詳しく知らなかったが、実に純粋に自然が好きだった人だったんだな、という印象。子供のように純粋にやりたいことを成し遂げていった真の冒険家だ。前を通ったことがあるが、その時は寄らなかった記念館にも行ってみたい。

  • 【稀代の大冒険家の伝記〈決定版〉!】数々の偉業を打ちたてながら43歳でマッキンリーに消えた植村の軌跡を、併走し活動を支えた元編集者が描く。二篇の特別原稿を追加。

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著者プロフィール

1938年新潟県生まれ。慶應大学文学部卒業後、文藝春秋に入社。「文學界」編集長、同社取締役を経て、東海大学教授、京都造形芸術大学教授を歴任。『須賀敦子を読む』で読売文学賞を受賞。著書、編著多数。

「2019年 『大岡昇平の時代』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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